博多デイドリーム



  1.弥生山陰純情物語

3月8日土曜日から2日間、
広島カープVS西武ライオンズのオープン戦観戦を絡めて、
広島から岡山、高松、そして松山を鉄道写真を撮りながら旅しようと思った。
題して「弥生瀬戸内純情物語」。
JALやANAのホームページにアクセスして、
「バーゲンフェア」や「超割」の期間を調べているうち、
あることに気が付いた。
ANAは「超割」のほかに「一日乗り放題」という目玉のチケットを出している。
これはその名の通り、指定された一日ANAに乗り放題というもので、
基本的に毎月1日がその設定日になっている。
そして今年の2月、3月は1日が土曜日になっている。
平日は一番忙しい1日に有給休暇を取ることなどは不可能だが、
土曜日なら行くことが出来る。
さすがに2月は既にsold outになっていたが、
3月の発売日は1月1日でまだ間に合う。
そこで3月8日の一週間前に日帰りで山陰地方の特急列車の取材に行こうと思った。
題して「弥生山陰純情物語」だ。
3月8日からの「弥生瀬戸内純情物語」では取材することの出来ない山陰地方の、
「スーパーおき」や「スーパーくにびき」、
それに鳥取から出る「いなば」などの特急を日帰りで撮影してくるのだ。
計画では米子空港からJR米子駅に行ってここで取材し、
「スーパーくにびき8号」で鳥取まで移動し、
鳥取駅を取材して鳥取空港から東京まで帰ることにした。
この企画を思いついたのが2002年も押し迫っていたので、
年末の忙しい時にネットで詳細な計画を立てていったのだ。

2003/01/01 16:42


  2.日本盛・純金箔入

あるイベントで日本盛のメーカの方から、
純金泊入りの「日本盛」を戴いた。
300mlの冷酒用の瓶で、中には本物の金箔が細切れで入っている。
それはずっと大事に取っておいて、
2003年の年明けと共に飲むことにしていた。
そして紅白も終わり、NHKの行く年来る年と、
民放のカウントダウン番組をザッピングして観ながら、
年明けと共に予定通り純金箔入りの「日本盛」で乾杯した。
金箔の味はしないが、新年早々いい気分だった。
そして翌1月1日は目が覚めたのは0:00p.m.を過ぎてからだった。
お正月だからゆっくりすればいい・・・、そう思っていた。
1月1日は正月であると同時に、
3月1日の丁度2ヶ月前であるということに気が付いたのは、
夜も遅くなってからであった。
目が点になって、慌ててANAのホームページにアクセスした。
今日はANAの「一日乗り放題」の予約を入れなければならなかったのだ。
しかし既に時遅しであった。
予定していた7:25a.m.羽田発の米子行き811便も、
帰りの鳥取7:55p.m.発300便も既に満席だった。
米子から「スーパーくにびき」で鳥取に移動し、
山陰本線で活躍する特急を取材するという計画は、
1月1日の夜に完全に崩壊した。
とほほ・・・。

2003/01/05 02:17

※写真:日本盛・純金箔入 撮影時刻 2003/01/01 02:18:52


  3.幻の山陰日帰り取材計画書

07:25羽田空港−ANA811便−08:45米子空港
08:55米子空港−日ノ丸バス−09:25JR米子駅
09:30−11:30JR米子駅取材(入場券にて入場)

 09:30-47 寝台特急出雲
 09:43 スーパーくにびき6号着
 09:59-10:01 スーパーやくも10号
 10:18 スーパーおき3号
 10:44-45 やくも12号
 10:45-46 やくも3号

11:30−12:15JR米子駅舎取材
12:15−14:28JR米子駅取材(切符で入場)

 12:19-24 スーパーくにびき3号
 12:40-41 やくも16号
 12:41-43 やくも7号
 13:20-22 スーパーやくも9号
 14:00-01 スーパーやくも18号
 14:05 スーパーおき5号

