皐月九州ほぼ一周純情物語



  1.皐月九州沖縄純情物語

ANAからのメールマガジンで、5月分の「超割」が、
2月22日水曜日からマイレージクラブ会員に先行受付されることを知る。
一般客の受付前に、マイレージクラブ会員が優先的に座席を取れるのである。
実際は先行予約でほとんどの便は埋まってしまうので、
事実上、マイレージクラブ会員でないと「超割」は取れない。
また先行予約は先着順なので、早い者勝ちということである。
このメールマガジンを受け取った段階でいろいろと考えて、
九州と沖縄に行くことにした。
日本全国の鉄道を取材しているが、
1都1道2府43県の中で、まだ行ったことのない県が二つある。
それが宮崎県と沖縄県である。
九州の中で宮崎県だけが行ったことがない。
大分まで入ったことがあるが、そこからは博多経由でしか鹿児島に行っていない。
そこで今回は宮崎県の駅取材をすることにする。
更に沖縄にオープンした「ゆいレール」という跨座式モノレールが走っている。
それを博多から移動して取材し、那覇から羽田に帰ろうというのである。
しかし「超割」申し込み直前になって予定を変更する。
那覇までの移動の経費や時間をかけて、
専門外のモノレール取材をするというのはあまり得策ではない。
それならその分九州に時間を集中して取材した方がよい。
当初は羽田→宮崎、福岡→那覇、那覇→羽田を予定していたが、
結局羽田→福岡、福岡→羽田を予約することにした。
5月12日金曜日、07:30羽田−ANA241便−09:15福岡、
5月14日日曜日、19:15福岡−ANA268便−20:50羽田を先行予約し、
これは予定通り予約を取ることが出来た。
これと同時に詳細計画を立てて、
金曜日は熊本に、土曜日は宮崎に一泊することとし、
ホームページからルートイン熊本駅前、東横イン宮崎駅前にも予約を入れる。
そして2泊3日の予定を以下のように立てた。

5月12日(金)

05:15幕張−総武緩行線・上り501B(40)−05:55秋葉原[6]
06:01秋葉原−山手線・外回り573G(10)−06:11浜松町[7]
06:18浜松町−東京モノレール609(24)−06:42羽田空港第2ビル
07:30羽田空港−ANA241便(105/1:45)−09:15福岡空港
09:30福岡空港※−福岡市営空港線451C(6)−09:36博多[28]
 ※九遊きっぷ@5,000×3=\15,000購入
10:04博多※−ソニック13号(42)−10:46小倉[1]
10:47小倉−鹿児島本線・上り4328M(5)−10:52門司[29]
11:21門司−日豊本線・下り2536M(8)−11:29門司港[236/3:56]
 ※九州鉄道記念館\300
15:25門司港※−鹿児島本線・下り(13)−15:38小倉[6]
15:44-46小倉−ソニック33号(79/1:19)−17:05大分[9]
17:14大分※−ソニック46号(8)−17:22別府[23]
17:45別府※−九州横断特急7号(181/3:01)−20:46熊本

 ※ホテルルートイン熊本駅前

2月13日(土)

08:28熊本※−くまがわ1号(84/1:24)−09:52人吉[10]
10:02人吉※−いざぶろう1号(74/1:14)−11:16吉松[33]
11:49吉松※−肥薩線・下り4229D(33)−12:22嘉例川[62/1:02]
13:24嘉例川−肥薩線・下り4231D(17)−13:41隼人[15]
13:56隼人−日豊本線・下り6945M(44)−14:40鹿児島中央[36]
15:16鹿児島中央※−つばめ52号(32)−15:48新水俣[41]
16:29新水俣−つばめ49号(7)−16:36出水[61/1:01]
17:37出水−つばめ51号(26)−18:03鹿児島中央[8]
18:11鹿児島中央−日豊本線・上り6958M(4)−18:15鹿児島[81/1:21]
 ※鹿児島市電取材
19:36鹿児島−きりしま13号(5)−19:41鹿児島中央[21]
20:02鹿児島中央※−きりしま16号(123/2:03)−22:05宮崎

