養老鉄道と樽見鉄道完乗の旅



 1.全国旅客普通鉄道乗り潰しの旅の未乗車区間

ここ、十数年に掛けて、全国の鉄道の乗り潰しに挑戦している。
乗り潰しの対象はJRだけでなく、私鉄、第三セクター、公立も含めた、
全旅客鉄道で普通鉄道のみを対象としている。
ここで云う普通鉄道とは原則として鉄輪で線路の上を走る鉄道を指す。
モノレールやロープウェイ、新交通システムも法律上は鉄道に分類されるが、
ここでは乗り潰しの対象には含まない。
また、鉄道会社によってはゴムタイヤを使用する普通鉄道もあり、
例外として札幌市営地下鉄は他の地下鉄との兼ね合いで対象とし、
西武鉄道山口線は新交通システムに分類されると判断して対象から除外した。
ただ、移動のために全区間は乗り潰している。

9月25日日曜日現在、乗り潰し対象の旅客普通鉄道で、
まだ未乗車なのはJRではJR東日本の、
只見線の西若松から小出までの区間132.1kmの区間と、
9月23日金曜日に開業した、
西九州新幹線の武雄温泉から長崎までの69.6kmの全区間、
大手私鉄では西武鉄道西武有楽町線の、
練馬から小竹向原までの2.6kmの区間、
中小私鉄では近鉄グループホールディングス傘下の、
養老鉄道養老線の桑名から揖斐までの57.5kmの全区間、
第三セクターの樽見鉄道樽見線の、
大垣から樽見までの34.5kmの全区間と、
三陸鉄道リアス線の宮古から盛までの区間である。

この中で、養老鉄道と樽見鉄道は大垣で乗り換え可能であり、
日帰りでこの2つの鉄道の取材は十分可能である。

養老鉄道は近鉄グループホールディングス傘下の鉄道事業会社で、
2007年2月14日に近畿日本鉄道全額出資により設立された。
同年6月27日に近鉄養老線の第二種鉄道事業が認可され、
同年10月1日に近畿日本鉄道より養老線を引き継ぎ運営を開始した。
近畿日本鉄道は第三種鉄道事業者として線路などの施設や車両を保有し、
養老鉄道が第二種鉄道事業者として列車を運行する。
2017年2月1日には沿線自治体の基金拠出により、
一般社団法人養老線管理機構が設立され、
近鉄から鉄道用地を借り入れ、車両は譲渡された。
2018年1月1日に公有民営方式へ移行した。
これにより養老線管理機構が第三種鉄道事業者となって車両や設備を所有し、
養老鉄道が第二種鉄道事業者となって鉄道事業を継続する。
現時点での主要株主は近畿日本鉄道が95.24%、養老線管理機構が4.76%である。
養老線は桑名から大垣でスイッチバックして揖斐までの57.5kmの区間である。

樽見鉄道は特定地方交通線第1次廃止対象路線であった、
樽見線を引き継ぐために1984年2月1日に設立され、
同年10月6日に大垣から美濃神海(現・神海)までの区間を転換開業した。
未成区間だった神海から樽見までの区間を延伸開業させた。
以前は住友大阪セメント岐阜工場の製品輸送を行っていて、
そのため西濃鉄道や住友大阪セメントが主要株主になっている。
しかし2006年3月28日にセメント輸送が終了した。
貨物輸送が盛んだったため、旅客営業も同年3月4日まで客車を使用していた。
現在の主要株主は西濃鉄道50.8%、住友大阪セメント24.0%、
岐阜県12.0%、大垣市7.0%、本巣市3.0%となっている。
樽見線は大垣から樽見までの34.5kmである。


