青春の旅立ち-御殿場の風、身延の風




 1.青春の旅の始まり-挫折と雪辱の青春

去年、自宅療養中に“青春18きっぷ”で山陽山陰を旅した。
しかし雨に祟られて小野田線長山支線は運休になるし、
快速「SLやまぐち号」は仁保で立ち往生してそのあとバス代行となるし、
その影響で木次線にも行けなかった。
そこで今年23日金曜日に夏期休暇を取り、
山陽山陰の旅のリベンジに行こうと思った。
予定では22日木曜日の仕事終わりに寝台特急「サンライズ出雲」で出雲市へ。
宍道から木次線、芸備線で広島まで横断して厚狭で一泊する。
翌日は小野田線本山支線を取材して山口線経由で鳥取に出て一泊。
山陰本線、福知山本線で新大阪まで行き、東海道新幹線で帰るという計画を立てた。
この計画でホテルまで押さえたが、しかし予想もしない理由で計画を中止せざるを得なくなった。
この時期に会社の同僚が結婚し、進行旅行に出かけるため、
仕事を代行しなければならなくなったのである。
そのためこの時期の夏期休暇の取得が出来なくなった。
これでこの計画は一端白紙に戻したが、
よく考えてみれば7月に固執する必要はない。
会社の夏期休暇は7月8月の2ヶ月間に2日間取得するということになっている。
8月だと子供たちが夏休みに入るので列車が混んでいるだろうと思い、
夏の計画は何時も7月に組んでいるのだが、
7月が無理ならば8月に計画すればいい。
そこで8月の19日木曜日、20日金曜日に夏期休暇を取得し、
山陽山陰の旅を企画することにした。
この企画では8月19日木曜日、20日金曜日、21土曜日の3日間で、
“青春18きっぷ”を使うことにしている。
つまり“青春18きっぷ”は5回(人)分あるため、
あと2日分が余ることになる。
今回はこの2回分を日帰り旅行2回に使用するこことにした。
今回はこの2回分を使って予てから考えていた企画を実行することにした。
そのひとつが御殿場線、身延線完乗の旅である。

御殿場線はもともと官設鉄道が今の東海道本線を敷設する際、
箱根外輪山を回避して酒匂川沿いにの外側を通るルートで敷設された。
明治初期の鉄道技術では長大なトンネルを掘削することは不可能だったのである。
しかしこのルートは1000分の25という急勾配があり、
補助機関車を必要とするなど運行上の支障となった。
その後丹那トンネルの開通に伴い、短縮ルートが東海道本線となり、
旧線は分離された御殿場線とされた。
現在では松田駅に小田急との連絡線も敷設され、
特急「あさぎり」が小田急新宿-沼津間で運行されて、
JR東海と小田急が独自の車両を使用して相互直通している。

身延線は駿河湾沿岸部から甲府盆地にかけて富士川の流域の左岸を走る鉄道路線で、
江戸時代に盛んだった富士川を利用した水運にかわり、
富士身延鉄道が敷設した路線で、後に国有化されて身延線となった。

今回はこの二つの路線の完乗をして、東海道本線から中央本線にわたり、
小海線野辺山駅で駅取材を行う。
野辺山はJRとして日本で一番高い場所にある駅として有名である。
帰りは小淵沢から特急を利用して帰ることとし、以下のような計画を立てた。

7月24日(土)

04:35幕張-総武緩行線・下り410C(5)-04:40稲毛[9]
04:49稲毛-総武快速線・上り454F・455S(84/1:24)-06:13大船[17]
06:30大船-東海道線・下り323M(35)-07:05-09国府津[49]
07:58国府津※-御殿場線・下り2535M(102/1:42)-09:40沼津[4]
 ※駿河小山08:33-38(5)
 ※御殿場08:50-09:07(17)
09:38-44沼津-東海道線・下り1429M(19)-10:03富士[16]
10:19富士※-身延線・下り3629M(187/3:07)-13:26甲府[29]
 ※十島11:05-09(4)
 ※甲斐大島11:31-39(8)
 ※身延11:44-12:09(25)
13:55-14:00甲府-中央本線・下り541M(38)-14:38小淵沢[27]
15:05小淵沢※-小海線・下り231D(24)-15:40野辺山[74/1:14]
 ※清里15:29-33(4)
16:54-59野辺山-小海線・下り234D(30)-17:29小淵沢[36]
18:05小淵沢-特急「スーパーあずさ30号」(165/2:45)-20:50千葉[5]
21:02千葉-総武緩行線・下り2179B(10)-21:12幕張

今回は日帰りなので宿の予約などはなく、
小淵沢から千葉までの「スーパーあずさ30号」を指定席券売機で購入し、
同時に指定席券売機で青春18きっぷも購入する。
そして7月24日土曜日を迎える。
前日は起きられないといけないので飲酒は控えて望んだ。


 2.御殿場線と身延線の完乗-313系の旅

前日は飲酒を控えたこともあって、4:00a.m.前に起床し、
なんとか04:35の下り電車に乗ることが出来た。
JR幕張駅は宿直の駅員がたぶん一人しかいないようで、
自動改札ということもあって改札口は無人だった。
そこで幕張駅の改札は強行突破し、稲毛駅で検印して貰う。



