冬が来る前に



  1.復活した三連休パス

三連休パスはその名の通り、三連休に限って発売される切符である。
三連休の3日間、JR東日本の営業線全線が、
新幹線を含む特急、急行の自由席を含めて乗り放題で、
しかも指定席も4回までなら取ることが出来る。
発売当時は無制限だったが、さすがに最近では4回までと制限された。
それでも上手く使えば使い勝手のある切符であった。
以前からこの三連休パスはあったのだが、
今年になってこの切符の設定がなくなってしまった。
それが半年経って再び登場した。
フリーエリアがJR東日本全線に加え、
函館までの路線と北越急行、伊豆急、青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道も利用できる。
使い勝手が上がったがその部分価格も上がった。
以前は\24,000だったが、今回から\26,000になった。
更に\30,000で指定席がグリーン車に出来る。
以前からこの三連休パスを使ってリゾートしらかみの旅をしようと思っていたのだが、
いざ決行しようと思った時にはこの切符がなくなってしまった。
「とほほ・・・。」と思っていたところに漸く三連休パス復活を知ったのである。
そこでこの三連休パスを使ってリゾートしらかみの旅を計画した。
リゾートしらかみはその名の通り、
白神山地を通る五能線を行く全席指定のジョイフルトレインで、
蜃気楼ダイヤが特筆できる。
蜃気楼ダイヤとは一端通り過ぎた列車が蜃気楼のように再びやって来るというダイヤで、
一端乗客を降ろしたあとに途中までまた逆戻りして走るというダイヤである。
鉄道というものは1分でも早く目的地に着くことを目標にしているが、
この列車は敢えて逆送することで1本の列車で途中下車を堪能できることになっている。
秋田新幹線「こまち1号」で「リゾートしらかみ3号」と接続し、
この「リゾートしらかみ3号」は蜃気楼ダイヤが設定されている。
ただ、この列車は終点の弘前まで行くと東京には戻れない。
必然的に弘前1泊となる。
2日目は「リゾートしらかみ」では行けなかった津軽鉄道の取材などをする予定である。
そしてその日の内に東京に戻り、3日目は日帰りでまた旅行をする。

2004/09/20 21:12


  2.1泊3日の旅、3日目の計画

最初に三連休パスの旅を計画した時は、
1泊2日でリゾートしらかみの旅を楽しみ、
3日目は「ぐるっとさんりくトレイン」の旅を楽しむことにしていた。
「ぐるっとさんりくトレイン」はジョイフルトレイン「kenji」を使った、
その名の通り三陸を一日かけて一周するルートで、
盛岡を09:46に出て12:56に釜石に到着し、
そこから快速自由席で宮古まで移動し、
15:00宮古から再び「ぐるっとさんりくトレイン」として19:08に盛岡に到着する。
この時間設定なら十分に日帰りで行くことが出来る。
この列車の旅はゆったりは出来るが、
「kenji」は既に取材済みだし、
それにこのルートでは駅取材できるのは2駅しかない。
これでは非常に無駄なので、
3日目は計画を変更して別の予定を考える。
そこで考えたのが青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道の駅取材である。
この区間は元々東北本線の一部だったが、
東北新幹線八戸延伸で第三セクター化された区間で、
以前の三連休パスでは利用できなかったのだが、
新しい三連休パスではこの区間の利用が可能になった。
これは利用しない手はない。
東北新幹線盛岡−八戸間まで行くのは「はやて」だけであり、
「はやて」は全席指定席なのである。
つまりこの区間のいわて沼宮内と二戸を取材するためには、
わざわざ指定席を取らなければならない。
それは非常に無駄なことである。
しかし今回青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道が利用できるようになり、
この区間の取材計画を立てた。
また同時に今まで2回取材に挑戦して失敗していた“岩切”も取材することにする。
そこで以下のような取材計画を立てた。

06:56東京−はやて1号(188/3_08)−10:04八戸[63/1_3]
11:07八戸−快速104M(28)−11:34二戸[44]
12:18二戸−普通4527M(11)−12:29目時[8]
12:37目時−普通4526M(51)−13:28好摩[5]
13:33好摩−普通4531M(11)−13:42いわて沼宮内[42]
14:24いわて沼宮内−普通4528M(30)−14:54盛岡[22]
15:16盛岡−Maxやまびこ62号(25)−16:41仙台[26]
17:07仙台−普通4449M(10)−17:17岩切[18]
17:35岩切−普通1582M(10)−17:45仙台[39]
18:24仙台−はやて24号(104/1_44)−20:08東京

