会津の風・伊豆の風



  1.1枚のパンフレット−代替案 土日きっぷの旅

長月白神磐越三陸の旅は2006年9月16日土曜日からの三連休で、
三連休パスを使って計画されたが、
羽越本線の土砂崩れの影響で予定していた寝台特急「あけぼの」の運行が出来なくなり、
計画自体が中止となった。
しかし会社の帰りに入手した1枚のパンフレットが新しい旅の企画を促した。
それは「期間限定・特急あいづ」という1枚ペラのパンフレットだった。
「上野から乗換なしで、極上の会津へ。」というコピーのついたそのパンフレットは、
あかべこのキャラクターの付いた深紅のデザインの485系の車両パンフであった。
長月白神磐越三陸の旅では9月17日日曜日の、
「SLばんえつ物語」の旅の帰りに喜多方から上野に戻るのにも使用する予定だった。
この列車は期間限定のため、来年以降走る可能性は低い。
この時期に是非取材しておかなければならないと思った。
そこで三連休パスではなく、土日きっぷで特急「あいづ」の取材をすることを考えた。
三連休パスは祭日と絡めて三連休になった時に発売されるため、
年間数回のチャンスしかなく、
ちょうど三連休パスではなくても観光需要の上がる日程なので、
なかなか指定席が取り辛い。
そこで全ての週末に使える土日きっぷを使用し、
9月16日からの三連休の一週前の、
9月9日土曜日、10日日曜日に予定を組むことにした。
特急「あいづ」の取材がメインとなるため、上野からこれに乗り喜多方まで行き、
帰りは新幹線で戻る。
次の日は以前から何れは行きたいと思っていた伊豆急全駅取材を決行する。
土日きっぷは\18,000に値上げした時に相互直通する、
北越急行線、伊豆急行線も利用可能になった。
このメリットを生かして伊豆急の駅取材を決行する。
伊豆急は伊東から伊豆急下田まで45.7km、全16駅があるので、
一日に全ての駅取材は不可能なので、
今回は伊豆急全駅取材前編として8駅を取材する。
今回取材できなかった駅については次回の伊豆急全駅取材後編への宿題とすることにする。
こうして以下のような取材計画を立案した。

9月9日(土)

06:04幕張−総武緩行線・上り535B(42)−06:46秋葉原[3]
06:49秋葉原−山手線・内回り606G(3)−06:52上野[34]
07:26上野※−特急「あいづ」(252/4:12)−11:38喜多方[46]
12:24喜多方※−快速AIZUマウントエクスプレス(15)−12:41-57会津若松[92/1:32]
 ※13:38SLばんえつ物語号着
14:13会津若松※−快速3238M(60/1:00)−15:13郡山[17]
15:30郡山−Maxやまびこ119号(34)−16:04白石蔵王[60/1:00]
17:04白石蔵王−Maxやまびこ121号(16)−17:20仙台[20]
17:40仙台※−Maxやまびこ126号(136/2:16)−19:56東京[14]
20:10東京※−しおさい13号(34)−20:44千葉

9月10日(日)

05:59幕張−総武緩行線510C(10)−06:09千葉[16]
06:25千葉※−総武快速線684F(38)−07:03東京[15]
07:18東京※−ワイドビュー東海1号(83/1:23)−08:41熱海[24]
09:15熱海−踊り子183号・下り(50)−10:05伊豆熱川[12]
10:17伊豆熱川−伊豆急・下り5633M(8)−10:24伊豆稲取[38]
11:12伊豆稲取−踊り子182号・上り(20)−11:32-36伊豆高原[48]
 ※足湯「美足の湯」
12:24伊豆高原−伊豆急[リゾート21]・上り5646M(3)−12:27城ヶ崎海岸[29]
 ※足湯「ぽっぽの湯」
12:56城ヶ崎海岸−伊豆急[リゾート21]・下り5643M(21)−13:17伊豆北川[47]
14:04伊豆北川−伊豆急・下り5645M(19)−14:23河津[33]
14:56河津−伊豆急[リゾート21]・下り5647M(15)−15:11蓮台寺[23]
15:34蓮台寺−伊豆急・下り5649M−15:37伊豆急下田[23]
 ※足湯「開国の湯」
16:00伊豆急下田−スーパービュー踊り子52号(176/2:56)−18:56新宿[73/1:13]
20:09新宿−あずさ32号(41)−20:50千葉

