北海道三笠村の旅




 1.小樽市総合博物館リベンジの旅のリベンジ

2011年11月に北海道の小樽と函館を旅して、
小樽市総合博物館の見学を企画した。
この小樽市総合博物館は北海道の歴史や自然、交通、科学などを展示している、
小樽市が事業主体となっている博物館で、
旧・小樽交通記念館を本館、旧・小樽市博物館を運河館とした2ヶ所からなる。
小樽交通記念館の所有している静態保存の車体を取材することを目的に、
9月の休日勤務の代休を金曜日に取得、空路で新千歳まで行き、
そのまま小樽市総合博物館を見学、札幌から「スーパー北斗」で函館に移動して一泊、
「スーパー白鳥」で新青森まで出て、東北新幹線で帰ってきた。
この旅では天候は何とか持ったものの、あり得ないミスを犯してしまった。
小樽市総合博物館の車両展示は一部屋内もあるものの、その大半は屋外である。
そのため冬期は屋外展示車両にはブルーシートがかけられて見学できない。
降雪や積雪による展示物の腐食を避けるための措置だ。
このことは小樽市のホームページにも書かれていたし、
それ以前に十分に想定すべきことなのである。
にもかかわらず、実際に現地まで行って目が点になった。
この時はまだブルーシートをかける前だった屋外展示と屋内展示車両を見学、
リベンジを誓って帰京することにした。
そしてその翌年、2012年の夏にリベンジの旅を決行した。
小樽市総合博物館の館内に貼られていたポスターを見て、
北海道には三笠鉄道村という多くの車両を静態保存している施設があることを知った。
そこで2012年8月にこの二つの施設を見学する旅を企画した。
仕事が終わってから空路前乗りで札幌に行き、
三笠鉄道文化村と小樽市総合博物館を2日にわたって見学する。
帰りは前年11月と同じように函館泊で青森まで行き、
寝台特急「あけぼの」で上野まで戻る。
しかしこの時は小樽市総合博物館を見学した日は何とか晴れたものの、
三笠鉄道文化村の見学予定日は本降りの雨が降っており、
とても屋外施設を見学して写真を撮る環境ではなかった。
そこで三笠へ行くことを断念、札幌市内で交通資料館を見学、
さらに路面電車の車両取材などで時間を潰す羽目となった。
そこで2013年の夏に雨天中止となった三笠鉄道文化村の取材を決行することとしたのだ。
正しく、リベンジの旅のリベンジである。
天候だけは自然現象なので事前の準備だけではどうしようもない。
あとは運が味方してくれることを祈るばかりである。


 2.第1案と第2案−想定内の敗北

今年の夏は8月に夏季休暇2日を取得して、
熊本を中心に九州内を取材する予定を立てている。
そのために7月に休暇を使わずに計画を立てることになった。
幸いにも7月15日月曜日は“海の日”で祝日である。
そこで金曜日に仕事が終わってから空路で札幌まで前乗りし、
三笠鉄道文化村を見学する。
帰京に関しては寝台特急「北斗星」を使う第1案と、
A寝台個室「ロイヤル」、B寝台個室「ソロ」のどちらもが満室の場合、
第2案として一昨年と同じルートで帰京することとし、以下の試案を作成した。

  −第1案−

7月12日(金)

17:30退社[17]
17:47東船橋−総武緩行線・下り1622B(4)−17:51津田沼[9]
18:00JR津田沼駅南口−エアポートリムジンバス(65/1:05)−19:05羽田空港[85/1:25]
20:30羽田空港−ANA081便(95/1:35)−22:05新千歳空港[11]
22:14新千歳空港※−快速エアポート223号(38)−22:52札幌

 ※ホテルルートイン札幌駅北口チェックイン

7月13日(土)

 ※ホテルルートイン札幌駅北口チェックアウト

07:34札幌※−函館本線・下り135M(46)−08:20岩見沢[40]
09:00岩見沢ターミナル※−中央バス三笠線・下り(33)−09:33三笠市民会館[31]
10:04市民会館−三笠市営バス幌内線・下り(8)−10:12鉄道記念館[144/2:24]

 ※三笠鉄道村 幌内ゾーン/三笠鉄道記念館

12:36鉄道記念館−三笠市営バス・上り(6)−12:42クロフォード公園[148/2:28]

 ※三笠鉄道村 三笠ゾーン/クロフォード公園

15:09三笠市民会館−中央バス三笠線・上り(30)−15:39岩見沢ターミナル[24]
16:05岩見沢※−函館本線・上り3234M(43)−16:43札幌[29]
17:12札幌※−寝台特急「北斗星」(1006/16:46)−

7月14日(日)

−寝台特急「北斗星」(1006/16:46)−09:38上野[12]
09:50上野−京浜東北線・南行907A(8)−09:58東京[39]
10:37東京※−総武快速線・下り1073F(28)−11:05津田沼[6]
11:11津田沼−総武緩行線・下り902C(6)−11:17幕張

  −第2案−

7月12日(金)

17:30退社[17]
17:47東船橋−総武緩行線・下り1622B(4)−17:51津田沼[9]
18:00JR津田沼駅南口−エアポートリムジンバス(65/1:05)−19:05羽田空港[85/1:25]
20:30羽田空港−ANA081便(95/1:35)−22:05新千歳空港[11]
22:14新千歳空港※−快速エアポート223号(38)−22:52札幌

 ※ホテルルートイン札幌駅北口チェックイン

7月13日(土)

 ※ホテルルートイン札幌駅北口チェックアウト

07:34札幌※−函館本線・下り135M(46)−08:20岩見沢[40]
09:00岩見沢ターミナル※−中央バス三笠線・下り(33)−09:33三笠市民会館[31]
10:04市民会館−三笠市営バス幌内線・下り(8)−10:12鉄道記念館[144/2:24]

 ※三笠鉄道村 幌内ゾーン/三笠鉄道記念館

12:36鉄道記念館−三笠市営バス・上り(6)−12:42クロフォード公園[227/3:47]

 ※三笠鉄道村 三笠ゾーン/クロフォード公園

16:29三笠市民会館−中央バス三笠線・上り(35)−17:04岩見沢ターミナル[31]
17:35岩見沢※−函館本線・上り3452M(43)−18:18札幌[71/1:11]
19:29札幌※−特急「スーパー北斗22号」−22:47函館

7月14日(日)

10:17函館※−特急「スーパー白鳥26号」(122/2:02)−12:19新青森[11]
12:30新青森−東北新幹線「はやて34号」(218/3:38)−16:08東京[37]
16:45東京※−総武快速線・下り1613F(28)−17:13津田沼[8]
17:21津田沼−総武緩行線・下り1672B(6)−17:27幕張

