寝台特急「サンライズ出雲」の旅



1.寝台特急「サンライズ出雲」の現状


寝台特急「サンライズ出雲」は、東京と出雲市を結ぶ夜行列車である。
年々寝台夜行列車の廃止が続く中で、
寝台電車を投入したことで新しい寝台の旅を提供している。
過去にも寝台電車は国鉄時代に581系列が存在したが、
JR化後に初めて投入した寝台電車285系は
個室を中心に構成され、開放B寝台はない。
その代わり、のびのび座席という寝台料金不要のフルフラットシートが設置された。
もともと「出雲」は寝台客車を使用したブルートレインだったが、
1998年7月10日に「サンライズ出雲」が誕生し、
暫くはブルートレインの「出雲」と、
285系寝台電車使用の「サンライズ出雲」の両方が存在したが、
ブルートレインの「出雲」は2006年3月18日で廃止になり、
現在では「サンライズ出雲」だけが運行されている。
寝台客車は京都から山陰線経由で運行されていたが、
非電化区間があるこのルートは電車が走れないため、
伯備線経由に変更された。


2.寝台特急「サンライズ出雲」のダイヤ


寝台特急「サンライズ出雲」は東京−出雲市間の953.6kmを結ぶ寝台特急で、285系寝台電車を用いる。
285系は7両固定編成で、JR西日本所属車が0番台、JR東海所属車が3000番台となっている。
東京−岡山間は「サンライズ瀬戸」と連結して運転され、
東海道本線、山陽本線を14両で走り抜ける。
「サンライズ瀬戸」は岡山から瀬戸大橋線で高松まで行く。
下り列車は10:00に東京を出発し、翌朝06:27に岡山に到着する。
岡山で「サンライズ瀬戸」と切り離され、09:58に出雲市に到着する。
上り列車は18:55に出雲市を出発し、22:29に岡山に到着する。
先に待っていた「サンライズ瀬戸」と連結して翌朝07:08に終点東京に到着する。


使用車両

東京−出雲市間
285系電車(交直流電車)


取材場所:出雲市駅


3.A寝台一人用個室“シングルDX”の室内

寝台特急「サンライズ出雲」の一人用A寝台個室は、
“シングルデラックス”というグレードになっている。
他のブルートレインとは違い、
車内は木材をふんだんに使って落ち着いた雰囲気になっている。
室内は住宅メーカーによって設計された。
   
ドアのキーは暗証番号方式で、
自分で登録した暗証番号で、
ドアを開けるようになっている。


3−1.A個室のアメニティ
サンライズ出雲のアメニティ

  TOOTH BRUSH(ハブラシ)2本
    資生堂製/資生堂歯磨ホワイト5gもついている。
  Razor(資生堂レザー・スマッシュU(L)、アウスレーゼシェービングフォームN 12g)
  折りたたみ式ヘアブラシ
  シャワーキャップ
  シャンプー(資生堂スーパーマイルドW 12ml)
  コンディショナー(資生堂スーパーマイルドW 12ml)
  石けん(資生堂サボンドール30g)
  爽快ヘアトニック HAIR TONIC VACANZA 容量不明
  ソフト整髪 HAIR LIQUID VACANZA 容量不明
  スッキリ化粧水 SKIN WATER VACANZA 容量不明
  Ladies Kit(コットン、綿棒2本、ヘアバンド)
  洗顔フォーム Perfect Whip 15g
  ポケットティッシュ
  SANITARY BAG
  Shoe Polisher
  タオル(無地)


3−2.シングルデラックスの寝台設備

サンライズエクスプレスのシングルデラックスの寝台は固定式である。
そのため変形機能はない。
寝具のほか、使い捨てのスリッパが用意されている。

フットライトがついていて、夜中に起きるときなどは便利である。
使い捨てスリッパには、
「ご自由にお持ち帰り下さい」と書かれている。


3−3.シングルデラックスの車内設備

サンライズエクスプレスのA寝台一人用個室“シングルデラックス”は、
4号車の2階部分に設置されている。
4号車の1階部分は“サンライズツイン”という、
B寝台二人用個室になっている。

