東北横断と北海道新幹線−三連休東日本・函館パスの旅




 1.北海道新幹線乗車のリベンジと東北エリアの未乗車区間

JR東日本に以前から三連休の時にのみ発売される全線乗り放題の切符があった。
三連休の3日間、JR東日本の快速を含む普通列車が乗り放題になり、
さらに新幹線や特急も別に特急券を購入すればこの切符で乗ることが出来る。
北海道新幹線が開業した2016年からはJR東日本全区間に加え、
函館エリアも乗ることが出来る三連休東日本・函館パスにリニューアルされた。
リニューアルされた2016年の9月の三連休にこの切符を使った旅を企画した。

最初の計画では初日の9月17日土曜日に東北・北海道新幹線「はやぶさ1号」で木古内まで行き、
昼食後に道南いさりび鉄道で函館、「快速はこだてライナー」で新函館北斗まで行く。
北海道新幹線で新青森、奥羽本線で弘前まで行きホテルルートイン弘前駅前チェックインする。
2日目の18日日曜日は弘南鉄道・弘南線で黒石まで往復し、奥羽本線、五能線で五所川原まで行き、
津軽鉄道で終点の津軽中里まで行って弘南バスで奥津軽いまべつ駅前まで移動、
駅取材後に津軽二股からいったん津軽線で三厩まで行ってから青森まで戻る。
夕食後に弘前まで戻って奥羽本線で弘前に戻る。
3日目の19日月曜日は奥羽本線で大館乗り換えで鷹ノ巣まで行く。
昼食後に秋田内陸縦貫鉄道で阿仁合乗り換えで角館まで行き、
田沢湖線で田沢湖まで行って夕食を喰い、秋田新幹線「こまち62号」で東京まで戻る。
この計画に合わせてホテルの予約を取り、新幹線の切符を購入しようとした。
しかし9月17日土曜日の東北・北海道新幹線「はやぶさ1号」で木古内まで切符が取れなかったのだ。
グランクラスはもちろんのこと、グリーン車、普通車も満席だった。
よく調べてみると「はやて1号」の前に臨時列車「はやぶさ45号」新青森行きがあったため、
北海道エリアは諦め、まだ未乗車だった青い森鉄道の八戸から青森までの区間の乗り潰しで代用した。

2017年11月の三連休でこの時のリベンジを果たそうと思った。
11月3日金曜日文化の日から5日日曜日まで3日間で、
北海道新幹線の乗り潰しを含めた東北地区の未取材区間の乗り潰しを実行することにする。

東北地区の未乗車区間は以下の通りである。

 奥羽本線/福島−米沢、新庄−湯沢、大曲−秋田
 大船渡線(気仙沼−盛間はBLT化)/一ノ関−盛
 北上線/ほっとゆだ−横手
 釜石線/花巻−釜石
 山田線/宮古−釜石
 花輪線/好摩−大館
 気仙沼線(柳津−気仙沼間はBRT化)/前谷地−気仙沼
 田沢湖線/大曲−角館、田沢湖−盛岡
 男鹿線/追分−男鹿
 只見線/会津若松−小出

この中で北上線と花輪線は東北地区の東北本線と日本海側を結ぶ路線である。
今回はこの2つの路線の乗り潰しを2日間かけて実行し、3日目に北海道新幹線を乗り潰しする。
初日の東京からの「はやぶさ」ではグランクラスが取りづらいだろうと思い、3日目にすることにした。


 2.旅行計画の決定と4つの代替案/2017年

 11月3日金曜日/1日目

東京始発の東北新幹線「やまびこ41号」で水沢江刺まで行く。
新幹線単独駅で未取材のここで駅取材し、バスで東北本線水沢まで移動する。
東北本線で北上まで行き、ここで昼食を喰ってから水上線に乗り込み横手まで行く。
横手で奥羽本線に乗り換えて新庄まで行き、ここで夕食を喰う。
新庄始発の秋田行きに乗り込み、約3時間かけて終点の秋田まで行き、ここで1泊する。

 11月4日土曜日/2日目

男鹿線直通の列車で男鹿まで往復し、秋田で昼食を喰ってから奥羽本線で大館まで行く。
大館始発の花輪線(十和田八幡平四季彩ライン)で約3時間かけて盛岡までいく。
夕食はホテルにチェックインしてから盛岡で喰う。

 11月5日曜日/3日目

東北新幹線「はやぶさ95号」でまず七戸十和田まで行き駅取材する。
東北・北海道新幹線「はやぶさ1号」で木古内まで行きここで昼食を喰う。
木古内から江差線を引き受けた道南いさりび鉄道を乗り潰して函館まで行き、
快速はこだてライナーで新函館北斗まで行って駅取材、東北新幹線「はやぶさ30号」で帰京する。

この計画に合わせて秋田と盛岡でホテルを予約する。
以前から三連休パスでの秋田と盛岡で宿泊する計画は立てていて、
今回はそれを手直しして北海道新幹線の乗り潰しを付け加えている。
その時から目を付けていたホテルα−1秋田とホテルルートイン盛岡駅前に予約を入れる。
また乗車日の1ヶ月前の10月3日火曜日の会社に行く前、
東船橋の指定席券売機で東北新幹線「やまびこ41号」でグリーン車指定席を購入、
10月6日金曜日には幕張駅の指定席券売機で三連休東日本・函館パスも購入した。
3日目の1ヶ月前に当たる10月5日木曜日には帰りの新幹線の切符を購入したのだが、
去年の北海道新幹線指定席の購入失敗がトラウマになっており、
今年も取れないのではないかという恐れもあったため、
指定席が取れない時のために代案を3つも事前に準備して購入に望んだ。

