三都物語2013




 1.漠然とした関西旅行計画

鉄道写真を撮り始めてからずっと、年一回は関西に出掛けていた。
勿論ノルマとしていたわけではないが、
それでも首都圏に次いで多くの鉄道が走る関西は取材対象が多彩だ。
しかも首都圏とは違い、鉄道会社の枠を越えて共通の乗り放題乗車券が発売されている。
それがスルッとKANSAI協議会が発売する2day、3dayチケットである。
KANSAI協議会は関西を中心に岡山、静岡を含めた58の鉄道・バス事業者で構成されており、
関東の「PASMO」と同じく、電車やバスの乗車、買い物にも利用できる「PiTaPa」も開始している。
去年、一昨年は路面電車の取材に集中したために関西取材は計画しなかったが、
路面電車の全電停取材が完了し、今年からは再び鉄道車両と駅取材に力を入れることとし、
2013年の最初の鉄道取材は関西にターゲットを決めた。
何時もは2月に泊まりがけの鉄道取材旅行を計画することが多いのだが、
今年は2月に会社の指示である資格試験を受験しなければならず、
年明けの1月に計画することにした。
1月14日月曜日が“成人の日”として休日になっており、12日土曜日から三連休となる。
そこでこの3日間でスルッとKANSAI3dayチケットを使って関西に出掛けることにした。
このチケットを使った旅は2dayチケットも含めて過去に何度も使ったことがある。
「スルッとKANSAI3dayチケット」はカード式のチケットで、
駅の改札口や車両のカードリーダーに通して使うタイプである。
発売は利用開始の1ヶ月前で、開催以外の地域にある提携発売所でクーポン券を購入、
加盟鉄道会社の指定された窓口で交換するというもの。
今回は1月12日から3日間の利用なので、12月12日から購入可能となる。
さらに行きは時間短縮の目的から飛行機を使うが、帰りはゆったりと新幹線で帰京したい。
そのために1月14日月曜日の1ヶ月前の12月14日に、
イトーヨーカドー津田沼店6階のJTBトラベルランド津田沼イトーヨーカドー店で、
クーポン券と帰りの新幹線の乗車券、新幹線特急指定券を購入した。
以前、勤続20年の記念品としてJTB旅行券を15万円分貰ったが、
まだそれが残っていたために旅行券で支払いをするのも目的になっていた。
「…3dayチケット」は5,000円で、購入から1ヶ月以内が有効期間となる。



このほかに帰りの新幹線代として、大阪市内から幕張までの乗車券9,030円、
新大阪から東京までの「のぞみ354号」の新幹線特急券・グリーン券10,180円を購入。
さらに応対したスタッフが東京から快速で帰るなら、このグリーン料金も事前購入できるというのでお願いした。
これは休日なので550円とSuicaで事前購入するのと同一料金である。
手数料として525円がかかり、合計で25,485円の支払いとなった。
@10,000円券×3枚=30,000円を旅行券で支払い、
おつりとして@1,000円券×4枚=4,000円の旅行券と現金515円を受け取った。
飛行機はANAのホームページから1月12日土曜日のANA013便の普通席を、
「旅割55」で予約、代金9,670円はクレジット決済した。
さらに当日羽田空港までは津田沼からリムジンバスを使用、これも京成高速バス予約センターに電話して事前予約した。
関西で鉄道取材する時には基本として新大阪の「ヴィアイン新大阪」というホテルを使う。
ここはJR西日本の系列のホテルチェーンであり、新大阪駅から近いのが魅力である。
このホテルチェーンはメンバーズカードも持っており、
メンバーズ限定の「早割30+連泊のダブル割」で禁煙シングルが12日が5,100円、13日が3,700円となった。
これで旅行のための事前準備は整ったが、肝心の取材計画はまだ漠然としか決まっていなかった。


 2.計画決定と早朝の羽田空港−旅の始まり

関西には今まで何度も行っているが、それでもまだ車両取材が全て終わっているわけではない。
さらに駅取材に関してはまだほとんど手を付けていないに等しい。
そこで今回は1日目は神戸エリアで山陽電鉄の駅取材、
2日目は京都エリアで嵐電の車両取材、3日目は大阪で地下鉄取材を検討した。
1日目の神戸エリアでは山陽電鉄と、ほぼ並行して走るJR山陽本線の駅取材を検討する。
両線の駅同士が徒歩圏内の駅を地図などで確認し、
さらに新幹線接続駅である西明石での駅取材も検討する。
2日目は嵐電で駅取材し、近鉄奈良線で南下しながらJR線と接続する駅で駅取材。
最終的には奈良まで行き、改築後は未取材だったJR奈良駅の取材をする。
3日目は新幹線で帰京するためにダイヤの乱れなど不測の事態に備え、
大阪で活動することとし、大阪市営地下鉄の未取材車両の取材を中心に構成する。
帰りの新幹線の時間も既に決まっているため、それに合わせて計画し、
最終的には以下のような計画を完成させた。