この企画を最初に作ったのは今年2月6日であり、そのまま2ヶ月前の5月まで暖め続け、
ANAのホームページから7月12日金曜日のANA081便に予約を入れる。
ANAでは事前予約に合わせて割引料金が設定され、
55日前までの申し込みで“旅割55”などがあり、それぞれに1機当たりの座席数が割り当てられている。
申し込んだのは5月3日だが既に“旅割55”は売り切れており、“旅割28”で申し込んだ。
価格は26,070円で、キャッシュカードで決済、Skip対応でマイレージカード持参でチケットレスになる。
5月27日には12日金曜日宿泊のホテルルートイン札幌駅前北口にホームページから、
“早割30日前プラン”で禁煙シングル6,300円に宿泊予約を入れる。
そして出発1ヶ月前の6月13日木曜日、仕事終わりの帰宅時に津田沼で下車、
みどりの窓口で7月13日札幌発の「北斗星」のA寝台個室「ロイヤル」の予約を申し込む。
しかし予想通り、「満席です。」という答えだった。
そこでグレードを落としてB寝台個室「ソロ」で見て貰ったが、
「こちらも満室です。」ということだった。
まあ、ここまでは想定内である。
7月の連休中に人気列車の「北斗星」を仕事帰りに予約しようなどいう方が無謀である。
“万が一”ということもあるので、一応キャンセル待ちの手続きをする。
「2日前まで待ちます。」と告げてみどりの窓口をあとにする。
旅行会社が事前に押さえてしまっている場合、
最低決行人数が集まらずにツアーが中止、直前になってキャンセル待ちで取れることもあるらしい。
申し込んだ時間が遅いために順番待ちもあとの方になってしまうため、
まあ、無理だろうが一応夢は持とうと思う。
明日、“第2案”で帰りの特急と新幹線の予約と乗車券を購入しよう…と思って帰宅する。
しかしその日の夜に想定もしない事態になるのである。


 3.第3案と第4案−想定外の右往左往

みどりの窓口で「北斗星」の寝台乗車券を申し込み、
予想通り満席の回答を貰って帰宅した6月13日木曜日、
翌日に再び津田沼駅のみどりの窓口で第2案の通り、
7月13日土曜日の札幌から函館までの「スーパー北斗22号」と、
7月14日日曜日の函館から新青森までの「スーパー白鳥26号」、
新青森から東京までの「はやて34号」の指定席特急券と乗車券を購入することとして、
13日土曜日の函館での宿泊先であるホテルグランディア函館駅前に、
ホームページから予約を入れておこうと思った。
しかしここで想定外の事態に遭遇する。
この日の全タイプ全室が“満室”の表示だったのである。
これには目が点になった。
慌てて近隣のビジネスホテルをネットで検索し、予約状況を確認した。
しかし何処もこの日は“満室”となっている。
これはおかしいと思って“函館”と“7月13日”で検索してみたところ、
「函館のお盆は7月13日なんです。」という個人ブログの記事を見つけた。
函館市のホームページにも「市史余話」として、
大正時代に新暦7月13日にお盆に決まったというようなことが載っていた。
つまり偶然、お盆の時期と今回の計画の日程が合致してしまい、
お盆で函館に帰省する利用客で満室になってしまったということなのだ。
これには途方に暮れた。
風呂上がりの就寝前にネットで申し込もう思ったが、
これでは翌日の切符購入も出来ない。
そこで急遽、函館での宿泊を諦め、7月13日は札幌で宿泊し、
翌朝から2つの特急と新幹線を乗り継いでの帰京案を作成した。
一日中列車に揺られるのは幾ら電車好きでもちょっと辛いが仕方ない。

  −第3案−

7月12日(金)

17:30退社[17]
17:47東船橋−総武緩行線・下り1622B(4)−17:51津田沼[9]
18:00JR津田沼駅南口−エアポートリムジンバス(65/1:05)−19:05羽田空港[85/1:25]
20:30羽田空港−ANA081便(95/1:35)−22:05新千歳空港[11]
22:14新千歳空港※−快速エアポート223号(38)−22:52札幌

 ※ホテルルートイン札幌駅北口イン

7月13日(土)

 ※ホテルルートイン札幌駅北口アウト

07:34札幌※−函館本線・下り135M(46)−08:20岩見沢[40]
09:00岩見沢ターミナル※−中央バス三笠線・下り(33)−09:33三笠市民会館[31]
10:04市民会館−三笠市営バス幌内線・下り(8)−10:12鉄道記念館[144/2:24]

 ※三笠鉄道村 幌内ゾーン/三笠鉄道記念館

12:36鉄道記念館−三笠市営バス・上り(6)−12:42クロフォード公園[227/3:47]

 ※三笠鉄道村 三笠ゾーン/クロフォード公園

16:29三笠市民会館−中央バス三笠線・上り(35)−17:04岩見沢ターミナル[31]
17:35岩見沢※−函館本線・上り3452M(43)−18:18札幌[71/1:11]

 ※ホテルルートイン札幌駅北口イン

7月14日(日)

 ※ホテルルートイン札幌駅北口チェックアウト

08:34札幌※−特急「スーパー北斗6号」(199/3:19)−11:53函館[11]
12:04函館※−特急「スーパー白鳥30号」(134/2:14)−14:18新青森[20]
14:38新青森※−東北新幹線「はやぶさ12号」(210/3:30)−18:08東京[27]
18:35東京※−総武快速線・下り1839F(28)−19:04津田沼[7]
19:12津田沼−総武緩行線・下り1708C(6)−19:18幕張

この日程で先月予約を入れたホテルルートイン札幌駅北口のホームページにアクセスし、
宿泊予定を1日伸ばす手続きをしようと思った。
しかし幾らやっても手続きが完了しない。
不審に思ってトップページから予約状況を確認したところ、“満室”だった。
禁煙シングル以外にも全タイプが“満室”となっていた。
そこで慌てて他のホテルを検索して予約状況を確認したが、やはり全て“満室”だった。
これでは第3案も廃案にせざるを得ない。
結局、13日の宿泊は諦めて帰りも空路を選択し、第4案を立案した。

  −第4案−

7月12日(金)

17:30退社[17]
17:47東船橋−総武緩行線・下り1622B(4)−17:51津田沼[9]
18:00JR津田沼駅南口−エアポートリムジンバス(65/1:05)−19:05羽田空港[85/1:25]
20:30羽田空港−ANA081便(95/1:35)−22:05新千歳空港[11]
22:14新千歳空港※−快速エアポート223号(38)−22:52札幌

 ※ホテルルートイン札幌駅北口チェックイン

7月13日(土)

 ※ホテルルートイン札幌駅北口チェックアウト

07:34札幌※−函館本線・下り135M(46)−08:20岩見沢[40]
09:00岩見沢ターミナル※−中央バス三笠線・下り(33)−09:33三笠市民会館[31]
10:04市民会館−三笠市営バス幌内線・下り(8)−10:12鉄道記念館[144/2:24]

 ※三笠鉄道村 幌内ゾーン/三笠鉄道記念館

12:36鉄道記念館−三笠市営バス・上り(6)−12:42クロフォード公園[227/3:47]