 ※11月5日日曜日の東北・北海道新幹線「はやぶさ1号」が取れなかった場合

ホテルをチェックアウトしてもともと七戸十和田まで予定していた「はやぶさ95号」で、
一気に新函館北斗に行き、快速「はこだてライナー」で函館まで戻って昼食を喰う。
函館から始発の道南いさりび鉄道で木古内まで行き、
ここから北海道・東北新幹線「はやぶさ30号」で帰京する。

 ※11月5日日曜日の北海道・東北新幹線「はやぶさ30号」が取れなかった場合

事前の予定通り七戸十和田経由で木古内まで行き、昼食後に道南いさりび鉄道で函館に行く。
函館で2時間11分の乗り換え時間で函館市電の車両取材をして、
快速はこだてライナーで新函館北斗まで移動し「はやぶさ34号」で帰京する。

 ※11月5日日曜日の東北新幹線「はやぶさ95号」及び「はやぶさ1号」の両方が取れなかった場合

ホテルをチェックアウトしたあと、盛岡始発の快速「はまゆり1号」で釜石まで行く。
昼食後に三陸鉄道・南リアス線で盛まで行き、大船渡線BRTで気仙沼、
大船渡線気動車に乗り換えて一ノ関で夕食後、「やまびこ54号」で帰京する。

代替案も準備して10月5日木曜日の出社前に東船橋駅の指定席券売機で購入した。
結果的には予定通り、盛岡から七戸十和田までの「はやぶさ95号」普通席、
七戸十和田から木古内までの「はやぶさ1号」の普通席、
新函館北斗から東京までの「はやぶさ30号」のグランクラスも購入することが出来た。


 3.1週間前の突然の不幸と計画の断念/2017年

2017年10月26日木曜日、父が突然自宅でなくなった。
仕事に出ていて家族から連絡が入ったこ時には既に病院で死亡が確定、
警察による自宅の確認調査が行われ、朝を迎えた。
当然、そのあと1週間後に旅行に行くなどということは不可能であり、
2日後の28日土曜日に予定されていた本社出張も含めてキャンセルすることになった。
27日金曜日から会社を休んで葬式準備や各種手続きに奔走した。
会社を出てから父の死を知ったため、会社の鍵も預かって退社しており、
27日金曜日には各種手続きの合間を縫って出社して鍵を返した。
その帰りに津田沼で下車して購入済みの切符も全てキャンセル、
手数料を払って払い戻しをした。
予約していたホテルにも連絡を取ってキャンセルして計画は完全に白紙に戻された。

今年5月の連休中に再び三連休東日本・函館パスを使って計画を決行しようと思ったが、
JR東日本のホームページで確認したところ、
今年はこの切符自体の発売がなかった。
それでこの計画は断念し、東北エリアには来年以降に青春18きっぷを使い、
乗り潰しに挑戦することとし、
北海道新幹線に関しては北海道エリアの未乗車区間の乗り潰しに合わせ、
行きは飛行機で新千歳に降り、帰りは函館まで戻って道南いさりび鉄道の乗り潰しをしてから、
北海道新幹線で帰京することにしようと思った。

ところが、6月になってもう一度見てみると、
今年は2018年6月14日から2019年2月8日の区間に利用可能となっていた。
しかしこの段階では既に夏には青春18きっぷの旅を企画しており、
そこで9月に2度ある3連休のうち、9月22日からの三連休にこの企画を考えた。

去年の計画を参考にそのままスライドでとも考えたが、
いろいろと考えるうちに修正点も見つかった。

    ※参考出典/去年11月の予定

  11月3日金曜日/1日目

 06:04東京発の東北新幹線「やまびこ41号」で水沢江刺まで行き駅取材、
 路線バスの岩手県交通で310円の別料金で東北本線水沢駅まで移動する。
 東北本線で北上まで行き、昼は「森のみみずく」で特製牛すじハンバーグカレーを喰う。
 北上線で一気に横手まで行き、奥羽本線で新庄まで行く。
 夕食は「急行食堂」で塩とりもつラーメンを喰い、奥羽本線で一気に秋田まで行く。
 ホテルα−1秋田にチェックインして1泊する。

  11月4日土曜日/2日目

 ホテルα−1秋田をチェックアウトして朝食は「パブロ・ピカソ秋田店」でモーニングセット。
 奥羽本線経由で男鹿線に入って男鹿まで往復して駅取材する。
 昼食は「秋田比内地鶏や」で究極親子丼を喰い、奥羽本線で大館、
 花輪線(十和田八幡平四季彩ライン)で盛岡まで行く。
 ホテルルートイン盛岡駅前にチェックインしてから、
 夕食は「柳家・大通り2号店」でキムチ納豆ラーメンを喰う。

  11月5日土曜日/3日目

 朝食バイキング後にホテルルートイン盛岡駅前をチェックアウト、
 08:00盛岡発の東北新幹線「はやぶさ95号」で七戸十和田まで行き駅取材、
 東北・北海道新幹線「はやぶさ1号」で木古内まで行き区、
 昼食は「あおき和洋亭苑」で目玉焼きハンバーグ定食デミグラスソースを喰う。
 南いさりび鉄道線を全区間乗り潰し、函館から快速はこだてライナーで移動、
 新函館北斗で駅取材してから北海道・東北新幹線「はやぶさ30号」で帰京する。


 4.補正された去年の予定−計画決定

去年の予定では1日目は東北新幹線で水沢江刺まで行き、
路線バスで東北本線水沢に移動、東北本線で北上まで行き、
ここから北上線で横手まで一気に移動、新庄まで往復する。
新庄から奥羽本線で秋田まで行くことになっていた。