1月12日(土)

04:40幕張※−総武緩行線・上り443B(6)−04:46津田沼[19]
05:05JR津田沼駅南口−東京空港交通(45)−05:50羽田空港第2ターミナル[70/1:10] \1,200
07:00羽田空港−ANA013便(70/1:10)−08:10伊丹空港[33]
 ※スルッとKANSAI 3dayカード交換
08:43大阪空港※−大阪モノレール・下り809(12)−08:55千里中央[24]
09:19千里中央※−大阪市営御堂筋線・下り61・119(14)−09:33新大阪[16]
09:49新大阪※−大阪市営御堂筋線・下り129(7)−09:56梅田[24]
10:20梅田※−阪神本線・下り特急9403(35)−10:55西元町[53]
11:48西元町−神戸高速線・下り1127(8)−11:56大開[18]
 ※徒歩移動/約10分
12:14兵庫−山陽本線・下り4493B(9)−12:23須磨[31] \160 Suica使用
 ※徒歩移動/約3分
12:54山陽須磨−山陽電気鉄道・下り1225(4)−12:58山陽塩屋[30]
 ※JR塩屋駅取材
13:28山陽塩屋−山陽電気鉄道・下り1323K(11)−13:39舞子公園[38]
14:17舞子−山陽本線・下り45135(10)−14:27西明石[31] \170 Suica使用
15:23西明石※−山陽本線・上り196B(3)−15:26明石[44]
 ※徒歩移動
16:10山陽明石−山陽電気鉄道・上り特急H9154(62/1:02)−17:12梅田[110/1:50]
19:02梅田−大阪市営御堂筋線・上り448(7)−19:09新大阪
 ※ヴィアイン新大阪チェックイン

1月13日(日)

 ※ヴィアイン新大阪アウト

08:12新大阪※−大阪市営御堂筋線・下り65(7)−08:19梅田[30]
08:49梅田※−阪急京都線・下り急行8008(42)−09:31大宮[19]
09:50四条大宮※−京福電鉄・下り49(22)−10:12嵐山[41]
10:53嵐山※−京福電鉄・上り60(1)−10:54嵐電嵯峨[59]
 ※徒歩で嵐山駅まで移動
11:53嵐山※−京福電鉄・上り72(11)−12:04嵐電天神川[11]
12:15太秦天神川−京都市営東西線・上り152(8)−12:23烏丸御池[13]
12:36烏丸御池−京都市営烏丸線・下り131(12)−12:48竹田[21]
13:09竹田−近鉄京都線・下り1231(6)−13:15桃山御陵前[16]
 ※京阪本線伏見桃山駅取材
13:31-34桃山−JR奈良線・下り635M(5)−13:39木幡[12] \180
13:51木幡−京阪宇治線・下りV1309U(2)−13:53黄檗[19]
14:12黄檗−JR奈良線・下り637M(16)−14:28新田[22] \190
14:50大久保−近鉄奈良線・下り1471(8)−14:58新田辺[14]
 ※JR京田辺駅取材
15:12-16新田辺−近鉄京都線・下り1491(4)−15:20三山木[17]
 ※JR片町線JR三山木駅取材
15:37三山木−近鉄京都線・下り1481(3)−15:40狛田[20]
 ※JR片町線下狛駅取材
16:00狛田−近鉄京都線・下り1541(3)−16:03新祝園[27]
 ※JR片町線祝園駅取材
16:30新祝園−近鉄京都線・下り1621(10)−16:40大和西大寺[80/1:20]
18:00-02大和西大寺−近鉄奈良線・下り4771(5)−18:07近鉄奈良[19]
18:26近鉄奈良※−近鉄奈良線・上り1832(38)−19:04大阪難波[30]
19:34なんば−大阪市営地下鉄御堂筋線・上り468(15)−19:49新大阪

 ※ヴィアイン新大阪イン

1月14日(月)

