九州満喫きっぷの旅2013




 1.所定休日2日の使い道と新たな旅

今勤めている会社には会社全体で決まった夏季休暇というものはない。
全てカレンダー通りの営業である。
しかしその代わり、7月8月の2ヶ月で2日間の夏期所定休暇2日が、
基本的に全社員に与えられ、原則としてこの2日を交替で消化しなければならない。
これが夏休みの代わりとなり、毎年この所定休日を使って旅行を計画している。
土日に2日分を付けて4連休としたり、
或いは金曜日に2回取得して3連休を2回楽しむという使い方もある。
去年はこの所定休日を使って北海道に出掛け、
小樽市総合博物館と三笠鉄道文化村の取材に出掛けたのだ。
だが、三笠鉄道文化村は大雨のために断念し、
そのリベンジを今年の夏休みに企画した。
しかし今回は三笠鉄道文化村の幌内ゾーンと三笠ゾーンの取材だけなので、
7月15日月曜日の“海の日”と土日を絡めた3連休に企画したため、
所定休日を使うことはなかった。
そのため別の企画を考えようとネットで色々と調べていた。
去年は7月に北海道旅行を企画して8月は何処へも行かず、
その代わり9月に四国へ“バースデイきっぷ”を使った旅を楽しんだ。
漠然と「四国にバースディきっぷがあるのだから九州にもないかな…」と思い、
JR九州のホームページにアクセスして探してみた。
あった。
四国の“バースディきっぷ”と同じく3日間特急を含めて乗り放題だが、
価格が20,000円と面積が広い分価格も倍になっていることや、
九州新幹線にも乗れるが、グリーン車を含む指定席は6回までに制限されていること、
そしてJR四国ではネットで申し込むことも可能だが、
JR九州の“バースディきっぷ”はJR九州の駅や九州内の旅行会社など、
現地でなければ購入できないことなどが違っていた。
JR九州の場合は九州在住の客を想定しているのだろう。
当日でも購入できるようだが、指定席を取るためにはなるべく1ヶ月前に購入したい。
だが、逆に云えば1ヶ月前に九州に行けば関東在住千葉県民でもこの切符を購入することが出来る。
そこで所定休日を使って九州旅行に行くことに決めた。
しかし今年は運転免許証の更新もある。
誕生日が9月7日なので、その1ヶ月前の8月7日から更新することが出来る。
毎回、運転免許証の更新もこの所定休日を使っているのである。
つまり所定休日の1日は運転免許の更新に当てるため、
残り1日しか九州旅行にしか使うことが出来ない。
金曜日に付けて3連休として計画を立てることにした。
8月の九州旅行では以前も使った“旅名人の九州満喫きっぷ”を利用することにした。


 2.“旅名人の九州満喫きっぷ”と日程の決定

九州には“旅名人の九州満喫きっぷ”というものがある。
これは「九州の全鉄道が乗り放題」という画期的なもので、価格は10,000円。
期間は切符を購入した日から3ヶ月間に3回(人)である。
連続して使用しなくても3ヶ月間は有効で、
“青春18きっぷ”の様に同一行程なら複数で1枚の切符を使用することも可能だ。
参加している鉄道会社は、
 JR九州
 北九州モノレール
 平成筑豊鉄道
 筑豊電気鉄道
 福岡市地下鉄
 西日本鉄道
 甘木鉄道
 松浦鉄道
 長崎電気軌道
 島原鉄道
 熊本電気鉄道
 熊本市電
 南阿蘇鉄道
 くま川鉄道
 肥薩おれんじ鉄道
 鹿児島市電
と、JR、大手私鉄、中小私鉄、第三セクター、路面電車、地下鉄と多岐に渡る。
九州の鉄道会社の普通車自由席が乗り放題となるわけだ。
勿論、JR九州の有料特急や新幹線、バス路線などは利用できず、
機動力には制限がかかるが、それでも上手く利用すればかなり広範囲の旅が可能だ。
そこで今回の夏期所定休暇の旅はこの切符を使うことに決定した。
以前も何回か使ったことがあり、非常に使い勝手が良かった。
広範囲複数の鉄道会社で同一の切符を利用できるというのは、
関西の“スルッとKANSAI 3dayパス”などもあるが、
こちらはあくまで私鉄のみである。
JRと大手私鉄が同一切符で利用できるというのは非常に珍しい。
九州地区を盛り上げていこうという機運の表れかもしれない。
往復は飛行機を利用することを想定していたが、
よくよく考えてみると所定休日で運転免許証の更新に行ったとしても、
だいたい半日もあれば終わってしまい、午後からは無駄となる。
そこで今年は運転免許証の更新の日の午後を九州への移動に当てることにした。
そうすれば新幹線の利用が可能となる。
8月22日木曜日と23日金曜日に所定休日を取得、
22日木曜日に運転免許証の更新をしてそのまま東京まで移動し、
東海道・山陽新幹線で博多まで行くのである。
この区間は“のぞみ”でも5時間以上かかるが、半日当てれば十分である。
帰りは飛行機の利用としても、22日木曜日に前乗りする形にすれば、
“旅名人の九州満喫きっぷ”を2日半有効利用できるのだ。


 3.九州満喫きっぷの旅 準備稿

千葉運転免許センターの受付時間は午前中が8:30a.m.から10:00a.m.までだが、
実際はこの時間は視力検査の開始時間であって、
書類作成はその前から受付して貰うことが出来る。
郵送されてくる「運転免許更新のお知らせ」を会場に持参し、
現在の免許をコピーした台紙を作成、
それに収入印紙を窓口で購入して貼り付け、
それを持って視力検査を開始する。
台紙作成と収入印紙の購入と貼り付けに15分くらいの余裕を持って臨むとして、
8:15a.m.過ぎには会場入りしたい。
千葉免許センターは千葉市美浜区浜田で海浜幕張が最寄り駅である。
幕張本郷からは門前までバスが出ているが、
このあと東京駅で新幹線に乗ることを想定すると海浜幕張から京葉線に乗りたい。
そこで免許センターまでは千葉シーサイドバスで行くとして、
海浜幕張駅のコインロッカーに荷物を預け、朝食を喰ってから徒歩で向かう。
更新手続き終了後に京葉線で東京駅まで行ってそこから東海道新幹線で博多まで行く。
九州満喫きっぷは九州内のほぼ全ての鉄道で利用可能だが、
逆に新幹線や特急は利用できないため、長距離移動には向かない。
九州内で取材したい場所は長崎方面では島原鉄道や松浦鉄道などがあるが、
3日間を有効にと考えると、私鉄や第三セクターの多い熊本エリアがいいだろう。
熊本電気鉄道は北熊本までしか行ったことがないし、
くま川鉄道も人吉で車庫に留置されている車両を望遠で撮ったことがあるだけ、
南阿蘇鉄道に至っては見たことすらない。
そこでこの3つの鉄道を中心に計画を練ってみた。
しかし3つを3日間で取材するとなると博多に戻るのが辛くなるし、
同じくまだ見たこともない甘木鉄道の取材もしたいので、
上熊本−北熊本−藤崎宮前で乗車体験のある熊本電気鉄道は今回断念し、
日本一長い名前に返り咲いた南阿蘇水の生まれる里白水高原駅のある、
南阿蘇鉄道の全区間乗車と車両取材、
水戸岡鋭治氏のデザイン車両を有するくま川鉄道の取材を優先し、
また博多に帰る途中で甘木鉄道を取材し、帰りは空路を選択した。
宿泊は熊本では定宿としている“ルートイン熊本駅前”を選び、
以下のような計画を立てた。

8月22日(木)

07:30JR幕張駅※−千葉シーサイドバス・291系統・幕張海浜線(15)−07:45海浜幕張駅[45]

 ※千葉運転免許センター 8:30〜10:00

11:05海浜幕張※−京葉線・上り1102Y(39)−11:44東京[46]
12:30東京※−東海道・山陽新幹線「のぞみ33号」(309/5:09)−17:39博多[12]
17:51博多※−九州新幹線「つばめ357号」(50)−18:41熊本