しかしバス移動は鉄道趣味とは違うし、可能であれば回避したい。
それなら北上線は北上からほっとゆだまでは乗り潰していたため、
横手から往復する方向で検討、新庄から旅をスタートさせることとした。
9月22日土曜日は山形新幹線「つばさ121号」で新庄まで行き、
奥羽本線で横手まで行き、北上線をほっとゆだまで往復する。
横手始発の奥羽本線で秋田まで移動する。
さらに時間が浮いた分、去年2日目に予定していた、
男鹿までの往復も1日目に決行する。

去年の2日目は午前中に男鹿線を男鹿まで往復、
昼食後に奥羽本線で飽きたから大館まで移動する。
ここで花輪線(十和田八幡平四季彩ライン)に乗り換えて盛岡まで移動する。
ホテルルートイン盛岡駅前にチェックインして夕食を喰う。

9月23日日曜日は既に前日男鹿まで往復していたため、
ホテルα−1秋田をチェックアウトして直ぐに奥羽本線で大館に移動、
09:23大館始発の花輪線で盛岡に向かうが、
時間があるため好摩で下車して駅取材、
いわて銀河鉄道で岩手川口に移動して駅取材してから盛岡まで行く。
荷物をコインロッカーな入れて昼食を喰い、
田沢湖線で雫石まで行って駅取材、
盛岡まで戻って東北新幹線で水沢江刺まで往復する。
盛岡から水沢江刺までは「はやぶさ112号」、
水沢江刺から盛岡までは「やまびこ57号」を予約する。
ホテルにチャックインして夕食を喰う。

3日目の9月24日月曜日は去年と同じ計画で行うが、
新幹線の指定席が取れない可能性もあるので、去年と同様、代案を用意する。

東北・北海道新幹線「はやぶさ1号」が取れなかった場合は、
盛岡から「はやぶさ95号」で新函館北斗まで一気に行き、
快速「はこだてライナー」で函館まで戻って昼食、
道南いさりび鉄道線を乗り潰して木古内から「はやぶさ30号」で帰京する。

北海道・東北新幹線「はやぶさ30号」が取れなかった場合は、
第1案を予定通り熟し、「はやぶさ34号」で帰京する。

東北新幹線「はやぶさ95号」及び「はやぶさ1号」の両方が取れなかった場合は、
北海道新幹線と道南いさりび鉄道の完乗は諦め、
盛岡から快速「はまゆり1号」で釜石まで移動して昼食、
三陸鉄道・南リアス線を盛まで乗り潰して大船渡線BRTで気仙沼、
大船渡線鉄道路線で一ノ関に出て「やまびこ54号」で帰京する。


 5.決戦は金曜日−グランクラス指定席特急券の購入

計画に合わせてホームページから6月7日に、
「ホテルアルファ−ワン秋田」と「ルートイン盛岡駅前」に予約を入れる。
予定の1ヶ月前、8月22日水曜日に幕張駅の指定席券売機で、
山形新幹線「つばさ121号」の東京から新庄までのグリーン車新幹線指定席特急券を購入した。
翌日の22日木曜日には千葉免許センターで免許の更新があったため、
その帰りに海浜幕張駅の指定席券売機で、
東北新幹線「はやぶさ112号」の盛岡から水沢江刺までと、
東北新幹線「やまびこ57号」の水沢江刺から盛岡までの往復の新幹線指定席特急券を購入した。
そして翌23日金曜日、いよいよ今回の切符購入のメインイベントである。
9月24日月曜日は秋分の日の振替休日であり、
三連休の最終日ということもあって切符が取れるかどうかが心配で、
万が一切符が取れなかった時のために、3つの代替案も用意して津田沼駅に向かった。

メインの計画は東北新幹線「はやぶさ95号」で盛岡から七戸十和田までの新幹線指定席特急券、
東北・北海道新幹線「はやぶさ1号」の七戸十和田から木古内までの新幹線指定席特急券、
北海道・東北新幹線「はやぶさ30号」の新函館北斗から東京までのグランクラス新幹線指定席特急券、
そして三連休東日本・函館パスを購入することである。



代替案の第1案は「はやぶさ1号」が取れなかった場合



代替案の第2案は「はやぶさ30号」が取れなかった場合



代替案の第3案は「はやぶさ95号」、「はやぶさ1号」両方取れなかった場合



もし取れない切符があった場合の代替案も用意していったが、
結局メインの予定通り切符を購入することができた。
「はやぶさ30号」は座席の選択ができなかったが、
ひとり掛けの3番A席を取ることが出来た。
これで全ての切符を購入することができ、あとは当日を待つだけとなった。
天気予報はあまり良くなかったが、それでも当日朝起きた時はまだ雨は降っていなかった。


 6.雨と霧の中の「つばさ」−旅の始まり

朝起きた時には雨は降っていなかったものの外は真っ暗で、
曇っていて日差しがないのは夜が明ける前から認識できた。
三連休東日本・函館パスで04:56幕張発の初電から2本目の電車に乗り込む。



秋葉原で京浜東北線に乗り換えて東京まで行き、
山形新幹線「つばさ121号」の特急券と重ねて新幹線改札口に入る。



23分の乗り換え時間でまだ車両は到着しておらず、
売店で駅弁「秋露のささやき」やお茶などを買い、
入線を待って11号車4番D席のグリーン車に乗り込む。



山形新幹線は在来線直通のために車体も少し小さくミニ新幹線とも呼ばれている。
そのため車内も在来線特急と同じ広さであり、
普通席も2+2の座席配置になっているが、
それでもグリーン車の座席の方が座り心地が良い。



東京駅を06:12に出発し、東北新幹線の線路を福島まで行く。
車窓は曇りがちで暗雲たる気持ちのままで新庄を目指すことになる。
福島に到着する頃には雨が降り出していた。
車内販売でホットコーヒーを頼み、「とほほ・・・。」と思いながらブレイクする。