 ※ヴィアイン新大阪チェックアウト

09:00新大阪※−大阪市営御堂筋線・下り97(7)−09:07梅田[43]
09:50東梅田−大阪市営地下鉄谷町線・上り86(14)−10:04太子橋今市[11]
10:15太子橋今市−大阪市営地下鉄今里筋線・上り86(8)−10:23井高野[12]
10:35井高野※−大阪市営地下鉄今里筋線・下り95(7)−10:42太子橋今市[12]
10:54太子橋今市−大阪市営地下鉄谷町線・上り106(5)−10:59大日[13]
11:12大日※−大阪市営地下鉄谷町線・下り131(18)−11:30東梅田[45]
 ※徒歩移動/JR大阪駅
12:15-17大阪−JR東海道線(京都線)・上り1146B(6)−12:23東淀川[29]
 ※徒歩移動
12:52東三国−大阪市営御堂筋線・下り117(1)−12:53新大阪[34]
13:27新大阪※−東海道新幹線「のぞみ354号」(156/2:36)−16:03東京[15]
16:18東京※−総武快速線・下り1629F(27)−16:45津田沼[8]
16:53津田沼−総武緩行線・下り1554B(5)−16:58幕張

当日は07:00の飛行機に乗るため、逆算すると初電に乗らなければならない。
そのために前日は飲酒も控えて寝過ごさないようにして4:00a.m.に起床する。
上り電車の初電である04:40に乗って津田沼まで行き、05:05の空港リムジンバスに乗る。
空港について直ぐに保安検査場を入場し、
朝は売店で空弁「生姜焼き弁当」\750など買いベンチで喰う。
弁当を食い終わって少しゆっくりしているとやがてANA013便の搭乗案内が流れる。
座席は25Kで、窓からは隣のポケモンラッピングの飛行機が見えた。



ほぼ定刻通りに離陸し、大阪の伊丹空港に向かう。
雲は多かったが、雲の上に出ると太陽の光が降り注いでいた。


 3.そして神戸

ほぼ定刻通りに離陸したANA013便は約1時間のフライトで大阪に着く。
窓からは雲が多く、地上は見えなかったが、それでも朝日が差し込んで、
これからの旅の期待を膨らませていた。



関西地区には飛行機でも良く行くが、和歌山方面へのアクセスを考え、
関空を使うことが多く、伊丹空港は久しぶりである。
伊丹空港は羽田空港などと同じくモノレールが空港の隣に敷設されていて、
公共交通機関へのアクセスはいい。
東京モノレールが地下に駅があるのに対し、大阪モノレールは地上に駅がある。
空港を出て直ぐに階段で2階に上がり、通路から大阪モノレール大阪空港駅に行く。
ここでJTBで購入したフリークーポンをスルッとKANSAI3dayチケットと交換する。



ここからこのフリーきっぷを使って旅が始まる。
大阪モノレールで千里中央まで行き、北大阪急行に乗り換える。
北大阪急行は大阪市営地下鉄御堂筋線と直通しており、そのまま新大阪で下車する。
今日は新大阪にホテルを取ってあるので、
ここのコインロッカーに旅行用バッグを預け、カメラバッグだけ持って、
再び大阪市営地下鉄御堂筋線に乗り、梅田まで行く。
今日は神戸方面で取材するため、阪神電鉄に乗り換える。
予定では西元町で下車して「洋食の朝日」で昼食を喰う予定だったが、
開店時間の11:00a.m.には少し早いので、ここで下車せずにそのまま先に行くことにした。


 4.そして神戸…を通り過ぎて明石へ

予定では西元町で昼食を喰ったあと、神戸高速線で大開まで行き、
そこからJR兵庫駅まで徒歩移動、Suica使用で須磨まで移動する。
そしてJR須磨から山陽電鉄須磨まで徒歩移動、
山陽塩屋に行ってここではJR塩屋を取材して再び山陽電鉄舞子公園まで移動、
JR舞子を取材してからSuica使用でJR西明石に移動して駅取材することになっていた。
しかしそのまま西元町を出て車内で何処で降りようか迷っている内に、
とうとう舞子公園まで来てしまった。
ここで下車して駅取材、さらに予定通りJR舞子駅も駅取材する。
ここは明石海峡大橋の本州側の最寄り駅であり、駅からも橋がよく見える。



ここでJR舞子駅からSuicaを利用してJR西明石まで行くことにする。
この段階でもう西元町まで戻る気力がなくなっていた。
JR西明石駅は私鉄との接続はないものの、
JR在来線と山陽新幹線の乗換駅となっていて、ここは取材したかった駅のひとつである。
ここで下車して駅取材するが、11:30a.m.になっていたため駅近くで昼食を喰えるところを探し、
「宮本むなし・JR西明石駅前店」でハンバーグ定食690円喰う。



