寝台特急「トワイライトエクスプレス」の旅
1.寝台特急「トワイライトエクスプレス」の現状 寝台特急「トワイライトエクスプレス」は、大阪と札幌を結ぶ夜行列車である。 利用客の減少などで年々寝台夜行列車の廃止が続く中で、 「トワイライトエクスプレス」は近畿圏と北海道を結ぶ寝台列車として、 上野−札幌間を結ぶ「北斗星」、「カシオペア」とともに人気を博している。 特にSA2の“スイート”は最も取れない切符としても有名で、 オークションサイトなどでも高値で取引されているのが現状である。 大阪から湖西線経由で敦賀に抜け、 北陸本線、信越本線、羽越本線、奥羽本線といういわゆる日本海縦貫線を通り、 青函トンネルを抜けて北海道に至り、 函館本線、室蘭本線を経由して札幌まで行く。 片道約1,500km、乗車時間も上りは22時間47分となり、 臨時列車扱いながら日本一の乗車距離と乗車時間を誇る。 原則的に下りの大阪発札幌行きは月、水、金、土曜日の週4回、 上りの札幌発大阪行きは火、木、土、日曜日の週4回の変則的な設定である。 但し、繁忙期などは毎日運行となり、また団体列車として運転されることもある。 |
2.寝台特急「トワイライトエクスプレス」のダイヤ 寝台特急「トワイライトエクスプレス」は大阪−札幌間を、日本海縦貫線を経由して結ぶ寝台特急で、24系25形客車が用いられる。 24系は集中電源方式のため、荷物車を連結してそこから車内利用の電気を供給する。 下りは1,495.7kmを21時間49分をかけ、上りは片道1,508.5kmを22時間47分かけて行く。 牽引機は大阪から青森信号所間は専用塗色を纏ったEF81形電気機関車である。 青森信号所から五稜郭までのから五稜郭までは青函トンネルを潜るために塩害対策が施された専用機、 ED79形交流電気機関車を使用する。 五稜郭から札幌までは非電化区間があるためにDD51形ディーゼル機関車を重連で用いる。 下り列車は12:03に大阪を出発し、翌朝09:52に札幌に到着する。 上り列車は14:05に札幌を出発し、翌日昼過ぎの12:52に大阪に到着する。 青森信号所は勿論、五稜郭も牽引機付け替えのための運転停車であり、旅客扱いは行わない。 |
牽引機関車
大阪−青森信号所間 EF81形電気機関車(交直流専用機) 取材場所:大阪駅 |
五稜郭−札幌間 DD51形ディーゼル機関車(重連) 取材場所:札幌駅 |
客車
大阪−札幌間 24系25形客車 取材場所:敦賀駅 |
大阪−札幌間 24系25形客車 取材場所:大阪駅 |
3.A寝台一人用個室“ロイヤル”の室内
さすがは“SA1”クラスだけはあって、 ちゃんと玄関がある。 また使い捨てのスリッパも用意されている。 寝台特急「トワイライトエクスプレス」の個室は、 カードキー式である。 カードは使用後は記念に持ち帰っていい。 |
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3−1.A個室のアメニティ | |||||||||||||
寝台特急「トワイライトエクスプレス」のA寝台個室SA1“ロイヤル”のアメニティは、 洗面セットがベッドマークの入ったポーチ入りで付いている。 |
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3−2.ロイヤルの寝台設備 室内にはソファ兼用のセミダブルベッドがある。 電動でソファとベッドの変形が可能で、12時間近い旅も快適である。 |
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ベッドが折りたたまれてソファの背もたれとなるため、 シーツがずり落ちないようにマジックテープで留める方式になっている。 |
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3−3.ロイヤルの車内設備 A寝台一人用個室“ロイヤル”にはシャワー設備が付いている。 ここには水回りが集約されていて、 洗面設備、トイレが設置されている。 |
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シャワー室の正面には シャワー設備がある。 利用時間は20分で、 つまみで調整してお湯も出る。 シャワーのスタートとストップは、 スイッチで操作する。 シャワー室の右側には、 洗面設備とトイレがある。 シャワー室と兼用のために、 収納式になっている。 使用時は留め金を外し、 倒す形で出す。 上が洗面台で、 下が洋式トイレである。 |
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トイレットペーパーは収納式。 シャワー設備としても使用するため、 濡れないようになっている。 「使用後は必ずお閉め下さい」と書かれている。 |
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ドライヤーは壁に収納してある。 電話は食堂室に通じていて、 メニューから出前を取ることもできる。 |
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廊下側扉上のスペースは荷物置き場になっている。 予備の寝具が収納されているため、 荷物置き場は狭い。 |
天井の様子。 エアコンのダクトがあり、 BOSEのスピーカーも設置されている。 |
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検札の時にウエルカムドリンクと、 翌朝のモーニングサービスを訊かれる。 この時はホットコーヒーをオーダーした。 |
