日光デイドリーム



  1.日光フリーきっぷ

この企画を思いついたのは・・・というよりは、
そもそも日光線全駅取材をしようと思ったのは、
始めに「日光フリーきっぷ」在りきだった。
この切符の存在を知った時、この企画を考え出したというのが正しい見解である。
「日光フリーきっぷ」とは、
JR日光線内乗り降り自由に往復の普通乗車券がセットになったもので、
東京山手線内発のものでおとな\3,800である。
JR日光線は東北本線宇都宮駅から日光までの7駅、40.5kmの路線で、
107系が結んでいる。
切符は2日間有効であるが、
宇都宮駅再取材も含め、この7駅を日帰りで取材しようと思う。
そこで以下のような予定を立てた。

 −8月7日(土)日光線取材−

06:19幕張−総武緩行線上り617C−06:59秋葉原
07:07秋葉原−山手線602G−07:13上野
08:02上野−快速ラビット3523M−09:37宇都宮[21]
09:58宇都宮−下り835M−10:03鶴田 [37]
10:40鶴田−下り837M−11:08今市[40]
11:48今市−上り842M−12:07鹿沼[43]
12:50鹿沼−下り843M−13:08下野大沢[40]
13:48下野大沢−上り846M−13:53文挟[59]
14:52文挟−下り847M−15:12日光[65/1_05]
16:17日光−やすらぎの日光号・下り−19:03新宿 \510

この「日光フリーきっぷ」に合わせて、
189系観光列車「彩野」を使った快速「やすらぎの日光号」が運行されるので、
帰りはこれに乗ることにする。

2004/08/08 11:27


  2.彩野

観光に特化した快速用車両、それが189系「彩野」である。
「彩野」は元中央本線特急「あずさ」「かいじ」に使用されていた車両で、
もともとは信越本線「あさま」用に、
EF63型電気機関車と協調運転が出来るように改造された直流型特急である。
今回「彩野」に改造されて、
東北本線の臨時快速などに投入されることになった。
JR大宮工場で外見を日光の紅葉をイメージしたイエロートレッドを配し、
内装もシートのモケットを張り替え、
床や天井などの完全張り替えなどの大幅な改造を施した。
側面には「彩野」の漢字名と「AYANO」のローマ字表示、
それに日光の山々に紅葉のモミジなどがデザインされている。
東北本線(宇都宮線)の快速として、
上野から宇都宮まで、そして日光線に入って終点の日光まで行く、
快速「やすらぎの日光号」、
東北本線小金井から武蔵野線、京葉線を通って東京まで至る、
快速「マリンビュー舞浜」として使用される。
快速「やすらぎの日光号」は全席指定で、
08:07に新宿を出て埼京線経由で池袋、赤羽を行き、
東北本線を大宮、蓮田、久喜、古河、小山、宇都宮と進み、
宇都宮から日光線に入って10:30に日光に到着する。
帰りは16:17に日光を出て同じルートを戻り、19:03に新宿に到着する。
日光で留置している時間を利用し、
11:00に日光を出て11:38に宇都宮に、
11:50に宇都宮を出て12:44に再び日光に戻る全席自由席の、
快速「日光ロマン号」としても運行される。
行きは上野から宇都宮線経由で行き、
帰りは日光から快速「やすらぎの日光号」を利用して帰ってこようと思う。
8月7日の1ヶ月前、
7月7日に「日光フリーきっぷ」山手線内出発用\3,800と、
帰りの「やすらぎの日光号」の指定席\510を購入する。
これで当日に出発するだけである。