 ※三笠鉄道村 三笠ゾーン/クロフォード公園

16:29三笠市民会館−中央バス三笠線・上り(35)−17:04岩見沢ターミナル[31]
17:35岩見沢※−函館本線・上り3452M(43)−18:18札幌[71/1:11]
19:06-10札幌−快速エアポート190号(36)−19:46新千歳空港[44]
20:30新千歳空港−ANA082便(95/1:35)−22:05羽田空港[35]
22:40羽田空港第2ターミナル−エアポートリムジンバス(50)−23:30JR津田沼駅南口[12]
23:42津田沼−総武緩行線・下り2344B(5)−23:47幕張

ここまでの計画を立てたところで夜もだいぶ深くなったため、
ANA082便の申し込みは翌日に持ち越した。
まだ「特割」でも空席30席以上を示す“○”が付いており、慌てて申し込まなくてもいいからだ。
それに電車で帰れないならせめてプレミアムクラスを申し込もうかとも思った。
プレミアムクラスだと機内食が提供される。
今までプレミアムクラスには乗ったことがなかったため、
ここで経験するのも悪くないと思った。
いずれにしろ、明日も仕事で早いのでその日は就寝し、
翌日仕事から帰宅してからゆっくり申し込もうと思ったのだ。


 4.第5案−ひらめきの代替最終決定案

第4案で検討したANA082便は6月14日金曜日、
仕事から帰ってからANAのホームページから申し込もうと思っていた。
しかし仕事中にふと思い出したことがあった。
確か、札幌と青森を結んでいた夜行列車があった筈だ。
実際に乗ったことはなかったが、何度か遭遇して写真を撮ったことがある。
あの列車はまだ残っているのか、それとも廃止されてしまったのか。
記憶が曖昧であったため、自宅に帰ってからネットで調べたら、
廃止されずに今もまだ運行されていることが分かった。
列車の愛称名は「はまなす」で、下りは22:00に札幌を出て翌朝の05:40に青森に到着する。
新青森の「はやぶさ4号」は06:17のため、接続は可能だ。
急行列車として運行され、14系及び24系客車を使用、
牽引機関車は札幌−函館間がDD51型ディーゼル機関車、
函館−青森間が青函トンネル対応のED79型電気機関車である。
基本は開放B寝台が2両、のびのびカーペットカーやドリームカーなどが連結、
夜行にもかかわらず普通座席車も連結されている。
勿論シャワー設備はなく、夏にはちょっと辛いが仕方がない。
この列車を利用して「はやぶさ4号」で帰京することとし、第5案の策定した。

 −第5案−

7月12日(金)

17:30退社[17]
17:47東船橋−総武緩行線・下り1622B(4)−17:51津田沼[9]
18:00JR津田沼駅南口−エアポートリムジンバス(65/1:05)−19:05羽田空港[85/1:25]
20:30羽田空港−ANA081便(95/1:35)−22:05新千歳空港[11]
22:14新千歳空港※−快速エアポート223号(38)−22:52札幌

 ※ホテルルートイン札幌駅北口チェックイン

7月13日(土)

 ※ホテルルートイン札幌駅北口チェックアウト

07:34札幌※−函館本線・下り135M(46)−08:20岩見沢[40]
09:00岩見沢ターミナル※−中央バス三笠線・下り(33)−09:33三笠市民会館[31]
10:04市民会館−三笠市営バス幌内線・下り(8)−10:12鉄道記念館[144/2:24]

 ※三笠鉄道村 幌内ゾーン/三笠鉄道記念館

12:36鉄道記念館−三笠市営バス・上り(6)−12:42クロフォード公園[227/3:47]

 ※三笠鉄道村 三笠ゾーン/クロフォード公園

16:29三笠市民会館−中央バス三笠線・上り(35)−17:04岩見沢ターミナル[31]
17:35岩見沢※−函館本線・上り3452M(43)−18:18札幌[219/3:39]
22:00札幌※−急行「はまなす」(459/7:39)−

7月14日(日)

−急行「はまなす」(459/7:39)−05:39青森[21]
06:00青森※−奥羽本線・上り632M(4)−06:04-05新青森[12]
06:17※−東北新幹線「はやぶさ4号」(186/3:06)−09:23東京[26]
09:49東京※−総武快速線・下り947F(28)−10:17津田沼[4]
10:21津田沼−総武緩行線・下り938B(6)−10:27幕張

この案に基づき、6月15日土曜日の日直の帰りに津田沼駅で下車し、
“みどりの窓口”で急行「はまなす」のB寝台急行券と、
東北新幹線「はやぶさ4号」のグランクラス、それに札幌から幕張までの乗車券を申し込む。
こちらは両方とも購入することが出来た。
急行「はまなす」の急行券・B寝台券は6,930円。



急行代は630円、寝台料金は6,300円で、席は増21号車8番上段だった。
急行「はまなす」はB寝台と座席の両方が連結されており、
開放B寝台は通常2両連結されている。
しかし多客期には1号車と2号車の間にもう1両増結され、3両で運転される。
それが増21号車なのだ。
東北新幹線「はやぶさ4号」の新幹線特急券・グリーン券[グランクラス]は16,490円。



新幹線特急券は6,490円で、グランクラスは10,000である。
10号車3番A席が予約できた。
グランクラスは1+2の座席配列で、A席は一人掛けである。
予約する時に「出来ればA席で」とお願いした。
これも希望通りに取得することが出来た。
乗車券は札幌市内から幕張までで、14,070円である。



ここに来て漸く帰りのルートが決定したのだ。
7月12日金曜日はJR津田沼駅からリムジンバスで羽田空港まで行くことにして、
6月23日日曜日に京成高速バス予約センターに電話して予約を入れた。
JR津田沼からの空港リムジンバスは予約客を優先し、
席に余裕があったら予約梨でも乗ることが出来る。
いままで満席で断られている客を見たことはないが、
やはり念のために予約を入れた。
予約番号は201番で、乗車時にこの番号を運転手に伝えることで確認が取れる。
あとは当日を待つだけとなった…と思っていた。


 5.2日目札幌の夜の2つの改定案

第5案では7月13日土曜日に三笠鉄道村で取材を終え、
札幌に到着するのが18:18であり、札幌から急行「はまなす」が出発するのが22:00。
つまりこの間に3時間42分ある。
これだけ時間があれば夕食に十分に時間が取れる。
そこでネットで色々と調べ、「ピカンティ」というスープカレー専門店を見つけた。
以前にも札幌で時間が出来た時にケータイで調べ、
「心」というスープカレー専門店を訪問したことがある。
今回はそれ以外で何処かいいところはないか調べていたところ、
札幌市北区にこのカレー専門店を見つけた。
ここは札幌市営地下鉄南北線北12条駅から徒歩3分の距離にある。
夕食はここで喰うことに決め、7月13日土曜日の予定をにこの訪問を追加して以下のように改定した。

7月13日(土)