 ※東横イン宮崎駅前

5月14日(日)

08:09宮崎※−にちりん6号(120/2:00)−11:09大分[16]
11:25大分※−久大本線(ゆふ高原線)・上り4840D(56)−12:21由布院[98/1:38]
13:59由布院−久大本線(ゆふ高原線)・上り4856D(178/2:58)−16:57久留米[11]
 ※豊後森 14:32-15:16(44)
   ※14:35-36 ゆふDX4号
    ※久留米 16:02-16:04
    ※博多 16:34
 ※夜明 16:01-16:11(10)
17:08久留米−有明24号(28)−17:36博多[45]
18:21博多−福岡市営交通空港線486C(5)−18:26福岡空港[39]
19:15博多空港−ANA268便(90/1:30)−20:45羽田空港[15]
21:00羽田空港※−京浜急行・上り2119T(55)−21:55青砥[11]
22:06青砥−京成電鉄本線・下り21A23(23)−22:29京成津田沼[6]
22:35京成津田沼−京成千葉線・下り22B09(5)−22:40京成幕張

5月12日金曜日は3月の棚卸しで日曜日に出勤した代休を取得し、
13日土曜日の肥薩線の旅の「いざぶろう1号」は、
人気のジョイフルトレインのために指定席を購入した。
「超割」利用客はJR九州管区の全区間の、
新幹線を含む特急自由席が乗り放題の切符「九遊きっぷ」が、
\5,000で購入出来る。
これを使って移動することにしているのだが、
「いざぶろう1号」」だけは指定席だけを\510で事前に購入しておくことにした。
1ヶ月前の4月12日水曜日に、
昼休みにJR姉ヶ崎駅に行って購入した。
ANAの「超割」はチケットレス、クレジット決済した。
これで後は当日空港に行くだけである。
しかし一週間前の天気予報ではこの3日間は全て雨になっていた。

2006/05/19 20:47


  2.旅の始まり−門司の赤煉瓦

5月12日金曜日、平日だが休みを取って九州ほぼ一周旅行に出掛ける。
4:30a.m.起床して05:15発の御茶ノ水行きで秋葉原に行く。
今日は平日だが、さすがにこの時間だと空いている。
京浜東北線で浜松町まで出て、東京モノレールで羽田空港第2ビルへ。
チェックイン機で発券しようと思ったが、出来なかった。
カウンターに行って発券して貰う。
事前に座席指定をしておいたが、
使用機種が変更になったために発券出来なくなったのだという。
手荷物検査を通過してからANA FESTAで空弁「穴子づくし」\880と、
伊右衛門500ml\150買ってベンチで喰う。
7:30a.m.発のANA241便で福岡空港に向かう。
羽田空港を飛び立って旋回している時に東京湾横断道路の海ほたるが見えた。
昨日までの天気予報では3日間は雨となっていたが、
今日は雲は多いものの、雨は降っていなかった。
それでも空全体が厚い雲に覆われていて日差しを全く遮っている。
飛行機が上昇を続けて雲を突き抜けると上空は青空だった。
正しく雲の絨毯の上を飛んでいるみたいだ。
富士山が雲を突き抜けてその頭を見せていた。
福岡空港について飛行機から降りると直ぐに地下鉄で博多駅に移動する。
2駅で\250はやはり高い。
JR博多駅でみどりの窓口に行き、九遊きっぷ@5,000×3日分=\15,000購入する。
このあと予定通り、ソニック13号に乗り小倉を目指す。
883系第1編成で、塗色変更を含めた更新車だった。
誕生当時の883系は内外装がまるで遊園地の乗り物みたいだったが、
更新車は少し落ち着いたデザインに変更されている。
シートも変更されて多少座り心地は改良されている。
同じソニックの885系が総革張りのシートであるのに比べ、
883系のシートはあまりにも座り心地が悪い。
同じ料金でこれは不公平ではないのかと以前から思っていたのだ。
予定では小倉で乗り換え時間1分で鹿児島本線上りに乗り換え、
10:52には門司に行くつもりだった。
ところが小倉で883系の写真を撮るのに夢中になり、
予定していた4328Mに乗り損なう。
隣のホームから出る10:56始発の5248Mで門司に向かう。
門司駅は以前工事中の時に取材したことがあるが、
橋上駅が完成してからは初めての訪問だったため、この駅を改めて取材する。
メインとなるを南口取材後、北口に回る。
ここで以前門司駅を訪れた時に見かけた赤煉瓦の建物を見つける。
以前は駅の外は工事中でフェンスに囲まれていたが、
今はロータリーが完成して赤煉瓦の建物に近づける。
そして門司駅北口の階段には魅力的な文字(駄洒落!)が書かれていた。
「門司麦酒煉瓦館」。
この文字を見かけて予定を変更してこの赤煉瓦の建物を取材することにした。