 2.計画策定と緊急の計画決行

計画当時は土曜定休であったため、土曜日に行くことにした。
養老鉄道養老線は桑名から揖斐までの57.5kmで、
起点の桑名でJR関西本線と接続、
スイッチバックする大垣でJR東海道本線と接続する。
樽見鉄道は起点の大垣駅で同じく東海道本線と接続する。
そこでスタートは桑名、ゴールは大垣として、
現地までの往復は東海道新幹線で名古屋まで往復することに決定、
行きは関西本線で桑名まで、帰りは大垣から東海道本線で戻ることにする。
そうして以下のように計画を策定した。

 土曜日

初電の総武緩行線で秋葉原まで行き、京浜東北線で東京、
32分の乗り換えで東海道新幹線「のぞみ1号」で名古屋まで出る。
9分の乗り換え時間で関西本線に乗り換え桑名まで行く。
養老鉄道の窓口で1日フリーきっぷ1,500円を購入し、
08:45発の養老鉄道で1時間8分掛けて大垣まで行く。
大垣での乗り換え時間は47分で、ここで樽見鉄道1日フリー乗車券を購入する。
ここからは樽見鉄道を先に乗り潰すことにして、
片道1時間9分掛けて樽見まで往復する。
大垣まで戻り、ここで昼食を喰う。
午後は養老鉄道の残りの区間の乗り潰す。
14:45大垣発で揖斐まで行き、折り返し46分の待ち時間で駅取材、
大垣まで戻り、ここで養老鉄道、樽見鉄道の乗り潰しは完了、
16:56大垣始発の特別快速で名古屋まで出て、
1時間44分の乗り換え時間で夕食を喰う。
19:12名古屋発の東海道新幹線「のぞみ46号」で帰京する。

予定は組んだものの、何時決行するかは未定だった。
最初に計画したのは2019年7月5日で、
予定を組んだまま放置され3年が過ぎた。

2022年10月9日はスポーツの日で祭日になった。
この時点では土曜固定出社の月曜定休に仕事のシフトが変わっていた。
月曜が祭日のために翌11日火曜が土曜代休となった。
3連休なのに何処にも行く予定がないというのはちょっと寂しいので、
2022年のゴールデンウィークに決行した、
関西私鉄の乗り潰しの宿題についてリベンジの旅を計画してみたのだが、
新型コロナ対策のフェーズが変わり、インバウンド受け入れの影響もあって、
大阪でのホテルが取れなくなっていた。
勿論、金に糸目を付けなければいくらでもホテルは取れるのだが、
アンダー1万円縛りになると、ほとんどない。
そこでお泊まりは断念し、日帰りの養老鉄道と樽見鉄道を、
10月9日日曜日に当てることとした。
前回企画してから約3年が経過しているということで、再度計画を立ててみた。


 3.予定の最終決定と切符の購入

10月19日日曜日に予定を決めて、
最終決定稿を作成した。
初電の総武緩行線で秋葉原まで行き、山手線で東京へ。
06:00始発の東海道新幹線「のぞみ1号」で名古屋まで行く。
9分の乗り換えで関西本線の快速「みえ51号」で桑名まで出る。
桑名駅で養老鉄道の1日フリーきっぷ1,500円を購入する。
乗り換えが上手くいけば08:09桑名発の養老線に乗り込むつもりだが、
乗り換え時間が7分しかなく、間に合わない可能性もある。
もし間に合わなかったら次の08:45に乗り込む。
08:09に間に合ったら養老で下車して駅取材し、
もし間に合わなかったら養老では下車せず終点の大垣まで行く。
大垣到着は09:53で、47分の乗り換え時間で、
樽見鉄道1日フリー乗車券1,600円を購入、
ここからは先に10:08大垣始発の樽見線に乗り換え、
この列車の終点の本巣まで行き駅取材する。
11:18本巣発の次の列車で終点の樽見まで行く。
折り返しの14分で駅取材して、大垣まで戻る。
大垣到着は13:06で、1時間39分の乗り換え時間で昼食を取る。
ネットで調べて「宝亭」というとんかつ店に行くことにした。
昼食後に再び養老鉄道に乗り換え、終点の揖斐まで行く。
片道は約24分で、揖斐で駅取材し、15:55で大垣まで戻る。
大垣到着は16:20で、36分の乗り換えで、
16:56大垣始発の特別快速に乗り、名古屋まで出る。
名古屋での乗り換え時間は1時間44分で、この時間で夕食を喰う。
夕食にはネットで調べて「ラーメン餃子 響」に行くことにした。
19:14名古屋発の東海道新幹線「のぞみ46号」で1時間40分で東京まで戻る。
21:30東京始発の総武快速線で帰宅する。

