大阪デイドリーム



  1.有給休暇

それはほんの気紛れから始まった。
会社で計画有給消化の促進が組合を中心に進められており、
それで3月10日水曜日に有給休暇を取った。
その日に決めたのは丁度その日が誰も有休を取っていなかったからである。
だから本当は何時でも良かったのだ。
有給休暇の申請をして、それは何の滞りもなく許可された。
そしてある時ネット中にプロ野球の各球団のホームページを見ていて、
西武のオープン戦が3月10日は丁度甲子園で行われることが分かった。
甲子園はプロ野球のフランチャイズの中では唯一取材したことのない球場であり、
また3回の大阪旅行でも取材する機会に恵まれなかった球場である。
ここの球場は何れ取材しに行こうと思っていたが、
甲子園はナイターが中心で、デイゲームが少ない。
特に週末ともなれば公式戦はほとんどがナイターである。
それでなかなか取材の機会がなかった。
この時期はもう既に3月、4月5月と予定を入れており、
オープン戦は疎か、デイゲームの設定のある時期には大阪に行けそうもない。
今年も甲子園取材は諦めていたのだ。
しかし偶然にも有休を取った日にデイゲームがあり、
しかも対戦相手は西武ライオンズである。
これは行きたい・・・、いや、行くしかないと思った。
そこで航空会社のホームページを見てみると、
「バーゲンフェア」や「超割」の設定期間ではないものの、
早朝や深夜ではかなりの割引料金が設定されていることが分かった。
東京(羽田・成田)−大阪(伊丹・関空)間の正規料金が\18,800で、
ANAの「特割」の早朝、深夜なら\10,400で、
さすがにこの時間帯には乗ることは出来ないが、
自宅から行ける時間帯でも\11,400の設定がある。
これなら日帰りで往復しても悪くないなと思った。
そこで早速阪神タイガースのホームページから当日のチケットの購入方法を調べ、
前売りは「チケットぴあ」と「ローソンチケット」で扱っていることを知り、
チケットぴあに電話して予約を入れ、
更にANAのホームページから3月10日水曜日、
ANA015便、08:00東京(羽田)−09:00大阪(伊丹)と、
ANA150便、21:25大阪(関西)−22:30東京(羽田)の「特割1」の予約を入れ、
同時にクレジット決済する。
これで当日クレジットカードを持って行くだけで自動発券される。
2月28日の土曜当直の合間に、
ファミリーマート大谷口上町店で「チケットぴあ」に予約を入れておいた、
3月10日阪神−西武オープン戦阪神甲子園球場特別自由席\2,000を購入する。
これで全て準備は整った。
後は当日決行するだけである。

2004/03/01 02:03


  2.モーニング

3月10日水曜日、有給休暇を取って大阪に行った。
何時も会社に行くよりも更に早い05:47中野行きで秋葉原へ。
この電車は中央線各駅停車への直通の最初の電車である。
06:30の京浜東北線で浜松町に行く。
ここで東京モノレールに乗り換えて羽田空港へ。
東京モノレールがJR東日本の傘下に入ってから、
乗り換え直通路が出来、
更にSuicaが使えるようになって乗り換えが非常に便利になった。
06:46浜松町発に乗り、7:19に羽田空港に着く。
発券と同時に搭乗手続きして直ぐに手荷物検査を受ける。
フライトは08:00だったので少し時間がある。
そこで売店ANA FESTAで崎陽軒のシウマイ弁当\710とお〜いお茶\150買い、
ロビーで喰う。
しかし何故羽田空港が横浜のシウマイ弁当なのだろうか・・・。
発券の時にミスして通路側の席を取ってしまった。
08:00に羽田空港を飛び立ち、約1時間で大阪伊丹空港に到着する。
何時もはここでリムジンバスを使って新大阪駅に向かうのだが、
今回は試合開始まで時間があるのでモノレールと私鉄を乗り継いで行くことにする。
大阪モノレールで隣り駅の蛍池に行き、
そこで阪急宝塚本線に乗り換えて梅田まで行く。
時間があったので蛍池で駅取材に十分時間を取る。
蛍池で「スルッとKANSAI」カード\1,000を購入する。
これは関東の「パスネット」と同じで、
関西の大手私鉄に共通で使えるカードで、
これなら運賃を計算して切符を買わなくても済む。
梅田についてちょっと小腹が空いたので、
阪急梅田の地下にある「cafe ライラック」でモーニングセット\350喰う。
コーヒー、トーストにゆで玉子という非の打ち所のないモーニングである。
店員のテキパキとした態度が良い。
オーダーと同時にゆで玉子と塩が出てきた。
まるで手品のような早さだった。
このあと十三に行って阪急電車の取材をする。