2006/05/19 22:36

※写真:門司駅北口の門司麦酒煉瓦館 撮影時刻 2006/05/12 11:36:49


  3.門司麦酒煉瓦館と九州鉄道記念館

門司麦酒煉瓦館の煉瓦はレプリカなどではなく、
本物の煉瓦を引き詰めて建物が建てられて、かなり破損した場所もあった。
ここは以前はサッポロビールの工場跡で、
1912年(大正元年)に建設されたゴシック様式の建築物で、
鈴木商店が帝国ビール門司工場として建築したものである。
帝国ビールは「サクラビール」のブランドで大正時代に一世を風靡したビール会社である。
鈴木商店は自社の社名に帝国ビールや帝国染料など、
“帝国”をつけるのが特徴で、
その中の一つのレーヨンメーカー、「帝國人造絹絲」が、
今の「帝人」の始まりである。
展示施設には入らず、物産館でヱビス黒生S\180を飲み、おみやげ買う。
このあと門司駅まで戻り、
予定より30分遅い11:51で門司港まで行く。
門司港には2度目の訪問であるが、門司港レトロと呼ばれる、
昔ながらの風情が残っている建物が多い。
街自体が観光地となっているのだ。
門司港に来たのは九州で初めての鉄道博物館である「九州鉄道記念館」見学のためだ。
ここは前回の九州旅行でも行きたいと思っていたが、
結局時間がなくて来ることが出来なかったところである。
入り口には九州鉄道の「旧〇哩標」が設置されている。
入場料は\300で、中央ゲートから入場すると実物の線路の上に車両展示場がある。
蒸気機関車59634号、C51形1号、
電気機関車EF10形35号機、ED72形1号機、
気動車キハ07形41号車、
電車クハ481形603号車、クハネ581形8号車、
貨物車セラ1239号車が展示されている。
展示館には明治時代の三等客車が復元され、
そのほか鉄道関係の展示物のほか、鉄道シミュレーターが設置されている。
やってみたが、オーバーランが怖くて早くブレーキをかけすぎ、
ホーム手前で停まってしまった(^_^;)
電車はやっぱり運転手にまかせた方が良さそうである。
門司港まで歩いて戻り、1:00p.m.頃の電車で小倉まで行く。