この予定に合わせて9月23日金曜日にえきねっとで、
東京から名古屋までの往復の新幹線指定席特急券を購入、
9月25日日曜日に幕張駅の指定席券売機で発券した。
今回は青春18きっぷとは違って、新幹線区間のみの乗車券ではなく、
幕張発着で切符を購入する必要があるため、
乗車券は別に10月2日日曜日に津田沼駅のみどりの窓口に行き、
10月9日付けの幕張から桑名までの乗車券7,150円と、
大垣から幕張までの乗車券7,480円を購入した。
これで全ての準備は整った。


 4.不安定な天気予報とカメラ用バッグの購入

旅行予定10月9日日曜日の前日、
10月8日11:30a.m.、出社前に日本気象協会kenki.jpを見てみると、
大垣は午前中は“曇りマーク”が並んでいたものの、
13時は“小雨”、14時から19時まで“弱雨”マークが並んでいた。
また、帰りの名古屋でもほぼ同じ天気だった。
明日は雨の中の取材を覚悟した。
一眼レフカメラもメインのCanon EOS 90Dではなく、
雨天用のCanon EOS 7Dをチョイスすることにした。

また今回の旅は日帰り用の肩掛け型のカメラバッグを買い換えた直後で、
f.64 カメラバッグ・VF64SCXPROの初陣となる。
今まで使っていた日帰り用のカメラバッグは、
長年使っていたために劣化が激しく、
養老鉄道と樽見鉄道完乗の旅に合わせて、
カメラバッグを買い換えた。
ネットで色々と探してf.64ブランドのカメラバッグ、
カメラバッグ・ショルダー型・VF64SCXPROを購入した。
それは10月6日木曜日に届けられた。



容量は15リットルでカメラ用品だけでなく、
財布やスマホ、ペットボトルなど、一気を収納できるので、
これだけ持って出掛けることが出来る。



上の蓋を開けると中が複雑に区切られていた。
カメラを横にしたまま収納できるので、
急に撮影することのある鉄道取材の旅では機動力を確保できる。
収納容量は大きくていいのだが、
その分大きすぎて持ち運びには多少の難点があるような気もする。

今回は初電の04:40の総武緩行線に乗る予定だが、
家を出る直前にも日本気象協会kenki.jpで確認してみたが、
大垣は13時から15時は“小雨”、16時から18時は“弱雨”マークになっていて、
降水確率も09時から12時は40%、13時からは80%になっていた。
傘は持っていかず、現地でビニール傘を買うことにして、家を出た。


 5.ほぼ満席の「のぞみ1号」と駅弁「海」−旅の始まり

幕張駅を桑名までの乗車券7,150円で入場し、
初電の04:40に乗り、秋葉原まで行く。
8分の乗り換え時間で05:31発の山手線・外回りで東京まで出る。
今回は乗車券が有効なので、そのまま東海道新幹線中間改札に行き、
名古屋までの「のぞみ1号」の新幹線指定席特急券と乗車券を合わせて入場する。



この日の東海道新幹線「のぞみ1号」に充当されていたのは、
N700AでG15編成だった。
G編成は東海道山陽新幹線用16両編成JR東海所属車で、
N700Aとして落成した区分であり、1000番台に区分されている。
ホームの売店で駅弁「海」1,380円とお茶を買い、
予約していた6号車19番E席に乗り込む。



