小樽・函館の旅




 1.小樽総合博物館見学計画と5つの帰宅案

9月に休日出勤することがあり、その代休を10月、11月中に取ることになり、
いろいろと検討した結果、11月18日金曜日に取得することにした。
今回は路面電車の取材ではなく、小樽市総合博物館見学を企画した。
小樽市総合博物館は北海道の歴史や自然、交通、科学などを展示している、
小樽市が事業主体となっている博物館で、
旧・小樽交通記念館を本館、旧・小樽市博物館を運河館とした2ヶ所からなる。
今回は小樽交通記念館の所有していた静態保存の車体を取材することを目的に、
この小樽市総合博物館本館取材を企画した。
11月18日金曜日に空路で新千歳空港に行き、
そこから快速エアポートで小樽まで行く。
小樽市総合博物館本館はここからバスで約10分の距離になる。
帰りは小樽から快速エアポートで札幌まで戻り、
ここから寝台特急「北斗星」で帰ることにした。
しかし「北斗星」の寝台券はなかなか取れないことで有名であり、
もし取れなかった時の代替案も考えておかなければならない。
そこで「北斗星」が取れなかった時は、特急「北斗」で函館まで出てここで1泊、
翌日の19日土曜日に特急「スーパー白鳥」で新青森まで行き、
ここから東北新幹線「はやぶさ」で帰ることにする。
万が一それも取れなかったら19日に青森から寝台特急「あけぼの」で帰ることにした。
この5つの帰宅案を含めて以下のような計画を立てた。

11月18日(金)

04:40幕張-総武緩行線・上り443B(6)-04:46津田沼[19]
05:05津田沼駅南口-空港リムジンバス(45)-05:50羽田空港第2ターミナル[70/1:10]
07:00羽田空港-ANA051便(90/1:30)-08:30新千歳空港
09:04新千歳空港-エアポート91号(104/1:24)-10:29小樽
小樽駅前バスターミナル3番のりば-高島3丁目経由小樽水族館行きバス(10系統)(10)-総合博物館

 ※小樽市総合博物館取材

第1案、第2案

16:04小樽※-エアポート164号(32)-16:36札幌[36]
17:12札幌※-寝台特急「北斗星」(998/16:26)-09:38上野

 ※第1案/A寝台個室ロイヤル
 ※第2案/B寝台個室ソロ

第3案~第5案

16:04小樽※-エアポート164号(32)-16:36札幌[16]
16:52札幌※-特急「スーパー北斗18号」(260/4:20)-20:12函館

 ※ホテルグランディア函館駅前チェックイン

11月19日(土)

第3案、第4案

 ※ホテルグランディア函館駅前チェックアウト

13:56函館※-特急「スーパー白鳥34号」(124/2:04)-16:00新青森[98/1:38]
18:14新青森-東北新幹線「はやぶさ6号」(190/3:10)-21:24東京

 ※第3案/グランクラス
 ※第4案/グリーン車

第5案

13:56函館※-特急「スーパー白鳥34号」(124/2:04)-16:00新青森[98/1:38]
17:23-27新青森-奥羽本線・上り665M(5)-17:33青森[52]
18:25青森※-寝台特急「あけぼの」(752/12:32)-06:58上野

第1案、第2案は寝台特急「北斗星」で18日に帰京するという計画で、
A寝台「ロイヤル」を第1案、B寝台「ソロ」を第2案として、
開放B寝台しか取れない時には「北斗星」を諦めることとした。
その時は札幌から「スーパー北斗」で函館まで行き、ここで以前使ったことがあるホテルに宿泊する。
翌日、「スーパー白鳥」で新青森まで行き、東北新幹線「はやぶさ」で帰る。
今回は新規投入されたE5系使用の「はやぶさ」にこだわり、これに乗ることにした。
E5系で初めて登場した“グランクラス”に乗ることを第3案としたが、
これが取れなかった時は普通のグリーン車でもいいと思い、これを第4案とする。
万が一それも駄目だったら青森から「あけぼの」で帰ることにする。
この企画に合わせて10月18日、会社の帰りにJR稲毛駅のみどりの窓口に行って、
第1案、第2案のチケットを購入することにした。