この予定に沿って8月9日、10日にJR姉ヶ崎で土日きっぷ\18,000を購入、
9月9日の特急「あいづ」、Maxやまびこ126号、
9月10日のワイドビュー東海1号、スーパービュー踊り子52号の指定席を取り、
全て予定通りに入手することが出来た。

2006/09/13 21:18


  2.特急「あいづ」の旅−あかべこ485系の誕生

土日きっぷの旅、一日目の9月9日土曜日、
5:00a.m.過ぎに起床して予定通り06:04の総武緩行線で秋葉原に出て、
京浜東北線で上野に出る。
特急「あいづ」は“下のホーム”と云われる14番線に入線する。
その前に入線してきた寝台特急「あけぼの」を取材する。
寝台特急「あけぼの」は上野と青森を日本海側から結ぶ夜行列車で、
本来なら来週この列車に乗って三連休パスの旅に出るつもりだった因縁の列車である。
このあと駅弁を購入してから入線してきた特急「あいづ」を取材する。
特急「あいづ」は1959年に準急として登場した。
当時は上野−喜多方間が「ばんだい」、仙台−喜多方間が「あいづ」となっていた。
1968年に上野−会津若松間の特急「やまばと」の名称変更で、
特急「あいづ」が誕生し、仙台発は「いなわしろ」となった。
1993年には上野−郡山間を廃止して短縮化され、
デザインもシルバーメタリックを中心とした近未来的なものに変更され、
愛称名も「ビバあいづ」となった。
この特急「ビバあいづ」にはSLばんえつ物語号に初めて乗った時、
会津若松から郡山にアクセスする時に乗ったが、
指定席を取ったにもかかわらずほとんど乗客がいなかったのを覚えている。
2002年には「ビバあいづ」が「あいづ」に戻され、
2003年には「あいづ」は快速に格下げされた。
去年は「あいづデスティネーションキャンペーン」に合わせて「あいづ」が復活、
今年も引き続きキャンペーンが行われ、
塗色変更された485系「あいづ」が登場した。
あかべこカラーに塗色されたこの列車は07:26に上野駅を出発した。
車内で売店で購入した「秋露のささやき 平成十八年」を喰う。
お品書きには以下のように書かれている。

  吹き寄せ弁当 秋露のささやき
   〜おしながき〜

 黒睦西京焼
 玉子焼
 有頭海老煮
 秋味きのこ和え
 秋刀魚旨煮
 笑い栗
 翡翠銀杏串
 余令子真丈
 炊き込み御飯(有機認証米 秋田県産あきたこまち使用)
  松茸
  赤とんぼ人参
 季節の煮物
  海老芋六方
  がんも
  秋茄子
  木の葉南瓜
  紅葉人参
  絹さや
 干椎茸海老詰揚げ
 タコ唐揚げ
 蓮根天ぷら
 舞茸天ぷら
 青唐素揚げ

 〜秋の食材〜
   松茸 秋刀魚 海老芋 茄子
   栗 むかご 南瓜 舞茸 等々・・・

この弁当は秋になると期間限定で発売されるNREの名物弁当で、
毎年内容が変わるのも楽しい。
上野を出た時はそれほど客が多くはなかったのだけれど、
赤羽、大宮で乗り込んできた客でほぼ満席になった。
弁当を喰ったら直ぐに眠くなり、爆睡する。
結局新白河駅手前当たりで漸く目が覚めた。
黒磯で少し停車して、その時車内の明かりや空調が一瞬消え、暫くしてまた着いた。
直流から交流に制御機器が切り替わったのだろう。
東北本線は黒磯以南が直流、黒磯以北は50KHz交流である。
485系はその両方を走れる国鉄形標準特急である。
黒磯を出た辺りで上りの寝台特急「北斗星」とすれ違う。
郡山の手前で車窓にE993系「ACトレイン」を見かける。
E993系は2002年1月に登場した次世代通勤形の試験車両で、
多くの走行試験から連接構造を継承したE331系が誕生し、
京葉線に試験投入される。
E993系は郡山総合車両センターで解体予定になっているということで、
今まさに解体を待っている状態なのだろう。
このあと郡山ではE331系も見かけた。
郡山から磐越西線にはいるが、ここで4分間停車している間に車両取材、
また会津若松でスイッチバックする時も4分停車してその間に車両取材する。
会津若松でほとんどの客が降りてしまい、
終点の喜多方まで行ったのは2割くらいだった。
11:38に喜多方に到着、あかべこカラーの485系「あいづ」の旅は、
4時間12分という長丁場を終えて、いま喜多方の街で終結した。