東海道新幹線東京駅発の初電である「のぞみ1号」は、
ほぼ満席に近い状態だった。
隣には白人の男性が座ってきた。
海外からの客も増えているということなのだろうか。
座席に座って早速駅弁を食べ始める。
購入した駅弁「海」は“車窓食堂”のシリーズのひとつで、
ジェイアール東海パッセンジャーズが展開する新ブランドである。
この駅弁は二種類用意され、

 〇二段重 山 〜鶏とだし巻卵〜
 〇二段重 海 〜金目と鯖の煮魚〜

がある。
東海道新幹線も車窓を“海側”、“山側”ということから、
そのイメージに合わせて、魚料理中心の「海」と鶏肉料理の「山」となったのだろう。
今回は「海」を食べたので、次に東海道新幹線に乗る時は「山」を食べてみたい。
駅弁に腹を満たし、うとうとしているうちに、名古屋に到着した。



到着10分前の車窓では、まだ雨は確認出来ない。
名古屋駅着は07:34で、新幹線中間改札から在来線乗り換え口を出る。
ここから関西本線の快速「みえ51号」に乗り換え、次の停車駅の桑名まで行くのだ。


 6.快速「みえ51号」の大混雑と養老鉄道への乗り換え

新幹線の中間改札を出て地下通路から12番線、13番線ホームに上がる。
快速「みえ51号」は既にホームに停車していた。
乗り込もうとして驚いた。
かつてのラッシュアワーの通勤電車のように、
ドアから入りきれない客が溢れていた。
しかしこれに乗らないとこのあとの予定が狂ってしまうため、
満員の車内に強引に乗り込んだ。
名古屋での乗り換え時間は9分で、乗り込んでから発車まで5分弱あったが、
このあとのどんどん人が乗り込んで車内は本当にすし詰め状態だった。
しかも思ったよりも外国人客が多い。

快速「みえ」は名古屋と伊勢市、鳥羽を結ぶ列車で、
関西本線と紀勢本線を伊勢鉄道経由でショートカットし、
参宮線に乗り入れるJR東海の快速電車の愛称名である。

乗り込んだ時は外国人の来日のハードルが下がったため、
伊勢神宮への参拝客なのかと思った。
しかしそれにしても混雑しすぎている。
こんな混雑を経験したのは本当に久しぶりだった。
電車が走り出し、車内アナウンスを聞いて初めて大混雑の理由が分かった。
「F1ファンの皆様、おはようございます・・・。」
ん?、F1ファン・・・。
全く考えていなかったが、伊勢鉄道は鈴鹿を経由し、
確か、鈴鹿サーキットという駅もあった筈だ。
乗り込んだほとんどの客はF1観戦が目的の客だったようだ。
快速「みえ51号」は名古屋を出ると19分で次の停車駅は桑名になる。
降りる時も一苦労だったが、何とかホームに出る。
ホームにはここからまた乗る客も多くいた。
桑名で事前に購入した切符で自動改札を出る。
ここから養老鉄道に乗り換える。
券売機で1日フリーきっぷ1,500円を購入する。



養老鉄道桑名駅をこの切符で入場する。
有人改札で「(養)桑名 10.9」と検印してもらう。
桑名駅はJR東海関西本線のほか、
近鉄名古屋線、養老鉄道も乗り入れていて、
ホームは連番になっている。
JR関西本線は単式1面1線と島式1面2線の、
計2面3面の地上ホーム構造になっていて、1番線から3番線に付番、
近鉄名古屋線は島式2面4線のうち、島式ホームのひとつは片側だけを使用、
1面2線で6番線から8番線に付番されている。
養老鉄道はかつて近鉄養老線であったことから、
近鉄島式ホームの片側を使用、4番線に付番されている。
5番線は欠番扱いになっている。
JR東海、近鉄が跨線橋上に改札が設置されているのに対し、
養老鉄道はホーム上に改札が設置されている。
また近鉄と養老鉄道には乗り換え口も設置されている。