 2.最終決定案と4日前のJR稲毛駅からの電話

10月18日の仕事終わりに第1案、第2案の切符を購入するため、
JR稲毛駅のみどりの窓口に行く。
最初は第1案の寝台特急「北斗星」のA寝台個室ロイヤルを取れなかったら、
第2案のB寝台ソロを購入しようと思っていたが、
いろいろと考えて最終的に第2案はパスすることにした。
今回は第3案の東北新幹線にも少し気持ちがいっていたのだ。
実際に窓口で調べて貰ったが、ロイヤルは案の定満席だった。
そこでキャンセル待ちの申し込みだけしてそのまま帰って来た。
翌日、仕事帰りに再びJR稲毛のみどりの窓口へ行き、
今度は第3案、第4案の切符を購入するべく、
まず11月19日の「はやぶさ6号」の空席状況を見て貰う。
第3案のグランクラスに空席があるということで、これを取って貰う。
グランクラスは東北新幹線全通に合わせて登場したE5系に誕生した、
グリーン車の上をいくクラスの座席で、
昔の一等車に匹敵するグレードの座席である。
それは航空機のファーストクラスを意識してつくられたという。
今回はこれを狙っていたのだが、
やはり人気のある上に座席数も少ないので無理だろうと思っていたが、
意外にも取ることが出来た。
しかもグランクラスは新幹線で初めて2+1の座席配列になっていて、
1列の方を取ることも出来たのだ。
これに合わせて18日の「スーパー北斗18号」のグリーン車と、
19日の「スーパー白鳥34号」の普通席も取得する。
最初はそれぞれの特急券と乗車券を1枚ずつ取るつもりでいたが、
窓口の職員の薦めで札幌市内から幕張のでの通しの乗車券を購入することとし、
指定特急券は別に購入することとなった。
但し、函館で下車する時には五稜郭-函館間の料金を別途払って下さいと云われる。
ここの間はスイッチバックとなるために二重に乗車することとなるためだ。
それでも通しで購入した方が安い。
距離が長いので途中下車が可能となる。
最終決定案は第3案とすることに決定し、
これに合わせてANAのホームページから11月18日羽田-新千歳間の、
ANA051便の航空券を“旅割”で購入し、同時に座席指定を受ける。
クレジット決済にしたために航空券を派手に購入したこととなっているため、
あとは当日エディ機能付きのANA MILEAGE CLUBのカードを持参するだけでいい。
スキップが使えて直接保安検査場に行くことが出来る。
京成高速バス予約センターに電話して、
JR津田沼駅からの空港リムジンバスも予約を入れ、
ホームページからホテルグランディア函館駅前の禁煙シングルも予約する。
これで準備は万端であとは当日を待つだけとなった。
「北斗星」のロイヤルはなかなか取れる切符ではないし、たぶん無理だろうと思っていた。
しかし出発の4日前の11月14日になってJR稲毛駅から携帯に、
「キャンセル待ちのロイヤルがお取れ出来ましたのでご連絡下さい」と留守電が入っていた。
ここですごく迷った。
勿論「北斗星」のロイヤルはなかなか取れるチケットではないし、
これを逃したら、もしかしたら一生乗ることは出来ないかも知れない。
それぐらい貴重はチケットなので、ここは喜んで取りに行くべきである。
しかし一方で東北新幹線「はやぶさ」のグランクラスも取れている。
これも「北斗星」ほどではないにしろ、この機会に是非乗っておきたい。
気持ち的には既に“グランクラス”に傾いている。
いろいろとと葛藤した結果、今回は「北斗星」ロイヤルは諦めることにした。
折り返しJR稲毛駅に電話したがなかなか繋がらなかったため、
直接仕事の帰りにJR稲毛駅のみどりの窓口に行き、
キャンセル待ちをキャンセルすることにした。
こうして1泊2日の強行軍で帰りは陸路の北海道の旅に出掛けることとなった。