 ※ルートイン熊本駅前チェックイン

8月23日(金)

 ※ルートイン熊本駅前アウト

10:50※熊本−豊肥本線・下り1447M(32)−11:22肥後大津[66/1:06]
12:28肥後大津※−豊肥本線・下り431D(14)−12:42-56立野[4]
12:46立野※−南阿蘇鉄道立野線・下り13(15)−13:01南阿蘇水の生まれる里白水高原[47]
13:48南阿蘇水の生まれる里白水高原−南阿蘇鉄道立野線・下り15(17)−14:05高森[47]
14:52高森−南阿蘇鉄道立野線・上り16(28)−15:20立野[2]
15:22立野−豊肥本線・上り438D(49)−16:11熊本[12]

 ※ルートイン熊本駅前イン

8月24日(土)

 ※ルートイン熊本駅前アウト

 第1案

09:44熊本※−「SL人吉」(149/2:29)−12:13人吉[22]

 第2案

09:34熊本※−快速スーパーおれんじ1号(28)−10:02-04八代[5]
11:09八代※−肥薩線・下り1227D(73/1:13)−12:22人吉[13]

12:35人吉※−くま川鉄道・湯前線13D(45)−13:20湯前[17]
13:37湯前※−くま川鉄道・湯前線14D(23)−14:00おかどめ幸福[55]
14:55おかどめ幸福−くま川鉄道・湯前線15D(5)−15:00あさぎり[57]
15:57あさぎり−くま川鉄道・湯前線16D(24)−16:21人吉[69/1:09]
17:30人吉※−肥薩線・上り1234D(83/1:23)−18:53八代[21]
19:14八代※−鹿児島本線・上り5344M(37)−19:51-58熊本

 ※ルートイン熊本駅前イン

8月25日(日)

 ※ルートイン熊本駅前チェックアウト

08:09-31熊本−鹿児島本線・上り330M(53)−09:24銀水[27]
09:51銀水−鹿児島本線・上り332M(15)−10:06-7筑後船小屋[20]
10:26-7筑後船小屋−鹿児島本線・上り4236M(27)−10:54-11:00基山[18]
11:18基山※−甘木鉄道・下り111(27)−11:45甘木[43]
12:28甘木※−西鉄甘木線・上り7521(145/2:25)−14:53大牟田[30]
15:23大牟田※−西鉄天神大牟田線A150(60/1:00)−16:23西鉄福岡・天神[60/1:00]
17:23天神−福岡市営地下鉄空港線・福岡空港方面354(11)−17:34福岡空港[41]
18:15福岡空港−ANA266便(100/1:40)−19:55羽田空港

JR九州の所有する観光列車はいろいろとあるが、
そのうちまだ未取材の「SL人吉」、特急「あそぼーい!」、特急「A列車で行こう」は、
全て熊本を発着としている。
そこでこれらの取材も今回の旅行の中では大きなミッションのひとつである。
また24日土曜日は熊本から人吉への移動手段として「SL人吉」を検討した。
この列車は快速扱いのために九州満喫きっぷでも指定席さえ別購入すれば乗ることが出来る。
人気が高いと予想し、指定席が取れなかった時のために第2案も用意した。
この計画に合わせてチケットを購入していくことにする。


 4.第1案の敗北と第3案の作成−九州満喫きっぷの旅 決定稿

今回の旅ではメインの「九州満喫きっぷ」は九州に行ってから購入することになるが、
行きの新幹線と帰りの飛行機、それにホテルは事前の予約や購入が必要である。
そこでこの計画に合わせて6月2日に「ルートイン熊本駅前」のホームページにアクセスし、
8月22日から禁煙シングル3泊を“NET DE早割30日前プラン”で予約、
@5,200×3日=15,600円、事前予約特典で朝食は無料となる。
帰りの飛行機もANAのホームページから事前予約、
2ヶ月前の6月25日を待ってクレジット決済する。
7月22日月曜日には仕事の帰りに津田沼で下車し、
イトーヨーカドー津田沼店内JTBで行きの新幹線の乗車券を購入する。
以前、勤続20年表彰で貰ったJTBの旅行券がまだ残っていたので、
それを使い、海浜幕張から熊本までの乗車券14,780円と、
8月21日の東京→博多の「のぞみ33号」の新幹線特急券・グリーン券15,810円、
8月22日の博多→熊本の「つばめ357号」の新幹線特急券3,120円を購入する。
JTB旅行券での支払いの場合、1000円までのおつりは旅行券で、
さらに1000円未満は現金でちゃんと払われる。
7月24日に仕事の帰りに津田沼で下車し、
みどりの窓口で8月24日第1案の、
快速「SL人吉」の指定券を購入しようと思ったが既に満席だった。
とほほ…。
仕方がないので第2案で決行しようと思った。
みどりの窓口の職員に「帰りなら席が取れます」と云われたが、
帰りの快速「SL人吉」に乗るとするとくま川鉄道での取材が思うように出来ないのである。
この時はそう思って諦めたが、
そのあといろいろと考えて、ホテルを出る時間を前倒しし、
その分くま川鉄道の取材を相対的に前倒しすれば帰りに快速「SL人吉」に乗れるかもしれない。
そう考えて計画を練り直した。
熊本から人吉までは結構な距離があるので、行きは特急を使うしかない。
そうすればくま川鉄道の取材時間も十分に取れる。
そこで08:32熊本駅始発の特急「くまがわ1号」で人吉まで行き、
ここから前倒しで湯前、おかどめ幸福、あさぎりを取材して、
人吉から14:38発の快速「SL人吉」で熊本まで戻る。
この計画に合わせて8月9日金曜日の仕事終わりに津田沼駅のみどりの窓口に行き、
熊本から人吉までの乗車券1,770円と「くまかわ1号」のB特急券1,400円、
そして人吉から熊本までの快速「SL人吉」の指定席券800円を購入する。
発売から少し時間が経ってしまったが、まだ「SL人吉」の指定席は残っていた。
しかも2号車8番A席で、これはネットで調べたら進行方向の窓側であった。
8月24日の第3案を加えて最終予定案を以下のように作成した。

8月22日(木)

07:30JR幕張駅※−千葉シーサイドバス・291系統・幕張海浜線(15)−07:45海浜幕張駅[45]

 ※千葉運転免許センター 8:30〜10:00

11:05海浜幕張※−京葉線・上り1102Y(39)−11:44東京[46]
12:30東京※−東海道・山陽新幹線「のぞみ33号」(309/5:09)−17:39博多[12]
17:51博多※−九州新幹線「つばめ357号」(50)−18:41熊本

 ※ルートイン熊本駅前チェックイン

8月23日(金)

 ※ルートイン熊本駅前アウト

10:50※熊本−豊肥本線・下り1447M(32)−11:22肥後大津[66/1:06]
12:28肥後大津※−豊肥本線・下り431D(14)−12:42-56立野[4]
12:46立野※−南阿蘇鉄道立野線・下り13(15)−13:01南阿蘇水の生まれる里白水高原[47]
13:48南阿蘇水の生まれる里白水高原−南阿蘇鉄道立野線・下り15(17)−14:05高森[47]
14:52高森−南阿蘇鉄道立野線・上り16(28)−15:20立野[2]
15:22立野−豊肥本線・上り438D(49)−16:11熊本[12]

 ※ルートイン熊本駅前イン

8月24日(土)

 ※ルートイン熊本駅前アウト

08:32熊本※−特急「くまがわ1号」(88/1:28)−10:00人吉[20]
10:20人吉※−くま川鉄道・湯前線9D(43)−11:03湯前[17]
11:40湯前※−くま川鉄道・湯前線10D(23)−12:03おかどめ幸福[55]
12:57おかどめ幸福−くま川鉄道・湯前線「観光列車KUMA」13D(5)−13:03あさぎり[57]
13:57あさぎり−くま川鉄道・湯前線14D「観光列車KUMA」(24)−14:21人吉[17]
14:38人吉※−「SL人吉」(155/2:35)−17:13熊本