2006/09/13 23:13

※写真:喜多方駅に停車中の485系「あいづ」あかべこ塗色 撮影時刻 2006/09/09 11:47:57


  3.会津若松−福島デスティネーションな駅

喜多方で特急「あいづ」の追加取材をしてからから改札を出て駅取材する。
駅前には馬車がいて、駅舎も蔵風の洒落たものである。
駅取材後に改札が開くのを待って「AIZUマウントエクスプレス」に乗る。
「AIZUマウントエクスプレス」は会津鉄道に所属する快速列車で、
会津若松から只見線に入り、西若松から会津鉄道会津線、
会津田島から野岩鉄道会津鬼怒川線、新藤原から東武鬼怒川線に乗り入れ、
鬼怒川温泉まで至る。
使用する車両はキハ8500系で、2002年3月23日に登場した。
この車両は元・名鉄キハ8500系で、
名鉄犬山線からJR高山本線に乗り入れる特急「北アルプス」に使用されていた。
この特急は利用客の減少などから2001年9月30日で廃止となり、
会津鉄道に移籍して「AIZUマウントエクスプレス」となった。
製造が1991年3月でまだ10年しか経っておらず、
アコモも未だに見劣りしない。
車内はシートピッチが広く、窓の作りなども名鉄車両らしさがそのまま残っていて、
普通料金でこの車両に乗れるのは嬉しい。
15分だけのキハ8500系を楽しみ、12:41に会津若松に到着する。
この駅は以前、「SLばんえつ物語号」の旅をした時に既に取材済みであり、
駅の外に出て会津らしい昼食を喰おうと思ったのだが、
駅前にはチェーン店の居酒屋などしかなく、
駅内の立ち喰い蕎麦屋「立ちあおい」でかき揚げ天うどん\360喰う。
このあと少し早めにホームに入ると、会津鉄道の車両が見えた。
AT-500形501号車とAT-550形552号車である。
両方とも2004年3月25日に営業運転を開始した車両で、
AT-500形501号車は「ふるさと列車」と書かれ、
野口英世の顔がヘッドマークになっていて、また英世の母の手紙文字が描かれている。
AT-550形552号車は「2004.11.1 新1000YEN札 発行記念2」と描かれていて、
正面には野口英世と母の写真がラッピングされている。
ここで撮影していると、「SLばんえつ物語号」が入線してくる。
「SLばんえつ物語号」はC57型180号機が牽引する旅客列車で、
1999年4月29日に磐越西線に登場した。
登場から7年経ってもその人気は衰えず、ほぼ満席だった。
そのほか、「極上の会津」キャンペーンに合わせて、
あかべこのステッカーを貼った455系なども取材する。
会津若松駅の改札の外には蒲生氏郷についての掲示があった。

蒲生氏郷(1556〜1595)

氏郷は、近江(現在の滋賀県)に生まれました。
幼い頃に織田信長に才能を認められ、
いくさでも次々と戦功をあげました。
やがてこの地の領主となった氏郷は、
町並みの整備や産業をおこしたり、
また町の名前を「若松」とし、初めて天守閣も建てました。
このときの天守は七層だったと言われています。
茶人としてやキリシタン大名としても有名で、
また武将としても、東北各地の平定に力を尽くしましたが、
40歳という若さで急死してしまいました。
彼の子の秀行が継ぎますが、激動の戦国の世の中で、
三代の忠郷で蒲生家は途絶えてしまいました。