14:32JR米子駅−スーパーくにびき8号−15:43JR鳥取駅
15:43-16:20JR鳥取駅舎取材
16:20-18:20JR鳥取駅(入場券にて入場)

 16:26 いなば3号着
 16:27 若桜鉄道若桜行き
 17:21-22 スーパーはくと7号
 17:22-23 スーパーはくと10号
 18:03 いなば6号

18:45JR鳥取駅−日ノ丸バス−19:00鳥取空港
19:55鳥取空港−ANA300便−21:05羽田空港

2003/01/05 22:46


  4.代替作戦

山陰地方の取材は不可能となってしまったが、
まだ取れる座席はないかとANAのホームページで色々と検索してみた。
3月1日は「一日乗り放題」の対象日とになっているためか、
この日の朝と夕方の便は殆どが満席になっていた。
山口宇部空港や石見空港から電車を乗り継ぐ案も考えてみたが、
時間と金がかかりすぎて、日帰りでは無理だった。
取材対象先を山陰からまだ行ったことのない九州に変更した。
しかしここも朝晩の便は既に満席である。
長崎空港から特急「かもめ」で福岡まで行く案なども考えてみたが、
結局福岡空港の地の利を生かして、
行きは福岡に0:20p.m.に着くANA2141便、
帰りは福岡を3:15p.m.に飛び立つANA258便に決定した。
福岡の滞在時間は175分、3時間弱である。
福岡空港は市営地下鉄が空港まで延びている。
JR博多駅までは1駅、乗車時間は6分である。
しかし飛行機が空港に着いてから降りるまでのタイムロスや、
帰りも電車と違って慌てて飛び乗るというわけにはいかない。
自動発券機で発券し、搭乗手続きを取ってから手荷物検査、
どんなに遅くても20分前には空港入りをしなければならない。
そう考えると実際の取材時間は2時間が限度だろう。
福岡空港に着いてから速攻で地下鉄に乗ってJR博多駅へ行き、
2時間みっちりと取材して直ぐに地下鉄に飛び乗り再び福岡空港へ。
取材する車両も全て予定を組まなければ、この取材は成功しない。
かなりのハードスケジュールだが、
今取れるのはこの便しか残っていない。
予定を変更して3月1日は福岡へ行くことにした。
しかも行きのANA2141便は羽田ではなく成田発なのだ。
今まで国内旅行しかしたことがないため、
成田空港を利用するのは初めてである。
ANAのホームページからこの2便の予約を入れ、
同時にクレジット決済した。
飛行機を使う鉄道取材では初めての日帰り、
しかも取材時間2時間というハードスケジュールに挑戦することになった。

2003/01/05 23:59


  5.最悪

最悪だった。
花粉の飛散とともに飲み出したH1ブロッカーの副作用で、
全身倦怠感に苛まれ、
福岡日帰り旅行決行の前日には、
夕食も喰えないほどに悪化していた。
この体調ではとても旅行などは無理だろうと思えた。
ビールも一切飲まず、
早めに就寝して様子を見てみることにする。

翌朝起床してみると、
腰痛、背筋痛はまだ残っているものの、
出掛けられないというほどでもなかったので、
予定通り作戦を決行することにした。
但し写真撮影は思ったよりも腰に負担をかけるので、
あまり無理はせずに体を労りながらの撮影にする。
今回は下見という感覚で、あまり深追いはしないようにしよう。
今日は午前中から雨が振り出し、一日中雨の予報になっている。
新聞の天気予報の降水確率も東京が70%、福岡が90%で、
確実に雨の旅行となる!
雨の降らないうちに駅まで行こうと思い、
予定よりも20分早い6:36総武緩行線千葉行きで千葉まで行く。
昨日は夕食を取っていなかったため、さすがに空腹である。
「万葉軒」でカレーうどん\320喰う。
そしてこれも予定より30分早い、
7:08千葉始発の成田線成田行きに乗り込む。