 ※ルートイン熊本駅前イン

8月25日(日)

 ※ルートイン熊本駅前チェックアウト

08:09-31熊本−鹿児島本線・上り330M(53)−09:24銀水[27]
09:51銀水−鹿児島本線・上り332M(15)−10:06-7筑後船小屋[20]
10:26-7筑後船小屋−鹿児島本線・上り4236M(27)−10:54-11:00基山[18]
11:18基山※−甘木鉄道・下り111(27)−11:45甘木[43]
12:28甘木※−西鉄甘木線・上り7521(145/2:25)−14:53大牟田[30]
15:23大牟田※−西鉄天神大牟田線A150(60/1:00)−16:23西鉄福岡・天神[60/1:00]
17:23天神−福岡市営地下鉄空港線・福岡空港方面354(11)−17:34福岡空港[41]
18:15福岡空港−ANA266便(100/1:40)−19:55羽田空港

これで事前の準備は全て整い、あとは当日を待つだけとなった。


 5.免許更新とコインロッカー攻防戦−旅の始まり

今年の夏期所定休暇は8月22日木曜日と23日金曜日に取得、
22日午後から熊本に陸路で向かうことにするが、
その前に運転免許証の更新のために千葉運転免許センターに行かなければならない。
千葉運転免許センターは千葉市美浜区浜田にあり、
JR総武線と京成千葉線の幕張本郷駅からバスで約10分、
JR京葉線海浜幕張駅からバスで約5分と、
千葉県公安委員会から来た“運転免許証更新のお知らせ”には書いてある。
しかし今回は更新手続き終了後、いったん帰宅せずに、
そのまま熊本に向けて旅立つため、
荷物をコインロッカーに預けておきたい。
そこで一端、海浜幕張まで行き、旅行用に持つとカメラバッグの両方を預け、
手ぶらで千葉運転免許センターに行くことにした。
海浜幕張駅へのアクセスは、幕張本郷駅から京成バスが運行されているが、
実は幕張駅からも千葉シーサイドバスによって路線バスの設定がある。
幕張駅付近は地上路線のために線路で南北が分断されていて、
クルマは踏切を通らなければ行き来することが出来なかったが、
2004年7月に地元の人が“大踏切”と呼んでいた、
総武線と京成千葉線を渡る第2木下街道踏切が廃止され、
幕張昆陽隧道が設置されたためにここを渡る路線バスも設定されたのだ。
今回はこの路線バスを使って海浜幕張駅に行くことにする。
07:00のバスに乗るために千葉シーサイドバスJR幕張駅バス停に行く。



ここはバス停と云うよりも親会社の東洋バスと兼用の本社の敷地になっており、
その車庫の一部をバス停として使用している。
因みにこの近くに廃止されたガソリンスタンドの敷地にも車庫を有しており、
一部のバスはそこから回送される。
バスに乗り込むまで失念していたが、今日は平日であり、
通勤客が多くて大きな旅行用バッグとカメラバッグを持って乗り込んでしまい、
ちょっと顰蹙だった。
料金は160円で、約15分で海浜幕張駅北口のバスターミナルに到着する。
余談だが、海浜幕張駅は北口ロータリーはバス専用となっており、
タクシーや一般車両は南口を使わなければならない。
早速海浜幕張駅に行ってコインロッカーを探そうとしたが…なかった。
事前に調べておいた情報によると南口を出た駅舎側にある筈だったが、
ちょうど工事中でコインロッカーのある場所も工事用フェンスで覆われている。
改札口の反対側にフードコートがあったが、そこも閉鎖されている。
仕方がないので幕張テクノガーデンに行ってみる。
ここならあるかもしれないと思って微かな希望を抱いたが、やはりなかった。
朝食として「MacDonald幕張テクノガーデン店」でソーセージエッグマフィンセット440円喰う。
ドリンクはアイスコーヒーをチョイス。
余裕を持って出掛けたが、コインロッカーを探して右往左往していたために時間がなくなり、
結局重いバッグを持ったまま千葉運転免許センターまで歩いて行く。
8:00a.m.過ぎに千葉運転免許センターに到着する。



“運転免許証更新のお知らせ”葉書を提示して台紙を貰い、
更新手数料2,500円と講習手数料600円の計3,100円分の印紙を購入し、
自分で台紙に貼ってから視力検査のゾーンに並ぶ。
午前中の受付時間は8:30a.m.から10:00a.m.までだが、
ここまでは時間の前でも済ますことが出来る。
8:30a.m.を待って視力検査を開始、そのあと台紙に必要事項を印字されるのを待ち、
写真撮影をしてから講習の行われる部屋に行って待つ。
有料講習だったために講習時間は30分だったが、
やはり旅行用のバッグとカメラバッグを抱えて教室に入った。
講習開始は9:15a.m.で終わってから新しい運転免許証を受け取る。
10:00a.m.前には千葉運転免許センターをあとにした。


 6.熊本への旅立ちとすれ違った“N700A”

千葉運転免許センターを出て海浜幕張駅まで歩こうかと思ったが、
ちょうど京成バスが免許センターの前に到着するところだったのでそれに乗る。
幕張本郷と海浜幕張、幕張メッセの間は2両連接バスが運行されている。
10:00a.m.前だったが、まだ通勤客と思われる利用者が多くいた。
たぶん、フレックス勤務なのだろう。
海浜幕張駅で事前に購入しておいた熊本行きの切符で入場する。



ここからいよいよ当日移動で陸路、熊本まで行くのだ。
予定では11:05海浜幕張駅始発の電車に乗るつもりだったが、
30分早い始発電車に間に合ったのでこれで東京まで行くことにする。
209系500番台が充当されていた。



この209系500番台は517編成で、最終製造された編成でもある。
最初は中央・総武緩行線ラシ67編成として誕生したが、
そのあと直ぐに京浜東北線ウラ81編成となり、
2008年からは京葉線ケヨ34編成となった流転の人生を歩んだ車両であり、
ラインカラーの赤14号が少し剥がれた部分にスカイブルーが見える。
11:14に東京駅に到着し、京葉線ホームから新幹線ホームまで移動する。
この区間は何度歩いても「長いな〜」と感じる。
区間の短い地下鉄だったら一駅分くらいになるかもしれない。
46分の乗り換え時間を取っていたが、さらに30分早い電車に乗ったので、
少し時間を持て余し気味になった。
新幹線ホームで駅弁を買ってから少しベンチで時間を潰し、
いよいよ「のぞみ33号」に乗り込む。
新型のN700Aが充当されていないかなと思ったが、
世の中そんなに甘くない。
通常のN700系であった。
そして車両に乗り込もうと思ったら、隣のホームに入線してきたのがN700Aだった。



N700Aは正確に云うとN700系1000番台となる、N700系の改良型である。
“A”は“Advanced”の意で2013年2月8日から営業運転が開始された。
JR東海のホームページによると、中央締結ブレーキディスクを採用して高いブレーキ力を実現、
地震等の災害時には地震ブレーキにより停止距離を短し、
また全台車の状態を常時監視する台車振動検知システムなど、
安全性、信用性をより高めているという。
先頭からの撮影は出来なかったが、
よく考えてみると前面のデザインは既存のN700系と変わりない。
少し得をした気分のまま「のぞみ33号」の8号車に乗り込んだ。


 7.東海道・山陽新幹線完乗の旅とその先の熊本へ

東京駅で乗り込んだ「のぞみ33号」はN700系が充当されていた。
JR西日本所属の3000番台、N15編成だった。
思えばいつの間にか東海道新幹線の中心はN700系になっている。



今回は今までで最長の東京から博多までとなるため、
8号車10番D席のグリーン席を予約しておいた。
それでも5時間9分の旅は正直云ってかなり辛い旅になる。
走り始めて暫くして車掌が検札に来た。



