青春の残り火−総武線と京葉線の彷徨



 1.残り1回(人)の使い道

2019年夏季の青春18きっぷの旅は5回(人)を、
7月27日土曜日から1泊2日で錦川鉄道と可部線、呉線の乗り潰しで2回分、
8月3日には芸備線未取材区間の乗り潰しとサンライズ「出雲」の帰京で1回分、
そして8月24日からの1泊2日で、
姫路から3路線の乗り潰しで残りの2回分を使用する予定だった。
しかし姫路からの3路線の乗り潰しの旅を決行する直前で、
家庭の事情でこの旅を決行することが不可能になってしまった。
そのため青春18きっぷは残りの2回分が無駄になってしまった。
しかしその後、家庭の事情が少し好転、日帰りなら外出が可能になり、
8月24日土曜日に急遽、高崎から八高線の乗り潰しを敢行した。

残りの1回(人)分は急には予定が組めず、
勿論、新幹線を使った旅は夏休み期間中なので指定席の取得は多分無理で、
このまま無駄になってしまうのかな…と思った。
だが、青春18きっぷは日本全国のJRグループの旅客路線に乗車可能であり、
無理して遠くに行かなくても敢えて地元で使うという選択肢もある。
本格的に駅取材を始めたのは2003年6月からで、
地元の路線の駅はかなり初期の頃に取材が完了している。
そのため画像データが古く、その後リニューアルしている駅も多い。
総武線でいえば地下鉄との乗換駅である西船橋や本八幡、
頻繁に利用する千葉などはリニューアル後の取材も終了しているが、
普段通過するだけの駅はなかなか途中下車する機会もなく、
リニューアル後の駅取材がままならない状況になっている。
そこで8月31日土曜日に総武線のリニューアル駅を取材、
さらに総武快速線から東京駅で京葉線に乗り換えて、
京葉線のリニューアル駅もついでに取材する。
8月31日土曜日は京葉線検見川浜で用事があったため、
それを含めて青春18きっぷでの旅を考えた。

  8月31日土曜日

 06:48幕張−総武緩行線・下り(10)−06:58千葉

  ※朝/そばいち 7:00a.m.〜

 千葉始発の総武緩行線で両国→平井→市川で駅取材

 11:04市川−総武快速線・上り(14)−11:18馬喰町

  ※昼/三福亭 11:30a.m.〜

 総武快速線で東京、京葉線に乗り換え、
 新習志野→海浜幕張→検見川浜→蘇我
 蘇我から外房線で千葉、総武緩行線に乗り換えて帰宅

事前の天気予報では晴れになっていたが、
直前になって曇りになり、
当日の夜中4:30a.m.頃目が覚めて確認したら、
曇り時々雨になっていた。
青春18きっぷの夏季は9月10日まで有効期間があるので、
まだ来週の土曜と日曜日にも使える。
土曜日は日直が入っているものの、日曜日に変更してもいい。
そこで5:50a.m.にセットしていたスマホのアラームは解除、
この日の予定はバラすことにした。


 2.当日の天候と朝食後の判断

夜中のスマホの天気予報では雨になっていたので予定は中止した。
8月31日土曜日は朝起きた時には曇りだったが、
朝食を喰っている間に日差しも出てきた。
天気予報は外れたようで、これなら予定を決行しておけば良かったなと思った。
しかし考えてみれば事前に購入した指定席などはなく、
時間がなければ予定していた駅を飛ばしてもいいので、
今日決行してもいいかもと思い始めていた。
9月8日日曜日が必ず晴れるという保証もないし、
もしかしたら台風の影響で土砂降りの雨になるかもしれない。
それなら今日予定を決行した方がいい。
そこで朝食後に動かしていた洗濯機も止め、
慌ててカメラの準備をしてJR幕張駅に向かった。
総武線幕張駅まで行き、青春18きっぷで入場する。



5回(人)に「ありがとうございます JR東日本 8.31 幕張駅」と検印してもらう。
青春18きっぷの旅でこんなにゆっくりした時間に検印してもらったのは初めてである。
それに5回中4回が幕張駅の検印になってしまった。
総武緩行線・上りで津田沼に出て、ここで始発に乗り換えてまずは両国を目指す。


 3.総武緩行線の3つの駅−両国駅編

津田沼始発の電車でまずは両国を目指す。
両国駅はもともと総武線が総武鉄道という民間鉄道時代に、
“両国橋”という駅名で始点駅として1904年4月に開業した駅で、
そのため今でも3番線ホームは両国駅始発専用となっている。
ただ、現在では両国始発の定期列車はなく、イベント列車で使用するほか、
千葉支社で新型車両が登場する時にお披露目用に使われることもある。
拙作「Station−駅から始まる物語」では2002年1月に取材した画像を使用しており、
その後2016年に旧駅舎を改装して複合飲食施設が開業しており、
それに伴って駅舎の外観もリニューアルされた。
両国という駅名は隅田川を挟んで下総国と武蔵国の両国の境であり、
そこにかかる両国橋に因んでこの駅名になった。
また両国は両国国技館や江戸東京博物館の最寄り駅でもある。
駅に到着して西口の改札を出ようとしてまず目につくのが、力士の肖像画である。