改札を通過すると、既に7700系が停車していた。
養老鉄道養老線は元近鉄の路線だったため、全線電化されており、
電車が使用されているのだが、
開業当初は近鉄から譲渡された600系、620系が使用されていたが、
全10編成のうち4編成は既に廃車されており、
東急の7700系6編成が改造、転籍している。
停車していた電車も7700系TQ14編成で、
東急時代の塗色を纏っていた。


 7.養老鉄道桑名から大垣までの旅

桑名で養老鉄道に乗り換え、大垣まで行く。
乗り込んだ7700系TQ14編成は、
外装は東急時代の塗色を纏っていが、
車内は一部改造されていた。



種車は全席ロングシートだったが、
転籍にあたって3両編成中間車の一部にクロスシートを採用、
セミクロスシート車になっている。
また、シートのモケットも張り替えられ、瓢箪柄になっている。
08:09桑名始発の電車は大垣行きだが、
終点に行く前に養老で下車する。



養老鉄道の路線名にもなった駅であり、ここは取材しておきたい。
駅前には「源丞内の像」が設置されていた。



説明書きには、

   孝子源丞内のお話

  昔、元正天皇の御時、美濃の国に貧しい男がいました。
 この男は山から薪を取って来て、それを売って年をとった父を養っていました。
 この父は、大へんお酒が好きだったので、
 男は「ひょうたん」をこしにつけていて帰りにお酒を買って来ては父を喜ばしていました。
  ある日、山の中でこけの生えた石にすべって、うつむけに転んでしまいました。
 するとどこかからか酒のにおいがするので、ふしぎに思ってあたりを見まわすと、
 石の間からお酒ににた水がわいていました。
  汲んでなめてみると、たいへんおいしいお酒の味がします。
 男は喜んで毎日このお酒を汲んで持ち帰り、父を喜ばしていました。
  このことはやがて元正天皇のお耳に入り、わざわざ養老へおこしになりました。
 そのお酒の出るところをごらんになって「これは感心な親孝行を神さまがおほめになり、
 お酒をおさずけになったにちがいない」とおほめになりました。
 そして年号を「養老」とお改めになり「養老の瀧」と名付けられ、
 この男を「美濃の守」という役人におとりたてになりました。

と書かれていた。
駅の看板も瓢箪で形づけられており、
ホームにも瓢箪が吊り下げられている。

乗り換え時間は29分あり、
当たりを少し散策することとして、養老公園東交差点まで行った。
戻って駅で09:27養老着09:30発の電車を待つ。



やってきた電車も7700系だったが、2両編成TQ01編成だった。
こちらも東急時代の塗色を残しているが、単なる赤帯だった。
23分の乗車で大垣に到着する。


 8.樽見鉄道大垣から樽見までの往復

養老から乗り込んだ養老鉄道の電車は09:53に大垣に到着した。
ここからは養老鉄道の取材を一時中断して、
先に樽見鉄道の取材に取りかかる。

樽見鉄道は樽見線を引き継いで誕生した第三セクターで、
樽見線は大垣から美濃神海(現・神海)まで敷設されたところで、
第1次特定地方交通線として廃止が承認され、
1984年10月6日に樽見線を転換して開業させた。
未完成だった神海から樽見までは旧日本鉄道建設公団建設線であったが、
7割ほどが完成していたことからここも引継ぎ、
1989年3月25日に延伸開業した。

ここから樽見鉄道1日フリー乗車券1,600円を購入する予定だったが、
券売機には普通切符しか販売されておらず、
仕方がないので1日フリー乗車券を諦め、
普通の切符を購入して入場することにした。



駅で待っているとハイモ295-610形が入線してきた。



この気動車は元三木鉄道ミキ300-105で、
廃線になった三木鉄道から2002年にこれを購入、改造して編入した。

予定では本巣で下車して駅取材するつもりだったが、
大垣から樽見までの切符を買ってしまったため本巣での駅取材は諦め
そのまま終着の樽見まで行くことにした。
大垣を10:40に出て1時間9分で樽見に到着する。