2004/03/21 20:20

※写真:崎養軒のシウマイ弁当 撮影時刻 2004/03/10 07:36:58


  3.扇の要

阪急十三駅は扇の要のような駅である。
阪急は3つの本線を持つ関西でも大手の私鉄である。
阪急電鉄は神戸本線、宝塚本線、京都本線と3つの本線があり、
神戸本線は梅田から三宮までを結び、神戸高速線へと直通する。
また塚口から伊丹までの伊丹線、
西宮北口を中心に今津から宝塚までを結ぶ今津線、
夙川(しゅくがわ)から甲陽園までを結ぶ甲陽線の各支線がある。
宝塚本線は梅田から宝塚までを結ぶ。
石橋から箕面までを結ぶ箕面線の支線がある。
京都本線は梅田から河原町までを結ぶ。
淡路を中心として北千里から天神橋筋六丁目まで結ぶ千里線、
桂から嵐山までを結ぶ嵐山線がある。
全ての本線は梅田を始点としていて、
十三までは並行して走り、ここで各方面に別れていく。
大阪の梅田は淀川より南にあり、阪急各線は淀川よりも北にある。
つまり淀川を渡る前に別々に別れたのでは、
3本の鉄橋を造らなければならない。
だから十三までは並列して走った方が良いのである。
阪急梅田駅は地上駅でありながら、
実際にはビルの中にあるので地下駅と変わらない。
自然光で取材するには十三駅は最適なのだ。
また阪急電車は神戸本線、宝塚本線と京都本線では多少強う電車が違うので、
両方の系列の車両を取材するにも十三が最適なのである。
神戸本線、宝塚本線の3000形、3100形、5100形、6000形、8200形、
京都本線の2300形、3300形、5300形、6300形、7300形、
8300形、9300形などを取材する。
日差しが強く全自動やストロボ発行禁止モードでは、
露出オーバーになってしまう。
車体が焦げ茶で露出設定が非常に難しい。
そこでマニュアル露出モードに切り替えて、
シャッタースピードで露出補正して撮影する。
ここで十分取材した後、神戸本線特急で西宮北口まで行き、
今津線で今津まで行く。
今津線は今津から宝塚までだが、
実際には西宮北口から今津までは基本的には独立して運行されている。
ここで阪神に乗り換えて甲子園を目指す。

2004/03/21 21:35

※写真:阪急梅田駅のホームの様子 撮影時刻 2004/03/10 10:38:06


  4.甲子園とトラッキーとアンラッキー

阪急と阪神の今津駅を取材し、阪神で甲子園へ行く。
阪神の今津駅は改装中だった。
阪神電車甲子園駅は高速道路を挟んだ反対側に位置し、
既に多くの人が押しかけていた。
ここで阪神VS西武戦を見る。
既に入場券はチケットぴあで前売りを購入してあったので、
当日は直ぐに入場することが出来た。
最近はドーム球場が全盛だが、
太陽の下で試合の出来る球場はここ阪神甲子園球場のほか、
広島の広島市民球場、
オリックスのフランチャイズであるヤフーBBスタジオ、
千葉ロッテの千葉マリンスタジアムくらいである。
神戸グリーンスタジアムから改名したヤフーBBスタジオと、
千葉マリンスタジアムは新しいが、
広島市民球場と阪神甲子園は古くからある球場で、
そろそろ立て替えなどの噂も出ている。
今すぐに取り壊されることはないと思うが、
ツタの絡まる雰囲気のある甲子園球場はなるべく長く残して貰いたい。
入場して席を確保し、
売店でトラッキー弁当\700購入し、
売り子のお姉さんからビール\600を買う。
トラッキー弁当は阪神のキャラクター、トラッキーから名前を取ったもので、
チキンライスの上に海苔と玉子でトラ模様が描かれている。
しかも弁当のフタにはトラッキーや彼の恋人ラッキーに、
タイガースマークのシールが着いていて、
しかもタイガース応援歌「六甲おろし」の歌詞カードまで付いている。
さすがは甲子園の弁当だけあって気合いが入っている。
試合は西武先発の後藤光が4回を2安打3三振とピシャリと締め、
1回、3回と1点ずつを取って2対0でリードしていたものの、
2回目に登板した西口が誤算で5回に2点を取られて同点になり、
試合はそのまま2対2の引き分けに終わった。
始めリードしていただけに後味の悪い試合展開だった。
たとえオープン戦とはいえ、見ている方としては気分が悪い。
本当にアンラッキーな試合だった。
これで西口の開幕ローテーション入りは難しくなった。
実際は途中で球場を出て阪神電車で尼崎まで行き、
ここで少し車両取材してから西大阪線に乗り換えて西九条に行く。