乗車前に売店で駅弁「生姜焼き重とメンチカツ」900円とお茶を購入、
昼食として車内で喰う。
売店のキャンペーンでお茶はこの駅弁と一緒に購入すると、
500mlのペットボトルが100円となった。
東京から東海道・山陽新幹線で今まで一番遠くまで行ったのが広島で、
また青春18きっぷの旅で補完的に小倉から広島まで使ったこともある。
しかし小倉から博多までは今まで一度も乗ったことがない。
日本を走っている全ての新幹線の中で、この区間だけが唯一乗ったことのない区間なのである。
今回の旅でやっと新幹線乗り潰しが完了である。
まあ、今後は北陸新幹線延伸や北海道新幹線の開業でまた未乗区間が発生してしまうけれど…。
朝早くから活動していたこともあり、
また思いも寄らずに大きな荷物を持っての徒歩移動を強いられたこともあり、
疲労が蓄積していたためか、駅弁を喰うと爆睡してしまった。
それでも大阪に至る手前ではさすがに目が覚めて、
車内販売でコーヒーを飲むことにした。
ワゴンサービスで300円のコーヒーをオーダーしようと思ったが、
「一緒にドーナツ棒は如何ですか」と云われ、それも一緒に購入する。
コーヒーの代金に100円を追加するとドーナツ棒が付いてくる。



これが思ったよりも美味しかった。
ドーナツの味なのだが、適度な堅さがあり、
イメージとしてはドーナツと花林糖の間の、少しドーナツよりといったところか…。
このドーナツ棒はフジバンビという会社が製造しているのであるが、
この会社があるのが熊本県熊本市北区四方寄町であり、
いくつかの売店があってその中のひとつが神戸にあつて、
たぶんそこから搬入されたのであろう。
しかしこれから目指している熊本のお菓子を偶然にも新幹線の車内販売で手にするとは、
これは何かの巡り合わせかもしれない。
何れにしろ、このドーナツ棒は熊本に到着してから購入しようと思った。
車内の電光掲示板ではイチローが4000本安打を達成したとか、
歌手の藤圭子さんが自殺したとかというニュースが流れていた。
新幹線は新大阪から山陽新幹線区間に入り、
本州から新関門トンネルを抜けて九州へと至り、
そして小倉を過ぎて未乗車区間を体験し、17:39にやっと博多に到着した。
ここから12分の乗り換え時間で九州新幹線に乗り込み、
熊本を目指すことになる。
JR博多駅の山陽新幹線と九州新幹線は同じ改札内にあり、
一端コンコースに下りて隣のホームに移動することになるが、
それでも12分あれば余裕である。
ここから800系に乗って今日の目的地である熊本へ出発する。


 8.熊本駅の攻防と米焼酎“吟麗しろ”な夜

博多からは「つばめ357号」に乗り換えて熊本を目指す。
東海道・山陽新幹線の「のぞみ33号」ではグリーン席を利用したが、
「つばめ357号」では普通席である。



勿論、博多から熊本までは50分と短いということもあったが、
充当されていたのがモノクラスの800系だったので、そもそもグリーン車がない。



「つばめ357号」は18:41に熊本駅に到着する。
午後から陸路で地元から熊本まで移動した、これまでの最長移動距離である。
今日は基本的に鉄道車両取材の予定はなく、このあとホテルにチェックインするだけだが、
その前に熊本駅では今回の旅での大きなミッションが待っているのだ。
今回の旅で使用する“旅名人の九州満喫きっぷ”をみどりの窓口で購入するのだが、
そのほかにも来月に計画している“ハッピーバースデイ♪九州パス”も購入する。
この“ハッピーバースデイ♪九州パス”は誕生月のみ購入可能な、
JR九州乗り放題の切符であり、この切符を購入するために、
誕生月である9月の1ヶ月前の8月に九州満喫きっぷの旅を企画したのだ。
みどりの窓口に行き、まず“旅名人の九州満喫きっぷ”10,500円を購入する。



この切符は購入日から3ヶ月以内に3日間、好きな時に使えて、
JR九州、北九州モノレール、平成筑豊鉄道、筑豊電気鉄道、福岡市地下鉄、
西日本鉄道、甘木鉄道、松浦鉄道、長崎電気軌道、島原鉄道、 熊本電気鉄道、
熊本市電、南阿蘇鉄道、くま川鉄道、肥薩おれんじ鉄道、鹿児島市電の各路線の普通列車が乗り放題となる。
最初の使用駅で日付入りのスタンプを押して貰う方式で、
JR全線で使える“青春18きっぷ”と同じ方式である。
続いて“ハッピーバースデイ♪九州パス”も購入する。
これは誕生月にのみ利用可能な切符で、JR九州が3日間乗り放題となる。
しかも九州新幹線を含む特急も乗り放題で、
さらに6回までグリーン車を含む指定席を取ることも出来る。
またこれ以外の指定席も別途購入すれば利用は可能となる。
価格は20,000円で、購入には誕生日を証明する公的書類が必要である。
午前中に千葉運転免許センターで更新したばかりの自動車免許証で誕生日を証明する。
今回の免許更新では初めての利用がクルマの運転ではなく、切符の購入となった。
購入に際しては切符の表面に名前と誕生日を記入するのだ。
来月の“ハッピーバースデイ♪九州パス”を使った旅も既に計画立案が完了しており、
それに合わせて6回分の特急指定席券も取得した。
このあとフレスタ熊本西館内「桂花・熊本駅新幹線口店」で太肉麺900円を喰い、
売店で米焼酎“吟麗しろ”とつまみなどを買い、
さらにフレスタ熊本西館内の「かどの駄菓子屋」で昼間喰った黒糖ドーナツ棒も購入する。
予約していたルートイン熊本駅前にチェックインして、
部屋に入ってさっそく米焼酎“吟麗しろ”を飲もうと思ったが、
氷と水を購入し忘れたことに気付く。
しかし今更ホテルを出て氷と水だけを買いに行くのも面倒なので、
そのままボトルごと冷やしてストレートで飲む。
おかげでものすごく早く酔いが回ってしまった。
そのままシャワーも浴びずに倒れ込むように就寝する。


 9.Good morning−熊本一日目の朝

昨日は米焼酎をずっとストレートで飲んでいたので、
その勢いで倒れるように眠ってしまったが、
寝た時間が早かっためか、それほどの疲労は蓄積を感じずに目が覚めた。
4:50a.m.に起床してホテルの1階にある大浴場に行く。
大浴場「旅人の湯」はラジウム人工温泉で、朝は5:00a.m.から開いている。
さすがにこんな朝早くから風呂に来ている人はなく、一番乗りだった。
ゆっくりと大浴場を楽しみ、部屋に戻ってクールダウンして
6:45a.m.から同じく1階にある「花茶屋」でバイキングの朝食を喰う。



カレー風味春巻、オムレツ、ハム、フライドポテト、スパゲティサラダ、
小魚の甘露煮、サラダ、梅干、鮭、味噌汁、ゼリー、林檎、ヨーグルト、コーヒー。
部屋に戻って歯を磨いてからホテルを出る。
今回は連泊なので荷物は置いたままでカメラバッグだけを持って出掛ける。
熊本駅には何度か来ているが、九州新幹線が開業して、
熊本駅新幹線口の駅舎が出来てからは初めてなので、
朝の時間を利用して駅舎取材をする。



実際に見てみて驚いたのだが、新幹線ホームの壁が一面ガラス張りである。
800系新幹線がまるでショーケースに入れられているかのような錯覚を覚える。
11番線に停車している列車が見えるようになっているのだが、
この番線は博多から熊本止まりの各駅停車「つばめ」が主に利用し、
博多方面への折り返しを待っている。
それを外からも見せようとしているのである。
非常に優れた面白いアイディアだと思う。