残念ながら樽見駅は改装中だった。
それでも折り返しの8分の間に駅取材して折り返し列車に乗り込む。



折り返しの列車は11:57に樽見を出て、
同じく1時間9分掛けて大垣に到着する。
大垣に着いたのは13:06だった。
樽見を出た時はまだ雨は降っていなかったが、
大垣に到着する頃には雨が降り出していた。


 9.雨と祭りの大垣−予定前倒し

樽見鉄道を往復して再び大垣に戻ってくる。
今回は予定していた樽見鉄道1日フリー乗車券を購入できなかったため、
行きは大垣の券売機で切符を購入したが、
帰りは樽見では無人駅で券売機が設置されていなかったため、
下車する時に運転手に現金で930円を支払い清算した。
この時同時に切符タイプの乗車証明書を渡される。
これでJRの改札口を通過できる。
樽見ではまだ雨は降っていなかったが、
大垣に到着する頃には既に雨が降り出していた。
外に出てからまずFamilyMartアスティ大垣店でビニール傘711円を購入、
乗り換え時間の1時間39分で昼食を喰うことにした。



雨の中、傘を指して街中を歩く。
大垣駅は地方都市にしてはかなりの人手だった。
歩いて行くと一部の道路が通行止めに名っており、
道路では神輿が出ていた。



たぶん、近くの神社でお祭りをやっているのだろう。
この時はそう推測するしかなかったが、
この日は大垣駅一帯で「十万石まつり」が開催されていた。
神輿は幾つかあるイベントの一環で“常葉神社神輿渡御”というものだった。



おかげで予定していたとんかつ店「宝亭」に付いた時には既に閉店になっていた。
まだランチタイムの終わりには間に合っている筈だが、
人通りが多くてその分来客も多かったのだろう。
仕方がないので再び駅まで戻り、昼食を喰えるような場所を探し、
駅前にあった「さらしな」という蕎麦店に入店し、
飛騨牛肉うどん1,130円を喰った。


 10.養老鉄道大垣から揖斐までの往復

駅前の「さらしな」で飛騨牛肉うどんで腹を満たし、
雨の中、養老鉄道大垣駅に行く。
樽見鉄道の大垣駅は元国鉄の路線だったこともあり、
改札内に設置されているが、
養老鉄道は近鉄から分離した路線なので、駅も独立している。
予定では14:45大垣発の揖斐行きに乗ることにしていたが、
早めに駅に行けたこともあり、ギリギリで14:05に間に合った。



停車していたのは7700系TQ05編成だった。
2両編成で、養老鉄道オリジナルのグリーンの帯を纏っていた。



駅名標には通常のほかに大垣城をデザインしたものも設置されていた。
予定より40分早い14:05で終点の揖斐を目指す。
大垣から揖斐までは24分の乗車時間で、14:29に揖斐に到着する。



揖斐でも本降りの雨で、傘を差して駅取材を強行したが、
それ以上は何も出来ない。
予定では46分の乗り換え時間で駅前を散策するつもりだったが、
雨のために断念し、乗ってきた電車の折り返しに乗り込み、大垣に戻る。



揖斐のイラスト駅名標は養老線が養老鉄道の運営から、
一般社団法人養老線管理機構に移管され、
第三種鉄道事業者とした事業形態として再スタートした記念に設置された。
6分で駅取材を引き上げて14:35で大垣に戻る。
大垣に到着したのは15:00ちょうどだった。