 ※ホテルルートイン札幌駅北口チェックアウト

07:34札幌※−函館本線・下り135M(46)−08:20岩見沢[40]
09:00岩見沢ターミナル※−中央バス三笠線・下り(33)−09:33三笠市民会館[31]
10:04市民会館−三笠市営バス幌内線・下り(8)−10:12鉄道記念館[144/2:24]

 ※三笠鉄道村 幌内ゾーン/三笠鉄道記念館

12:36鉄道記念館−三笠市営バス・上り(6)−12:42クロフォード公園[227/3:47]

 ※三笠鉄道村 三笠ゾーン/クロフォード公園

16:29三笠市民会館−中央バス三笠線・上り(35)−17:04岩見沢ターミナル[31]
17:35岩見沢※−函館本線・上り3452M(43)−18:18札幌[13]
18:31さっぽろ−札幌市営地下鉄南北線・麻生方面214(2)−18:33北12条[65/1:05]

 ※「ピカンティ本店」

19:38北12条−札幌市営地下鉄南北線・真駒内方面233(2)−19:40さっぽろ[140/2:20]
22:00札幌※−急行「はまなす」(459/7:39)−

この改定案ではまだ札幌に戻って2時間20分の余裕がある。
これだけあれば風呂に入る時間が取れるのではないかと思った。
急行「はまなす」には勿論シャワー設備などはない。
冬ならともかく、もう夏になっているこの時季に風呂やシャワーがないというのは正直辛い。
最初はせめて洗髪だけでもしたいと思い、このタイミングで髪を切ることにしたのだ。
ちょうど髪も伸びてきてそろそろ床屋に行かねばならないと思っていたところだった。
そこでネットで近くの床屋を探した。
しかしQBハウスのようなアメリカンスタイルのところでは洗髪はないし、
洗髪のあるところでは最低でも3,900円はしてしまう。
この料金を払うんだったらむしろ風呂に行った方がいいと思ったのだ。
そこで札幌駅近くにスーパー銭湯がないか調べ始めた。
一瞬、すすきのの特殊浴場に行こうかなと不埒な考えも浮かんだが、勿論そんな時間はない。
調べていくうちに桑園に「北のたまゆら」という天然温泉の銭湯があることを知った。
入浴料は420円でスーパー銭湯というよりは普通の銭湯と同じ価格である。
それにここには“シーモック”というカット&ヘアケアの店も併設されており、
カットだけなら1,000円とQBハウスと変わりない料金だ。
そこで夕食の前にここに行くことにした。
桑園は函館本線の札幌の隣の駅である。
ここに行ってじっくりと風呂に入ると地下鉄に乗って「ピカンティ」に行くのは少しタイトになる。
そこでさらに調べたところ、この「ピカンティ」には札幌駅前店があることが分かった。
そこで夕食はここに行くこととし、改定第2案を作成した。

7月13日(土)

 ※ホテルルートイン札幌駅北口チェックアウト

07:34札幌※−函館本線・下り135M(46)−08:20岩見沢[40]
09:00岩見沢ターミナル※−中央バス三笠線・下り(33)−09:33三笠市民会館[31]
10:04市民会館−三笠市営バス幌内線・下り(8)−10:12鉄道記念館[144/2:24]

 ※三笠鉄道村 幌内ゾーン/三笠鉄道記念館

12:36鉄道記念館−三笠市営バス・上り(6)−12:42クロフォード公園[227/3:47]

 ※三笠鉄道村 三笠ゾーン/クロフォード公園

16:29三笠市民会館−中央バス三笠線・上り(35)−17:04岩見沢ターミナル[31]
17:35岩見沢※−函館本線・上り3452M(43)−18:18札幌[16]
18:34-36札幌−函館本線・上り1821M(3)−18:38-39桑園[82/1:22]

 ※シーモック/カット1,000円
 ※天然温泉「北のたまゆら桑園」420円

20:01桑園−函館本線・下り261M(3)−20:04-11札幌[109/1:49]

 ※「ピカンティ札幌駅前店」

22:00札幌※−急行「はまなす」(459/7:39)−

この改定第2案を最終案として、準備をしていった。
荷物には銭湯に行くためのタオルやバスタオルも準備した。
これであとは当日を待つだけとなった…と思った。
しかし…。


 6.奇跡−乗車4日目前の大どんでん返し

出発4日前の7月9日火曜日、この日も昼の休憩に入る前にケータイをチェックした。
普段、仕事場にはケータイを持ち込まず、ロッカーに置きっ放しにしている。
そのため、昼休憩に入る前に必ずケータイはチェックしている。
仕事は7:00a.m.から始まるため、昼休憩も11:00a.m.から1時間、
仕事が押しても11:30a.m.位には入るようにしている。
そのため、昼にケータイをチェックした時には気付かなかったのだが、
0:26p.m.にJR津田沼駅みどりの窓口から留守電が入っていた。
帰る時に着替える前にケータイを見たところ、留守電が入っていたことに気付いたのだ。
留守電を再生してみると、「先日ご登録いたしました『北斗星』の、
キャンセル待ちの解答が出ました。」とのこと。
さらに「発券日は7月11日夜7時までです。」と入っていた。
そこで慌てて折り返し電話して、本日取りに行く旨を伝える。
まさか、ここに来て「北斗星」A寝台個室“ロイヤル”のチケットが取れるとは、
夢にも思っていなかったのだ。
いくらなか日とはいえ、7月の三連休に、しかも仕事終わりでみどりの窓口に行っているため、
登録順もかなり後の方になっていると思っていた。
だから、まさか本当に取れるとは全く思ってもいなかったのだ。
正しく奇跡の大どんでん返しである。
以前、同じくJR稲毛駅のみどりの窓口でキャンセル待ちをした時は、
「朝、10:00a.m.に連絡が入ることになっているので、
もし取れているとすれば午前中に連絡が行く。」と云われていたので、
昼休憩前に連絡が入っていなければ、その日はもうないと思っていた。
しかし、JR津田沼駅では気を利かせてくれたのか、
一般的な昼休み時間に連絡を入れてくれたのである。
そのまま、JR津田沼駅のみどりの窓口に直行し、キャンセル待ちで取れたチケットを購入する。
取れたのは9号車1番個室で、特急料金2,940円にA寝台個室料金\17,180円、
合計して20,120円である。
さらにディナーも同時に申し込んだ。
フランス料理の第1回目、6:00p.m.からの回で、料金は7,800円。
これは名前を登録して申し込まなければなならない。
ディナーは乗車3日前までの予約が必要で、これもギリギリだった。



その日はそのまま「北斗星」の寝台特急券だけ購入したが、
事前に購入していた急行「はまなす」と東北新幹線「はやぶさ」のグランクラスは不要になる。
これを払い戻しをしなければならない。
また、同じく札幌市内から幕張までの乗車券についても、経路が変更になる。
寝台特急「北斗星」は青森から盛岡までは東北新幹線延長開業により、
JR東日本から分離され、第三セクター化された区間を走ることになる。
当然、青森から目時までは青い森鉄道、目時から盛岡まではIGRいわて銀河鉄道に運賃を払うことになり、
その分別料金が請求されることになる。
そこで翌日、7月10日水曜日に同じく仕事帰りにJR津田沼駅みどりの窓口に行き、
7月13日土曜日の急行「はまなす」札幌→青森間と、
7月14日日曜日の東北新幹線「はやぶさ4号」グランクラスの新青森→東京の払い戻しをする。
各230円ずつの手数料がかかり、払戻金額が23,420円で、差し引き22,780円が、
view Suicaカードのクレジット口座に入金されることになる。