福島から在来線に入り、更にここから山の中へ入るために霧も発生してきた。
米沢を出る頃には雨は激しくなり、絶望的な気持ちになった。
これでは予定通りに計画を進めることはできないかもしれない。


 7.30分遅れの奥羽本線と予定変更の秋田到着

山形新幹線「つばさ121号」は3時間43分で予定通り09:55に新庄へ到着した。
新庄は奥羽本線のほかに、陸羽西線、陸羽東線が接続している。
しかし奥羽本線は福島から新庄までは山形新幹線が乗り入れているため、
線路幅が1,435mmの標準軌となっているが、
新庄から先は日本の在来線の基本的な軌間である1,067mmとなっている。
そのため奥羽本線は新庄で線路が途切れている。
奥羽本線在来線も福島から新庄までは標準軌の専用車両が使われている。
これによって奥羽本線福島方面と奥羽本線横手方面、
そして陸羽西線、陸羽東線がそれぞれ独立しており、線路は繋がっていない。
そのために改札から全て平行移動できる。



3路線4系統が接続するターミナル駅でありながら、
全てのホームに平行移動できて改札内に階段やエレベーターがない駅は珍しい。
乗り換え時間は23分で、接続する列車の車両取材してから、
改札を出ずにそのまま奥羽本線秋田行きに乗り込む。



この列車は10:18に新庄を出発する。
予定では1時間25分で横手まで行き、ここで昼食を喰う。
2時間1分の乗り換え時間で北上線でほっとゆだまで往復する。
この区間はまだ未乗車だったため、乗り潰しのためである。
しかし乗り込んで車内アナウンスを訊いて愕然とした。
新庄で乗り換えた時にはほとんど雨は降っていなかったものの、
大雨の影響で真室川の水位が上がり、
泉田から大滝までの区間が徐行運転となっており、
結果として大滝から先のダイヤが30分遅れになるという。
横手での乗り換え時間は2時間1分で、昼食時間を含めてもこの遅れなら吸収できる。
しかし雨の中でこの先もダイヤが乱れる可能性もあり、
色々と迷った結果、横手では下車せずにそのまま終点の秋田まで行く。
この列車は予定では13:05に到着することになっていたが、
真室川増水の影響の遅れがそのまま影響して30分遅れのまま秋田に到着した。
秋田の改札口には夏の甲子園で準優勝した金足農業高校をたたえる垂れ幕がかかっていた。



もともとの予定では横手でB級グルメで横手やきそばを喰うつもりだったが、
横手で下車せずにそのまま通り過ぎて秋田まで来てしまったため、
夕食に秋田で喰うことにしていた「秋田比内地鶏や」に行き、
遅めの昼食として究極親子丼1,380円を喰う。
ここから予定を前倒しして1本前の男鹿線に乗り込むことにする。


 8.再びのアキュムと建て替えられた男鹿駅−男鹿線の完乗

秋田駅に到着した時間は13:35頃で、男鹿線直通男鹿行きが13:38にあった。
そこでまず1番線の男鹿線直通の奥羽本線下りホームに行って、
発車直前のキハ40形の車両取材する。
秋田駅は基本的には単式ホーム1面と島式ホーム3面の構造になっており、
単式ホームの青森方面を切り欠いて1番線としている。
また7番線8番線ホームの上り方面を新幹線専用ホームとしている。
車両取材後に改札を出てコインロッカーに荷物を入れる。



駅ビルで昼食を喰ってから少し駅前を散策し、
スマホで男鹿線の上り列車の到着時間を確認して再び改札を入場する。
そこにはEV-E800系交流蓄電池電車「アキュム」が停車していた。
以前、烏山線でEV-E300系直流蓄電池電車を取材したが、
烏山線と同様、蓄電池車の愛称として「アキュム」が名付けられている。
もともとの予定だとこのダイヤの1本あとだったので、
先ほど取材したキハ40系に乗ることになっていた筈だ。
EV-E800系「アキュム」は2両編成で、赤と青の塗色が採用されていた。
15:28に秋田を出て奥羽本線を追分まで行き、3分の停車時間で男鹿線に入り、
蓄電池からの電力のみで交流モーターを動かして終点の男鹿まで行く。
男鹿に到着したのは16:28だった。



蓄電池電車の欠点は直ぐの折り返しができないことだ。
男鹿駅では30分の停車時間で専用の架線から充電し、追分までの電力を充電する。
そのため充電用の施設を備えた新しい男鹿駅が建設されている。
これを取材してから以前の男鹿駅まで行き、これも取材する。
地元の人間のためか、駅が移ったことを知らせる張り紙が貼ってあった。



以前の駅舎は既に立ち入り禁止になっていた。
新しい方の駅舎は屋上にも出られるようになっている。
行ってみたが、ちょうどポツポツと雨が降ってきてしまい、早々と退散した。
男鹿駅は入場制限がかかっており、仕方がなく待合室で待つことにした。
待合室にはなまはげのオブジェが設置されており、
そこには以下のような説明書きがあった。



    なまはげ伝説

  昔、官の武帝が飛車に乗り、
 五匹のこうもりを従えて男鹿にやってきた。
 こうもりは五匹の鬼に変わりよく働いたので、
 武帝は正月十五日の一日だけ休みを与えた。
 鬼たちは初めての村里に来てうれしさのあまり、
 畑を荒らし、家畜や娘たちをさらっていった。
  これに怒った村人は鬼退治に出かけたが、
 力の強い鬼たちに散々な目にあわされた。
 困った村人たちは、鬼たちと「かけ」をすることにした。
 「毎年ひとりずつ娘をさし出すかわりに、
 五社堂まで一夜のうちに千段の石段を造ること。
 これができなければ二度と村へは来るな」と。
 鬼たちは日暮れを待って、石段を積み始めた。
 あわてた村人たちは、
 ものまね上手を使って鬼たちが九九九段まで
 積み上げたところで「コケコッコー」と
 一番鶏の鳴きまねをさせた。
 鬼たちは飛び上がって驚き、怒り、
 そばにあった千年杉を引き抜き、
 まっさかさまに大地に突き刺し山に帰っていった。
  それからというもの、
 鬼たちが再び村へ下りて来ることはなかった。 