 11.予定前倒しの大垣発と名古屋の3時間15分−運転見合わせ

もともと立てていた予定では、16:56大垣発の特別快速で名古屋に行く予定だったが、
大垣から揖斐までの行きの電車を40分前倒しして出発、
揖斐でも駅取材を折り返しの6分で切り上げ、
折り返して大垣まで戻ってきたのは15:00ちょうどだった。
この段階で56分の前倒しになっていたため、
新しくなった大垣駅北口を取材し、
JR大垣駅の改札を事前購入した切符で入場する。



15:26大垣始発の特別快速で名古屋を目指すことにした。



外の雨はますます本降りになっていった。



予定より6本前の列車での名古屋行きになったため、
名古屋到着は15:59になり、帰りの新幹線との乗り換え時間は3時間15分になってしまった。
途中下車して先ずは早めに夕食を喰うことにした。
改札を出て新幹線のインフォメーションの画像を追加見て目が点になった。



「運行状況」には運転見合わせが表示されている。
区間は浜松から三河安城で、原因は線路内人立ち入りとなっていた。
発生時刻は16:00となっている。
そのため名古屋から新大阪、博多方面は0〜20分遅れだが、
東京方面は遅れ未定になっている。
勿論、運転見合わせが解消されなければ東京行きの列車は発車されない。
これには途方に暮れてしまった。
それでも乗り換え時間は十分すぎる時間があるので、
あれこれ考える前に先ずは腹ごしらえだ。
予定では路面店のラーメン店に行くことにしていたが、
本降りの雨のために予定を変更し、
「矢場とん・名古屋駅名鉄店」に行き、
早めの夕食としてわらじとんかつ定食・みそだれとソースの半々1,800円を喰う。



食事をして戻ると運転見合わせは解消されていたが、
それでも上り東京方面は20分遅れとなっていた。
事前購入の切符で在来線改札に入場し、
新型の315系通勤型直流電車やHC85系「ひだ」などを取材する。



それでも時間が余ってしまったので、更に色々と写真を撮って回った。
帰りの新幹線は19:12名古屋発の「のぞみ46号」で、
発車30分前を目安に撮影を切り上げて新幹線改札に入場する。


 12.定時運行の「のぞみ46号」−旅の終わり

16:00に発生した線路内の人立ち入りによって、
浜松と三河安城間で運転見合わせが発生、
当然のことながら、この区間を走る名古屋からの上り列車も、
運転見合わせになっていた。
その後、夕食を取って5:30p.m.頃確認したところ、
運転は再開したものの最大で約30分の遅れになっていた。
名古屋駅構内で車両取材して、
19:14名古屋発の東海道新幹線「のぞみ46号」の到着を待つ。



十分に車両取材して、約30分前に新幹線改札を通過する。
売店でお土産などを買い、上りホームに上がる。
運転見合わせの影響があるかと思っていたが、
実際に乗り込む時点では定時運行になっていた。
夕食は既に喰っていたので売店でビールやつまみを買って、
予約した13号車5番A席に着席する。



乗り込んだ列車の車内アナウンスの前のジングルが、
「いい日旅立ち」だった。
つまり乗り込んだ車両はJR西日本車ということである。
JR東海の車両はジングルが「AMBITIOUS JAPAN!」である。
東京到着は20:54で、予定では21:30東京発の総武快速線に乗る予定だったが、
21:00にギリギリ間に合ったのでこれに乗り込む。
頑張れば6分で東海道新幹線から総武快速線に乗り換えられることが証明された。


 13.岸田文雄総理と赤福−旅の総括

家に戻ってカメラのメンテナンスをしてから、
名古屋駅で購入した赤福でブレイクする。



家に戻ってネットを見ていたら、
「岸田首相が鈴鹿に異例来場F1シリーズ『日本GP』であいさつ」とあった。
たぶん、あの大混雑の快速「みえ51号」の乗客も、
岸田首相の挨拶を聞いたに違いない。

今回の旅では未乗車だった、
養老鉄道養老線の養老鉄道桑名から揖斐までの57.5kmと、
樽見鉄道樽見線の大垣から樽見までの34.5kmの全区間を乗り潰した。





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