それから札幌市内から幕張までの乗車券についても乗車区間の変更手続きをして貰い、
4,170円が追加請求される。
余談だが、この分についてはカードが使えないために現金で支払いを要求された。
何はともあれ、3日前に乗車券も揃えることが出来た。
出発は7月12日金曜日なので、なんと出発2日前に漸く切符が揃ったことになる。
しかも11日木曜日は遅番のためにみどりの窓口に行くことは出来ない。
本当にギリギリの綱渡りだった。
結局、第1案を復活し、この予定で旅行は決行された。


 7.津田沼駅の攻防戦と羽田への道−旅の始まり

予定変更で7月13日土曜日に銭湯に行かなくなり、
その分のバスタオルなどの荷物が不要となり、
幾分旅行用バッグの荷物が少なくなったが、
それでも大きなバッグとカメラバッグを会社まで持って行くのはきつい。
そこで7月12日金曜日は旅行の準備をして、
スーツではなくそのまま旅行に行ける格好で旅行用バッグとカメラバッグを持ち出勤する。
但し、途中津田沼で下車してコインロッカーに全ての荷物を仕舞う。
津田沼から空港リムジンバスを利用するため、
ここにバッグを預けておけば出発直前に取り出すことが出来る。
財布とパスケース、それにケータイだけをズボンのポケットに忍ばせ、手ぶらで出社する。
三連休前の金曜日ということで、仕事は目茶苦茶忙しかったが、
それでもなんとか40分の残業で退社し、津田沼駅に向かう。
勤務中に考えたのだが、13日土曜日は寝台特急「北斗星」で帰京する。
この時、18:00から第1回目のディナータイムで夕食を喰い、
そのあと第2回目が19:40から、そしてそれが終了する21:00頃からパブタイムが始まる。
パブタイムは予約なしでも入ることが出来る。
そこでディナータイムのあと、シャワーを浴びてからパブタイムに再び食堂車に行き、
風呂上がりのビールを楽しむ。
しかしそのためにはシャワー後に着る服がいる。
一日着た汗だくの服を再び切る気にはなれないし、風呂上がりの準備は家に置いてきてしまった。
そこで会社に置いてあった着替え用のTシャツを持って退社した。
空港リムジンバスはJR津田沼駅から18:00に出発する。
思ったよりも早く退社できたために津田沼駅で約1時間半の余裕が出来た。
そこでこの時間を使った髪の毛を切ることにした。
ケータイでQBハウスのホームページにアクセスし、
JR津田沼駅近辺に店舗がないか検索したところ、駅にあると書かれていた。
JR津田沼駅でQBハウスは見たことがない。
どこかにあるのだろうと思って駅の中から外をうろうろ歩き回り、
漸く北口1階に見つけた。
なんと、朝荷物を仕舞ったコインロッカーの隣だった。
店が開いていなかったので気付かなかったのだ。
ここで1,000円でカットをして、それでも時間が余ったのでイトーヨーカドーに行く。
ただ、涼みたいということもあったが、
リニューアルした店舗の中を見て回り、次に買い物に来る時の情報収集をする。
出発15分前くらいにコインロッカーに行って荷物を取り出し、南口のバス停に行く。
津田沼と羽田を結ぶリムジンバスはJR津田沼駅からの利用客よりも、
京成津田沼からの利用客の方が多いが、
それでも今回のJR津田沼駅からの利用客は自分を含めて4組しかなく、
運転手からは予約番号さえ聞かれなかった。
津田沼からのリムジンバスは東京空港交通と京成高速バスの共同運行で、
今回の乗り込むバスは東京空港交通の運行だった。
京成高速バスの場合はSuicaやPASMOが使えるが、
東京空港交通のバスでは使うことが出来ず、現金で1,200円払った。
乗り込む前に運転手からは「三連休前の金曜日なので、出掛ける車も多く、
羽田到着は遅れることが予想されます。」と話があった。
それを承知の上で乗り込んで欲しいということなのだろう。
京成津田沼で乗客を乗せてからいったん下り方面にいってから湾岸習志野ICから高速に乗る。
京成津田沼駅を出た時に運転手から車内放送があったが、
やはり高速の渋滞の情報が入っているみたいで、途中で一般道に下りた。
13号地から再び高速に入って東京港トンネルを越えて羽田空港まで行く。
羽田空港第2ターミナル到着は19:10で、ホームページに載っているダイヤより5分遅れだった。
普段はダイヤよりも余裕を持って到着するのだが、まあ想定の範囲内の遅れなのだろう。
羽田空港から乗り込むANA081便の出発は20:30なので、
十分に吸収できる範囲の遅れだった。


 8.5分遅れのtake offと札幌の夜

羽田空港に到着して直ぐに保安検査場を通過する。
保安検査場がリニューアルしたように感じた。
60番ゲートからの搭乗だが、時間が早かったためにまだ人は少なかった。
羽田61番ゲートコンビニで空弁「明太牛たん丼」と「肉巻きおむすび」などを購入する。
ベンチで「明太牛たん丼」を喰い、搭乗開始を待つ。
ANA081便に使用される機材の到着の遅れで、5分遅れの出発となった。
出発ゲートから「座席数の不足が予想されるため、
出発便の変更をお願い出来る方を募集しています。」と構内放送があった。
「変更をお願いする便は翌日13日07:00のANA051便か08:00の053便で、
応じてくださる方には現金20,000円か、15,000マイルを差し上げます」とのこと。
これはどういうことなのだろう。
使用する機材が決まっているのだから、普通は座席が不足することは考えられない。
たぶん、予定していた機材ではなく、急遽機材を変えたために座席不足が発生してしまったのだろう。
事前搭乗が始まり、一般乗客が搭乗を開始したのは8:25p.m.で、
飛行機に乗ってからもCAから搭乗便の変更に応じてくれる人を募集していた。
乗り込んじゃってからそんなことを云われても困るだろう…。
「あと一人、募集しています。」と云うことで、
「現金20,000円か15,000マイルに加え、今日の宿泊料金も負担します。」と云っていた。
相当困っているのだろう。
それでも何とか離陸を開始する。
離陸して上空に行き、ベルト着用サインが消えてからもかなり揺れていた。
無料ドリンクではビーフコンソメスープをチョイスした。
揺れがあるので少なめに注いだとCAが云っていた。
予定より7分遅れで新千歳空港に着陸する。
到着して飛行機を降りてから直ぐに地下にあるJR新千歳空港駅に行くが、
既に予定していた22:14の快速エアポート223号は出発したあとで、
さらに三連休の前日の夜ということもあって、
ホームは今まで経験したことがないくらい利用客が溢れていた。
22:34新千歳空港発の快速エアポート225号に乗って札幌に向かう。
この列車は終電のひとつ前で、721系が充当されていた。
721系は片側3扉の近郊形交流電車だが、ドア部にデッキが設置されているため、
1両が2つの分割されて転換クロスシートの客室があるという、
極寒地の北海道ならではの車両となっている。
40分の乗車で終点の札幌に到着する。
JR北海道もKitaca利用可能区間ではSuicaが利用できるため、これを利用した。
今夜予約を取っているホテルルートイン札幌駅北口は既に何度も利用しているため、
迷うことなくすんなりといくことが出来る。
チェックインの前にサンクス札幌駅北口店で地ビール2本を購入する。