改札が始まり、再びEV-E800系「アキュム」に乗り込んだ。
到着した時には気付かなかったが、
駅の海側には風車がたくさん設置されていた。



たぶん、蓄電池電車に充電するための電力を発電させるためだろう。
16:58男鹿駅を発車した「アキュム」は蓄電池を使って追分まで行き、
奥羽本線に入って17:57に秋田に到着した。


 9.激辛ラーメンと忘れられた朝食代−秋田の夜と朝

男鹿線「アキュム」は17:57に秋田駅に到着し、
改札を出て東口の方に行ってみる。
昼食は西口の秋田ビル「Topico」に行き、3階の「秋田比内地鶏や」に入ったが、
夕食も同じ店では芸がないと思い、逆側を散策する。
東口には秋田拠点センター「アルヴェ」があり、
そこのフロアではワインに関するイベントが行われていた。



その中に幾つか飲食店があり、2階の「まごころ『愛』居食庵 秋田美人」に行く。
まるで居酒屋のような名前だが、実はラーメン店である。
人気野菜ラーメンには白と赤があり、赤のニンニクスタミナらーめん・赤852円を喰う。
思ったよりも辛くて汗が止まらなかった。
駅まで戻って「トピコ」に行き、石川酒店で日本酒を購入する。
秋田は酒処だが、何を選んで良いのか分からなかったので店員に訊いて、
初心者向けとして「雪の茅舎・純米吟醸ひやおろし」720ml、1,620円を購入した。
そのほか、大学病院の先生が考えたサプリ饅頭やちーずがっこなども買い、
事前にネットで予約していたホテルα−1秋田にチェックインする。



ここはチェックインの時におしぼりのサービスがあり、温かいか冷たいかを選べる。
チェックインの時に翌日の朝食の和食バイキング前売券950円も購入する。
部屋に入って購入した日本酒や田沢湖こまちビールなどを飲む。



日本酒を飲み過ぎて気を失うように寝てしまい、3:00a.m.頃を覚ます。
再び寝直して6:00a.m.に起床、シャワーを浴びてクールダウンし、
6:30a.m.を待ってホテル1階の「唐橋茶屋」に行き、和食バイキングを喰う。



ウインナー、焼鮭、梅紫蘇フライ、鶏の唐揚げ、出汁巻き玉子、ポテトサラダ、
鹿尾菜の煮物、梅干し、生玉子、味噌汁、ご飯、コーヒーなど。
和食バイキングだが、どちらかというと洋食っぽくなってしまった。
これならルートインのバイキングとも変わらない。
部屋に戻って歯を磨き、チェックアウトする。
チェックアウトの時、朝食代を徴収するのを忘れていたとして、
追加で950円を払うことになる。
確かに申し込んだのはルームシアター無料!オータム・プラン・シングル(禁煙)3,900円で、
昨日のクレジット決済の控えも3,900円だった。
このあと秋田駅に向かい、2日目の旅に出る。


 10.スイッチバックの花輪線といわて銀河鉄道への乗り入れ

秋田駅まで行って駅員に「大館まで行きたいのですが、
どれに乗れば良いですか?」と尋ねたところ、
「7番線の弘前行きに乗って下さい。」と教えてもらった。
改札に入り、既に7番線に停車していた701系に乗り込む。



701系2両編成を2本繋いだ4両編成だった。
これで1時間43分かけて大館まで行く。
奥羽本線は陸奥と羽後までを結ぶ鉄道路線で、
追分で男鹿線と接続、東能代で五能線と接続、鷹ノ巣で秋田内陸縦貫鉄道と接続する。
大館ではホーム隣に停車していたキハ110系2両編成に乗り換える。
花輪線はかつては急行も走っていた地方交通線で、区間は106.9mである。
2002年2月に大館を訪れた時に急行「よねしろ」を取材している。



 ※撮影時刻 2002/02/09 18:16:32

この時は午後6時を過ぎていたため、夜撮になってしまった。
急行「よねしろ」は大館から鹿角花輪までを結ぶ。
気動車はキハ58系が充当されていた。
勿論今は既にキハ58系は引退し、キハ110系になっている。
乗り換え時間12分で改札を出ずに花輪線に乗り込んだ。
土崎を通った時には車窓から駅と近接する秋田総合車両センターが見え、
そこには正確な形式名は分からなかったが、
総武緩行線の中間車両が留置されていた。
たぶん山手線からE231系500番台転籍ではじき出された車両なのだろう。
09:23に大館を出たキハ110系2両編成は10:00ちょうどに十和田南に到着する。
ここに来るまで知らなかったが、花輪線は十和田南でスイッチバックする。
折り返しには運転手が運転台を乗り換える時間として5分が設定されている。



このあと10:05にここを出て2つめには鹿角花輪に到着する。
急行の終着駅だったが、特別に大きな駅ではなかった。
このあと東北を横断する形で2時間23分かけて好摩に到着する。
ここで下車して西口と東口の駅取材をしてから待合室で列車の到着を待つ。
待合室には石川啄木が「一握の砂」に発表した歌の歌碑が設置されている。