2004/03/22 00:56

※写真:六甲おろしの歌詞が載っているトラッキー弁当 撮影時刻 2004/03/10 13:29:05


  5.ナニワの魂!通天閣

西九条で阪神とJRの駅取材をしてから、
大阪環状線で新今宮に行く。
西出口から出て南海新今宮駅を取材し、
反対側まで歩いて東出口を取材する。
JR新今宮駅東出口は阪堺電気鉄道阪堺線南霞町駅でもある。
東出口は堺筋沿いにあるのだが、
それより一つ内側に阪堺電気鉄道阪堺線が走っている。
つまりJRの高架下を垂直に走っているのである。
堺筋を挟んで阪堺線の東側にはフェイスティバルゲートがあり、
その奥にはナニワの魂とも云うべき通天閣がある。
タワー本体に「日立ITソリューション」という広告が書かれているところなど、
商売第一の関西人気質が伺える。
東京で東京タワーの本体に広告を書いたりしたら、
「それは如何なものか」という批判が続出するだろう。
こーゆーことを許すのが大阪人の本質なのだろう。
フェイスティバルゲートの奥のゴチャゴチャした商店街の中に、
通天閣は突然と現れる。
通天閣の麓まで行って取材した後、
阪堺電気鉄道阪堺線恵美須町まで歩き、
ここで阪堺電車に乗って住吉鳥居前まで行く。
阪堺電軌はその名の通り、大阪市と堺市を結ぶ路面電車で、
同一市内は同一料金である。
恵美須町から北天下茶屋までは専用軌道を走っているが、
聖天坂に行く途中で一般道に入る。
住吉鳥居前で下車して南海電鉄住吉大社駅を取材する。
ここまで行って初めて気付いたのだが、
阪堺電気鉄道上町線の終着駅住吉公園駅が隣にあったことを知り、
ここも緊急取材する。
ここでモ161形の取材をすることも出来た。
この車体は昭和3年に造られたもので、製造から76年も経っている。
現役で営業車両に投入されているというのが凄い。
住吉大社駅で少し車両取材してから難波を目指す。

2004/03/22 22:59

※写真:ナニワの魂!通天閣 撮影時刻 2004/03/10 16:53:47


  6.大阪ベイブルース〜哀しい色やね

南海電鉄難波駅でラピートを中心に車両取材し、
18:10の空港急行でりんくうタウンに行く。
帰りの飛行機は関空を21:25でだいぶ時間があるために、
りんくうタウンで下車して取材してから夕食を取る。
難波で電車に乗る頃にはもう日が傾き掛けていて、
りんくうタウンに着いた時には既に日は完全に落ちていた。
駅取材は光量不足で不可能になっていた。
遠くに観覧車が見える。
あれは何処の観覧車なのだろうか・・・。
りんくうタウン内の「ANTIPAST & WINE スパゲティハウス」で、
ミックス野菜とトマトのスパゲティ\850、ワイン\350等喰う。
平日だがあまり人通りは多くなく、
当初の思惑から外れてビジネスタウンとしては成功を収めたとは言い難い。
飲食店も何軒かは閉店していてテナント募集中になっている。
大阪の経済が好調なのは一部だけで、全てではない。
りんくうタウンに来てその事は実感した。
この後JRの切符を買って関西空港まで行く。
南海電車の方が先に来たのでそれに乗ってしまったが、
りんくうタウンではJRと南海は改札は共通だが、
関西空港では別々の出口になっている。
つまりJRの切符では南海の改札からは出られないのである。
仕方がないので乗ってきた電車でりんくうタウンまで戻り、
JRの電車に乗って再び関西空港まで行く。
飛行機の出発まで時間があったのでいい時間潰しにはなった。
朝、発券した時に既に帰りの分の搭乗手続きも済んでいたので、
そのまま手荷物検査を受ける。
乗り込むまで少し時間があったまで売店でビールを買ってベンチで飲む。
つまみになるようなものは全て売り切れていた。
ANA150便で関西空港から羽田空港まで戻る。
予定では22:30羽田着だったが10分くらい遅れた。
23:09発の印旛日本医大行きに乗って品川まで行き、JRに乗り換える。
品川には23:25頃着くが、総武快速線直通の横須賀線千葉行きが23:52だったため、
山手線で秋葉原まで行き、総武緩行線で帰る。
秋葉原で乗った電車が津田沼行きだったため、ここで千葉行きを待っていたが、
品川で見送った千葉行き快速が待っている途中に入線してきた。
つまりどちらに乗っても同じ時間に幕張に着くということだ。

 −撮影記録−

2004.3.10._1 撮影 368 保存 64
2004.3.10._2 撮影 247 保存 40

 合計    撮影 615 保存 104

2004/03/22 23:31

※写真:りんくうタウンから見える観覧車 撮影時刻 2004/03/10 19:21:34





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