 3.朝焼けのフライト-旅の始まり

当日は07:00の飛行機に乗るため、初電に乗って津田沼に行き、
05:05JR津田沼駅発の空港リムジンバスに乗り、羽田空港第2ターミナルに向かう。
JR津田沼駅発の空港リムジンバスは京成バスと東京空港交通との共同運行で、
京成津田沼駅を経由して羽田空港第2ターミナル、羽田空港第1ターミナル、
羽田空港国際線ターミナルと停車していく。
空港発は券売機で便指定のチケットを購入し、順番に並んで乗車するのだが、
空港行きは事前に予約することができ、
予約客が乗車してから空席がある場合、予約なしの客が乗車することができる。
しかしこのリムジンバスを何度も利用しているが、満席で断られているところは見たことがない。
それでも万が一のことがあるので利用する時には必ず予約を取ることにしている。
空港に到着してすぐに保安検査場に向かう。
Skip対応なので発券作業をすることなく直接いくことができる。
無事に保安検査場を潜り、出発までの待ち時間に、
売店で空弁とお茶を購入してベンチで朝食として喰う。
新千歳空港行きのANA051便は07:00に羽田空港を出発する。
飛行機に乗り込むとのどの外は雲は多少多いものの、悪い天気ではなかった。



今回の座席は2階席であり、窓の下には丸い機体の上部を利用したためにスペースがあり、
そこは物入れとしても利用できるようになっていた。
何度も飛行機を利用していて、たぶん2階席も何度か利用したことはあった筈だが、
窓下に物入れがあることとは初めて知った。
離陸すると雲を超えて上空に出た。
やはり雲が多いために地上は見えず、雲の絨毯が広がっていたが、
しばらく行くと雲も途切れはじめ、窓の外には朝焼けも見えた。



到着は少し遅れたが、それでも予定していた09:04新千歳空港始発のエアポート91号に間に合った。
エアポート91号は721系が充当されていて、先頭車の一番前の座席をキープした。
JR北海道の721系はデッキ付き3扉の交流近郊形電車で、転換クロスシートになっているのだが、
最前席は車椅子のために一人掛けになっているのだ。
新千歳空港から小樽までは1時間24分、10:29に小樽駅に到着した。


 4.目が点-ブルーシートと“しずか号”

新千歳空港から小樽まではKitakaの利用可能区間である。
KitakaはJR北海道の電子マネー機能付きのIC乗車券で、
JR東日本のSuicaにあたる。
そしてKitakasとSuicaは相互利用が可能となっており、
今回は持参したSuicaを利用した。
改札を出てまず旅行用バッグをコインロッカーに入れる。
ここでもKitakaを使って利用できるキーレス、コインレスのコインロッカーがあり、
ここでも相互利用できるSuicaを使って利用する。
荷物を入れてタッチパネルにロッカー番号を入力し、
Suicaをタッチすると料金が電子マネーから引かれ、
暗証番号がプリントされたレシートが出てくる。
取り出す時はその番号を入力すればキーが解除される。
小樽駅から小樽市総合博物館まで行くのだが、
予定では10:50発の「高島3丁目経由小樽水族館行き」に乗ることになっていたのだが、
同じ3番乗り場から出る1本前のバスに乗り込んでしまった。
間違いに気付いたのはバスが出た後だった。
乗り込んだバスと予定していたバスは小樽総合博物館の一つ前の手宮バス停までは同じ経路のようなので、
手宮で降りて小樽総合博物館までは徒歩移動しようと思った。
しかし意外なことに手宮は旧手宮線手宮駅の近くで、
その駅舎は小樽総合博物館の正面口の反対側の入り口になっている。