「ありがとうございますJR東日本7.24稲毛駅」と1回(人)に検印して貰い、
快速ホームに移って04:49の上りで大船まで行く。
大船から東海道線に乗り換えの17分間で朝食を喰おうと思っていたが、
どの店も7:00a.m.から開店となっていて、開いてる店かなかった。
仕方なく、国府津まで移動し、ここで駅取材する。
国府津には駅蕎麦店がなく、仕方なくNEWDAYSでサンドイッチなど買い車中で喰う。
国府津よりいよいよ御殿場線に入る。
御殿場線には313系が充当されていた。



御殿場線は1時間42分で終点の沼津まで行くが、
途中、駿河小山で5分、御殿場で17分の停車時間があり、ここで駅取材する。
御殿場線を完乗し、沼津から再び東海道線に入り、富士まで行く。
駅名は富士だが、特に富士山がよく見えるわけではなかった。
富士から身延線に入り、終点の甲府まで行く。
身延線も313系が充当されていた。



途中、十島で4分、甲斐大島で8分の停車時間があったが駅取材は出来なかった。
身延で25分の停車時間に駅取材し、駅の待合室にあった「玉屋」で昼食として、
天ぷらうどん360円を喰う。
焼津港産本格的のかつをだしを使用していた。
身延線は3時間7分の旅で13:26に甲府に到着する。
これで身延線の完乗も完了した。
ここでの乗り換え時間は29分で、その間に「みたけ」で、
かき揚げうどん340円を喰う。
ここから中央本線下りで小淵沢を目指す。


 3.1345.67-JR最高駅とC56の静態保存

甲府から38分で小淵沢に到着する。
ここから小海線に乗り換えて野辺山まで行く。
小海線は今年3月の土日きっぷの旅で完乗しているが、
雨もあって結局全く途中下車していない。
そこで今回、JRで一番高度の高い場所にある駅である野辺山を目指す。
野辺山での折り返し時間は1時間14分あり、
前回は取材できなかったので今回野辺山駅の取材を組んだのである。
隣の清里も有名駅であるが、列車の運転本数が少ないため、
今回は断念し、再来週の青春18きっぷの旅で訪れることにする。
野辺山までは24分の旅である。
前回はキハE200系のハイブリッド気動車に乗ることが出来たが、
今回は普通のキハ110系だった。
野辺山にはJR最高の駅である標識が設置され、
「JR線最高駅野辺山 標高一,三四五米六七」と書かれている。



駅取材して駅前を散策していると駅前に「八ヶ岳中信高原国定公園 野辺山」があり、
そこにSLが静態保存されているのが見える。
近づいてみると蒸気機関車C56型96号機だった。
この取材は全く予定していなかっただけに嬉しい誤算である。
時間はたっぷりあるため、ゆっくりと取材する。



近くには“由来”と“略歴”が書かれていた。

   由来

 この蒸気機関車は昭和十二年三月より北海道の原野を走り
 昭和二十五年八月から中込機関区に転属し
 戦後の混乱期に貨客混合列車として登場、
 小海線の輸送に活躍した
 国鉄の合理化により昭和四十八年六月廃車となる。
 同年十一月十七日に長野鉄道管理局より貸与を受け
 野辺山高原へ永住することになった。
 昭和五十年八月四日より「高原列車SLホテル」として
 全国のSLファンに親しまれてきたが
 客車などの老朽化に伴い昭和六十二年三月に業務を廃止し
 平成元年九月歴史民俗自然公園に移転し、
 永久保存されることになりました。

 C5696蒸気機関車

 愛称「高原のポニー」経歴

 昭和十二年三月  稲沢機関区へ配属
 仝 十二年九月  釧路機関区へ転属
 仝 十二年十二月 岩見沢機関区へ転属
 仝 十七年八月  帯広機関区へ転属
 仝 十七年十一月 百穂機関区へ転属
 仝 二十四年六月 白山機関区へ転属
 仝 二十五年八月 中込機関区へ転属
 仝 三十三年四月 松本機関区へ転属
 仝 四十二年四月 上諏訪機関区へ転属
 仝 四十六年六月 長野機関区へ転属
 仝 四十八年六月 廃車
 仝 五十年八月  SLホテル開業
 仝 六十二年三月  〃   廃業
 平成元年九月   現在地へ移転保存

駅に戻り、ソフトクリームを喰いながら列車に待って小淵沢に戻る。
この列車もキハ110系が充当されていてハイブリッド気動車ではなかった。
36分の待ち時間で特急「スーパーあずさ30号」に乗り、千葉に帰る。



待っている間に駅の売店で駅弁「元気甲斐」1,300円を購入し、車内で喰う。
思ったほど車内は混んでいなかった。
特急「あずさ」は新宿と松本の中央本線特急であるが、
一部は松本から大糸線に入って南小谷まで行く。
一方朝の松本行きと夕方の松本発に千葉まで延伸運転する設定がある。
夕方の千葉行きが「あずさ30号」で、
中央本線を新宿から快速線を通って水道橋まで行き、
ここで渡り線を利用して緩行線に入り、
御茶ノ水、秋葉原、浅草橋、両国と緩行線の線路を走り、
両国と錦糸町の間にある渡り線で今度は総武快速欄に入って千葉まで行く。
20:50に千葉に到着し、ここから緩行線で帰る。
幕張に着くと丁度回送され、幕張車両センターに移動するE257系を見掛けた。





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