青春の旅立ち−津山扇形車庫と宇野線の旅




 1.本降りの朝と隣のおじさん−「とほほ・・・。」な旅の始まり

2016年夏に青春18きっぷを使って1泊2日で関西本線の乗り潰しに挑戦した。
7月23日土曜日には関西本線、おおさか東線、片町線、JR東海線を乗り潰し、
新大阪に1泊して翌日は福知山線、舞鶴線、小浜線などを乗り潰した。
それでもまだ3回(人)分が残っているため、
残りを使って吾妻線完乗、烏山線完乗、久留里線未乗車区間と東金線完乗を計画した。
しかし来年の計画をいろいろと考えているうち、津山の扇形車庫が通年公開になったことを知った。
津山の扇形車庫は夏休みの区間を中心に土日に定員を決めて一般公開していた。
事前に申し込み、当選した人のみが決められた時間のみ見学できることになっていた。
ところが今年2016年4月に各地から保存車両を集め、
扇形車庫を全て埋めて「津山まなびの鉄道館」として開館したのである。
いろいろと考えた結果、既に8月13日土曜日は吾妻線完乗の旅のために特急券を購入していたため、
その翌週の8月20日土曜日に津山扇形車庫を訪問することに決め、予定を組んだ。
いろいろと検討した結果、岡山までは新幹線で往復し、午前中は宇野線を完乗、
午後から津山線を往復して津山まなびの鉄道館を訪問する。
この計画に合わせて7月28日の出勤前に幕張駅の指定席券売機で往復の新幹線の切符を購入、
今回は宿泊は伴わないため、後は当日を待つだけだった。
週の初めは週末も良い天気となっていたが、
近づくにつれてどんどん予報が悪くなっていき、当日の朝は起きた時から土砂降りの雨だった。
とほほ・・・。
しかし前日にネットで調べたところ、岡山地方は快晴となっていたため、
自宅から駅までの区間しか傘は必要ない。
そこで土砂降りの雨ではあったが敢えて折りたたみの傘で駅まで行き、
タオルで傘を拭いて折りたたみ、コインロッカーに預けることにした。
幕張駅の有人改札で青春18きっぷの4回(人)に、
「ありがとうございますJR東日本 8.20 幕張駅」と検印して貰った。



傘を預けて身軽になり、上り初電の04:40で秋葉原まで行く。
ここで京浜東北線に乗り換えて東京まで行く。
前回東京駅では丸の内口で出て新幹線の切符で再入場したのだが、
今回は八重洲口で出て東海道新幹線改札口に直接入場する。



今回の乗車券は往復割引が適用しているため、特急券とは別になっている。



売店で幕乃内1,130円など買い、下りの初電である「のぞみ1号」のグリーン車に乗り込む。
今回は岡山まで行くため、乗車時間は3時間9分になるため、贅沢してグリーン車を予約した。
駅弁「幕乃内」は以前「歌舞伎」と呼ばれていた弁当で、
商品名が変更になっても箱のデザインは歌川国貞の歌舞伎役者が描かれている。
箱の裏には幕の内弁当の名前の由来が書かれていた。

 「幕之内弁当」の由来

 幕之内弁当という名前は、
 江戸時代の庶民の娯楽であった歌舞伎などの芝居の幕間、
 所謂、休憩時間に食べた弁当からその名が付けられたと言われています。
 当時は、芝居見物といえば、
 一日がかりの大変長いものも珍しくなく、
 観客と同様、役者も幕間に楽屋で幕之内弁当を食べていたそうです。

東京を06:00に発車した「のぞみ1号」は品川、新横浜と停まり、一気に名古屋まで行く。
そのあと京都、新大阪と停まって山陽新幹線に入る。
ここまでは隣は空席だったが、新大阪で隣に派手な服装のおじさんが座ってきた。
どうも堅気の仕事をしているように見えないおじさんだったが、
車内販売でコーヒーを買った時、先に買ったおじさんが、
50円OFFの券をくれたのをきっかけにいろいろと話すようになった。
おかげで新大阪から岡山までは退屈せずに済んだ。
途中、JR西日本で製造中の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」もチラッと見かける。
09:09に3時間9分の旅を終えて岡山で下車した。


 2.宇野みなと線の混雑と偶然のLa Malle de Bois

岡山に新幹線が到着したのは09:09で、ここから快速マリンライナー17号に乗り換える。
乗り換え時間は22分で、改札の外には出ずに構内で車両取材する。
快速マリンライナーは瀬戸大橋開通に合わせて登場した岡山と高松を結ぶ快速列車で、
JR西日本とJR四国の管区を直通する。
2003年10月からはJR西日本223系5000番台+JR四国5000系を使用している。
所属会社が違い、車番も全然違うが2つの車両は仕様を統一している。
高松方JR四国5000系先頭車は2階建て車両となっていて、
2階はグリーン車、1階は普通車の指定席になっている。