間違ったバスに乗ってしまったが、結果的には良かったことになる。
旧駅舎の事務室が入場券の販売所になっていて、ここで入場料300円を払い、入場券を受け取る。
入場券は硬券切符を模したものとなっている。



しかし入場してすぐに目が点となってしまった。
大半の屋外展示物がブルーシートに覆われていたのである。



最初は何が起こっているのかわからなかったが、よく考えてみれば当然かもしれなかった。
北海道は雪の多い場所であり、小樽も例外ではない。
雪害から大事な展示物を守るために、展示物を保護していたのである。
しかしそれではせっかく来た意味がない。
これには途方に暮れてしまった。
またブルーシートがかけられていない貨車や電気機関車、蒸気機関車、客車の一部などを取材し、
屋内展示場に向かう。
せっかく来たのだが、やはり夏にもう一度リベンジ取材をしなければならないようである。
屋内展示では7100型蒸気機関車「しずか号」とい1一等客車が展示されていた。
7100型は北海道開拓のためにアメリカのポーター車から輸入された蒸気機関車で、
アメリカンスタイルをそのまま残したデザインで保存されており、
大宮の鉄道博物館の「弁慶号」、大阪の交通博物館の「義経号」も同形式の機関車である。
それ以外の屋内展示物をじっくりと見たが、それでも0:00p.m.前には見学を終えてしまった。


 5.予定変更の札幌とスープカレー

正面口から小樽市総合博物館を出たが、バスの時間が合わず、
そこで再び手宮まで徒歩で移動してここから小樽駅行きのバスに乗車する。
小樽駅まで戻ってコインロッカーから旅行用バッグを取り出し、
再びSuicaで入場し、ここで気動車を中心に車両取材してから、
13:04小樽始発の快速エアポート134号に乗車する。
小樽と云えば裕次郎記念館の所在地でも有名であるが、
小樽駅には石原裕次郎がこの駅に降り立った時の写真がパネルになっており、
記念写真用に駅ホームに設置されている。



快速エアポート134号は721系が充当されており、
13:04に小樽を出たあと、南小樽、小樽築港と続けて停まり、
あとは手稲、琴似と停車して13:36に札幌に到着する。
札幌駅で下車して昼食を喰うことにしたのだが、
せっかく札幌まで来たのでスープカレーが喰いたいと思った。
最初は「すみれ」に行こうかと思ったが、
列車の中で「気分はスープカレー・・・」と思うようになり、
駅に着いてからケータイで検索したところ、
人気ナンバーワンという「カレー食堂 心」を探し当てる。
場所は札幌市北区北15条西4丁目で、
JR札幌駅は札幌市北区北6条西3丁目なので、
北に9ブロックを徒歩移動しなければならない。
当日急に決めたのだが、札幌は京都を模して碁盤の目のようになっているので、
“条”と“丁目”がわかれば辿り着くことができる。
約20分歩き、2:00p.m.ちょうどに店に到着する。
オーダーは定番の骨付きチキンのスープカレー850円で、スープカレーにライスがつく。
辛さは1番から100番まであり、3番を選択、
ライスは並盛りで、この辛さとこのライスの量なら追加料金はない。
このあと南北線北12条駅から地下鉄に乗ってさっぽろ駅まで戻る。
16:52札幌発の特急「スーパー北斗18号」で函館に向かう予定になっているが、
それまでかなり時間があるために入場券を購入して札幌駅に入場し、
気動車を中心に車両取材する。