 霧ふかき好摩の原の
 停車場の
 朝の蟲こそ
 すゞろなりけれ

石川啄木は岩手県盛岡市の出身で、たぶん好摩駅も利用したことがあるのだろう。
好摩での上り方面の列車は12:35までなく、49分もある。
時間が余ってしまうのでいったん12:20で隣の岩手川口まで行くことにした。
岩手川口での乗り換え時間は5分で、この時間を利用して駅取材する。
12:30上りのいわて銀河鉄道の701系に乗り、
29分かけて盛岡に到着する。


 11.新幹線駅取材のための往復−雫石編

岩手川口から29分で盛岡に到着し、まずコインロッカーに旅行用バッグを入れる。
駅舎内のSuica対応コインロッカーは満杯だったので、
駅周りを探して駅ビル「FEZAN」の壁に設置されている外のロッカーを使用する。
盛岡に到着したのは12:59で、昼食は予定していた「リストーロ金宝堂」に行く。
オーダーはランチメニューの元祖とんてきプレート1,000円にする。
乗り換え時間は1時間23分を予定していて、駅前で少し駅取材する。



盛岡には今までにも何度も来ていて、少しまったりする。
盛岡駅にも石川啄木の歌碑が設置されていた。

 あるさとの山に向かひて
 言ふことなし
 ふるさとの山はありがたきかな

午後からは田沢湖線の乗り潰しと2つの新幹線駅の駅取材に挑戦する。
田沢湖線は2016年9月に秋田内陸縦貫鉄道の乗り潰しをしたあと、
角館から田沢湖まで在来線で移動、田沢湖から秋田新幹線「こまち」で帰京した。
このため田沢湖線の未乗車区間は大曲から角館までと田沢湖から盛岡までとなった。
今日はこのうち田沢湖から盛岡までの区間を乗り潰し、
途中駅である雫石で停車時間に駅取材する。
盛岡を14:22に始発する田沢湖線で1時間2分で田沢湖まで行く。
田沢湖駅は一昨年に駅取材済みで折り返し列車は22分後に来る。
一昨年夕食を喰った食堂もまだ健在だった。
盛岡行きの列車は15:46に到着し、15:53に田沢湖を出発する。
この列車は29分で雫石駅に到着、この列車はすれ違い待ちで15分停車する。



駅前には“雫石名物の元祖よしゃれそば”の「食堂いしや」があった。



この店は以前ケーブルテレビで観た「ローカル線ラーメン探訪」に出ていた店である。
よしゃれとは「食堂いしや」のホームページによると、
「南部よしゃれ」という雫石の民謡があり、よしゃれとは「およしなさい。」の意とのこと。
雫石の地のものを使った野菜たっぷり蕎麦がよしゃれそばで、
「ローカル線ラーメン探訪」ではよしゃれそばのラーメンバージョンが紹介されていた。
15分の乗り換え時間で駅取材して19分で盛岡に戻る。
雫石で下車した時には既に日が傾きかけていて、
次の水沢江刺で日が持つか心配だった。
企画を考えた時はまだ春だったまで気にしなかったが、
秋の陽は“つるべおとし”であった。


 12.新幹線駅取材のための往復−水沢江刺編

光量を心配して山に沈みゆく太陽を車窓から眺めながら盛岡に到着する。
盛岡での乗り換え時間は11分で、在来線から直接新幹線改札口に入る。



水沢江刺は新幹線単独駅のため、駅取材に行くには新幹線を使うしかない。
東北新幹線「はやぶさ112号」の4号車7番E席に乗り込む。
乗車時間は30分だったが、一応普通席の指定席を取っておいた。
車窓からは沈みゆく太陽が見えていて、ほぼ山稜に姿は消えつつあった。
水沢江刺に到着したのは17:38で、駅の外に出るとほぼ日は暮れかけていた。
太陽は沈んだが、残光が微かに残っていた。



ここで何とか駅取材したが、やはり光量が絶望的に足りず、
ISOを限界まで上げても夜撮感を消すことはできなかった。
ここでのの乗り換え時間は46分で、少し時間がある。
可能なら近くの食堂で夕食を喰おうかとも思っていたが、
既に駅近くの食堂も駅蕎麦も閉店していた。
これが新幹線単独駅の現状なのだろう。
駅待合室で時間を潰し、18:25水沢江刺発の東北新幹線「やまびこ57号」に乗り込む。



水沢江刺は大谷翔平選手の出身地のようで、改札内には大きな垂れ幕が掛かっていた。



29分かけて盛岡に戻り、ここで夕食を喰う。
予定では「柳家・大通り2号店」に行くことにしていたが、
既に夜の帳は完全に落ちていて、路面店に拘る意味もない。
そこで地下で見つけた「柳家・フェザン2号店」に入ることにする。
オーダーはキムチ納豆(小)850円とライス150円などを選んだ。
このあと売店で日本酒やつまみなど買い、コインローカーから荷物を取り出す。
この日はホテルルートイン盛岡駅前にチェックインする。


 13.日本酒と笹かまとH7系新幹線−盛岡の夜と朝

考えてみれば2日続けて夕食は激辛系ラーメンだったなと思いつつ、
盛岡駅ビル「FEZAN」に行き、KiKiZAKEYAで関山吟醸純米セット1,620円を買う。
またかまぼこの鐘崎で笹かまをバラで4個なども買い、
コインロッカーから荷物を取り出してからネットで予約していた、
ホテルルートイン盛岡駅前にチェックインした。



プランはNET DE 早割30日前プラン6,750円で、
ネット予約だと自販で使えるコインが貰え、ミネラルウォーターを貰う。
部屋に入って早速売店で購入した日本酒を飲む。



日本酒「関山」は岩手県一関市の両磐酒造製で、純米酒と純米吟醸のセットである。
チェックインしたのがちょうど8:00p.m.で、
それから飲み始めたために気を失うように寝てしまう。
翌日、9月24日月曜日は5:00a.m.に起床して一番風呂を愉しみ、
6:30a.m.を待って1階「花茶屋」でバイキング朝食を喰う。