 10.熊本市電と3つの観光列車

熊本駅新幹線口の取材を終えて東西連絡通路「おてもやん通り」を抜けて東口へ。
今日は10:50の始発電車で肥後大津を目指すことから始まるが、
それまでの時間は熊本を起点に発着する観光列車を取材する。
その最初のターゲットは09:44発の「SL人吉」である。
熊本駅新幹線口の取材を終えたのは7:40a.m.だったので、また約2時間ある。
そこで熊本駅白川口にある熊本市電熊本駅前電停で車両取材する。



1350形1355号車、1200形1205号車、1350形1353号車、
8500形8501号車、9200形9201号車、1350形1654号車、
1200形1204号車、1200形1203号車、1200形1210号車、
1350形1354号車、9700形9705号車、1900形1901号車、
1900形1903号車、9200形9203号車、9200形9202号車、
1090形1095号車と約9:10a.m.まで次々と取材していく。
その中でも8800形101号車はレトロ調の車体デザインになっている。



2011年に熊本を訪れた時にも見掛けたが、
その時は夜だったので、自然光で取材できたのは大きな収穫だった。
このあと“旅名人の九州満喫きっぷ”1回目に検印して貰い、
JR熊本駅に入場して車両取材を開始する。
「SL人吉」は明日、人吉から熊本まで実際に乗ることになっているが、
それでも帰りなので熊本駅からの出発シーンは取ることが出来ない。
そこで30分前にJR熊本駅に入場し、取材することにした。
「SL人吉」は熊本から八代経由で肥薩線に入って人吉まで行く、
蒸気機関車の牽引の観光列車である。
牽引機の8620型58654号機は肥薩線矢岳駅に近接する人吉市SL展示館で、
D51型170号機とともに静態保存されていた蒸気機関車で、
復元されて1988年8月28日より熊本から豊肥本線宮地までを結ぶ「SLあそBOY」に充当された。
しかし2005年に台枠の歪みが生じて運用から離脱、一時は修復不可能という判断が下った。
しかしその後製造当時の図面が発見されて台枠を新造して修復、
2009年4月25日から「SL人吉」牽引機として復活した。
客車は水戸岡鋭治氏によってリニューアルされて充当されている。



これを見送ってから10:28発の特急「あそぼーい!101号」と、
10:36発の特急「A列車で行こう1号」の取材をする。

特急「あそぼーい!」は牽引機の故障で廃止された「SLあそBOY」にかわり、
熊本から宮地までを結ぶ観光列車として2011年6月に登場した。
キハ183系1000番台を使用した3両編成の気動車特急である。
このキハ183系1000番台は何度も改造されて観光列車に充当されており、
「あそDX」に充当されている時には実際に乗ったこともある。
と、いっても別府から大分までの僅かな区間だったが…。

特急「A列車で行こう」はキハ185系2両編成の三角線の観光特急で、
基本的に土曜、日曜、祭日に熊本から三角の間を1日3往復している。
2011年10月8日に運用を開始した。
列車名に合わせて停車中にもジャズの名曲「A列車に行こう」が流されている。
これにを十分に取材し、10:50熊本発の豊肥本線の815系に乗り込む。


 11.“旅名人の九州満喫きっぷ”の一日目−南阿蘇鉄道

10:15の電車で本線の肥後大津まで行く。
豊肥豊肥本線は大部分が非電化路線だが、
熊本から肥後大津までは電化されている。
つまり815系の運用区間は肥後大津までで、
ここから先は気動車に乗り換えることになる。
今回は肥後大津で1時間6分の乗り換え時間を確保し、
駅取材のほかに昼食もここで取ることにしている。
肥後大津で北口、南口と取材してから、
予定していた「神戸浪漫 ハイカラ亭」で神戸オムライス880円を喰う。
このあと140形+147形の国鉄形気動車で立野まで行く。
豊肥本線は立野駅でスイッチバックして隣の赤水に行く線形となっており、
そのために宮地まで直通する列車も多めの停車時間を設定している。
ここで南阿蘇鉄道に乗り換えてまず南阿蘇水の生まれる里白水高原まで行く。

  南阿蘇鉄道株式会社

 南阿蘇鉄道は国鉄特定地方交通線であった高森線を引き継ぎ、
 1985年4月1日に設立された第三セクター鉄道である。
 高森線は豊肥本線の前身である宮地線の支線として1928年2月12日に開業した。
 同年12月2日に豊肥線が全通し、高森線として分離された。
 1981年9月1日に第1次特定地方交通線として廃止が承認、
 1984年に第三セクター化が決定し、
 1986年4月1日に南阿蘇鉄道に転換された。
 路線は高森線で立野から高森までの非電化、単線の17.7kmである。

立野駅ではMT2010形が接続を待っていた。



立野から4つめの“南阿蘇水の生まれる里白水高原”は、特に何もない無人駅だが、
その駅名の長さが日本一であり、一度は訪れてみたいと思っていたのだ。
かつて一度、一畑電車の古江が“ルイス・C・ティファニー庭園美術館前”に改名され、
日本一の座を譲ってしまったが、
その“…庭園美術館”そのものが閉鎖されたために、
“松江イングリッシュガーデン前”に再度改名された。
そのため“南阿蘇水の生まれる里白水高原”が読み仮名22文字で、
鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の“長者ヶ浜潮騒はまなす公園前”と並んで再び日本一に返り咲いた。
以前に一畑電車を取材した時に“ルイス・C・ティファニー庭園美術館前”はは訪問したことがあるので、
“南阿蘇水の生まれる里白水高原”も是非訪れてみたかったのだ。



ここでの停車時間は47分で、逆方向の列車を取材するほかは特にやることもなかった。
それならば逆方向の列車に乗って隣の“阿蘇下田城ふれあい温泉”を取材すれば良かったと思った。
お城風の駅舎に温泉施設が併設されていて、食指の動く駅舎だった。
列車を見送ってからそのことに思い至って後悔した。
47分後の下り列車に乗って終点の高森まで行く。
MT2000形2001Aでが充当されていた。
高森での折り返し時間も47分で、駅舎取材のほか、
駅前には国鉄高森線時代に活躍したと思われる蒸気機関車が静態保存されていた。



これらをじっくりと取材してから15:22発の立野行きの列車に乗り込む。
テレビの天気予報では雨の予報だったが、今のところは良い天気で雨の心配はなかった。


 12.移転した「平家の里」と突然の雨

高森から14:52に乗った南阿蘇鉄道の列車は、
南阿蘇水の生まれる里白水高原から乗ったMT2000形2001Aがそのまま使われていた。
予定では28分の移動で15:20に立野に到着、
2分の乗り換えで熊本に直通する列車に乗り込む込みとになっている。
しかし先行するトロッコ列車に遅れが出たため、
高森から乗った列車にも遅れが生じ、立野到着も7分遅れになってしまった。
特に長陽から立野まではかなりスピードを上げて怖いくらいだった。
列車内の放送でも云っていたが、
15:22立野発の豊肥本線の普通列車は遅れている南阿蘇鉄道の到着を待っていた。
接続発車した豊肥本線の気動車も当然のことながら7分遅れで立野を出発した。
この列車は電化区間もそのまま進んで熊本まで乗り入れる。
予定では熊本まで行って熊本駅前から熊本市電に乗り換え、
A系統で神水・市民病院前まで行くことになっていたが、
考えてみると豊肥本線と熊本市電A系統は交差している場所がある。
確か、水前寺か新水前寺ではないかと思い出し、
ケータイで調べてみたら新水前寺駅だった。
そこで熊本まで行かずに新水前寺で下車する。