4号車の2階部分が“シングルデラックス”になっていて、
低い階段を上ってドアとなる。
逆に“サンライズツイン”は階段を下りて入る。


テーブルには椅子が設置されている。
窓にはブラインドが曲線に沿って稼働するように設置されている。
こういった設備も住宅メーカーならではのデザインと云えるだろう。


テーブル兼用の客車の“シングルデラックス”とは異なり、
洗面設備も固定式になっている。
手を近づけると自動的にでるタイプの蛇口である。

コップはプラスチック製で、テーブルに設置されている。


ベッドの頭の部分にスペースがあり、荷物置き場になっている。
カメラ用バッグ、旅行用バッグなどが十分に置ける。


警報装置はコンソールパネルの上にある。
室内燈、床燈のスイッチ、冷房と暖房の調節つまみ、
それにテレビやBGMの操作ができるコンソールパネル。
ベッドの脇に設置されている。
ベッドの脇にはテレビが設置されている。
小さな画面だが、可動式になっていて、
ベッドに寝ながらも、
椅子に座っても見ることが出来る。

ただ、衛星放送なので、
トンネル区間などでは、
視聴することが出来ない。


3−4.シャワールーム

一般用のシャワールームは、
車掌からシャワーカードを購入しなければならないが、
“シングルデラックス”には専用のシャワー室があり、
このシャワー室専用のシャワーカードがついてくる。
このシャワー室の利用料金も寝台料金に含まれているのだ。
この列車の最高グレートだからこその特権だ。
更衣室に設置されているコンソールパネル。
カードを挿入すると、6分間使用できるようになる。
使用後は“洗浄ボタン”を押すとシャワー室を自動洗浄する。
更衣室の中。
脱いだ服を入れるかごがある。


ドライヤーも設置されている。
送風は今ひとつ非力だが、
列車内を考えれば、
それも仕方ないだろう。
シャワー室内。

ボタンでスタートし、
途中で止めたい場合は、
ストップボタンを押す。
合計6分間お湯がでる。
シャンプーや、
ボディソープも設置されている。


4.出雲市から東京へ−寝台特急「サンライズ出雲」の旅




4−1.初めての電車寝台の旅

2009年7月26日日曜日、
青春18切符の旅で山陽山陰を旅して、
その帰りに寝台特急「サンライズ出雲」に乗った。

初めてのSUNRISE EXPRESSの旅である。
出雲市駅に入線してきた285系を取材し、
荷物を個室においてからいったん改札を出て、
売店で夕食用に「焼き鯖寿司」やビールなどを購入する。

出発時間は18:55で、時間いっぱいまで車両取材する。
しかし時間ぎりぎりで列車に戻ると、車内放送があり、
接続する予定の山陰本線上り列車が遅れているために、
10分遅れるとのこと。
そのためこの時間を利用してさらに車両取材する。
しかし実際には車内放送があって、
直ぐにとなりホームに列車が入線してきたため、
車内に戻ると3分遅れで発車するとのこと。
そのままホームにいたら置いて行かれるところだった。

出発予定時間を指す駅の時計。
この時間でもまだ列車はホームに停まっていた。


4−2.車内の案内

個室内には「Welcome to SUNRISE EXPRESS」という、
小冊子が置いてあり、
 車内禁煙について
 シャワー室について
 時計のアラームについて
 オーディオ・ビジュアルサービスの案内
などの説明書きが書かれていて、
裏面には個室やノビノビ座席の紹介などが載っている。


4−3.サンライズ出雲の車窓

岡山に向かって山陰本線から伯備線に入り、
夜の深まりの中を、
参院から山陽に向かって鉄路を行く。



4−4.岡山での連結

岡山で先に待っていた「サンライズ瀬戸」と連結作業をして22:33に岡山を出発する。
「サンライズ瀬戸」は21:26に高松を出発し22:22に岡山に到着して「サンライズ出雲」を待っていた。
岡山から2つの列車を連結させ、14両編成で山陽本線、東海道本線を東京に向かって走る。



4−4.14両での東京到着

岡山から山陽本線、東海道本線を、
夜を徹した旅してきたサンライズエクスプレス。
「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」を連結し、
14両の長編成で夜闇を走り抜け、
07:08に東京駅9番線に到着した。
「サンライズ出雲」として使用された285系。 「サンライズ瀬戸」とし使用された285系3000番台。


ここまで乗ったきた4号車。
既に案内板は「回送」の文字になっている。
このあと、品川駅近くの留置線に回送され、
今夜の出発までしばしの休息を取る。



取材期間:2009年7月26日日曜日〜7月27日月曜日
取材区間:出雲市駅(JR西日本)〜東京駅(JR東日本)




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