ここはチェーン店で、ここ以外にも中部地区、関西地区を中心に店舗展開している様である。
このあとJR西明石からSuica使用でJR明石まで行く。
明石駅はJR西日本と山陽電鉄明石駅が隣接しており、
ともに高架ホームのために地上で南北に出入り口を共有する形で敷設されている。
予定ではここから山陽電鉄で梅田まで戻ることになっているが、
時間が早すぎるために予定にはなかった姫路に行ってみることにする。


 5.姫路の1時間半と北新地の夜

JR西明石から山陽本線で隣の明石駅まで行き、
を公開いたしました。で山陽電鉄に乗り換えて終点の山陽姫路まで行く。
ここは既に駅取材済みであるが、JR姫路まで近接しており、
入場券を購入してJR姫路駅に入場して車両取材する。
以前姫路に来た時は山陽曽根からJR曽根まで歩き、そこから終点の姫路まで来て、
改札を出る前に姫新線のキハ40系列を撮影していた。
2006年8月に関西旅行をした時に訪問していたのだが、
キハ40形、キハ47形姫新線色を偶然撮影したが、当時は地上ホームだった。
この時は山陽本線は既に同年3月に高架化されていたが、
姫新線、播但線は地上ホームのままだった。
今回は2009年に誕生した姫新線用の気動車キハ122系、キハ127系の取材である。



両運転台のキハ122系は見掛けなかったが、キハ127系は十分に取材できた。
さらに播但線の103系3500番台も偶然に見掛けて撮影する。



キハ189系「はまかぜ」や225系など、それまで取材したことのない車両も撮影できて、
気紛れで訪問したにしては良い成果が出て大満足だった。
約1時間半車両取材して山陽電鉄山陽姫路まで戻る。
ここで早めの夕食をとも思いケータイで調べたが、頃合いの店がなかったため、
梅田に戻ることにして電車に乗った。
しかし車内でスルッとKANSAI3dayチケットに付いていた“ご利用エリアマップ”を見て、
急遽、飾磨で下車して駅取材、さらに網干線に乗り換え、山陽網干駅も取材した。
今回の旅では駅取材も多く入れるつもりだったが、多くの取材予定を飛ばしてしまったため、
その埋め合わせという意識があったのかもしれない。
気紛れで大幅に予定を変更したが、其れは最後まで続いたわけだ。
ここでまた山陽姫路まで戻ってから特急で梅田まで戻る。
北新地まで行ってネットで探した「麺匠 一本道」でとろ玉ラーメン880円喰う。
場所が分からずだいぶ探した。
大阪市営地下鉄御堂筋線で新大阪まで戻り、新大阪駅を利用する時には何時も買うくくるでたこ焼きを購入、
コインロッカーから荷物を取り出し、予約していたヴィアイン新大阪にチェックインする。
ここは会員になっていて会員証が部屋のキーを兼ねる仕組みになっている。
部屋でビールを飲みながら購入したたこ焼きを喰う。
そして11:00p.m.頃には蓄積した疲労もあって就寝する。


 6.一日目のmorningと嵐山への旅立ち

昨日早く寝たためか、早めに目覚めて二度寝をして、
それでも6:00a.m.には起床してシャワーを浴び、
7:00a.m.を待って1階にある「はるか」で無料朝食を頂く。