2003/03/11 01:29

※写真:JR千葉駅に停車中の成田線成田行 撮影時刻 2003/03/01 07:09:39


  6.最悪 Part 2

成田線の電車は・・・というより、
千葉以遠の電車はどうしてこうも汚れているのだろう・・・。
窓には砂埃がこびりついていて、
外の様子がよく分からないほどだった。
日差しの強い時にはスモークガラスの代わりにもなるのだろうが、
今日のような曇天ではそれも意味がない。
成田までは約30分の旅であった。
ここで快速エアポートの到着を待つわけだが、
これがなんと1時間に1本しかない!
JRの空港アクセスの主体は成田エクスプレスに置かれているらしく、
在来線のアクセスは快速エアポート成田が1時間に1本あるだけだ。
折角30分も早く出たのだが、
予定通りの8:30成田発の快速エアポートまで約1時間時間が空いてしまった。
ホームには取材対象として触手の動く車両は全くなく、
構内には喫茶店らしきものもない。
寒風吹き荒ぶ中で1時間も待っていられない。
成田空港までの切符を買ってしまったが、
下車してJR成田駅と京成成田駅を取材する。
京成に行くと8:09あった。
既に8:00a.m.を過ぎた当たりで丁度タイミングがいい。
そこで予定を急遽変更して京成で空港第2ビルまで行くことにした。
料金は\250で、JRの\190よりも高いが、
アクセスの良さは京成には適わない。
千葉県民の空港アクセスや、
特急に乗る余力のない人にとっては京成で行った方がいいのかも知れない。
事実、成田でJRから京成に乗り換えている人は結構いた。
空港アクセスではそれが常識になっているのかも知れない。
京成ではスカイライナーに客を呼ぶために在来線を走らせない等という発想はない。
寧ろ都営浅草線、京浜急行線と相互乗り入れしている地の利を生かして、
成田空港から羽田空港へのアクセスで集客を考えているようだ。
JR千葉支社には未だに国鉄時代からある、
総武線は黒字路線→
これ以上客が増えては仕事が増えるだけ→
なるべく客が乗らないように不便な設定をする→
給料が変わらないのだからなるべく仕事はしない→
・・・といったような発想から抜け切れていないようだ。
結論から云って成田に行きたければ京成を使え!・・・ということになる。

2003/03/11 02:07

※写真:JR成田駅全景 撮影時刻 2003/03/01 08:08:40


  7.最悪 Part 3

8:09京成成田発の成田空港行きで空港第2ビルまで行く。
空港構内は成田空港高速鉄道の所有で、
ここは本来は成田新幹線の線路になる予定だったところである。
ここは2本しか線路を用意していなかったため、
JRと京成が1本ずつ借り受けて営業する形になり、単線区間になる。
そもそもJRが狭軌、京成が標準軌のため、線路を共有できない。
狭い空港内部をそれぞれ独自のダイヤで運行しているため、
更に乗り入れ本数が少なくなってしまう。
空港第2ビルで下車して第2エアターミナルを目指す。
駅から降りたところでセキュリティーチェックを受ける。
身分証明書を見せて目的地を告げる。
海外旅行ではないためにパスポートは持ち合わせていない。
漸く入場し、案内通り3回に行くが、
ここは海外旅行の出発ロビーで、
国内線は1階が受付で、2階が出発ロビーになる。
国際線に比べて国内線の受付は閑散としている。
早速発券しようとしたら、
ANAの係の女性がやってきて、
「ただいま東京管制センターのトラブルで発券できません」と云われた。
この時は直に直るだろうと思い、
先に展望デッキに行って飛行機の撮影をする。
北デッキと南デッキの両方に行ったが、あまり面白い画は撮れなかった。
30分くらいして戻ってみるが、
まだ東京航空管制センターのトラブルは解決していなかった。
一端発券し、待合室でずっと待っていたがいっこうに解決する様子はなく、
福岡行きの2便前の名古屋行きが1時間半の遅れ、
福岡行きのフライド時間は未定ということで、
出発ロビーまで行ったが思いきって中止することにした。
チケットレス、クレジット決済だったため、
カウンターで手続きして振込で払い戻しをすることにした。
この時はまだこのトラブルが新聞の1面を飾るような大事になっているとは、
まだ夢にも思っていなかった。
しかし何れにしろ、日帰り福岡旅行は幻と終わってしまった。