ここのコンビニで事前にビールを買ってホテルに行くというのも何時もの行動である。
チェックインの時にルートインホテルズPontaカードに入会する。
今までのメンバーズカードは既に廃止され、こちらに切り替わっているとのこと。
入会金、年会費、永年無料ということで入会することにした。
Pontaカードは近所のローソンストア100でも使えるので有用と判断したのだ。
早割30日前プランでシングル6,300円をカードで支払う。
部屋に入って羽田空港で買った肉巻きおにぎりをつまみに地ビールを飲む。



連休前の金曜日ということとでハードな仕事をこなしてからの飛行機移動で、
疲労はかなり蓄積していて、ビールを飲み終えた時にはほぼ体力を使い果たしており、
シャワーを浴びることもなく倒れるようにベッドに入った。


 9.一番風呂と大混雑のMorning

前日は仕事をしてからの飛行機移動で、
しかも飛行機の遅れもあってチェックインしたのが11:0p.m.を過ぎていて、
2本の地ビールの酔いで倒れるように寝込んでしまった。
翌日は4:50a.m.に起床し、5:00a.m.から本館地下の大浴場に行って朝風呂を楽しんだ。
宿泊したのは別館だが、大浴場は本館地下に設置されている。
部屋のバスタオルなどを持っていったん1階に行き、
別館から本館に移動してさらに本館のエレベーターで地下1階に移動する。
やはりホテルのユニットバスよりも大浴場でゆったり入るのが心地良い。
昨日飛行機が着陸する前に機内アナウンスで現地の温度は18度と行っていたが、
確かに蒸し暑さはなく、ぐっすりと眠れた。
部屋に戻ってクールダウンし、そのあと荷物をまとめる。
今回は07:34札幌駅こ始発の列車に乗らなければならず、
朝食開始時間の6:45a.m.から49分しかない。
部屋に戻ってゆっくりしている暇はないため、朝食前に荷造りは終わらせておく。
6:45a.m.を待って本館1階の「花茶屋」に行き、バイキングのモーニングを喰う。
この日は札幌のホテルは予約が取れないほどで、
当然のことながら満室の分、朝食バイキングを利用する客も多く、
座席に座れない客が出るほど混雑していた。
別館1階のスペースにもテーブルが設置され、そこに持って行って食べてもいいことになった。
オムレツ、ハム、揚げ餃子、ササミチーズのフライ、ジャガイモのマヨネーズかけ、
金平牛蒡、ラーメン、梅干し、沢庵、海苔、サラダ、味噌汁、ご飯。



ご飯と味噌汁はおかわりした。
さらにパンプキンプリン、トロピカルフルーツ、コーヒーなど。
ラーメンとはラーメンサラダのことで、炭水化物を多く取り過ぎ、満腹となった。
本当は部屋でゆっくり休んで消化を待ちたかったが、
時間がなかったために部屋に戻って歯を磨いて直ぐにチェックアウトする。
空はよく晴れて去年とは正反対の好天となった。
コインロッカーに旅行用バッグを入れ、カメラバッグだけを持ち07:34の電車に乗り込む。
隣のホームには札沼線に割り当てられていたが、711系が充当されていた。
札沼線は2012年6月に桑園から北海道医療大学までが電化、
電化直後は気動車と電車の両方が運用されていたが、
同年10月27日より石狩当別までは完全電車化された。
そのため国鉄時代の711系も充当されているようである。


 10.2時間40分の移動−1本の電車と2本のバス

札幌から岩見沢までの乗車時間は46分で、08:20に到着する。
岩見沢からはバスに乗り換えるのだが、乗り換え時間は40分取ってある。
ここは駅取材がまだなので、そのための時間を取っておいたのだ。
ホームに下りると側線にDE15型ディーゼル機関車が留置されていた。
DE15型はラッセルヘッドを連結できるタイプのディーゼル機関車で、
当然のことながら積雪のある寒冷地でしか見ることが出来ない。
岩見沢駅には岩見沢運転区が併設されており、多くの側線がある。
そこにはディーゼル機関車や気動車が留置されていた。
函館本線小樽から旭川までの区間は電化されているが、
接続する室蘭本は非電化で、ここで使われる気動車が留置留置されているのだ。
側線の留置車両を取材していると、キハ183系5100番台、
“クリスタルエクスプレス”が入線してきた。



この車両は以前に乗ったことがあるが、再び出会うことが出来た。
十分に車両取材してからSuicaで改札の外に出る。
駅舎は2009年にリニューアルされた新しいもので、
全面ガラス張りであるが、煉瓦も使われていて機能的であるが美しさもある。
岩見沢駅には駅に隣接してバスセンターがあり、
ここからは数多くのバスが発着している。
予定通り、北海道中央バス三笠線で三笠市市民会館まで行く。
このバス路線はJR幌内線の廃止に伴い、代替輸送として誕生したものと思われ、
旧幌内線にほぼ沿って運行されている。
ほぼ予定通りの時間に三笠市民会館に到着する。
ここからは三笠市営バスに乗り換えるのだが、乗り換え時間が約30分あり、
正直云って少し時間を持て余す。
良い天気でその分気温も上がり、三笠市民会館の中でバスを待つ。
北海道中央バスの車両は一般的な乗り合いバスだったが、
ここから乗った三笠市営バスは旅館の送迎車レベルで、
全区間200円均一料金である。
10分足らずで鉄道記念館に到着するが、乗客は自分一人だけだった。
去年は大雨でこれなかったが、今日はよく晴れている。