焼きたてパン5個、サラダ、コーンスープ、バナナ、みかん、コーヒーなど。
部屋に戻ってから歯を磨き、連泊なのでカメラバッグだけ持って出掛ける。
大阪市営地下鉄御堂筋線で梅田に出て、
まず大阪市営地下鉄四つ橋線の西梅田駅に行き車両取材する。
それから阪急電車に乗り換え、阪急京都線で大宮まで行く。
阪急京都線は西京極を出ると地下に入り、終点河原町まで地下を進む。
この地下区間は1931年3月31日に完成した、関西では最も古い鉄道地下線である。
ここで下車して京福電鉄嵐山本線、通称“嵐電”に乗り換える。
今回の旅の二日目はここで嵐電の車両取材をして、
駅取材しながら奈良まで行くというもの。
嵐電は既に全電停取材を完了しており、車両取材も進んでいるが、
最近になって車体色を紫に変更しており、
今回はその変更色の車体を取材するためにここまで来たのだ。
四条大宮で嵐電に乗り、嵐電嵯峨まで行く。
予定では嵐山で十分に車両取材してから嵐電嵯峨まで戻り、
ここで「カフェグランマ」というレストランで昼食を喰う予定だったが、
思ったよりも早く大宮まで来ることが出来たので、嵐電嵯峨で下車したのだ。
しかしダイヤが乱れていてなかなか車両が来なくて取材が進まない。
そこでJR山陰本線嵯峨嵐山駅まで行くことにした。
ここは山陰本線の旧線を利用した嵯峨野観光鉄道があり、トロッコ列車が運行されている。
トロッコ嵯峨駅には「19世紀ホール」というのが併設されており、
ここにはSLが静態保存されている。
前にもここに来て既に車両取材済みではあるが、
ここには「ジオラマ京都JAPAN」という鉄道模型の施設があり、
ここには2台のEF66型電気機関車の実車のカットモデルが設置されていて、
その運転台でジオラマの鉄道模型を操作できる施設である。
鉄道模型にはそんなに興味はないが、
EF66型電気機関車のカットモデルは撮影したい。
そこでトロッコ嵯峨駅に行ったのだ。
しかしここで目が点になった。
やっていない…。
トロッコ列車は冬期閉鎖があり、12月30日から2月末日までは休業している。
当然駅が休業している時には「19世紀ホール」も休業しているのだ。
仕方なく嵐電嵯峨まで戻り、終点の嵐山まで行く。
ここでいったん改札を出てから再び入場し、幾つか車両取材する。
レトロ車両のモボ21形26号車で嵐電天神川まで行き、ここでも少し車両取材する。



ダイヤが乱れているということでこれ以上の嵐電での車両取材は諦め、
予定を進めて京都市営烏丸線竹田駅の駅取材に行く。


 7.そうだ、京都へ行こう

嵐電天神川で嵐電取材を切り上げて太秦天神川駅で京都市営東西線に乗り、
ここから4つめの烏丸御池までいく。
烏丸御池で京都市営烏丸線に乗り換え竹田まで行く。
竹田は烏丸線の南側の終点であり、近鉄京都線と接続する駅でもある。
この駅の手前で地上に出て近鉄京都線と接続する。
以前この駅で車両取材したことがあったので、
今回また烏丸線の車両取材を兼ねて駅取材に来たのだ。
予定ではこのあと近鉄京都線で南下しながらJRと近接駅で駅取材をすることになっていたが、
急に「そうだ、京都へ行こう」と思った。
昨日、姫路でJR姫路駅に入場券で入場して車両取材したが、
思ったよりも収穫があったのでそれを今日はJR京都駅でやってみようと思ったのだ。
京都市営地下鉄烏丸線で京都まで戻って下車する。



京都に着いた時は既に正午に近い時間だったため、
先にここで昼食を喰おうと思った。
予定では嵐電嵯峨のカフェに行くことになっていたが、
京都まで来てしまったためにもう嵯峨野までは戻れない。
そこで「新福菜館本店」という中華料理店に行こうと思った。
ここは当初、この旅を企画していた段階で昼食に選んでいた店で、
企画を煮詰めていく段階で昼食時間に京都には行かないことになり、
ここへの訪問は予定から外したのだ。
場所はネットで確認し、地図もプリントアウトしておいたのだが、
行かないことになったために地図も自宅に置いてきてしまった。
そこでケータイで検索して場所を確認、
ケータイに表示した地図を見ながら店の場所まで行く。
しかしこの段階で0:00p.m.を過ぎていたため、
店の外に長い行列が出来ていた。
行列に並んでまでこの店に拘ることはない。
そこでこの店を探している途中に見つけた「らーめん惠比朱」に行き、
豚バラ丼セット880円喰う。
このあと京都駅まで戻り、いよいよ入場券を購入して車両取材を開始する。


 8.京都の1時間半と今、再びの奈良へ

京都駅で入場券を購入して車両取材を敢行する。
以前にも京都駅では入場券で入場して車両取材したことがある。
駅舎の改札と繋がっている単式ホームは0番線に付番され、
関空特急「はるか」専用の30番線と合わせて全長558mであり、
日本で一番長いホームとなっている。
また山陰本線も頭端式になっており、平行移動できる構造となっている。
智頭急行HOT7000系には谷口ジロー氏のサインが描かれた車両があり、
「遙かな旅…鳥取、倉吉。」とキャッチが付いていた。
また京都・北近畿地区地域統一色を纏った113系も初めて目撃した。
さらに287系「こうのとり」も初めて見掛けた。