蒲生氏郷は織田信長の娘、冬姫と結婚し、
その息子の秀行は徳川家康の娘、振姫を妻に迎えて忠郷が誕生した。
蒲生氏は三代で途絶えたが、
今でも会津地方の英雄として伝えられているようである。
会津若松で充分車両取材し、
13:54会津若松始発の快速で郡山に向かう。
455系もあかべこのステッカーが貼られていた。

2006/09/15 20:41

※写真:会津若松駅 撮影時刻 2006/09/09 13:05:09


  4.温麺と味噌焼ステーキ弁当からの煙

約1時間の旅で455系快速は郡山駅に到着する。
ここでの取材時間は31分。
郡山駅は既に取材済みなので改札の外には出ず、ホームで車両取材する。
留置線の端の方に元・仙石線103系が見えた。
東北本線は黒磯以北は交流なのだが、仙石線だけはその設立の経緯から直流なのである。
たぶん解体のために甲種回送されたのだろう。
このあと新幹線ホームに上がってE3系などを取材し、
15:30郡山発のMaxやまびこ119号に乗り、34分で白石蔵王に到着する。
ここでの取材時間は1時間。
駅取材後に「温麺の館」を見学する。
“温麺”は「うーめん」と読み、白石の名産物である。
「温麺の館」はこけしと温麺の展示施設で、無人で無料である。
温麺の伝統の製造法を等身大の人形を使って展示していた。
また「温麺の由来」が掲示されており、以下のように書かれている。

白石の短ヶ町検断(宿場の取締)をつとめる久左衛門は、
胃弱のため絶食することもあり、衰弱がひどく、
親孝行な浅右衛門を大変心配させました。
久左衛門は麺好きのため病中にそうめんを食べたいと訴えますが、
医者は、そうめんには油が使われ、消化が悪いと食べることを許しません。
油を使わないそうめんをさがし求めましたが、どこにもありませんでした。
ある時、雲水(旅の僧)から油を使わない麺があることを聞いた浅右衛門は、
その製法を習い、苦心の末、油を使用しない麺を作ることに成功し、
これを温めて父親に食べさせました。
小麦粉と塩水だけで作られたこの麺は、口ざわりがさわやかで、消化がよく、
滋養に富み長年わずらっていた胃病もたちまち治ってしまいました。
味右衛門の親孝行な温かい心をほめたたえ、
人びとは、この麺を温麺と呼ぶようになりました。

これはやがて片倉氏の食膳に上り、片倉氏から仙台藩主に献上されると、
大いに美味を賞められ、帯刀を許され、味右衛門と改名を命じられ、
作る温麺は御膳温麺と名付けられました。
味右衛門は、温麺のつくり方を人びとにひろめ
白石の物産とするように努めたと伝えられています。

白石蔵王は駅蕎麦まで「温麺」である。
17:04にMaxやまびこ121号で仙台に出て、
20分の乗り換え時間で始発のMaxやまびこ126号で東京に戻る。
仙台では「牛タン弁当」を購入するつもりだったが、
売店の張り紙で、「仙台黒毛和牛味噌焼ステーキ弁当」を見かけ、
思わずこちらを購入してしまった。
この「味噌焼ステーキ弁当」もひもを引き抜いて温める加熱式容器を採用している。
加熱式容器は以前「牛タン弁当」で経験済みだが、
この時は加熱する仕組みであることを知らず、
喰い終わってから「この紐は何だろう?」と思って引っ張ったところ、
煙が出てきて、しかも弁当は食い終わったために空焚きになり、
容器が焦げだして大変な目にあった。
危うく新幹線の車内で火事になるところだった。
今回はちゃんと説明書き通りにやったが、
それでも煙が出てきて通路を挟んだ隣の人も驚いていた。
この弁当は大きさは大きいのだが、その半分以上は発熱ユニットになっていて、
本来の弁当の量は少なめだった。
東京で「しおさい13号」に乗り換えて千葉まで行く。
今回も255系だった。
外房線は誉田の人身事故で止まっているらしく、外房線ホームは混雑していた。
「万葉軒」で冷やしたぬきそばを手繰って帰る。