2003/03/21 17:43

※写真:管制センターのコンピュータダウンを告知する掲示 撮影時刻 2003/03/01 10:03:01


  8.成田デイドリーム

10:00a.m.過ぎにこのまま家に帰るのはあまりに哀しいので、
以前から一度取材しようと思っていた芝山鉄道を含めて、
成田近辺の駅取材をすることにする。
空港第2ビル駅は朝のうちに取材済だったので、
まずは芝山鉄道に行こうと思い、京成で成田まで戻る。
確かに在来線のダイヤに関しては京成の方が充実している。
京成成田から東成田行きに乗り換える。
東成田行きは原則的に芝山鉄道芝山千代田直通になっている。
京成成田から東成田は一駅、東成田から芝山千代田までは一駅である。
つまり芝山鉄道は京成と直通運転しているものの、
自社の区間は一駅だけの日本一短い鉄道会社なのである。
パスネットは使えず芝山鉄道の区間は現金で支払って下車する。
駅取材していたら駅員が声をかけてきて、
一枚刷りのパンフレットをくれた。
芝山鉄道で東成田まで戻る。
ここはもともと「成田空港」として京成が設置した駅だが、
空港ロビーまでは距離が長くバスでしか移動できず、
当時運輸大臣だった石原慎太郎氏の鶴の一声で、
降着していた成田新幹線計画線の地下ホームにJRと京成が乗り入れ、
その時ここは「東成田」に改称したのである。
今では一部の空港職員以外は殆ど使う人はおらず、閑散としている。
東成田から空港第2ビル駅までは500mの地下通路で繋がっており、
思い切ってそこまで歩いてみることにした。
約10分で着くが、普段ここを通る物好きは殆どいないらしく、
空港第2ビルに着くとセキュリティチェックのスタッフが驚いて、
何しに来たのかとしつこく尋ねられた。
第2空港ビルから京成で成田空港駅まで行き、ここで駅取材する。
そして京成で戻ることにする。
帰りに新3000系に巡り会うことが出来た。
これは3月から導入された京成電鉄の新型車両である。
京成津田沼まで行き、下車して駅取材する。
更に船橋まで行ってJRに乗り換え、帰る。
考えてみたら昼食を喰っていないことに気付き、
体調も芳しくないので体に負担のかからないものをと思い、
JR津田沼駅構内の「Becker's」で、
胚芽サンドのツナとエッグサラダ、それにコーヒーをオーダーし、
店内で喰ってから帰る。

2003/03/21 18:10

※写真:芝山鉄道芝山千代田駅 撮影時刻 2003/03/01 11:35:02


  9.幻の福岡日帰り取材計画書

06:55幕張−総武緩行線−07:05千葉
07:34千葉−成田線−08:07成田
08:30成田−成田空港線−08:43空港第2ビル

10:10成田空港−ANA2141便−12:20福岡空港
12:25福岡空港−市営地下鉄空港線−12:30JR博多駅
12:30−14:30JR博多駅取材(入場券にて入場)
14:30−14:40JR博多駅舎取材

 12:28 ゆふ3号
 12:42-45 有明19号
 13:02 かもめ21号
 13:05 つばめ13号
 13:22 みどり13号/ハウステンボス13号
 13:25 ソニック2号
 13:42-45 有明23号
 14:00 特急(新幹線)
 14:05 ソニック29号
 14:10-37 ゆふいんの森5号
 14:22 みどり15号/ハウステンボス15号
 14:25 有明25号

14:45JR博多駅−市営地下鉄空港線−14:50福岡空港
15:15福岡空港−ANA258便−16:40羽田空港

2003/03/21 18:38




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