 6.特急「北斗」とハンバーガーな夜

入場券で札幌駅に入場したのは3:00p.m.前で、
函館行きの特急に乗り込むまでには約2時間の余裕がある。
この時間を利用して入線する車両取材をすることにした。
気動車を中心に、特に札沼線は北海道医療大学までの電化が予定されていて、
すでに工事が進んでいる。
完成予定は2012年春と云われていて、それに併せて電車車両も新造投入される見込みで、
電車の新造状況にもよるが同線で使用されている気動車も老朽化が目立っているため、
他線転籍はなく廃車される可能性が高い。
つまり今回が札沼線気動車を取材する最後のチャンスかもしれない。
そこで入線する全列車の取材を2時間かけて行う。
北海道医療大学から新十津川までは引き続き非電化区間だが、
その先は1日8本、終点の新十津川までは1日3本しか列車がなく、
大半の気動車は廃車になってしまうだろう。
特急気動車を含めて2時間たっぷり車両取材し、
16:52札幌駅発の気動車特急「スーパー北斗18号」に乗車する。
「スーパー北斗18号」はキハ281系が充当されていた。



いったん改札を出て事前に購入していた札幌から幕張までの乗車券で再入場する。



車両取材に熱中していたため、夕食の駅弁を買う時間が少なくなってしまい、
慌ててコンコースに降りて駅弁販売ブースで「北海道知床とりめし」880円を購入する。
今回は4時間20分という長時間の移動のためグリーン車をキープした。



乗車してすぐはまだスープカレーが腹の中に残っているのか、
まだお腹が空いていなかったので、しばらくは手をつけなかった。
JR北海道のグリーン車は社内でドリンクサービスがあり、
ここではホットコーヒーをオーダーした。
しばらくうとうとしてから起き出して駅弁を喰う。
それでも4時間20分の移動というのはしんどかった。
グリーン車でなければもっと辛かっただろう。
20:12になって漸く函館駅に到着した。
函館駅では五稜郭-函館間の重複部分の料金200円を払って途中下車する。
駅を出てから予定していた「ラッキーピエロ函館駅前店」に行き、
チキンバーカー350円、フレンチフライポテトS180円を購入する。



コンビニによってビールを購入し、チェックインしてから室内で飲む。
13階に天然温泉があるのだが、それがポンプの不調により普通の大浴場になってしまい、
そのことを理由に500円のキャッシュバックがある。
さらにネット予約特典として天然水のペットボトルが1本貰えた。
ハンバーガーをつまみにビールを飲むというのもちょっと変な話だが、
それでも函館で有名なハンバーガーを喰うのは旅の醍醐味と思える。



テレビを見ながらビールを飲んでチキンバーガーを喰う。
旅の疲労の蓄積もあってすぐに眠くなってしまい、大浴場にも行かずに眠りについた。


 7.good morning-朝風呂と無料バイキング

翌日は5:00a.m.にアラームをかけて起床する。
前日は早めに寝たのでこの時間でも睡眠時間は十分である。
ホテルの13階にある大浴場に行き、朝風呂を楽しむ。
ホテルは天然温泉なのだが、ボイラーの故障で天然温泉は汲み上げることができず、
普通の大浴場になっていた。
大浴場は部屋にある大浴場カードを持って行って入場する。
部屋に戻ってクールダウンしながら7:00a.m.を待ち、
1階の食堂に行き、バイキングの朝食を喰う。
チェックインの時に朝食券を受け取っておらず、入場に手間取った。
ここのバイキングは2度目だが、ホテルのバイキング朝食の中でも品数が多い。



玉子焼き、ベーコン、オニオンリング、ペペロンチーノ、八宝菜、沢庵、明太子、梅干し、浅漬け、
それにご飯、味噌汁、海苔など。
味噌汁はナメコと莢豌豆で、ご飯、味噌汁、海苔はおかわりする。
さらにおかずも追加する。