2007/04/13 21:47

※写真:門司港の九州鉄道記念館 撮影時刻 2006/05/12 12:39:02


  4.予定変更−九州新幹線取材と「SL弁当」

小倉に行って改札を出て、小倉ひまわり通り階回にある、
「小倉らうめん横丁」に行く。
ここは今、全国で流行っているラーメンテーマパークで、
5軒のラーメン店が入っている。
筑豊、池袋、北九州、新宿、札幌とあるが、
やはり九州に来たら九州のラーメンを食べたいと思い、
「筑豊ラーメン・ばらさか」に入る。
「ばらさか」とは筑豊の方言で「ものすごく」という意味だそうで、
ものすごく美味いラーメンの意を店名にしたのだという。
コク味噌ラーメン\735+味付き玉子\157喰う。
予定ではこのあとソニックで大分、別府を移動して、
そこから九州横断特急で熊本まで行くことになっていたが、
急遽予定を変更して始発の「有明11号」で熊本に行くことにした。
今回は九州一周がテーマになっていたが、
ここに来て腹も一杯になったら急に面倒くさくなってしまったのだ。
ずっと列車に揺られているよりも、
鹿児島本線経由で行った方が遙かに早いし、
それに時間が余れば九州新幹線の駅取材も出来る。
13:56発の「有明11号」で小倉を出て途中爆睡し、熊本まで行った。
熊本で予約していたホテル「ルートイン熊本駅前」にチャックインし、
荷物を置いて直ぐに出掛ける。
17:12八代行きに乗車し、一つ手前の新八代で下車する。
時間が早いので今回の旅のテーマの一つである九州新幹線全駅取材の一つ、
新水俣駅の取材に行くことにした。
18:15の九州新幹線「つばめ」で新水俣に行き、ここで駅取材する。
新幹線の駅自体は大変立派なのだが、廻りがそれに相応しい賑わいを見せておらず、
駅自体が何か分不相応なものに見えてくる。
それは何処の地方都市の新幹線駅を見ても感じることなのだが・・・。
肥薩オレンジ鉄道も接続するが、ホームだけで駅舎のない無人駅だった。
新幹線接続駅としてはあまりにも見窄らしい。
16:49発の新八代行きに乗り、「リレーつばめ」で熊本まで戻る。
熊本駅に到着したら7:30p.m.くらいになっていた。
駅ビル内の「火の国茶屋」で豚のヒレカツ定食\950喰う。
夜撮せずに買い物をしてホテルに戻り、シャワーを浴びてビールなど飲む。
シャワーを浴びてから思い出したのだが、このホテルには大浴場があったのだ。
まあ、いいか・・・。
「あそBOY」の記念として「SL弁当」が売り出されたが、
それが一つ残っていたので買って帰り、つまみ代わりに喰う。
「あそBOY」用のSLについて、包み紙には以下のように書かれている。
「●プロフィール
 本名:58654号(8620型機関車)
 チャームポイント:古きよきアメリカ風の客車
 ●歩み
 大正11年日立製作所で生まれ、
 浦上機関区・若松機関区を経て、
 昭和43年6月から人吉機関区
 (肥薩線・湯前線)で活躍。
 334万キロを走った後、
 昭和50年3月9日引退しました。
 そして、昭和63年8月28日
 『あそBOY』のニックネームで再び豊肥線へ。
  @長さ・・・16.8m
  A高さ・・・3.9m
  B重量・・・48.8t
  C馬力・・・630ps
  D速度・・・90km/h」
ビール飲みながら「富豪刑事」など見て寝る。