この計画で1泊3日の旅を決行しようと思ったが、
直前になってまた計画を変更した。
計画の変更を決めたのは1部のパンフレットだった。

2004/09/20 22:07


  3.3日目の最終決定計画

会社の帰りにJR幕張の駅でひとつのパンフレットを見つけた。
それは「羽越本線きらきらうえつ」というパンレットだった。
この「きらきらうえつ」は485系ジョイフルトレインで、
新潟から羽越本線を通って酒田まで行く。
この列車は既に取材済みで、
新潟から鶴岡までは実際に乗ったこともある。
この列車にはもう乗ることもないだろうと思っていた。
しかしこのパンフレットの片隅に書いてあった、
「酒田・象潟延長運転」だった。
象潟は「きさかた」と読み、酒田から更に羽越本線を36.5km新潟に行った場所である。
これは新しい駅を取材できるだけでなく、
ここまで来ると寧ろ新潟まで戻るよりも秋田まで出た方が早くなる。
象潟から秋田までは68.3km、
特急「いなほ」で54分、普通でも80分で行ける。
また象潟−新潟間の羽後本荘には、
由利高原鉄道があり、ここも取材したい。
そこで以下のような取材計画を立てた。

06:17幕張−総武緩行線下り560B(10)−06:27千葉[18]
06:45千葉−おはようしおさい2号(32)−07:17東京[31]
07:48東京−Maxとき307号(123/2_03)−09:51新潟[26]
10:17新潟−きらきらうえつ(194/3_14)−13:31象潟[16] 指定席\510
13:47象潟−いなほ10号(21)−14:08遊佐[53]
15:01遊佐−いなほ5号(40)−15:41羽後本荘[9]
15:50羽後本荘−由利高原鉄道鳥海山ろく線(15)−16:05黒沢[9] \360
16:14黒沢−由利高原鉄道鳥海山ろく線(15)−16:29羽後本荘[9] \360
16:38羽後本荘−普通549M(46)−17:24秋田[34]
17:58秋田−こまち28号(250/4_10)−22:08東京[32]
22:40東京−快速2221F(27)−23:07津田沼

三連休パスでは指定席は4回までしか取れないため、
1日目の「リゾートしらかみ」と3日目の「きらきらうえつ」は、
別料金で指定席を取ることにする。
三連休パスは7月の17日18日19日と、
9月の18日19日20日、そして23日と25日の飛び石連休、
10月の9日10日11日、11月の21日と23日の飛び石連休に発売される。
10月の9日からの三連休にこの計画を遂行することに決定した。
しかし計画は思わぬ事で暗礁に乗り上げてしまうのである。

2004/10/24 12:13


  4.計画中止!

10月9日土曜日からの3日間に予定を決定し、
それに向かって計画を進めていった。
JRの切符は1ヶ月前から発売になる。
つまりこの日程で三連休パスを購入するとなると9月9日木曜日の購入になる。
そして指定席も1ヶ月前から取れることになっている。
つまり10月9日から3日間の予定では、
9月9日木曜日、10日金曜日、11日土曜日に指定席を取らなければならない。
この11日土曜日というのは、四国旅行の初日に当たる。
そこで3日目の指定席はこの四国旅行の最中に取らなければならない。
最初は幕張で電車に乗る前か、
早めに行って浜松町で東京モノレールに乗り換える前に取ろうと思ったが、
よく考えたら指定席は1ヶ月前の10:00a.m.からである。
つまり高松に行ってからでないと取れない。
そこで今回の1泊3日の旅の予定を入れ換えて、
1日目にきらきらうえつの旅を日帰りで行い、
2日目に1泊して3日目に帰るという日程にする。
1日目には往復の新幹線と別料金のきらきらうえつ、
2日目は行きの秋田新幹線と別料金のリゾートしらかみを取らなければならない。
しかし3日目は帰りの東北新幹線だけである。
時間がない高松での指定席取りでは1つしか取る必要のない3日目を持ってきた。
これであとは9月9日に指定席を取るだけである。
その前日に弘前でのホテルも押さえようとした。
しかしである。
この弘前でのホテルが全く取れなかった。
予定していたホテルは既に満室で、
改めてgoogleで弘前のビジネスホテルを調べて片っ端から電話したが、
全て満室だと断られてしまった。
中には電話しただけですぐに断ってきたところもあった。
近くの大鰐温泉まで範囲を広げたが駄目で、
最後には青森泊も検討したがそれも駄目だった。
考えてみればこの三連休は丁度紅葉の季節になる。
この絶好の行楽日和に1ヶ月前になって部屋を取ろうとしても、
遅いのは当たり前なのかも知れない。
計画は早くからあったので部屋だけは押さえておけば良かった。
ここでギブアップである。
計画は仕方がないので中止することになった。
とほほ・・・。