またテレビは3つのプログラムが用意されていて、 この時はずっと「犬と私の10の約束」を観ていた。 |
テーブルの下には、 ゴミ箱が設置されている。 |
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固定されているテーブルのほかに、 窓際に収納式のテーブルがある。 ちょっとした食事や書き物にも十分である。 テーブルにはアメニティのポーチ、 ティッシュ、メニューが置かれている。 |
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ベッドの枕元にあるライトのスイッチと、 アラーム機能付きのデジタル時計。 |
テレビの下にあるオーディオコントローラー。 テレビ、FMの選曲とボリューム、 右側には空調のスイッチが配置されている。 |
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寝台特急「トワイライトエクスプレス」の個室はカード式で、カードを引いて施錠と解除を行う。 |
3−4.「トワイライトエクスプレスご案内」 部屋に設置されたメニュー。 全ページを収載。 |
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3−5.食堂車「ダイナープレヤデス」 |
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食堂車は「ダイナープレヤデス」という名称がつけられている。 ここはディナータイムはフランス料理しか利用することが出来ない。 和食の「日本海会席御膳」6,000円もメニューにあるが、 これは部屋に配達されるものであり、食堂車では食べることは出来ない。 食堂車ではディナー・コース12,000円が唯一のメニューとなっている。 利用にあたっては3日前までに予約しなければならないが、 座席まで完全予約制であり、 座席が埋まった段階でもう利用することは出来ない。 そのため日本の食堂車のメニューの中で一番料金が高いにも拘わらず、 トワイライトエクスプレスの“スイート”、“ロイヤル”のチケット同様、 予約がなかなか取れないチケットのひとつである。 |
ディナー券と食事予約券。 ディナー券は、 時間が指定されていて、 さらに利用者の名前が入る。 食事予約券は、 いわゆる座席指定券である。 この段階で、 テーブルの場所が指定される。 |
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3−6.サロンカー「サロン・デュ・ノール」 4号車はサロンカーとなっており、自由に利用できるようになっている。 特に日本海側に全ての座席が設置されていて、 手前がカップルシートになっているようである。 |
4.札幌から大阪へ−寝台特急「トワイライトエクスプレス」の旅
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4−2.ウエルカムドリンク A寝台個室「ロイヤル」は2号車にあり、5番が予約した個室である。 隣の3号車は食堂車「ダイナープレヤデス」、 その隣の4号車はサロンカー「サロン・デュ・ノール」である。 A寝台は1号車、2号車に集中していて、 食堂車、サロンカーでB寝台利用客と分けられている。 出発前に食堂車の係員が尋ねてきて、 トワイライトディナー券とトワイライト食事予約券を渡す。 さらにウエルカムドリンクの確認と翌朝の朝食の予約をする。 暫くして、別の係員がウエルカムドリンクを運んでくる。 ウエルカムドリンクはSAクラスの特権で、 ワインやウイスキー、コーヒー、ジュースなどがあり、 今回は赤ワインを頼んだ。 「トワイライトエクスプレス」20周年であり、 ワインボトルも20周年近年ボトルになっていた。 赤ワインのハーフボトルのほかに、缶のお茶、おつまみがついてきた。 早速赤ワインを開けて車窓を眺めながらワインを愉しむ。 |
4−3.牽引機の交換 札幌から五稜郭までは非電化区間があるため、 DD51形ディーゼル機関車が重連で牽引する。 五稜郭から青森信号所までは青函トンネルがあるため、 塩害対策が施された専用機ED79形交流電気機関車を使用する。 青森信号所から大阪まではEF81形交直流電気機関車が牽引する。 |
4−4.モーニングコール ディナー後にシャワーを浴びて少しは酔い冷ましになったが、 それでもさすがにワインを飲み過ぎたらしく、 9:30p.m.には寝てしまう。 ちょうど青森信号所で牽引機を付け替えて出発したあたりである。 夜中、3:30a.m.頃にいったん目が覚めるがまた寝て、 5:00a.m.のモーニングコールで起床する。 シャワーを浴びて部屋でボッーとしていると、 6:17a.m.にモーニングコーヒーが運ばれてくる。 これもSAクラスの特権である。 さらに新聞も部屋の前に置かれている。 |
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4−5.敦賀での牽引機の交換 青森信号所から大阪までは、 EF81形交直流電気機関車が牽引するが、 敦賀で牽引機を交換する。 大阪までの牽引機は明日青森信号所まで牽引するため、 ここで明日使用予定の牽引機に交換するのである。 EF81形113号機からEF81形43号機に付け替えられた。 |
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取材期間:2009年9月17日木曜日〜9月18金月曜日 取材区間:札幌駅(JR北海道)〜大阪駅(JR西日本) |
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