2004/08/08 12:34


  3.快速ラビット

寝坊した!
予定では06:19に乗る予定だったが、
目が覚めたら06:00を過ぎていて、
予定より1本遅い06:29三鷹行きに乗る。
幕張ではSuica定期券で入場し、
秋葉原で下車して昭和通り口から一端Suica定期券でoutし、
購入してあった「日光フリーきっぷ」でinし直す。
「日光フリーきっぷ」は山手線内出発なので、
山手線と接する秋葉原までは通勤用Suica定期券出来たのである。
ここで「日光フリーきっぷ」で入場し、
3階の総武線用ホームを通って2階の山手線、京浜東北線のホームに行き、
07:19の京浜東北線北方面で上野に行く。
上野駅構内の「HOMEMADE CARRY」でモーニングカレー\450喰う。
エッグカレーにほぼレタスだけというサラダ、
ドリンク付きでアイスコーヒーをオーダーする。
7:40a.m.頃、7番線ホームに上がる。
そこには既に「快速ラビット」のE231系が停まっていた。
「快速ラビット」は15両編成で、基本10両+付属5両から成り立っている。
宇都宮行きとなっているが宇都宮ので行くのは前方5両だけで、
後ろの10両は小金井止まりである。
E231系近郊形は、最近グリーン車が連結された。
今度のグリーン車は事前購入の割引が設定されている。
また休日にはホリデー料金も設定されている。
50kmで平日は事前料金で\750、車内料金で\1,000、
同じ50kmまででホリデー料金は事前料金で\550、車内料金\800となっている。
またSuicaでグリーン券を購入する方法も導入された。
これは紙によるグリーン券を購入して車掌に見せるのではなく、
Suicaにグリーン料金購入情報をチャージ残額から購入し、
それをグリーン車座席の情報読み取り部にタッチしてランプをグリーン変えておくと、
車掌はそれを確認して車内検札を省略する。
このグリーン車は10月16日のダイヤ改正までは普通車として使用される。
そこでみんなこの連結されたグリーン車に乗りたがって、
逆に普通車はその分空いていた。
無料のグリーン車に乗ってみたい気持ちもあったが、
小金井止まりだったので、普通車に乗っていく。
上野を08:02に出て、赤羽、大宮、蓮田、久喜、古河、小山と進み、
小山からは各駅に停車していく。
小山の次の駅の小金井で後ろ10両を切り離し、
自治医大、石橋、雀宮と進んで09:37に宇都宮に到着する予定だった。

2004/08/08 17:13


  4.日光線取材計画

上野を08:02に出た快速ラビットは、09:37に宇都宮に到着する予定だった。
しかし途中で遅れが出て、宇都宮に到着したのは09:44だった。
宇都宮での取材時間を21分と計算していたが、
この遅れで取材時間が14分になってしまい、
そのため改札の外に出ての取材を決行するには時間不足になってしまった。
そこで宇都宮での駅取材は断念して日光線のホームに行く。
日光線は東北本線宇都宮から分岐して日光までを結ぶ、
7駅、40.5kmの路線である。
終着の日光駅で東武日光駅と約200mの距離で接続する。
臨時列車では東北本線からの直通もあるが、
原則的には宇都宮−日光間を専用塗色を施された107系が結ぶ。
今回は宇都宮を除いた6駅を効率よく取材するため、
事前に取材する順番と移動のダイヤを決めておいた。
09:58宇都宮から隣り駅の鶴田に行き、
ここで37分間の取材後に更に下りで日光のひとつ手前の今市に行く。
今市で40分取材してから11:48の上りで鹿沼に行き、ここで43分取材。
12:50の鹿沼から今度は下りで下野大沢に行く。
ここで40分取材してから13:48の上りで隣の文挟に行く。
ここで59分取材してから最後の取材地、日光に行く。
文字で書いただけでは分かりにくいので、
持参したメモには以下のような図を描いておいた。



何時も文字で「上り」「下り」と書いておくだけだと、
どちらに乗っていいのか迷ってしまったり、
実際に単線で同時に入線してきたどちらの車両に乗っていいのか分からなくなり、
逆方向に乗ってしまったこともある。
そこで視覚的に分かりやすくメモしておいたのである。
今回の取材ではこの予定表通りに取材していった。