2004/09/20 23:17


  5.幻の3連休1泊3日の旅計画

−10月9日(土)−

06:17幕張−総武緩行線下り560B(10)−06:27千葉[18]
06:45千葉−おはようしおさい2号(32)−07:17東京[31]
07:48東京−Maxとき307号(123/2_03)−09:51新潟[26]
10:17新潟−きらきらうえつ(194/3_14)−13:31象潟[16] 指定席\510
13:47象潟−いなほ10号(21)−14:08遊佐[53]
15:01遊佐−いなほ5号(40)−15:41羽後本荘[9]
15:50羽後本荘−由利高原鉄道鳥海山ろく線(15)−16:05黒沢[9] \360
16:14黒沢−由利高原鉄道鳥海山ろく線(15)−16:29羽後本荘[9] \360
16:38羽後本荘−普通549M(46)−17:24秋田[34]
17:58秋田−こまち28号(250/4_10)−22:08東京[32]
22:40東京−快速2221F(27)−23:07津田沼

−10月10日(日)−

05:44幕張−総武緩行線下り515C(41)−06:25秋葉原[5]
06:30秋葉原−京浜東北線南行509A(4)−06:34東京[22]
06:56東京−こまち1号(240/4_00)−10:56秋田[8]
11:04秋田−リゾートしらかみ3号「ブナ編成」(144/2_24)−13:28ウエスパ椿山[99/1_39]
15:07ウエスパ椿山−リゾートしらかみ3号「ブナ編成」(142/2_22)−17:29弘前
 ※東能代11:58−12:17[19]
 ※能代12:22−12:28[6]
 ※千畳敷15:48−15:58[10]
 ※鰺ヶ沢16:19−16:23[4]
 ※板柳17:03−17:08[5]

−10月11日(月)−

08:06弘前−普通629M(6)−08:12川部[22]
08:34-41川部−快速深浦3825D(10)−08:51浪岡[11]
09:02浪岡−普通642M(18)−09:20弘前[5]
09:25弘前−普通2826D(50)−10:15木造[60/1_00]
11:15木造−普通2525D(7)−11:22御所河原[8]
11:30五所川原−津軽鉄道下り(23)−11:53金木[47] \530
12:40金木−津軽鉄道上り(21)−13:01五所川原[10] \530
13:11五所川原−普通829D(46)−13:57弘前[32]
14:29弘前−つがる22号(88/1_28)−15:57八戸[7]
16:04八戸−はやて22号(184/3_04)−19:08東京[37]
19:45東京−しおさい13号−20:17千葉

2004/09/20 23:32


  6.リグレット!

三連休パスを使った1泊3日の旅を断念して何日か後、
通勤途中、JR池袋駅で1枚のパンフレットを見つけた。
それは「SL錦秋湖号」という蒸気機関車D51型498号機の載った、
1枚刷りのカラーパンフレットだった。
それによると「いわて・あきた交流フェスタ〜北上線にSLがやって来た〜」と題し、
東北本線北上から奥羽本線横手までを結ぶ北上線に、
錦秋湖号としてD51498号機が走るというのである。
期日は10月9日、10日、11日の3日間。
つまり1泊3日の旅を断念したこの期間である。
既にD51型498号機は取材済みではあるが、
今のメインカメラであるCanon EOS 10Dではまだ撮ったことがないし、
それに北上線はまだ行ったことがない。
途中には「ほっとゆだ」という魅力的な駅もある。
予定では09:13に北上を出て藤根09:26着09:29発、和賀仙人09:48着09:53発、
ほっとゆだ10:15着10:50発、相野々11:27着11:27発、横手11:40着である。
つまりほっとゆだでは35分、相野々では10分の取材時間があり、
10分あれば田舎の駅なら十分に駅取材できる。
北上に09:13に着くには東京発06:04のやまびこ41号に乗らなければならないが、
それでも絶対不可能という時間ではない。
横手から大曲に行って秋田新幹線で帰ってくるのも良いし、
また奥羽本線で新庄まで出て山形新幹線で帰るのも良し、
更には陸羽東線で鳴子温泉を取材し、古川から東北新幹線で帰るのも良い。
何れにしろいろいろな計画が立てられた筈である。
しかしこのパンフレットを手にした時は既に1ヶ月前を切っていた。
これは非常に残念である。
リゾートしらかみの旅に固執して、
弘前での宿泊が不可能になった段階でこの計画を断念したが、
考えてみればこのSL錦秋湖号の旅にきらきらうえつ象潟延伸の旅、
それに青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道の取材を絡めて、
0泊3日の旅だって良かった筈である。
まあ、一日は往復の新幹線が自由席にはなるが・・・。
こうして後悔を残しながら、三連休パスの旅はお蔵入りになったのである。
しかしこの連休での旅の可能性はまだ完全に消滅はしていなかった。
それは全く予想もしていない方向で実現することになるのである。

2004/09/21 00:43





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