2007/04/14 14:33

※写真:「小倉らうめん横丁」の「筑豊ラーメン・ばらさか」 撮影時刻 2006/05/12 14:00:46


  5.肥薩線のループ線と「いざぶろう」の旅

5月13日土曜日、九州旅行の2日目は6:20a.m.に起床し、
シャワーを浴びて7:00a.m.過ぎに食堂に行く。
ホテル「ルートイン熊本駅前」はバイキング形式の無料朝食で、
ウインナー、オムレツ、焼きそば、カレーライス、サラダ、オレンジジュース、コーヒーなど。
無料でこのボリュームはすごい。
しかもカレーライスとオレンジジュースはお代わりしてしまう。
幾ら何でも喰い過ぎだ(^_^;)
外は大雨だった。
8:10a.m.頃にチェックアウトし、熊本駅に向かう。
08:28の「くまがわ1号」で人吉まで行く。
車両は九州横断特急と共用だった。
車掌の代わりに客室乗務員の女性が乗っていて、検札業務だけでなく、
車窓の解説もやってくれた。
1時間14分の旅で人吉に来る。
人吉は以前来たことがあるので駅取材せず、そのまま「いざぶろう1号」に乗る。
「いざぶろう」は九州新幹線開業と同時にJR九州が投入した観光特化の列車で、
人吉から松吉に向かう列車は「いざぶろう」、
松吉から人吉に向かう列車は「しんぺい」と列車名が上下で変わる珍しい列車である。
「いざぶろう」は1909年の肥薩線開業時の逓信大臣山縣伊三郎のから、
「しんぺい」は肥薩線開業時の鉄道院総裁後藤新平からとられている。
またこれは車掌が車窓解説で教えてくれたのだが、
途中の矢岳第一トンネルは想像以上の難工事で、
この工事に携わった人を労う石額が、
矢岳方入口に山縣伊三郎の「天険若夷」が掲げられ、
吉松方入口に後藤新平の「引重致遠」が残ることから、
それぞれ「いざぶろう」と「しんぺい」の名が付けられたそうである。
現在の鹿児島本線は海岸沿いを走るが、
人吉盆地を越えるこのルートが始めに作られ、鹿児島本線を名乗っていた。
10:02に人吉を出発した「いざぶろう1号」はループ線を上って最初の停車駅、
大畑駅に到着する。
この駅は「おこば」と読む。
スイッチバックで大畑駅に到着し、雨の中を駅取材する。
そこから次の矢岳駅までは日本三大車窓もあり、そこでは止まってじっくり見せてくれる。
矢岳駅は「SL展示館」があり、D51型170号機が展示されていた。
真幸駅もスイッチバックを繰り返して入線した。
指定席を取って座っていたが、自由席の客が勝手に前に座っていた。
最初はギクシャクしていたが、真幸で買ってきた大福をお裾分けして貰い、
いろいろと話をする。
11:16に「いざぶろう1号」は松吉に到着する。
ほとんどの乗客は接続発車する「はやとの風」に乗り換えたが、
そのまま駅取材をして、次の各駅停車で旅を続けることにした。

2007/05/05 21:57

※写真:矢岳駅に停車中の「いざぶろう1号」 撮影時刻 2006/05/13 11:08:35


  6.嘉例川の観光地化と駅弁「かれい川」

松吉での乗り換え時間は33分で、雨の中を駅取材し、
駅前に蒸気機関車C55型52号機が静態保存されていてた。
それを取材して再び入場し、これから乗るキハ58形700番台の写真を撮っていると、
その車両の運転手が話しかけてきた。
この車両は7月一杯で廃車になることになっているそうで、
「古い車両がなくなっていくのは寂しいですね」と云ったら、
このキハ58はエンジンをかけてもなかなかかからなくて非常に運転し辛いとのこと。
隣に停まっていたキハ40を指さして、「こいつなら良いんだけれど」と云っていた。
同じ気動車でも運転しやすいものとし辛いものがあるらしい。
運転手の本音を聞く機会はなかなかないので良い機会になった。
11:49松吉始発の肥薩線で嘉例川まで行く。
車内で携帯を使ってANAのホームページにアクセスし、
羽田−女満別の「超割」の座席を取ろうと思ったが、取れなかった。
12:22に嘉例川に到着し、ここで下車する。
この駅で下車したのは自分を含めて2人だが、
後から車で多くの人が押しかけてきて、上り列車が入線してきた時には、
ホームに20人以上の人が溢れていた。
しかもひとりも乗らなかったし・・・。
ここでは休みの日にだけ森の弁当「やまだ屋」が駅弁を売りに来る。
その駅弁は「百年の旅物語『かれい川』」である。
「ようこそ 百年の駅舎 嘉例川駅へ
  駅弁 百年の旅物語『かれい川』
本日のお弁当
(ご飯)
 竹林に囲まれた嘉例川をイメージし、
 霧島市隼人町の棚田で取れたかけ干し米『ひのひかり』に
 地元嘉例川の松下実雄さんが原木栽培した『しいたけ』と
 竹の子を炊き込みました。
(おかず)
ガネ
 鹿児島特産の紅さつまいもの天ぷらです。
 野菜の水分だけで作り、揚げました。
   ※ガネ=鹿児島弁で蟹の事をガネと言います。
       揚げあがった形が蟹に似ている所から
       この名前がついたとされています。
千切り大根の煮物
 嘉例川の豊富な野菜の中から、千切り大根と
 蒟蒻の煮物です。
みそ田楽
 茄子と南瓜を香ばしい手作りの麦みそで田楽に
 仕上げました。
スセ(酢の物)
 大根と人参をさっぱりと仕上げました。
嘉例川コロッケ
 地元のしいたけ、竹の子を混ぜ込んだ満腹コロッケです。」
特にガネは地元の人にも人気があるようで、
ガネだけは別に籠に入れて山のように売っていた。
地元の人が車でこの駅に来て、ガネだけを幾つも買っていった。
駅のベンチでこの駅弁を喰ったが、以外の油が強く、少し食指気味だった。
今まで駅弁で喰いきれないと思った事はないのだが、
今回は少しきつかった。
それでも完食したけれど・・・。
1時間2分の滞在時間で下り列車に乗り、隼人まで行く。