2004/08/09 22:33


  5.駅取材−鶴田、今市、鹿沼

宇都宮駅5番線ホームには2両編成の107系が停車していた。
107系は3扉ロングシートの北関東で活躍する通勤形電車である。
宇都宮から隣の鶴田に行く。
宇都宮の隣り駅にしては正直云って寂しい田舎の駅であった。
ここの跨線橋は「明治四十四年 鐵道院」と書かれている。
首都圏からは外れ、また日光東照宮に近いことから戦火を避け、
第二次世界大戦も切り抜けて今日まで存在しているのだろう。
これは貴重な鉄道文化遺産である。
鶴田では駅舎取材のほかにはこれといって取材するものはなく、
37分という取材時間を持て余してしまった。
10:40の下り電車で今市に行く。
ここでの取材時間は40分。
今市は駅前にタクシープールもある地方としては大きい駅の方である。
しかし駅前は閑散としていて、
ここで下車する人もそれ程多くなく、タクシーも手持ち無沙汰のようである。
到着した時に快速「日光ロマン号」を見かけたが、
とっさに写真を撮ることは出来なかった。
ここがまだフォトグラファーとして未熟なところだ。
今市は近く日本香堂の工場があり、
駅で待っていると「香」の匂いが微かに香ってくる。
この駅には1番線のホームの柱に「宇都宮、上野方面」と書かれている。
嘗ては上野に直通する編成もあったのだろうか。
11:48の上りで鹿沼に行く。
鹿沼の取材時間は43分である。
鹿沼駅は瓦屋根の趣のある駅舎だった。
取材後に駅前にあった「金龍」という中華料理店に行く。
入ってみると驚いたことにお婆さんがひとりでやっていて、
孫娘だろうか、小学6年生の女の子が手伝っていた。
餃子の街、宇都宮に近いことから看板にも「餃子」と書かれていて、
それでラーメンセット\750をオーダーする。
餃子、半ライスにラーメンがセットされたものである。
餃子は可もなく不可もなく、一般的な中華店の餃子だった。
ラーメンは醤油味で、メンマと叉焼が1枚乗っているオーソドックスなものだった。
ただでさえ暑いのに、ラーメンを喰って汗だくになってしまった。
12:50下り電車に乗り、次の取材駅下野大沢を目指す。

2004/08/09 23:13

※写真:鹿沼駅駅前の中華料理店「金龍」 撮影時刻 2004/08/07 12:48:58


  6.駅取材−下野大沢、文挟

下野大沢は駅舎そのものはこぢんまりしたプレハブ小屋のようなものだった。
しかし駅前は整備され、小さいながらロータリーも設置されていた。
そのロータリーの真ん中には時計台が設置され、
更に「せせらぎ水路」と名付けられた水路が駅を中心に走っている。
そして駅前には二宮尊徳翁像も設置されている。
今市市は二宮尊徳翁の終焉の地なのだそうである。
駅取材の後、
この路線で唯一のコンビニである「ミニストップ」で森永ジャンボモナカアイス
買い、
駅舎近くに設置された待合所のベンチで喰う。
下野大沢での取材時間は40分、
13:48の上り電車で隣の文挟に行く。
“文挟”は「ふばさみ」と読む。
ここは日光線で唯一の無人駅であり、しかもここでの取材時間は59分もある。
駅前には杉並木が広がり、幻想的な雰囲気ではあるが、
59分も写真を撮り続けるほどのモチーフはない。
ここで待っている間にポツポツと雨が降り出し、
更に遠雷も聞こえ、稲光まで見えた。
なんだかいやな雰囲気になっていった。
14:52文挟を出る下り電車で日光に向かう。
日光駅がこの日光線取材の最後の駅である。