ついでに新水前寺駅の駅取材も行い、ここから神水・市民病院前電停まで行く。
ここから以前熊本に来た時に行った「平家の里・熊本店」に行く。
以前は同じA系統の健軍交番から徒歩10分くらいの場所だったが、
暫く行かない間に場所が移動していたのだ。
開店まで少し時間が早かったので神水・市民病院前電停で熊本市電の車両取材をしていたが、
途中でポツポツと雨粒が落ちてきた。
そこで車両取材は中止して「平家の里・熊本店」を目指す。
しかし雨はさらに激しくなり、近くにあった公園の大きな木の下に避難する。
雨は本降りのまま暫く続いたが、若干勢いが落ちたので、
その間にネットで「平家の里・熊本店」の地図をプリントアウトした中に、
ローソンの記号が見えたので、何とかそこまで行く。
LAWSON熊本湖東三丁目店でジャンプ傘を購入し、「平家の里・熊本店」を目指す。
少し迷ったが、何とか辿り着き、
ここで霜降りチーズハンバーグ・ビッグ1,628円、Bセット494円など喰う。
店を出た時には雨はもう止んでいた。
親水・市民病院前から熊本市電で熊本駅前まで戻り、
ホテルの戻る前にFamilyMartJR熊本駅店で焼酎用の水や氷など買った。
昨日は水割りに出来ずにストレートで飲んでしまったが、
今日は昨日買った米焼酎“吟麗しろ”を水割りで楽しむ。


 13.Good morning−熊本二日目の朝

昨日は水割りで米焼酎“吟麗しろ”を飲んでそのまま寝てしまったので、
風呂に入らなかったために4:50a.m.に起床して大浴場で一番風呂を楽しむ。
大きな風呂でゆっくりと浸かると身体に残っているアルコールが溶け出て行くような気がする。
勿論、医学的に根拠はないけれど…。
部屋に戻ってクールダウンし、6:45a.m.から1階にある「花茶屋」でバイキングの朝食を喰う。
カニクリームコロッケ、アジフライ、フライドポテト、切り干し大根の煮物、
秋刀魚の煮物、ローストハム、玉子焼、太平燕、小魚の甘露煮、
梅干し、高菜、味噌汁、ご飯、フルーツポンチ、ヨーグルト、コーヒーなど。



ご飯はおかわりしてしまった。
部屋に戻って歯を磨いてからカメラバッグだけ持って出掛ける。
今日も雨の予報なので昨日購入したジャンプ傘を持って出たが、
ホテルを出る時はほとんど雨は降っていなかった。


 14.突然の雨と特急「くまがわ」

今日も連泊のためにカメラバッグだけ持ち、8:00a.m.過ぎにホテルを出る。
念のために昨日購入したジャンプ傘を持って出掛けた。
ホテルを出た時はまだ雨は降っていなかったが、
今日は熊本市電の取材はせずにそのまままっすぐJR熊本駅に入場する。
熊本から人吉までは特急「くまがわ」を利用するために九州満喫きっぷを使用せず、
別途購入した乗車券で入場する。



ホームで写真を撮ろうと思ったが、突然激しい雨が降り出した。
それは例え屋根のある場所でもホームで写真を撮ることの出来ないほどの激しい雨だった。
そこで発車時間を待っている普通列車の中に乗り込んで雨宿りをした。
雨は激しく降ったが、それも長くは続かず暫くすると止んでしまった。
予定している特急「くまがわ1号」が発車するまでの間、
ホームで気動車などの取材をする。
そして08:32熊本を始発する特急「くまがわ1号」に乗り込む。
2両編成のキハ185系が充当されていて、発車後に検札がやってくる。



熊本から八代までは鹿児島本線を南下し、八代から肥薩線に入って人吉まで行く。
肥薩線は八代から人吉までは球磨川沿いを走るために“川線”と呼ばれている。
それに対して人吉から吉松までは国見山地をループ線やスイッチバックで通るために“山線”という愛称がある。
車中では昨日買ったドーナツ棒をおやつにする。
アテンダントが絵はがき大の「記念乗車証」を車内に配る。



これは裏側は記念乗車スタンプを押せるようになっていて、アテンダントが持って客室内をまわる。
イラストは「九州横断特急」になっている。
特急「九州横断特急」は大分から豊肥本線を経由して熊本に至り、
さらに鹿児島本線を経由して人吉に至る特急であり、
愛称名通り九州を横断する特急である。
特急「くまがわ」は特急「九州横断特急」の一部分となる。
中央本線で置き換えれば「あずさ」と「かいじ」の様なものなのだろう。
記念乗車証の裏には以下のように書かれている。

  九州の真ん中を縦横に旅する

 大分県別府から阿蘇カルデラを横断し、熊本を経由して南へ。
 さらには八代からは球磨川沿いに人吉に至る壮大な行程の特急である。
 車両はキハ185系。 力強いディーゼルカーが九州の峠を駆け上る。
 改装によって木のぬくもりを感じさせる車内。
 前方視界も開放的で鉄道好きも納得である。
 観光列車や新幹線と乗り継ぐ旅も楽しめるが、
 思い切って全線を乗り切ってみる旅も面白い。

特急「くまがわ」は10:00に人吉駅に到着する。
人吉駅には「いざぶろう・しんぺい」が停車していてこれを取材する。
そのあと改札を出ようと思ったが、駅員が他の客の対応に追われていたため、
“無効”に印を押して貰うことなくそのまま改札を出てしまった。
ここからはくま川鉄道の旅である。
あらためてくま川鉄道の駅に入場して、九州満喫きっぷの旅が始まるのだ。


 15.“旅名人の九州満喫きっぷ”の二日目−くま川鉄道

人吉駅は正面のJRの駅舎のほかに、右脇にくま川鉄道のホームへの跨線橋がある。
JRのホームからも直接くま川鉄道のホームに行けるが、
それでも直接乗る人のために線用の跨線橋が設置されているのである。
ここは改札がないので、ホーム駅舎の駅員に声を掛け、検印して貰う。
切符用のスタンプは用意されていないようで、
「人吉温泉」という駅名のみのスタンプと別に日付印を押してくれた。
ホームに行って列車を待っているとKT-203「KUMA-1」が入線してきた。
「KUMA」は水戸岡鋭治氏のデザインによる観光列車で、
既存の新潟鐵工所NDCシリーズの気動車を改造したものである。
“駅から時刻表”ではこの列車は「観光列車KUMA」充当とはなっていないが、
実際は「KUMA1」が単行で使用されていた。



これに乗ってまずは終点の湯前まで行く。

  くま川鉄道

 くま川鉄道は国鉄特定地方交通線であった湯前線を引き継ぎ、
 1989年4月26日に設立された第三セクターである。
 湯前線は1924年3月30日に人吉から湯前までが敷設され、
 更に妻線杉安駅までの延伸が計画もあったが実現せず、妻線も1984年に廃止になった。
 1987年2月3日に第3次特定地方交通線として廃止が承認、
 同年4月1日に国鉄分割民営化によってJR九州に引き継がれ、
 1989年10月1日にくま川鉄道に転換された。
 路線は湯前線で人吉温泉から湯前までの非電化、単線の24.8kmである。

車両はKT-100形及びKT-200形で、どちらも新潟鐵工所で製造された軽快気動車。
KT-100形は便所なし、セミロングシート、
KT-200形は便所あり、ロングシートの違いがある。
両形式とも16m級、両運転、機関は新潟鐵工所製DMF13HS、機関出力250PS/1900rpm。

湯前から折り返しの「KUMA1」に乗っておかどめ幸福まで戻る。
ここは以前から行きたいと思っていた駅で、
1989年10月1日にくま川鉄道によって設置された新駅である。
近くの岡留熊野座神社は鎌倉時代、蒙古襲来、いわゆる“弘安の役”の時に、
この地を治めていた相良藩も出征したため、
当時の藩主の主頼俊公は1280年に岡留熊野座神社を建立、
祭神の伊邪那岐神(いざなきのみこと)、伊邪那美神(いざなみのみこと)に因み、
善男善女を集めて勝利を祈願したところ、神風が吹いて元は撤退、
以来、この岡留神社は男女を結びつける幸福神社と呼ばれるようになったという。