以前、訪問した時には「関脇三重ノ海五郎関」と「関脇長谷川勝敏関」が掲げられていたが、
今日見たのは「横綱白鳳翔」と「横綱武蔵丸光洋」だった。
改札を出て駅舎を取材し、さらに両国国技館の前まで行ってみた。



何故か中に入場できるようになっていたため、そのまま中まで入ってみる。
何なのかは分からなかったが、受付すると中まで入れるようである。
名前は分からないが元力士の親方と思われる人も座っていた。
しかし勿論ここが目標ではなく、このあとの予定も詰まっていたため、
そのまま両国国技館を出て両国駅に戻る。
以前は「両国地麦酒」としてビアホールだった駅舎内が、
今は「-両国-江戸 NOREN」という複合飲食施設となっていた。



ここを出て再び改札を入場して次に平井を目指す。
3番線ホームは何故か餃子に関するイベントをやっているようで、
ホームには餃子を焼くための鍋の置かれたテーブルがセッティングされていた。


 4.総武緩行線の3つの駅−平井駅編

両国から3つ千葉寄りに進んだところにあるのが平井駅である。
平井駅は母の実家のあるところで、
子供の頃は親戚が住んでいたので年に何度かは駅を利用していたが、
大人になってからは親戚もいなくなり、ほとんど行くこともなかった。
ネットでたまたま現在の平井駅を見つけて全然変わっていたので、
今回はここも取材することにしたのである。
平井で下車して改札を出ようとしたが、
島式ホームの反対側に上り電車が入線してきたのでこれを取材する。



最近はE231系500番台の車両も大分増えてきた。
投入当初の頃は白い顔が少し違和感を感じていたが、
最近はだいぶ馴染んできた。
E231系500番台は山手線として投入された車両で、
山手線に最新型のE235系が投入されることになったため、
余剰になった車両が中央・総武緩行線に転籍してきたのだ。
ほかの首都圏通勤路線にはE233系が順次投入されていったが、
中央・総武緩行線にはE231系初期型が充当されていたこともあり、
投入が見送られていたのだ。
山手線用のE231系500番台は11両編成だが、
中央・総武緩行線は10両編成のため、
中間車両の付随車1両をE235系に改良、
E235系新造車両10両に組み入れてコスト削減を図った。
改札を出て駅舎取材をする。



島式高架ホームそのものが新造されたわけではなく、
元々あった高架ホームに寄り添うように駅ビルが建てられたようである。

最初はこのあと錦糸町に出て馬喰町に行こうと思ったが、
JR乗り放題の青春18きっぷを使用、
しかも自宅からそう遠くないために予定を変更しても帰れなくなることはない。
そこで当初の予定を大きく押しているのだが、
そのまま下り列車で市川に向かうことにした。


 5.総武緩行線の3つの駅−市川駅編

市川も親戚の家の最寄り駅で子供の頃によく使い、
また大学も市川が最寄り駅だったために4年間利用していた。
しかし就職してからはほぼ使いこともなくなっていたが、
総武緩行線で東京方面に移動していた時に、
南口の様子が少し違っていることに気付いた。
そこでネットで調べてみると、
駅そのものが改築されたわけではなく、
南口が再開発された駅の左右に、
地上45階と地上37階の超高層ビルが建ち、
このビル群はI-linkタウンと呼ばれ、
この二つのビルを結ぶペデストリアンデッキが、
市川駅にも直結しており、そのために外観が変わったのだ。



南口の間駅取材を終えてここからは快速に乗り、馬喰町を目指す。
馬喰町で事前に調べた飲食店で昼食を喰う予定なのだ。


 6.丸の内の彷徨と京葉線取材−旅の終わり

総武快速線を馬喰町で下車して「三福亭」で昼食を喰う。
そのあと再び馬喰町から総武快速線で東京に行く。
ここから京葉線に乗り換える予定だが、
その前に丸の内駅舎を取材しようと思い、改札を出る。
東京駅の丸の内側は駅前が整備され、
駅前のロータリーが廃止され、広場となった。
そこで丸の内駅舎全景を撮影しようと思ったのだ。



このあと改札に入らず丸の内南口を更に先に進み、
はとバスの乗り場などを見ながら東京国際フォーラムまで行く。



ここまで来ると既に東京駅より有楽町駅の方が近い。
国際フォーラム口から有楽町駅に入り、山手線で東京に戻る。
ここで山手線E235系の車両取材をして、
そのまま京葉地下ホームに進んでいく。
ここ京葉線で駅取材する。
京葉線も全駅取材は完了していたが、
駅名表示が新しくなった駅もあり、
ここで新習志野、海浜幕張、検見川浜で駅舎再取材に挑戦する。
検見川浜で私用もあったため、
この3つの駅を取材し、蘇我で早めの夕食を喰い、
外房線で千葉まで戻り、総武緩行線で帰宅する。
これで何とか青春18きっぷ5回分を使うことが出来た。





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