スクランブルエッグ、ハム、ウインナー、イカリング、蓮根の挟み揚げ、
枝豆とコーンのフライ、ジャーマンポテト、サラダ、梅干し、柴漬け、
海苔、味噌汁、ご飯、柚子のゼリー、コーヒーなど。
食後にも大浴場でひとっ風呂浴びてからチェックアウトする。
盛岡駅新幹線改札に入場する。



東北新幹線「はやぶさ95号」は仙台発新函館北斗行きで、
盛岡での停車時間は07:49から07:59の10分である。
ホームに上がると既に「はやぶさ95号」は停車していた。



充当されていた車両はH7系だった。
北海道新幹線が新青森から新函館北斗まで部分開業したのに合わせ、
JR北海道が投入した新幹線車両で、
基本設計はJR東日本のE5系に準ずる。
E5系が全36編成あるのに対し、H5系は4編成しかなく、
今回初めて取材することができた。
普通席に指定を取り、47分かけて七戸十和田に行く。


 14.新幹線駅取材−七戸十和田と新しい木古内

盛岡から47分、08:47に七戸十和田に到着する。
七戸十和田も新幹線単独駅であり、新幹線でないと行くことができない。
昨日の天気予報では今日は雨ということだったが、
朝のうちは曇って入るものの、まだ雨は降っていなかった。



今日は3つの新幹線駅の取材を予定している。
その一つ目が七戸十和田で、曇りながら何とか駅取材することができた。
駅舎は七戸町観光交流センターが併設されている。
その中には大正天皇が皇太子時代に乗ったという高等官馬車(偽装馬車)が飾られている。
「七戸立」というねぶた祭の飾りのようなものも設置されていた。



そこの解説には以下のように書かれている。

 陸奥国の民は遙か昔より馬を尊び、馬と生活を共にしてきた。
 なかでも七戸(青森県七戸町)は今も昔も名馬の産地である。
 七戸立とは七戸産の馬のことを指す。
 この呼称を一躍世に知らしめたのは、
 かの有名な「宇治川の先陣争い」で梶原源太景季を負かし、
 佐々木四郎高綱に 先陣の功をもたらした天下一の名馬、生接。
 元より源頼朝の愛馬で、気性が荒く、
 馬でも人でも噛みついて傍に寄せないことからこの名がつけられた。
 よく肥えて逞しく大きな体躯を持ち、
 轟轟と荒れ狂う宇治川をものともせずに一直線に渡り切ったと瞬く間に名が知れ渡ると、
 武士らは続々と七戸立を求めた。
 七戸に住まう人日ごとは更に、
 生接のごとき野性味あふれる悍馬の調教に励み、
 いまなお数多くの名馬を排出し続けている。
 良馬産出祈願を以て、馬頭観音の御加護を得た七戸立調馬図をここに顕す。

また待合室にはスマホやノートパソコンの充電用にコンセントが設置されていた。
47分の待ち時間で東北・北海道新幹線「はやぶさ1号」で木古内に向かう。



乗車時間は1時間10分なので普通席に指定を取っていた。
新青森を抜けるといよいよ北海道新幹線の区間に突入する。
陸路での北海道移動は今まで何度もあるが、
全て在来線特急時代で、新幹線に乗っての青函トンネルは初めての体験である。
木古内に到着したのは10:44で、十分に駅取材する。



木古内は2003年12月に初めて訪問したが、
その時は勿論新幹線のホームはなく、駅舎も在来線専用だった。



 ※撮影時刻 2003/12/08 11:55:57

木古内といえば「寒中みそぎ」が有名で、これは天保2年から続く。
毎年1月15日に4人の若者が佐女川神社の御神体を浄めるために、
冷水で自らの体を浄め、御神体を抱いてみそぎ浜で禊ぎをするというものである。
2003年に訪問した時に確認した駅の掲示板には以下のように書かれていた。

 佐女川神社みそぎ事はじめ
 天保2年(1831年)神社守が夢枕に『御神体を潔めよ』とのお告げがあり、
 目をさますと寒気肌をさす1月15日の早朝でした。
 神社守は目覚めるとすぐに御神体を抱き、神社の真下を流れる小川に行き、
 一面にはっている氷を打ち砕いて身をきるような冷水で自分の体を潔めました。
 神社守りは再び御神体を抱いて海岸へ行き、
 幾度なく波に打たせて清め、神社に奉納しました。
 その年から豊漁豊作が続き村は大変潤ったと言われています。
 穢れのない優秀な4人の青年はみそぎの御神体 当別、稲荷、山の神、弁財天の4体を潔めます。
 13日の参籠祭りから鍛錬に入り、15日の朝まで水ごりを行います。
 寒中みそぎは毎年1月15日厳寒の津軽海峡に面したみそぎ浜で行われます。

駅舎取材後に駅前にある「道の駅みそぎの里きこない」に行く。



予定では近くにある食堂まで行くことにしていたが、
天気が良くないので駅に戻りやすい道の駅の食堂が開くのを中で待った。
11:00a.m.を待って道の駅みそぎの郷きこない内「どうなんde's」に入り、
昼はシェフのキーマカレー〜木古内の野菜と〜500円を喰う。
+300円のセットという設定があり、
これを選ぶと塩パン、サラダ、スープ、ジェラートが付いてくる。
ジェラートは6種類の中から選べるようになっており、
ブルーベリーをチョイスした。
昼食後に外に出るとポツポツと雨が降り出してきた。
やはり駅から離れなくて良かった。
このあと12:33木古内始発の南いさりび鉄道で函館を目指す。