待ち時間にこの神社に参拝し、再びおとがめ幸福まで戻る。
戻る途中にポツポツと雨が降り出し、隣のあさぎり駅に着いた時には本降りとなっていた。
少し雨宿りをしながら駅取材のチャンスを待った。
しかし雨はさらに激しくなり、まるで滝壺の中にいるようだった。



しかしそれもそれほど長くは続かず、雨はやがて止んでその機会に駅取材、
13:57の「観光列車KUMA」で人吉温泉まで戻る。
この列車は「KUMA1」と「KUMA2」を連結した編成になっていた。
人吉温泉まで戻ると、すでに1番線のJR肥薩線のホームには「SL人吉」が待っていた。


 16.快速「SL人吉」の旅と“あそぼーい!”とのランデブー

人吉温泉駅に戻ると既に1番線には「SL人吉」が停車していた。



乗り換え時間は17分で、まずはくま川鉄道「観光列車KUMA」を取材、
八代から接続したキハ40形や留置中のくま川鉄道KT-100形などを取材、
「SL人吉」も取材してから車両に乗り込む。
予定ではおかどめ幸福かあさぎりで昼食を喰うつもりだったが、
どちらでも喰う機会がなく、結局「SL人吉」の車内で喰うことにした。
乗り込んで直ぐに検札が来て検印を押して貰う。



「SL人吉」は快速という扱いのために、
九州満喫きっぷてでも指定席券を購入するだけで乗ることが出来る。
ここでも検札の時に「記念乗車証」を受け取る。



これは午前中に特急「くまがわ」に乗った時に貰ったものと同じ絵はがき大で、
イラストはJR九州のデザイン顧問である水戸岡鋭治氏によるものである。
裏側は記念乗車スタンプを押せるようになっていて、以下のように書かれている。

  百年の時を越えて、警告に汽笛が響き渡る

 大正生まれの8620形蒸気機関車が牽引する、
 豪華で美しい観光列車。
 お客さまの大切な想い出づくりをエスコートするために、
 「SL人吉」が発車します。
 汽笛の音を刻みながらゆく極上の鉄道旅行をお楽しみ下さい。

14:38に人吉を発車した「SL人吉」は2時間35分掛けて熊本を目指す。
途中、肥薩線内の一勝地に10分、白石に5分、坂本に8分停車する。
この停車時間を利用して一勝地と坂本では駅取材も決行する。
車内では黄色いラシャ紙に手の形が描かれたものが配られた。
「SL人吉」が通過する沿線の人たちに、
列車に手を振ろうというキャンペーンを行っているらしく、
車掌から見える人たちがみんな「SL人吉」に向かって手を振ってくれる。
家族連れで河原などに来て手を振ってくれる人、
SLの通過を待ってくれている人だけでなく、
道路工事の厳つい顔をした作業員までもが手を休めて手を振ってくれるのだ。
これには感動した。
まるで九州新幹線全線開業の時の幻のCMのようだ。
中には手製の大きな旗を振ってくれるおじいちゃんもいる。
そんな人には機関士も警笛で答える。
沿線の人たちと乗客が一体になったような感動を覚える。
車内の売店で駅弁「天草大王」1,050円をを購入して座席で喰う。
八代から鹿児島本線に入って熊本に向かうが、
熊本駅入線直前にまたサプライズがあった。
鹿児島本線は熊本駅の直前で豊肥本線と合流して併走する。
鹿児島本線を走る「SL人吉」と豊肥本線から来た「あそぼーい!」は同時刻に熊本駅に入線する。
そこでお互いに手を振り合うだけではなく、併走する列車同士でじゃんけんをするのだ。
アテンダントが乗客を2号車に集め、みんなで話し合って出す“手”を決める。
「SL人吉」の機関士と「あそぼーい!」の運転手が相対速度を合わせ、
お互いの車窓で勝ち負けを確認する。
今回は「SL人吉」の方が勝った。
沿線の住民に呼びかけて手を振り合ったり、列車の速度を合わせてじゃんけんをしたり、
お金はそれほど掛けてはいないけれど、最後まで乗客を飽きさせない工夫が凝らされていて、
JR九州のスタッフの“おもてなし”の心を感じた。
列車の旅は終着駅に近づくとどうしてもだれてくるものだが、
最後まで飽きさせない工夫が素晴らしい。
ディーゼル機関車に牽引されて回送されていく「SL人吉」を見送る。



少し車両取材してから熊本市電で二本木口電停に行き、「黒亭」で玉子入りラーメン820円を喰う。
売店でつまみを買い、ホテルに戻ってビールや米焼酎など飲む。


 17.Good morning−熊本三日目の朝

九州満喫きっぷの旅もいよいよ最終日になってしまった。
8月25日日曜日も昨日、一昨日と同じように4:50a.m.に起床し、
1階の大浴場まで下りて5:00a.m.から朝風呂を楽しむ。
ホテル棟と大浴場のある場所は少し離れていて、廊下を進んでいく。
その途中に外の様子がよく見えたのだが、
今日は既に朝から激しく雨が降っていた。
ずっと雨の予想ながらも何とか予定通りに行動できてきたが、
さすがに今日は厳しいかもしれない。
そんなことを思いながら部屋に戻ってクールダウンし、
6:45a.m.から1階にある「花茶屋」でバイキングの朝食を喰う。



オニオンリング、メンチカツ、玉子焼、ウインナー、フライドポテト、小魚の甘露煮、
鮭、梅干し、味噌汁、ご飯、胡麻サラダ、野菜サラダ、ゼリー、ヨーグルト、コーヒーなど。
部屋に戻って歯を磨いてから支度して、7:40a.m.頃チェックアウトする。
ホテルを出た時も本降りの雨は続いていて、
いよいよ予定変更を本気で考えなければならないと思った。


 18.“旅名人の九州満喫きっぷ”の三日目−大雨の予定変更

激しい雨の中、JR熊本駅まで行き、08:01発の電車に乗り込む。
予定では08:31銀水行きの電車に乗り、銀水、筑後船小屋、基山と取材し、
甘木鉄道を完乗して西鉄に乗り換えて西鉄福岡・天神まで戻るつもりだったが、
この雨では駅取材は不可能なので取り敢えず博多まで行くことにする。
西鉄福岡・天神で福岡空港に向かうまで1時間の余裕を持たせ、
その時間を利用して福岡市地下鉄七隈線3000系の車両取材を予定していた。
地下鉄なので雨の影響はない。
飛行機の離陸予定時間は18:15なのでその時間までやることはないが、
取り敢えず地下鉄での車両取材だけは終わらせておきたい。
そう思ってまず博多目指すことにしたのだ。
08:01の電車は上熊本から大雨のために時速を35km/hに制限された。
途中車窓からは畦道まで水に浸かった畑や、
増水した川が橋桁の底まで来ている様子が見て取れた。
徐行運転の影響で23分遅れとなったが、それでも運休になるよりはマシだった。
この列車は鳥栖行きだったのだが、
途中、大牟田で門司港行きに接続したためにここで列車を乗り換える。
これで博多まで何とか辿り着く。
博多駅でも雨は酷くてホームで車両取材できず、そのまま地下に下りる。
途中で見つけたコインロッカーに旅行用バッグを入れ、
カメラバッグと傘だけを持って福岡市地下鉄空港線で天神に行く。
そこから地下街を歩いて福岡市地下鉄七隈線天神南駅まで移動する。
以外と距離があったが、それでも地下街のために雨に濡れる心配はない。
福岡市地下鉄七隈線天神南駅に入場して3000系を取材する。




  福岡市地下鉄七隈線

 鉄輪式リニアモーターを採用した福岡市交通局が運営する地下鉄であり、
 鉄道要覧記載の路線名は3号線(七隈線)である。
 1号線(空港線)と2号線(箱崎線)は直通運転の車両があり、
 また1号線(空港線)はJR筑後線と接続し、相互乗り入れする関係上、狭軌を採用しているが、
 3号線(七隈線)では標準軌を採用している。
 路線総延長は橋本から天神南までの12.0kmで、天神南から博多までの区間が工事中であり、
 2020年の開業も目指しているという。