ここからいよいよ三笠鉄道村・幌内ゾーンの見学である。


 11.三笠鉄道村・幌内ゾーン−三笠鉄道記念館

三笠鉄道村は廃止された幌内線の終着駅であった幌内駅の跡地に、
北海道で使用された鉄道車両を静態保存している。
普通は入口にゲートがあり、ここでチケットを購入して入場するというのが普通だが、
入口には窓口があるものの、これは三笠トロッコ鉄道のチケット売り場で、
三笠鉄道村の屋外展示自体の入場は自由となっている。
道を挟んで駐車場があり、ここにも静態保存車両が置かれていた。
北興鉱業電気機関車2号、10号、気動車キロ26形104号車、無蓋車トラ72568など。
敷地内に移動してディーゼル機関車DD15型17号機、DD14型1号機、
DD16型15号機、DD51型610号機、
操重車ソ81、長物車チキ6147、ジョルダン雪カキ車キ756、ラッセル雪カキ車キ274、
救援車スエ32形1号車、スエ30形41号車、
2等気動車キハ22形52号車、キハ56形16号車、キハ27形23号車、
郵便荷物客車スユニ50形505号車、
二軸ボギー3等緩急車スハフ44形12号車、オハフ33形451号車と取材する。
天気が良かったために屋外展示の車両も楽しく取材できた。
その間に動態保存されているS-304号蒸気機関車の準備が開始され、
車庫からバックで出されて調整に入っていた。
暫くすると更新のまま無蓋車を改造したトロッコ車両に連結された。



このあとS-304号は鐵原室蘭コークス工場で構内入れ換えように使われていた蒸気機関車で、
そのため側面には「テツゲン」や「暖房はコークス」と書かれている。
さらに円形車庫を模した三笠鉄道記念館の建物に屋内展示されている、
蒸気機関車C12型2号機、9600型59609号機、
電気機関車ED76型505号機、ディーゼル機関車DD13型353号機なども取材する。
屋外展示だけ見て次の三笠ゾーンに移動しようかとも思ったが、
ちょうどバスが行ってしまった時間だったため、三笠鉄道記念館に入場する。



屋内展示は有料で、価格は520円だが、
ホームページからクーポン券をプリントアウトしていったので100円引きとなった。



屋内展示は北海道と全国の鉄道網の発展と衰退が分かるように順序立てて展示してあり、
展示方法もわかりやすく勉強になる。
また元鉄道職員だった個人の貴重なコレクションの寄付も展示されており、興味深かった。
明治34年時点の北海道の鉄道網を紹介した「北海道旅行便覧」も展示されていた。



これには「官民必携」と書かれており、当時はまだ“北見國”とか“天塩國”などと、
律令制度に準じた国郡里制の国名が付されていたようである。
時間があったために展示物を丁寧に見学し、市営バスの時間を待った。
本当はここで食堂車を利用したキッチン「ポロナイ」で昼食を取る予定だったが、
朝食のバイキングで喰い過ぎたためにそれほど空腹でもなく、昼食は取らずにバスに乗り込んだ。


 12.三笠鉄道村・三笠ゾーン−クロフォード公園

予定通り、12:36に鉄道記念館のバス停に来た三笠市営バスに乗り、クロフォード公園まで行く。
三笠市民会館から乗った時には客は全くいなかったが、
今回は途中のバス停から何人か乗り込んできた。
かつては北海道中央バスが走っていたが、
路線が廃止になり、代わりに三笠市がマイクロバスを使った市営バスを運行した。
ここはやはり三笠鉄道村へのアクセス路線というよりも、
地元住民の足としての存在の方が強いのだろう…。
バス停で下りてクロフォード公園に行く。
ここは幌内線三笠駅の跡地を廃止後に整備したもので、
三笠鉄道記念館の分館的な存在で、三笠駅の前身の幌内太駅を再現している。



幌内ゾーンは大きな駐車場もあり、
また動態保存の蒸気機関車もあるのでそれなりに客はいたが、
こちらはほとんど客はなく、ひっそりとしていた。
三笠駅の跨線橋やホームの一部がそのまま残されており、
そこにディーゼル機関車DD51型548号機と、
ホッパ車ホキ2200形ホキ2341、ホキ700形ホキ746、
車掌車ヨ8000形ヨ8006が連結された状態で展示してある。
まるでディーゼル機関車が牽引してホームに停車しているかのような演出であった。
さらに駅のホームから少し離れたところには国鉄形気動車が6両静態保存されていた。



キハ82形100号車、キハ80形150号車、キシ80形27号車、
キロ80形52号車、キハ80形145号車、キハ82形87号車。
予定ではここでの取材時間は3時間47分を予定していたが、
保存車両も少なく、また他に客もいないことから取材も順調に出来たため、
予定の時間を持て余してしまった。
そこでネットで調べて持参した時刻表を見て、
13:49の三笠市民会館発の北海道中央バスに乗って岩見沢に帰ることにした。
クロフォード公園から三笠市民会館までは約650mの距離なので歩くことにした。
三笠市民会館に着いてからもバスが来るまでの時間を持て余していた。
岩見沢に着いた時には約10分の待ち時間で始発の区間快速「いしかりライナー」に乗れた。
この列車は15:18に札幌に到着した。
この段階で寝台特急「北斗星」の発車時間まではまだ約2時間の余裕があった。


 13.もりそばと3つの夜行列車

札幌駅に到着するとやはりお腹が減っていた。
朝食を喰いすぎたために予定していた三笠鉄道文化村での昼食は取りやめたが、
さすがに空腹で遅ればせながら昼食を喰おうと思ったが、
このあと乗る寝台特急「北斗星」では6:00p.m.からディナーの予約を入れている。
あまりガッツリ喰ってしまうとせっかくのフランス料理が楽しめない。
そこで前回も札幌駅の昼食で使った「北海道そば 蕎麦紀行」へ行こうと思った。
ここは改札内にある北海道の蕎麦粉に拘った本格的蕎麦店である。
コンコースに下りたところで、
電光掲示板に「トワイライトエクスプレス」の文字が見えた。
そこで慌ててこれを取材する。



寝台特急「トワイライトエクスプレス」は大阪と札幌を日本海縦貫路線で結ぶ夜行列車で、
札幌から大阪に向かう列車は原則として月曜、水曜、金曜、土曜に運行される。
逆に大阪発は火曜、木曜、土曜、日曜に限定されて運行される臨時列車扱いである。
これを取材してから「北海道そば 蕎麦紀行」に行き、もりそば530円喰う。
前回は海老天そばを喰ったが、今回はディナーのために軽めに押さえた。
再びホームに上がり、今度は寝台特急「カシオペア」を取材する。



寝台特急「カシオペア」は「北斗星」と同じく上野と札幌を東北本線経由で結ぶ夜行列車で、
JR東日本によって新造された全室2名用A寝台個室のE26系客車によって運行される。
E26系は1編成しか存在しないため、
原則として札幌から上野へ向かう列車は月曜、水曜、土曜、
上野から札幌に向かう列車は火曜、金曜、日曜に運行される臨時列車扱いである。
これを取材してからSuicaで改札を出て、お土産などを買ってからコインロッカーから荷物を出す。
事前購入した切符でふたたび入場して寝台特急「北斗星」の到着を待つ。