 JR西日本287系

老朽化した北近畿、南紀方面の183系置き換えのために2011年に登場した直流特急形電車である。
683系4000番台の設計思想を踏襲、車体デザインも681系列を踏襲している。
福知山電車区に4両編成×7本=28両、3両編成×6本=18両が在籍、
吹田総合車両所日根野支所に6両編成×3本=18両、3両編成×2本=6両が在籍、
今後も増備され6両編成×6本=36両、3両編成×5本=15両になる予定。
アルミニウム合金車体、全電動車、主電動機はかご形三相誘導電動機WMT106-G1、
モーター出力270kW、2レベルIGBT素子VVVFインバータ制御、WNドライブ駆動。

クモロハ286形/グリーン車と普通車の貫通型制御電動車。車両制御装置、蓄電池搭載。
クモハ287形/普通席の貫通型制御電動車。車両制御装置、蓄電池、空気圧縮機、集電装置搭載。
クモハ286形/普通席の貫通型制御電動車。車両制御装置、蓄電池搭載。
モハ287形100番台/普通席の中間電動車。車両制御装置、蓄電池、空気圧縮機、集電装置搭載。乗降扉2扉。
モハ287形200番台/普通席の中間電動車。車両制御装置、蓄電池、空気圧縮機、集電装置搭載。乗降扉1扉。
モハ286形0番台/普通席の中間電動車。車両制御装置、蓄電池搭載。乗降扉1扉。
モハ286形100番台/普通席の中間電動車。車両制御装置、蓄電池搭載。乗降扉2扉。
モハ286形0番台/普通席の中間電動車。車両制御装置、蓄電池搭載。乗降扉2扉、車掌室設置。

そのほか京都・北近畿地区地域統一色を纏った117系、225系0番台、
それに偶然撮影できたEF65型2089号機、EF510型18号機と、
何両か通過した電気機関車のうち、2機の撮影に成功した。
電気機関車は予定が立てられないので咄嗟の判断で撮影しなければならず、
撮影モードなどの的確な判断は至難の業で、
日頃から通過列車に対してシャッタースピード優先の撮影でどのスピードにするべきか、
設定しながら他のモードでの撮影をする癖を付けておかなければならない。
約1時間半で十分に撮影を楽しみ、入場券で出場、
近鉄京都線の改札に入ってここから奈良方面へと向かう。
ここでも22000系「ACE」、30000系「ビスタカーEX」などを取材できた。
当初の予定ではこの沿線でもいくつかの駅取材を予定していたが、
疲弊の蓄積もあってそのまま大和西大寺まで行くことにした。
…というか、爆睡してしまい、気がついたら大和西大寺だった。


 9.暗雲の奈良と大和西大寺の攻防

大和西大寺で電車を降り、奈良線に乗り換えて近鉄奈良へ。
ここには以前来たことがあり、その時に駅取材は済ませている。
今回はJR奈良駅の駅取材が目的なのだ。
前回来た時にも近鉄奈良からJR奈良まで徒歩移動して駅取材したのだが、
その時は前年から高架化工事が開始されていて架設駅舎だった。
そこで2010年10月に完成した新駅舎の取材のために訪問した。
1934年に完成した寺院を模した2代目駅舎は、
前回は立ち入り禁止だったが今は観光案内所となっていて、中を見学させて貰った。



高架化されたために東西自由通路も出来て駅の反対側に出るのも楽になった。
西口を取材してから近鉄に戻るのだが、
近鉄奈良駅まで戻っても芸がないので、
大和西大寺と近鉄奈良の間にある新大宮に行くことにした。
近鉄奈良駅は地下ホームだが、近鉄奈良線は新大宮までは地上路線であり、
ここを出てから地下に入って近鉄奈良駅に至る。
近鉄奈良駅が地下化される前は油阪という地上駅があったが、
地下化に伴って廃止され、その代替で開業したのが新大宮である。
ここは当初取材するつもりはなかったのだが、
大和西大寺から近鉄奈良までは平城京跡を通過中に少しカーブするが、
そこからはほぼ直線の線形を取って国道369号の地下に入る。
かつての近鉄奈良駅はこの道路を併用区間として使用していた。
だから国道369号を西に向かって歩いて行けば地上に出た近鉄奈良線に出くわす筈だ。
雲が張りだしてきて今にも雨が降りそうだったが、
なんとか雨に降られずに新大宮まで辿り着いた。
ここで駅取材して隣の大和西大寺に移動する。
今回は大和西大寺にある「マナビアン」というカレー専門店で夕食を喰う予定になっており、
夜の開店は5:00p.m.なのでその時間までホームで車両取材する。
その途中で偶然15400系「かぎろひ」を取材できた。