2007/05/05 23:18

※写真:雨の嘉例川駅 撮影時刻 2006/05/13 12:53:23


  7.再びの九州新幹線取材と「平家の郷」のハンバーグ

13:41に隼人に到着し、ここで駅取材してから日豊本線で鹿児島中央に向かう。
隼人で再び「はやとの風」を見かける。
松吉で先に出発して隼人を通り、鹿児島中央で折り返してここまで来たのだろう。
鹿児島中央で予定通りの「つばめ52号」で出水に行く。
予定では新水俣を取材する事になっていたが、
昨日既に取材してしまったので次の出水を取材する。
「出水」は「いずみ」と読み、
東側に九州新幹線専用の駅舎があり、西側にも小さな出口がある。
更に独立した肥薩おれんじ鉄道の駅舎のほか、
廃止された鹿児島本線の出水駅の駅舎もそのまま残っていて、
駅舎自体は使われていないが何故かトイレだけが今での使用されている。
出水駅では肥薩おれんじ鉄道の車両取材もする。
これで現在開業している九州新幹線の駅舎取材は完了した。
再び鹿児島中央まで戻り、宮崎に向かうにはまだ時間が早いので、
在来線で鹿児島駅まで行き、
ここで駅舎取材と鹿児島市電の取材をする。
455系国鉄色を見かけたが一足違いで出発されてしまった。
しかし再び鹿児島中央に戻ると国鉄色の455系がまだ停まっていた。
勿論、慌てて取材する。
予定では20:02鹿児島中央始発の「きりしま16号」で宮崎に向かうことになっていたが、
1本前の18:00初の「きりしま14号」に乗車する。
「きりしま14号」に充当されていたのは赤く塗られた485系である。
水戸岡氏の支持で既存の国鉄車両も奇抜な塗色を施されたが、
485系は真っ赤に塗られ、「RED EXPRESS」と書かれた。
外見の塗色は変更されたが、アコモはそのままで2時間の乗車は正直云ってきつかった。
宮崎に到着し、東横イン宮崎駅前にチェックインする。
荷物を置いて直ぐに出掛ける。
宮崎駅の中にある「平家の郷」というハンバーグとステーキの店で、
ハンバーグ300g\1,250、和食セット\300喰う。
ここはハンバーグをラグビーボール形のまま持ってきて、
店員が目の前で鉄板の上で二つに切り分け、平に成形してくれる。
これは美味かった。
今まで喰ったハンバーグの中で一番美味いと云っていい。
宮崎に来る機会があったらまた是非食べたいと思う。
帰りに駅前を少し歩いてみたら、謎の白い塔が見えた。
天空に向かって一直線に伸びる謎の白い物体だ。
その正体を確かめようと思ったが、夜も遅いので断念した。