柚子ナメコ昆布、烏賊焼き、鮭の焼き魚、スクランブルエッグ。
食後のデザートはさらに追加で取りに行く。



チーズケーキ、プリンケーキ、サラダ、ミニトマト、ツナ、桃のシロップ漬け、コーヒー。
コーヒーもおかわりする。
相変わらずバイキングだと喰い過ぎてしまう。
部屋に戻って歯を磨いてから支度してチェックアウトする。
天気予報では昨日から雨になっていたのだが、それでも昨日は何とか持った。
しかし今日は大浴場の窓からも雨だと分かるほどの勢いで降っていた。
予定では13:56の「スーパー白鳥」まで函館市電の車両取材をする予定だったが、
雨のために予定を変更せざるを得なくなってしまった。


 8.雨の函館と新青森の日暮れ

まずは入場券を購入してJR函館駅で気動車を中心に車両取材した。
函館駅は津軽海峡線は電化されているために特急などは電車の入線もあるが、
江差線、函館本線の普通車は気動車が充当されており、
デッキ付き両運転台のキハ40形が使用されている。
これらの車両を約2時間かけて入線してきた全車両を取材する。
このほか特急として入線したキハ183系、キハ283系も取材する。
入場券の有効時間は切符購入から2時間以内で、
その直前で改札を出て、昨日ハンバーガーを購入した「ラッキーピエロ」に行く。
ここでチキンオムライス750円などを喰い、
再びJR函館駅に戻って売店でお土産などを購入し、
今度は切符で入場して少し車両取材してから入線してきた789系に乗り込む。
チキンオムライスが思ったより腹持ち良く、お茶だけ買って、
13:56函館始発の特急「スーパー白鳥34号」に乗り込む。
函館から新青森までは約2時間で、
その間に青函トンネルを潜り、16:00に漸く新青森に到着する。



新青森駅に到着した時にはすでに日が傾きかけていて、
駅の外に出て駅舎取材をしている途中で日が暮れた。
雨は強くなり、傘を差さなければ外に立っていられないほどだった。
ここでの乗り換え時間は2時間14分で、正直云って時間をもてあましてしまった。


 9.E5系“グランクラス”

東北新幹線全線開業に合わせ、新型車両が導入された。
それが“E5系”である。



10両編成のこの新幹線は営業最高速度300km/hを誇り、
また2013年春以降は320km/hでの営業運転も予定されている日本最速の車両である。
しかしこの車両の特徴はそれだけではない。
新青森方の最後尾車両は“グランクラス”と呼ばれる特別車両が連結されている。
同じE5系に連結されているグリーン車の1両の定員は55名だが、
グランクラスの定員は僅か18名なのである。
標準軌の新幹線車両では唯一2+1の座席配列であり、
座席ももちろんグランクラスのために特別に作られたもので、
飛行機のファーストクラスに対抗して造られたという。
10号車がグランクラスに充当され、入り口には専用のロゴとデザインが掲げられる。



入り口には専用のアテンダントが出迎えてくれる。
座席は6列のみで、今回は10号車5番A席を取っている。
ちなみにA席が一人掛け、B席、C席が二人掛けとなる。
一人掛けのシートはこんな感じ。



参考までに二人掛けのシートはこんな感じ。



シートの上にはグローブボックスが設置されており、
荷物はその中に入れるようになっている。



航空機のように蓋のついたグローブボックスが設置されている鉄道車両は、
ほかにもE253系「成田エクスプレス」で体験したことがある。
蓋を開けるとかなりの大きさをキープしているのが分かる。



荷物を入れた様子はこんな感じ。



これなら長期の旅行の荷物でも十分に対応できる。
座席は電動リクライニングになっていて、座席の左側に操作ボタンがある。
シートは最高に倒れた位置にカバーがあり、
前の席でリクライニングを倒されても圧迫感は全くない。