2004/08/09 23:31

※写真:今にも雨の降りそうな文挟駅全景 撮影時刻 2004/08/07 14:15:14


  7.雷雨−二つの日光駅

15:12に文挟を出た下り電車はJR日光駅に到着した。
早速駅取材をするが、既に雨は降り出していて、
それは傘がないと辛いほどになっていた。
雨からカメラを庇いながらもJR日光駅の取材を敢行する。
ここから更に200mの位置にもう一つの日光駅がある。
東武鉄道の日光駅である。
東武鉄道の本線である東武伊勢崎線は東武動物公園で分岐し、
日光まで至るのが東武日光線と呼ばれている。
雨が強くなってくる中、この終着駅の取材をする。
東武鉄道は東武伊勢崎線ともう一つ本線扱いになっている東武東上線があり、
こちらは8000系、10000系、
それに有楽町線と直通するために開発された9000系しかないが、
本線である東武伊勢崎線や、伊勢崎線を通じて浅草まで直通する日光線には、
バラエティに富んだ車両が走っている・・・筈である。
それに特急車両「スペーシア」に見られる筈である。
これは日光線や日光線下今市から延びる東武鬼怒川線用の特急車両で、
東武日光行きは「けごん」、鬼怒川温泉行きは「きぬ」の愛称名で
呼ばれている。
これにの車両取材を期待して入場券\140を購入して入場する。
しかし特急「きぬ」は下今市から出発するとのことで、
6050系の「特急接続」が用意されていた。
そのほか、東武宇都宮線との分岐駅である新栃木行き普通列車も、
快速浅草行きもすべて6050系だった。
まあ、6050系は初めて写真を撮ったから成果はあったことはあったが・・・。
帰りは16:17の「やすらぎの日光号」に乗らなければならないので、
それまでにJRまで戻らなければならない。
東武日光駅の撤収期限は4:00p.m.と思っていた。
そしてもう帰ろうと思った時、回送でスペーシアが入線してきた。
時間を気にしながらもこれを取材し、改札を出る。
JRでは駅弁を販売していないため、
東武日光駅で駅弁「味めぐり弁当」\1,000を購入する。
“日光名物うまいもの”として湯波、ようかん、志そ巻き唐辛子、日光舞茸が入っている。
帰りは更に雨が強くなっていて、雷もなっていた。
雷雨の中をJR日光駅まで戻り、
「日光フリーきっぷ」と指定券で入場する。
雨の中、「彩野」は日光駅のホームにその姿を横たえていた。

2004/08/10 22:55

※写真:もう一つの日光駅「東武日光駅」 撮影時刻 2004/08/07 15:34:31


  8.雨の快速「やすらぎの日光号」

快速「やすらぎの日光号」の座席は1号車5番A席だった。
日光から宇都宮までは逆向きに座席が設置されていた。
これは宇都宮で新宿方面が逆方向になるためである。
東武日光で購入した油源の「味めぐり弁当」を喰い、爆睡する。
“油源”は「あぶらげん」と読み、
江戸安政六年に初代の油屋源七が日光山輪王寺に、
菓子供物商として出入りを許されて以来、
日光の土産物屋として“志そ巻き唐辛子”や羊羹などを製造販売してきた。
テレビでも良く紹介されている。
宇都宮でスイッチバックして小山、古河、久喜、蓮田、大宮、赤羽と停車し池袋、
新宿と進む。
池袋で先行する予定の埼京線が遅れていて、
これの発車待ちで5分遅れる。
新宿に着いてから「日光フリーきっぷ」で改札を出る。
ここからはSuica定期券で再入場して帰るのである。
しかし4:00p.m.過ぎに夕食を喰ってしまったために少し小腹が空いてきた。
それに買い物もあったのでそのまま帰らず、
ビックカメラ新宿西口店で買い物をして、
「梅もと新宿西口店」で冷やし海鮮丼セット\480喰う。
冷やしたぬきうどんに海鮮丼がセットになっていて、
冷やしたぬきうどんは揚げ玉のほかにワカメが入っていて、
更にサービスで玉子を付けられる。
“生”と“ゆで”が選択できるのでゆで玉子にした。
海鮮丼はネギトロ、イカ、エビ等が入っていた。
Suicaで入場し、新宿駅ホームで中央・総武緩行線を待っていると、
新宿でもポツポツと雨が降り出した。
日光だけでなく、東京にも雨雲は来ていたのだ。
結局、幕張で下車した時にも雨はポツポツと降っていた。
傘のないまま、雨に悩まされた午後だった。

 −取材結果−

2004.8.7._1 撮影 274枚 保存 31枚
2004.8.7._2 撮影 183枚 保存 21枚

 合計   撮影 457枚 保存 52枚 採用率 11.4%

2004/08/10 23:26

※写真:JR日光駅に停車中の189系「彩野」 撮影時刻 2004/08/07 16:18:59





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