2007/05/05 23:59

※写真:入線する800系「かもめ」と頭を下げる清掃スタッフ 撮影時刻 2006/05/13 15:24:27


  8.謎の塔の正体と特急「にちりん」の旅

九州旅行の3日目も6:20a.m.にモーニングコールをセットしたのだが、
6:00a.m.前に自然に目が覚めた。
自宅で過ごす休日でこんなに早く起きる事はない。
シャワーを浴びて7:00a.m.を待って1階に降りて朝食のおにぎりとみそ汁、コーヒー。
一端部屋に戻って歯を磨き、7:20a.m.にはチェックアウトする。
まずは宮崎駅の取材を取材をするが、
昨日見かけた謎の白い塔が気になって、思いきって行ってみた。
そこには昨日と同じ白い巨体が立っていた。
近くに行ってみたら“NIPPON”と書かれていた。
それは宮崎科学技術館の庭の中にある原寸大のH−1国産ロケットの模型だった。
昨日は夜で“NIPPON”の文字が見えなかったので、
巨大な塔のように見えたのだ。
足下にある解説板によると全長は約40mとのこと。
再び宮崎駅に戻って入場して「にちりん6号」を待つことにする。
宮崎駅は普通のJRとは違って上りと下りが別の改札になっている。
私鉄ではたまにあるが、JRでこういう構造の駅は珍しい。
線路は高架上で、高架橋を挟むように駅舎が設置されていて、
東西に出入り口があるが、南北も中央に通路があって、
中央部分にそれぞれ上りと下りで独立した改札口がある。
「にちりん6号」は08:09だが、早めに改札をくぐって待つことにする。
待っている間に713系「サンシャイン」や783系、キハ31形などを取材する。
駅の反対ホームにミステリー列車が入線すると構内放送で行っていたが、
電光掲示板の行き先に「隼人」と表示されていた。
ミステリートレインで行き先を表示しちゃまずいんじゃないのと思っていたら、
直ぐに「?」になった。
このミステリー列車に乗るつもりの客が今の電光掲示板を見たら客にがっかりするだろうな。
713系は交流近郊形車両で、前面のデザインは113系と変わらないが、
九州専用の近郊形ということで60KHzの1電源のみとなっている。
また713系は試作車900番台が4編成8両作られたところで、
国鉄末期の財政状況を配慮して、
廃車になった特急車両の流用で近郊形を作る方法に変わったため、
4編成のみが存在する希少価値の高い列車になった。
現在は赤く塗られて前面に太陽をでデザインし、
廃車になった485系から流用したシートを取り付けてられ、
「サンシャイン」の愛称が付けられた。
少し早めに入線した「にちりん6号」に乗り込み、
また少し取材してから08:09になって大分に出発する。
宮崎から大分まではちょうど3時間の旅になる。
しかし「にちりん」に充当されているのは、昨日「きりしま」で乗ったのと同じ、
赤く塗色変更された485系だった。
お世辞にも乗り心地の良いアコモとはいえない。
それでも3時間我慢して大分まで向かった。