09:32に岡山を出た快速マリンライナー17号は妹尾に停まった次に茶屋町に停車する。
茶屋町は瀬戸大橋線と宇野線との分岐駅ともなっていて、
ここで下車して宇野線との乗り換え時間27分を使って駅取材して宇野線に乗り換える。
宇野線は“宇野みなと線”の愛称が付けられていて、終点の宇野まで24分で結ぶ。
茶屋町駅は島式2面3線の高架ホームを有し、中線は両方の島式ホームに挟まれている。
基本的には1番線が瀬戸大橋線上り、4番線が瀬戸大橋線下りが使用、
両方のホームに接する中線は宇野線が発着する。
瀬戸大橋線の上下線から直接乗り換えられるように敢えて中線に設置されている。
早めにホームに上がり、入線してきた宇野みなと線の車内で発車を待つ。
宇野みなと線は終点の宇野からは四国の高松を結ぶフェリーの四国フェリーが発着しており、
電車に乗り合わせた外国人からも「Uno,OK?」と訊かれた。
宇野みなと線は思ったよりも混雑しており、
瀬戸大橋が出来た今も四国への連絡の一翼を担っているのだ。
宇野駅はかつては国鉄の宇高連絡船も発着していて、その頃と比べると寂れた間も否めない。
駅舎取材をしてから予定していたラーメン店「げんこつ屋」に行って、
野菜てんこみそら〜めん700円を喰う。
駅に戻る途中にホームに見慣れない列車が停車しているのを見かけた。
岡山駅のポスターで見かけた観光列車「La Malle de Bois」である。
早めに入場してこの電車の車両取材する。



観光列車「La Malle de Bois」は「ラ・マル・ド・ボァ」と読み、
フランス語で「旅行鞄」の意で、
宇野みなと線に投入された213系改造車である。
岡山と宇野を約1時間で結び、上りのラ・マルせとうち上りは、
宇野を15:00に発車し岡山へは16:00に到着する。
下りは岡山を10:11に出て宇野に11:10に到着するので、
到着してそのまま回送する場所がないためホームに停車していたのだろう。
これを十分に取材してから11:38宇野発の上り列車で茶屋町まで行き、
ここで瀬戸大橋線に乗り換えて岡山まで戻ることにする。


 3.ノスタルジーな津山線と津山扇形車庫の午後

宇野みなと線から戻って午後は津山線の乗り潰しと津山まなびの鉄道館を訪問する。
乗り換え時間36分でわずかな時間だが、
改札の外に出て東口に行き、岡山電軌の車両取材をする。
7900形8301、9200形1011「MOMO2」などの車両取材する。
早めに切り上げて9番線10番線の島式ホームに行くと、
既に津山線快速「ことぶき」が停車していた。
快速列車に充当されているのはキハ47の2両編成で、国鉄色に塗色されている。



この車両は「みまさかノスタルジー」に使用された車両を流用し、
現在も「ノスタルジー」の愛称が付けられている。
キハ47の車内は基本的にボックスシートになっていて、
ドアとボックスシートの間のみ2人用のロングシートになっている。
このロングシートの一部が窓側にテーブルを設置した外を向いたものに変更されていて、
車窓を愉しむように改造されていた。
13:05に岡山を出発した快速「ことぶき」は1時間6分で津山に到着し、
ここで少し車両取材してから外に出る。
残念ながら駅前が工事中のために駅舎の写真が上手く撮れなかった。
駅舎取材はまた次の機会の宿題にしよう。
事前に調べた経路で「津山まなびの鉄道館」に行く。



入場料は300円で、扇形機関車庫にはキハ33形1001号車、キハ181形12号車、
キハ58形563号車、キハ28形2329号車、キハ52形115号車の5両の気動車、
D51形2号機の蒸気機関車が1両、DF50形18号機、DD13形638号機、
DD15形30号機、DD51形1187号機、10t貨車移動機、
DE50形1号機、DD16形304号機のディーゼル機関車7両が展示されている。



また塀越しに岡山電車区気動車センターの気動車車両も取材する。
ほかの展示物なども堪能しつつ、津山まなびの鉄道館をあとにする。
津山駅まで戻り、早めに改札を潜って車両取材などする。
15:54津山始発の快速「ことぶき」も同じ「ノスタルジー」が使用されていた。
1時間8分かけて岡山まで戻る。


 4.岡山の右往左往と東京駅の夜−旅の終わり

帰りも快速「ことぶき」を利用したため1時間8分で岡山に到着、
東京へ戻る新幹線の時間が18:27のため1時間25分の余裕がある。
岡山で夕食を食べて行くにしても十分すぎる時間があるため、
先に30分だけ東口に出て、岡山電軌の車両取材する。
7000形7001「たま電車」、7900形8201など取材する。
西口に出て予定していた喫茶店を探す。
岡山のソウルフードにデミかつ丼というものがあるらしく、
駅から徒歩圏内でいける店を事前に調べて訪問したのだが、
店まで行って目が点になった。
「CLOSED」だったのである。
とほほ・・・。
今からほかの店を探して入るのはちょっと時間的に厳しそうだったので、
残りの時間は新幹線の乗車券で在来線改札口を潜り、車両取材する。



JR四国2000形2010、2000形2112の特急「南風」用車両などを取材する。
夕食は駅弁にすることとし、売店で「せとうち日和」1,000円などを買う。
また会社用のお土産として岡山名物きびだんごも購入する。
同僚に配る時、「鬼退治に行く時は家来になって貰うからね」という親父ギャグを飛ばすつもりである。



新幹線特急券と合わせて新幹線用改札口を潜り、ホームに上がる。
待合室で列車が来るのを待って5分前になったら売店に行き、
いつもはビールを買うのだが今日は“瀬戸田CHU-HIレモン”を購入する。
快速マリンライナーの車内広告で駅ナカ限定で販売されていることを知り、
これも旅の記念と思って今回の駅弁の飲み物は敢えてレモンハイにしてみた。
18:28に岡山を出た山陽新幹線「のぞみ52号」は3時間26分で東京に到着する。
帰りもグリーン車をキープしたため楽に帰京できた。
東京に着いてsuicaにチャージするためにいったん改札口を出る。



朝は八重洲口を出たので帰りは丸の内口を出て駅舎を拝んでおく。
22:41東京駅始発の総武快速線で津田沼まで行き、緩行線に乗り換えて幕張まで戻る。
駅のコインロッカーに預けていた傘などを取り出してから帰宅する。





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