余談だが、福岡市交通局はバス事業を行っておらず、
地下鉄の建設によって初めて発足した。
地下鉄事業は正式には福岡市高速鉄道といい、旅客案内上も“福岡市営地下鉄”ではなく、
“福岡市地下鉄”の呼称が使用されている。
車両取材のあと、そのまま薬院まで行き、ここで地上に出てそのまま西鉄薬院駅に入場する。
西鉄天神大牟田線では2003年7月にもこの駅で車両取材を行ったことがあるが、
それ以降、2006年に3000系が登場したため、これを狙う。




  西日本鉄道3000系

 旧型車両置き換えを目的に一新、快適、高品質をコンセプトに設計された一般形電車。
 2両編成、3両編成、5両編成が存在するが、2両編成、3両編成の単独運用はなく、
 2+2の4両編成や3+3の6両編成などの運用で持ちいられる。
 現在2両編成×5本=10両、3両編成×4本=12両、5両編成×4本=20両の計42両が在籍。
 19,5m級、ステンレス製、前面のみ普通鋼製、片側両開き3扉、セミロングシート、
 主電動機はかご形三相誘導電動機、モーター出力175kW、IGBT素子VVVFインバータ制御。

西鉄車両取材中もまだ雨は激しく降り続いていた。
西鉄で西鉄福岡・天神まで移動し、福岡市地下鉄空港線でいったん唐人町まで行き、
博多まで戻って博多デイトス2階の博多めん街道内の「一幸舎」で味玉らーめん980円喰う。


 19.香椎線−全区間乗り潰しと撤収限界点

博多駅に隣接している博多デイトス2階には、
博多めん街道があり、いくつかのラーメン店とうどん店が集まっているが、
その中の「一幸舎」で昼食を喰い、そのあとJR博多駅で駅舎取材する。
昼食を喰っている間に既に雨は止んでいたようで、
雲が蔓延っていて日差しを全く遮っているものの雨の心配はもうないようだった。
JR博多駅博多口は九州新幹線鹿児島ルート全線開業に合わせて、
JR博多シティに生まれ変わったが、この駅舎を取材したいと思っていた。
博多には何度か行っているものの、駅舎取材に十分な時間がなかったのだ。



駅舎取材のあとJR博多駅に入場する。
この段階でまだ2:00p.m.前で6:15p.m.のフライトまで4時間以上ある。
移動時間や夕食の時間を考えて最悪でも5:30p.m.に博多駅に戻れば、
なんとか帰りの飛行機には間に合うだろう。
余裕を持って5:00p.m.に撤収時間を設定して、
せっかく雨も上がったので博多近郊の駅取材に出掛けることにした。
まずは普段あまり乗ることのない篠栗線に乗って篠栗を目指す。
篠栗線は筑豊本線の一部と合わせて福北ゆたか線の愛称が付けられている。
終点の篠栗まで行くつもりだったが、途中の長者原で香椎線と交差していることを知り、
急遽この駅で下車、駅取材のあと香椎線のホームに上がる。
長者原は「ちょうじゃばる」と読み、香椎線がほぼ直角に交差しており、
篠栗線のホームが地上に島式1面2線なのに対し、
香椎線のホームは高架上に単式1面1線で上下線が同じホームを使用する。
ここで香椎線のホームに上がり、14:34宇美行きの列車に乗り換える。
篠栗線が電化路線なのに対し、香椎線は全線単線の非電化路線であり、
全車両が国鉄形のキハ40、キハ47となっているが、
一部の列車は九州色ではなく、香椎線オリジナルのアクアライナー色を纏っている。
路線は西戸崎から宇美までの25.4kmで、
現在ではJRで唯一、起点と終点の両方に他路線との接続がない路線となっている。
宇美に到着した時点で14:51であり、その車両が折り返し発車するのが15:06だった。
15分の間に十分に駅取材をしてそのまま西戸崎方面に向かった。
撤収時間を鑑みながら次の行動を考えたが、
篠栗線と接続する長者原到着が15:20、鹿児島本線と接続する香椎が15:36と、
まあまだ時間に十分余裕があるだろうと考え、終点の西戸崎まで行った。
西戸崎到着は16:01、その車両が折り返し発車するのが16:07と僅か6分しかない。
この時間に駅取材を強行して、何とか出発時間に間に合わせる。
これを持って今回の九州旅行の取材は終了した。
この列車は16:30に香椎に到着、撤収予定の5:00p.m.まで残り30分となった。
16:33発の快速もあったが、側線には予備の気動車が留置されており、
それを取材するために敢えて次の快速の16:52で博多を目指した。
この列車の博多駅到着は17:02で、ほぼ予定通りに事が運んでいた…と、
駅に到着した時にはまだ思っていた。


 20.コインロッカー攻防戦再びと切迫したtake off−旅の終わり

もともとの予定では西鉄で西鉄福岡・天神で福岡市地下鉄七隈線の取材をしたあと、
17:23天神発の電車で福岡空港まで行き、約40分でANA266便に乗り込む。
それだけあれば手荷物検査場を潜って空弁を購入し、
ベンチで夕食を喰ってから飛行機に乗り込むことが出来る。
この福岡市地下鉄空港線の列車は17:29に博多に到着する。
鹿児島本線でJR博多駅に到着したのは17:02なので、30分弱の余裕がある。
博多駅の5番線ホームには特急「ゆふ5号」が入線していて、
最後にこれの車両取材をする。
撤収時間は5:16p.m.で、あとはコインロッカーから荷物を取り出し、
福岡市地下鉄空港線で福岡空港に向かうだけである。
しかし、コインロッカーの場所が分からなくなった。
今日、博多に着いた時に旅行用バッグを預けたコインロッカーが何処だったのか、
記憶を頼りにその場所を探したのだが、見つけられなくなった。
これには焦った。
予定の紙時間まで15分を切っている。
同じところを何度もぐるぐると回り、地下鉄博多駅の反対側に出るために、
九州満喫きっぷの旅でホームを突っ切りして、
あらゆるコインロッカーのある場所を探したが、見つからなかった。
その間にも時間はどんどん過ぎていき、このままでは飛行機に間に合わないかもしれないと思い始めた。
いったん地上に出て記憶の糸を手繰り寄せ、
なんとか午前中に預けたコインロッカーに辿り着いた。
コインロッカーから荷物を取り出したのは5:42p.m.だった。
既に乗る予定の飛行機の離陸時間まで30分しかない。
博多から福岡空港までは福岡市地下鉄空港線で駅2つ、5分の距離である。
福岡空港駅は福岡空港の真下で階段を上がるとそこは出発ゲートになっていて、
手荷物検査場を通過、この段階で5:55p.m.になっていた。
離陸まで約20分になっていた。
ところが使用機の到着の遅れで出発も5分遅れになるとのこと。
この間に売店でお土産や機内で飲むお茶、
それと棒寿司500円とザ・プレミアムモルツ320円を購入し、
夕食代わりにベンチで喰う。
機内搭乗開始直前に何とか喰い終わった。
雨は上がったもののまだ雲は多く、今日は最後まで青空を見ることはなかったが、
離陸して雲を突抜上空に上がると、まだ夜の帳は降りておらず、
雲の絨毯の上には青空が見えた。



羽田空港到着も5分遅れのままで、20:00到着となった。
羽田空港第2ターミナルから20:40の空港リムジンバス1,200円でJR津田沼駅南口まで行き、
ここから総武緩行線で帰る。

 −撮影データ−

2013.08.22. 撮影 139枚 保存 10枚
2013.08.23. 撮影 1316枚 保存 79枚
2013.08.24. 撮影 769枚 保存 60枚
2013.08.25. 撮影 590枚 保存 27枚

   計   撮影 2814枚 保存 176枚 保存率 6.3%





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