 15400系

近鉄グループの旅行会社クラブツーリズムのツアー専用として誕生した特急形電車。
12200系を種車に2両編成×2本=4両が2011年12月15日に登場した。
公募によって決定した愛称名「かぎろひ」は万葉集にも詠まれた朝日の美しい空を差す古語に由来する。
種車はN41編成モ12241+ク12341とN42編成モ12242+ク12342で、
モ12200形がモ15400形に、ク12300形がク15300形に改造されている。

5:00p.m.を待って改札を出て「マナビアン」に行き、大和牛のビーフカレーを喰い、
再び大和西大寺まで戻って新大阪まで帰る。


 10.近鉄奈良線と阪神なんば線各駅停車の旅

夕食を終えて大和西大寺駅まで戻り、大和西大寺始発の尼崎に乗り込む。
急行や準急はかなり混んでいるが、始発列車でしかも普通なのでゆっくり座れた。
予定では大阪難波で下車し、大阪御堂筋線なんばから新大阪まで帰ることになっていたが、
車内で爆睡してしまい、そのまま終点の尼崎まで行く。
近鉄奈良線は2009年3月20日に大阪難波で阪神なんば線と接続を果たし、
直通運転する列車もあり、そのため大和西大寺にも阪神の電車が顔を出すことがある。
尼崎から梅田行きの各駅停車に乗り換え、終点の梅田まで行く。
ここから大阪市営地下鉄御堂筋線で新大阪まで戻る。
今日も“くくる”でたこ焼きを買おうと思ったが、
夕食を喰ったのが早く、量もそれほど多くなかったため、
ここでたこ焼きとたこ飯がセットになった多幸重ね1,000円を購入、
さらにコンビニでビールなどを購入してホテルに戻り、
ビールを飲みながらたこ焼きやたこ飯を喰う。
テレビの天気予報では明日は雨だと云っていた。
昨日、今日と天気は何とかか持ったが、とうとう明日は降られるようだ。
テレビを見ながらたこ飯を楽しみ、
そして今日もシャワーを浴びずに寝てしまった。


 11.二日目のmorningと雨の御堂筋

今回の旅もいよいよ最終日となった。
昨日の天気予報通り、今朝は朝から本降りの雨が降っていた。
6:00a.m.に起床してシャワーを浴び、7:00p.m.から1階「はるか」で無料朝食。
焼きたてパン7個、サラダ、コーンスープ、バナナ、みかん、オレンジジュースコーヒーなど。



部屋に戻って歯を磨いてから支度をしてチェックアウトする。
ヴィアイン新大阪はその名の通り新大阪駅に隣接しているが、
ホテルの出入り口は新大阪駅東口とは反対側に面しており、
僅かな距離ではあるがこの区間を傘無しで移動するのはちょっとしんどいほどの降りだ。
そこで持参した折りたたみ傘を使って新大阪東口まで行き、
そこでコインロッカーに旅行用バッグと折りたたみ傘を入れ、
カメラバッグだけ持って出掛ける。
本降りの雨だったが機動力確保のために敢えて傘もロッカーに入れてしまう。
傘を差したままでは一眼レフカメラの撮影は出来ないし、
予定を変更して今日は雨に濡れずに活動できる範囲内で取材しようと思う。
大阪市営御堂筋線の改札を潜り、予定していた30000系を待つが、
やはりさすがにタイミング良く現れたりはしない。
そこで御堂筋線に乗って梅田まで出る。
ここからは地下区間での車両撮影に挑むのだ。


 12.大坂冬の陣

大阪市営地下鉄御堂筋線で梅田まで行き、
ここで大阪市営地下鉄谷町線東梅田駅へ乗り換える。
予定では大阪市営地下鉄四つ橋線西梅田駅に行き、
ここで23系を取材する予定だったが、すでに初日の最後に取材していたため、
次に予定していた谷町線に投入された30000系を狙う。
乗った電車が都島止まりだったためにそこでさらに乗り換えて太子橋今市まで行く。
ここまでは30000系に出会わなかった。
そこで大阪市営地下鉄今里筋線に乗り換え、井高野駅まで行って車両取材する。
今里筋線はリニア駆動の80系が投入されていて、これも取材対象だった。
下車して出口までいってみたが、雨は本降りで外には出られなかった。
太子橋今市まで戻って谷町線で大日まで行く。
諦めかけていたが、ここで漸く30000系と遭遇する。



 30000系

経年の谷町線22系の淘汰目的で開発された軌間1,435mm、直流750V、第三軌条方式の谷町線、御堂筋線用通勤形電車。
2009年3月18日に谷町線に6両編成として登場、装備が続いている。
2011年12月10日には御堂筋線に10両編成として登場、こちらでも増備が開始された。
18m級、軽量ステンレス鋼体、主電動機はかご形三相誘導電動機、モーター出力140kW、
ベクトル制御方式のIGBT素子VVVFインバータ制御。