 15.大雨の道南いさりび鉄道と函館の断念

昼食後に外に出てみるとポツポツと雨粒が落ち始めており、
近くの散策は断念して木古内駅に戻ることにした。
乗り換え時間は1時間48分になっており、
しかもホーム入場は発車の10分前になっており時間を持て余してしまった。
仕方がないので待合室で時間を潰す。
待合室の中にはJR在来線駅時代の駅名標が飾られていた。



待っていると雨はどんどん強くなっていった。
少しフライングなのだが30分前くらいには、
駅員が離れた隙に待合室の人が勝手に車両に乗り込んだ。
道南いさりび鉄道にはJR北海道からキハ40形が移籍され、
オリジナルカラーに塗色されて運用されている。
早速車両に乗り込み海側の座席に座ったのだが、
窓枠には「天気の良い日は函館山が見えます」とステッカーが貼られている。



この列車は12:33に木古内を発車し、1時間1分かけて函館に向かう。
発車寸前には激しい雨が降り続き、絶望的な気分になった。
雨は強く降り続き晴れていなかったが、それでも函館山は微かに見えた。



函館1番線に到着したのは13:34で、本降りの雨はまだ続いていた。
島式ホームの隣の2番線には函館から上磯を結ぶキハ40形が停車していた。
函館駅1番線2番線はホーム長が短く電化もされていない。
道南いさりび鉄道と函館本線気動車が3番線4番線ホームとともに使用する。
函館の停車時間は40分で、晴れていれば改札を出て、
函館市電の車両取材も少ししたいと思っていたが、とてもそんな状況ではない。
雨は激しく更には雷鳴まで聞こえている。
2番線には新塗色のキハ261系「スーパー北斗」が停車してこれを取材する。



そうこうしているうちに快速「はこだてライナー」充当の733系1000番台が入線してきた。
これに乗って新幹線駅である新函館北斗を目指す。
胆振東部地震の影響で北海道全体で電力不足のため、車内照明も一部消えている。
快速「はこだてライナー」ははこだてと新函館北斗を結ぶ新幹線ライナーの設定で、
函館を出ると五稜郭に停まり、そのあとは新函館北斗までノンストップである。
所要時間は19分で、14:33には新函館北斗に到着することになっていた。
しかし五稜郭での停車時に遅れていた貨物列車の待ち合わせをして、
結局8分遅れで新函館北斗に到着した。
そのため接続する北海道新幹線「はやぶさ」も発車待ちになっており、
駅員が大越で乗り換えを案内していた。
ほとんどの乗客が新架線乗り換え口に吸い込まれていった。


 16.新函館北斗の小雨とグランクラスでの帰京−旅の終わり

少し到着が遅れたが、雨は次第に小降りになっていた。
ほぼ止みかけていたのでこの日3つめの新幹線駅の駅取材する。
まずは中心口である南口駅舎を取材する。
そのあと在来線ホームが見える北口にまわるが、再び雨が降り出してきた。
しかしカメラに持参したタオルを掛けて雨避けとして取材を強行する。
なんとか駅取材を強行したが、新函館北斗では接続した新幹線を1本見送り、
駅取材の時間を創出したが、逆に予定で1時間44分の乗り換え時間になった。
8分遅れであるが、それでも大幅に時間が余ってしまった。
南口に隣接する新函館北斗駅前ビルの中でおみやげなど買い、早めに入場する。



まだ北海道・東北新幹線「はやぶさ30号」は到着しておらず、
ホームドアの内側にあるベンチにかけて到着を待つ。
16:17新函館北斗始発の車両は4:05p.m.過ぎに入線してくる。



使用車両はJR東日本所属のE5系だった。
グランクラスは何回も乗っているが、何度乗ってもその豪華さに感動する。



三連休の最終日ということで、グランクラスも満席だった。
まずは肘掛けに設置されているコンセントでスマホの充電する。



各座席には簡易のスリッパが付いているが、
それを入れている袋もそこそこ丈夫なので、
袋にポケットにい張っている財布やSuica定期券、コンデジなどを入れる。
下車する時にこの袋ごと持ち帰ることによって忘れ物をしない。
何度かグランクラスを利用していて思いついた利用術である。
アテンダントからおしぼりが配られ、その時に食事や飲み物を訊かれる。
和軽食とビールをチョイスした。



グランクラスの和定食は上りと下りで内容が異なる。
出発地や沿線の素材を重視したメニューになっており、
今回は“−東北・北海道編−”である。



 お品書き

 ホッケ味噌焼
 玉子焼

 南瓜揚
 岩手県産合鴨入り肉団子
  金ごまあんかけ
 銀杏串
 パプリカ揚

 大黒梅風味和え

 芋煮風
  牛肉
  里芋
  牛蒡
  蒟蒻
  いんげん
  飾り人参

 季節御飯

これを食べて更に追加でビールをオーダーし、
和軽食とともに配られたあられをつまみに喰う。



350ml缶ビールを2本飲み、そのまま熟睡する。
それでも新函館北斗から東京までは4時間15分の乗車時間で、
やはりグランクラスといえども時間を持て余してしまった。
普通席で窮屈な思いをしながらの移動だったらもっとしんどいだろう。
大宮を出る頃に酔い覚ましにホットコーヒーをオーダーする。



あられと一緒に配られたグランクラス・オリジナルパウンドケーキも食う。
季節によってパウンドケーキの内容も代わり、
今回は「秋風〜宮城県産枝豆〜」だった。



20:32の定時に東京に到着し、そのまま地下の横須賀線・総武快速線ホームに下りる。
予定では20:46東京駅着20:5050発の総武快速線に乗り込むつもりだったが、
20:41始発の1本前にギリギリ間に合ったのでこれに乗り込む。
津田沼まで行き、少し小腹が空いたので、
改札内の「いろり庵きらく」でかき揚げうどん420円を喰い、
総武緩行線に乗り換えて帰る。





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