寝台特急「北斗星」は17:12に札幌駅を出発するが、5:00p.m.頃に札幌駅に入線する。



ここからいよいよ寝台特急「北斗星」の旅が始まる。


 14.A列車で行こう−2度目の「北斗星」

寝台特急「北斗星」は上野と札幌を東北本線経由で結ぶ夜行列車であり、
青函トンネル開通とともに本州と北海道を定期で結ぶ最初の列車として誕生した。
運行開始当初は1日3往復されていたが、「カシオペア」誕生により2往復となり、
さらに青函トンネルの北海道新幹線対応工事に伴い現在は1往復となっている。
寝台特急「北斗星」は上野−札幌間の1,214.7kmを結ぶ寝台特急で24系25形客車を用いている。
24系は集中電源方式のため、荷物車を連結してそこから車内利用の電気を供給する。
牽引機は上野から青森駅までが交直流用のE510型500番台電気機関車である。
寝台列車牽引用の流星マークが側面に施された専用機のほか、
運用の都合で「カシオペア」用のE510型500番台が用いられることもある。
青森駅から函館は青函トンネルを潜るために塩害対策が施された専用機ED79型交流電気機関車を使用する。
函館駅から札幌までは非電化区間があるためにDD51型ディーゼル機関車を重連で用いる。
上り列車は17:12札幌を出発し21:41に函館に到着してED79型電気機関車に付け替える。
21:48に函館を出発して翌朝09:38終点上野に到着する。

1人用A寝台個室“ロイヤル”は9号車、10号車にそれぞれ2室、
ひとつの編成でも4室しかないこの列車の最高級グレードであり、
またその分チケットの入手が困難なプラチナチケットとも云える。
今回はキャンセル待ちで何とか9号車1番個室を入手することが出来た。
出発して暫くしてから車掌が来て乗車券と寝台特急券の検札を行う。



それと同時にこの部屋のルームキーとなるカードが手渡される。
ルームキーはカード式で施錠時に自分で設定した4桁の暗証番号を登録して、
解錠時にはテンキーからその暗証番号を入力するというタイプのものである。



寝台特急「北斗星」の利用は4回目、“ロイヤル”は2度目だが、
何回乗っても寝台特急の個室というものはワクワクするものである。
検札の前にウエルカムドリンクが運ばれ、早速ワインのハーフボトルを開けて飲む。



よく冷えた白ワインが列車の揺れとともに全身に廻り、程良い酔いを楽しむ。
ほかにもウイスキーのミニボトル、ミネラルウォーター、氷、お茶などがあり、
ウイスキー派やアルコールが苦手な人への配慮もある。
6:00p.m.から食堂車「GRAND CHARIOT」でディナーを楽しむ。



ドリンクは白ワインのハーフボトルをオーダーする。
ウエルカムドリンクの白ワイン「おたる 2012 Muller-Thurgau」のハーフボトルと、
「グランシャリオ」はハウスボトルの白ワイン「北斗星」のハーフボトルと、
結局フルボトル750ml分のワインを飲んでしまった。
部屋に戻って程良い酔い心地でうとうとしていると、函館に到着する。
函館駅の停車時間は12分で、この間に牽引機をDD51型重連からDE79型に付け替える。
ホームに出てDE79型電気機関車の付け替え作業を見学する。



このあと函館駅を出てからパブタイムの「GRAND CHARIOT」でビールを楽しむ。
さすがに“ロイヤル”でも冷蔵庫は設置されていないが、
食堂車には冷えたビールが用意されているのでパブタイムが待ち遠しかった。
この時間に合わせてシャワーを浴び、風呂上がりのビールを楽しむ。
飲み過ぎたために部屋に帰って10:00p.m.倒れるように寝てしまった。

中華料理店で食事をしていると、「手宮」という名札をした中学生の男の子がやってきて、
おいらに向かって云った。「僕は、あなたを知っています」
そんな変梃な夢から覚めて時計を見たら2:00a.m.だった。
完全な二日酔いでふらふらしていて、列車の揺れもあって再び寝てしまった。

翌朝は6:15a.m.にモーニングコールをセットしておいたが、6:00a.m.には目が覚めてしまった。
シャワーを浴びて寛いでいるとモーニングコーヒーと新聞が届けられる。
これも“ロイヤル”のサービスなのである。
「GRAND CHARIOT」のモーニングタイムを待って洋朝食を喰う。
部屋に戻って支度をしてからまったりする。
この時間が寝台特急の“楽しみ”のひとつでもあるが、
上野に近づき、見慣れた風景になっていくと少しずつもの悲しさも募ってくる。
夢の時間は終わりで、現実の世界に戻る瞬間が刻一刻と近づいてくるからだ。
09:38に寝台特急「北斗星」は上野駅13番ホームに入線する。


 15.ランデブーとみどりの山手線50周年−旅の終わり

寝台特急「北斗星」は09:38に上野駅に到着する。
隣のホームを見るとシルバーの車体の寝台車両が停車していた。
寝台特急「カシオペア」である。
昨日、北海道で出会い、先に出発した「カシオペア」に再び上野で会った。
「カシオペア」は09:25に上野駅に到着していた。
牽引してきた電気機関車EF510型500番台を撮影しようと思ったら、
そのまま推進回送して行ってしまった。
「北斗星」が入線してポイントが切り替わるのを待って回送されていったのだろう。
上野駅の13番線から17番線の地平ホーム、通称“低いホーム”は、
上野止まりの櫛形ホームとなっており、
機回りできないので反対側の客車の貫通扉を開け、機関車は後進して車庫まで回送される。
貫通扉には信号や安全確認する推進運転士を配し、無線で機関車の運転手とやりとりしている。
「カシオペア」の最後部は貫通扉がないので窓越しで確認する。
結局「カシオペア」の機関車は撮れなかったが、「北斗星」のEF510型500番台を撮影する。



そのほかにも停車中の185系「草津」などを取材し、
推進回送される寝台特急「北斗星」を見送ってから帰宅することにする。
高架ホーム、通称“高いホーム”の3番線、4番線ホームに上がり、
ここから東京駅まで行こうと思ったが、
ふと思いついてここでも取材することにした。
山手線E231系500番台はみどりの山手線50周年に合わせ、
545編成がラッピングで103系の塗色イメージを再現している。
山手線が電化した時にはカナリアイエローの101系が投入されたが、
1963年に新型電動機が開発され、103系が誕生すると、
それまでの101系は総武線に転籍し、ウグイス色の103系が登場したのだ。
因みにこの時の入線により、
現在でも中央・総武緩行線のイメージカラーはカナリアイエローとなっている。
このラッピング車を狙ってここでカメラを構えて待つ。
内回り、外回りのどちらに投入されているのか分からないが、
山手線は1周約60分であるため、最低でも1時間も粘れば何とかなるだろう。
実際には約20分待って内回りのホームで取材することが出来た。



このあと予定通りに山手線外回りで東京駅まで行き、
「駅弁屋 祭」で昼食用の駅弁を購入し、総武快速線で帰宅する。

 −撮影記録−

2013.07.12. 撮影 2枚 保存 0枚
07.13. 撮影 1780枚 保存 152枚
07.14. 撮影 112枚 保存 7枚

 合計    撮影 1894枚 保存 159枚 採用率 8.4%





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