取材した30000系で梅田まで戻り、地上に出る。
予定では新しくなった新大阪駅を取材することになっていたが、
この雨では無理である。
そこで入場券を購入してホームで車両取材を開始する。
考えてみれば今回の旅はスルッとKANSAIを利用する旅なのに、
毎日JRの駅の入場券を買っているな…。


 13.大阪の1時間半とタイムリミット

JR大阪駅は2004年より“大阪駅開発プロジェクト”が実施され、
大規模改良、再開発が進んでおり、大阪ステーションシティと名付けられている。
これに伴ってホーム上に人工地盤が造られ、そこに橋上駅舎が設置された。
おかげで雨に濡れなくなったが、逆に云えば車両取材には厳しい条件となってしまった。
それでも大阪駅は特急などの発着も多く、取材対象には事欠かない。
約1時間半かけて進入してくる車両を電光掲示板の時刻表を見ながら取材し続けた。

 関空紀州路快速225系5000番台
 大阪環状線201系体質改善工事車
 381系特急「こうのとり」
 智頭急行所属HOT7000系特急「スーパーはくと」
 寝台特急「トワイライトエクスプレス」
 683系4000番台特急「サンダーバード」
 287系特急「こうのとり」
 キハ189系特急「はまかぜ」

特に381系使用の「こうのとり」は予定していなかっただけに取材できて嬉しかった。



特急「こうのとり」に使用されている381系は、
元は「くろしお」に使用されていた自然振り子式直流特急車両で、
国鉄色に塗色変更されて投入されている。
帰りの新幹線は13:27に新大阪駅を出発する。
1時間半の取材を経て改札を出て、大阪市営地下鉄御堂筋線梅田駅まで行き、
ここから新大阪まで行く。
予定ではJR東海道線で新大阪のひとつ先の東淀川まで行き、
駅取材後に徒歩で東三国まで行って、
大阪市営地下鉄御堂筋線で新大阪まで行くことになっていたが、
大雨のために断念し、少し早めに新大阪駅まで行く。
お土産を買ってコインロッカーから旅行用バッグと傘を出し、
新幹線改札を入場する。



コンコースの売店で駅弁「華九重」を購入、
ホームに上がって新幹線に乗る直前にビールを購入した。


 14.グリーン車の帰宅と大雪のエピローグ−旅の終わり

新幹線ホームに上がって列車を待つ間に売店でビールを購入し、
13:27の始発の「のぞみ354号」に乗車する。
この列車にはN700系が充当されていた。



今回はグリーン車を取ってあるのでゆったりと帰れる。



検札が来るのを待ってビールを開け、購入した駅弁を喰う。
途中爆睡し、名古屋を出た当たりで目が覚める。
車内の電光掲示板で知ったのだが、
品川−小田原間が雪の影響で速度制限があり、
5分遅れになっているとのこと。
インフォメーション通り、新横浜に近づいてくると外は雪景色になっていた。
結局、東京到着は7分遅れだった。
新幹線の改札から在来線に出て、地下の総武快速線のホームに行く。
今回は既に東京から津田沼までのグリーン券も購入してあるので、
停まっていた総武快速線のグリーン車に乗り込む。
グリーンアテンダントにJTBで購入したチケットを見せて確認を取って貰う。



ところが乗り込んだ電車はなかなか出発しない。
雪の影響でダイヤが乱れているらしい。
既に常磐線、東北本線、上越線は運転を見合わせている区間があると、
構内アナウンスで案内していた。
ホームの反対側には259系成田エクスプレスがずっと停まっていて、
運転開始の見込みが立っていないという。
総武快速線は何とか走り出したが、錦糸町手前で地上に出ると、
外は一面雪景色だった。
小岩操では係員がポイントに火を焚いていた。
雪が夜間に凍り付くことを避けようとしているのだろう。
津田沼で各駅停車に乗り変えて帰宅する。
帰宅してから知ったのだが、総武緩行線もこのあと雪の影響で運転見合わせになり、
再会したのは9:00p.m.を過ぎていたという。
本当に綱渡りの帰宅だった。

 −取材結果−

 1月12日 撮影 701枚 保存 54枚 
 1月13日 撮影 684枚 保存 53枚
 1月14日 撮影 433枚 保存 23枚

  合計  撮影 1818枚 保存 130枚 採用率 7.15%





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