2007/05/06 21:25

※写真:宮崎科学技術館とH−1ロケット 撮影時刻 2006/05/14 07:54:34


  9.久大本線の旅とあっという間の由布院取材

11:09にやっと大分に到着した。
車中爆睡したがそれでも目が覚めてからはやることもなく、
ちょっと苦痛な時間だった。
ここから久大本線は11:25始発のキハ200系に乗る。
56分の旅で由布院に到着する。
由布院は九州でも一番有名と言っていい温泉地である。
またテレビなどの影響もあって女性に人気の観光地としても有名である。
JR九州でもその人気にあやかって、
“ゆふいんの森”やシーボルト再改造の“ゆふDX”などの列車を走らせている。
駅舎は黒い板張りで味わいがあるが、それにしても人が多かった。
駅前には馬車も走っていた。
ホームの中には“ゆふいん驛「あし湯」”があるが、
有料で入るには駅の窓口で足湯券を買わなければならない。
大人\160、小人\80で利用時間は9:00〜19:00である。
それだけでなく、側線には“TORO-Q”が留置されていた。
望遠でそれを狙っていたが、
暫くして一端久留米側に行ってからスイッチバックで入線してきた。
“TORO-Q”はキハ58気動車に挟まれるように連結された、
無蓋車トラ70000形を改造したトロッコ列車で、湯布院から隣の南由布を走る。
予定ではここで1時間38分の取材をした後に、
更に久大本線を横断して久留米まで行き、
特急「有明」で博多側まで行くというものだった。
久大本線は単線非電化路線で、豊後森で行き違いのために44分停車する。
その時間にジョイフルトレイン“ふゆDX4号”も停車する。
また日田彦山線と接続する夜明けでも10分の停車をする。
このルートだと久大本線を横断できるが、
博多での乗り換え時間が45分しかなく福岡空港での時間も39分しか取れない。
そこで急遽久大本線横断は中止し、12:40の下りで再び大分に戻ることにした。

2007/05/06 22:19

※写真:キハ58形「TORO-Q」 撮影時刻 2006/05/14 12:48:27


  10.再びの予定変更とソニックのアコモ−旅の終わり

湯布院から大分に戻る途中、向之原で3分間の停車時間があった。
トイレに行くと同時に駅取材もする。
南大分で“ゆふDX”とすれ違った。
大分に戻ってから一端改札を出て駅取材したあと、
売店で「大分の味物語」という駅弁を購入する。
この駅弁は「『私のレシピ』最優秀作品」だとのこと。
発売は梅乃家で、「この駅弁は二〇〇五年JR九州主催の『私のレシピ』コンクールで、
最優秀賞に選ばれた佐藤逸子様の駅弁です。」と書かれている。
鶏ゆずこしょうマヨネーズ炒め、ネギと油揚げすき焼き、椎茸天、かぼすゼリーなど。
値段は\980で価格の割りにはボリュームは今ひとつだが、
今までの駅弁にはない味を楽しめた。
大分から始発の「ソニック34号」で博多まで帰る。
車両は885系だが、「白いかもめ」用の車両が充当されていた。
以前は「かもめ」と「ソニック」の使用車両はきちんと分けていたが、
最近では混同して使用しているらしい。
「白いかもめ」と「白いソニック」はエンブレムのデザインが違っている。
それでも車内アコモは特急車両の中では最高水準で、
普通車ながら総革張りの座席はやはり気持ちいい。
14:14に大分を出た「ソニック34号」は小倉でスイッチバックし、
約2時間の旅で16:15に博多に到着する。
博多到着が事前の予定よりも1時間早くついたので、
5:30p.m.まで博多駅で車両取材して、
博多駅の地下に行き、「一品香(いーぴんしゃん)」という中華店で、
一品香御膳\1,180喰う。
海老チリ、炒飯、玉子スープ、杏仁豆腐など。
18:28の地下鉄で博多空港まで行き、ここで少し車両取材してから出発ロビーに行き、
手荷物検査をして19:15のANA268便で羽田に向かう。
少し遅れて羽田に到着したため、
予定していた21:00羽田空港発の京急に間に合わず、
211:39発の印西牧の原行きになってしまった。

 −撮影データ−

2006.05.12._1 撮影 459枚 保存 44枚
2006.05.12._2 撮影 215枚 保存 11枚
2006.05.13._1 撮影 444枚 保存 29枚
2006.05.13._2 撮影 480枚 保存 23枚
2006.05.13._3 撮影 113枚 保存 6枚
2006.05.13._4 撮影 117枚 保存 8枚
2006.05.14._1 撮影 494枚 保存 33枚
2006.05.14._2 撮影 118枚 保存 6枚
2006.05.14._3 撮影 66枚 保存 5枚

 合計    撮影 2506枚 保存 165枚 採用率 6.6%

2007/05/06 23:13

※写真:885系のアコモ 撮影時刻 2006/05/14 14:31:37





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