壁際のポケットにシートの使い方が書かれた「座席機能のご案内」が設置されており、
その隣の赤い袋には簡易のスリッパが入っている。
秋田新幹線「こまち」や「サンライズエクスプレス」にも簡易スリッパは設置されているが、
E5系“グランクラス”のスリッパが一番立派だ。
右側には「Menu」が置かれており、そこには軽食、おつまみ・茶菓子がオーダーできることや、
アルコール、ソフトドリンクの種類も書かれている。
しかもアルコールも含めて飲み物はおかわり自由となっている。
登場してすぐにおしぼりが配られ、
軽食、おつまみ、茶菓子のオーダーを訊きに来たので、和軽食をオーダーした。
軽食も和食と洋食があり、和食は弁当、洋食はサンドイッチになっている。
オーダーはビールで、缶ビールであったがちゃんとグラスもついてきた。



お弁当は“グランクラス和軽食【東京編】”で、
中はこんな感じ。



 お品書き

 江戸巻玉子焼
 有頭海老煮
 野菜ときりいかのかき揚
 あさり佃煮
 きのこの柚子和え
 蓮根煮
 椎茸煮
 丸牛蒡甘辛煮
 しし唐素揚
 季節のご飯
  松茸煮
  煮穴子
  飾り人参

食後にはコーヒーをオーダーした。
ちょっと驚いたのだが、コーヒーも耐熱グラスに入れられてきた。



新青森から東京まで3時間10分、あっという間だった。
窓の開かない特急車両に閉じ込められて3時間以上の移動となると、
さすがに電車好きでも辛いと感じるものだが、
今回はあっという間で、なんだか降りるのがもったいないと思うくらいだった。
E5系は東北新幹線最速達タイプの「はやぶさ」に充当されることから、
車体にも“はやぶさ”をイメージしたトレードマークが描かれている。



しかし今後の車両増備では「はやぶさ」以外の、
「はやて」、「やまびこ」、「なすの」への投入も検討されている。


 10.リベンジの誓い-旅の終わり

新青森でE5系に乗り込んだのは18:14で、この時間で既に日は暮れかけていた。
東北新幹線「はやぶさ6号」は3時間10分の旅で、21:24に東京に到着した。
途中の停車駅は盛岡、仙台、大宮の3駅だけ。
速達にこだわる「はやぶさ」ならではの停車駅の少なさである。
東京で新幹線の改札を出る時に新幹線特急券・グリーン券を貰う。



ここから快速で津田沼まで行き、各駅停車に乗り換えて帰る。
今回の旅はE5系“グランクラス”の旅を楽しんだものの、
目的であった小樽市総合博物館の取材は、冬期部分休業のために思うようにいかず、
目標を果たせたとはとても云えるような結果ではない。
リベンジのために2012年夏休みに再び小樽市総合博物館取材に挑戦したい。
また小樽市総合博物館の中にポスターが貼ってあり、
それを見て思ったのだが、この夏の旅では三笠鉄道記念館も取材しよう。
三笠鉄道記念館は北海道で最初の鉄道であった幌内線幌内駅の跡地に出来た、
蒸気機関車の動態保存を含む鉄道車両を多く所有する鉄道系博物館である。
小樽市総合博物館も廃止された鉄道施設を流用して造られているため、
小樽駅からバスによる移動を余儀なくされたが、
三笠鉄道記念館も鉄道が全く走っていない場所にあり、
公式ホームページによるとJR岩見沢駅から北海道中央バス、幾春別行に乗り、
三笠市民会館で下車後、市営バスに乗り換えて三笠鉄道記念館下車となる。
つまりバスを2本乗り継がなければならない。
これは片手間に計画したのではなかなかゆっくりと取材できない。
北海道での取材時間を2日間として、1日を小樽市総合博物館、
あと1日を三笠鉄道記念館の取材に当てることにしよう。
小樽市総合博物館は既に一度取材しているため、屋内施設の取材は終了している。
屋外施設の取材を中心に時間を取ることにしよう。

 -撮影記録-

2011.11.18. 撮影 1277枚 保存 77枚
2011.11.19. 撮影 835枚 保存 44枚

 計    撮影 2112枚 保存 121枚 採用率 5.73%





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