2006/09/16 22:39

※写真:白石蔵王駅構内の「温麺の館」 撮影時刻 2006/09/09 16:21:41


  5.特急「東海」のアコモデーション−家康の湯

土日きっぷの旅、二日目の9月10日日曜日、
5:10a.m.に起床し、予定通り05:59総武緩行線下りで千葉へ行き、
予定より1本早い06:12始発の総武快速線逗子行きで東京まで出る。
東京駅の「善まい」で常盤軒「二折鳥そぼろ弁当」\950購入する。
この弁当は折り詰めが2段になっていて、中身は、
茶飯、煮物(筍、人参、里芋、その他)、オムレツ、焼鮭、海老フライ、さつま揚げ、
ポテトサラダ、肉団子、ちくわ天ぷら、ロースハム、付合せ等。
07:18東京始発の「ワイドビュー東海1号」に乗って熱海を目指す。
「ワイドビュー東海」はJR東海に所属する373系で、
1995年に登場した特急型車両である。
東京から静岡までを結ぶ「ワイドビュー東海」のほか、
静岡−甲府間の特急「ワイドビューふじかわ」、
豊橋−飯田間の特急「ワイドビュー伊那路」にも使用される。
また「ワイドビュー東海」の東京着最終車両はそのまま、
快速「ムーンライトながら」として夜行として大垣まで行く。
回転リクライニングシートはシートピッチ97mmと広めで、
1号車3番A席と正面に近かったが、
貫通車ながら前面眺望にも気を配っているデザインで、アコモは快適だった。
1時間23分の旅で熱海に到着する。
熱海に到着して1番線伊東線のホームに停車していた伊豆急8000系を取材し、
一端改札の外に出る。
伊豆急8000系は親会社である元・東急8000系で、
海側の席をボックスシートに改造してある。
熱海駅は既に取材済みではあるが、
駅前には熱海軽便鉄道7機関車が静態保存されており、それを見に行った。
そこで軽便機関車の隣に足湯が出来ていることを発見する。
以前に来た時は足湯はなかった筈だ。
「熱海温泉大間欠泉足湯 家康の湯」と名付けられていて、
1604年(慶長9年)3月に徳川家康が7日間熱海に滞在した、
その400周年記念として設置されたものであるらしい。
今回の旅では伊豆急の駅に設置されている3つの足湯を楽しむのも裏テーマであるが、
ここで早速一つ追加して「家康の湯」を楽しむことにする。

 家康の湯

1.温泉名/熱海134号泉(熱海市田原本町145−17・高架温泉槽)
2.温泉の泉質/ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩温泉
       (低張性・弱アルカリ性・高温泉)
3.源泉の温度/68.9度
4.温泉を公共の浴用に供する場所における温泉の温度/42度
5.温泉の成分(pH 8.1)
   陽イオン
    Na 704.7mg/kg
K 33.4mg/kg
Mg 4.0mg/kg
Ca 599.8mg/kg
Mn 0.2mg/kg
   陰イオン
Cl 1594.0mg/kg
Br 1.7mg/kg
I 0.3mg/kg
So4 796.2mg/kg
HCO3 38.0mg/kg
   非解離成分
H2SIO3 98.6mg/kg
HBO2 10.4mg/kg
HAsO2 0.4mg/kg
   その他微量成分
Al <0.02mg/kg
OH 0.021mg/kg
Fe 2 0.06mg/kg
Cu <0.01mg/kg
T-P <0.03mg/kg
Fe 3 <0.05mg/kg
CO2 <0.1ng/kg
   溶存ガス成分
CO2
   総成分
3.882g/kg

泉質別適応症はきりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、
動脈硬化症とのこと。
このあと予定では熱海で24分の待ち時間で、
特急「踊り子183号」で伊豆熱川まで行くことになっていたが、
1番線にリゾート21が入線してきたので、
始発のリゾート21普通車に乗って伊豆稲取まで行く。
リゾート21は伊豆急が自社発注した観光特化の車両で、
普通車ながら海側に向かったベンチシートや、
先頭車両の半分を展望車にするなどの工夫が見られる。
勿論最前列の展望席に陣取り、前面眺望を楽しみながらの旅を楽しむことにした。
この列車は09:35発で、予定より20分遅れということになる。
この段階で綿密に立てた計画はほとんど白紙撤回となってしまった。

2006/09/17 00:22

※写真:JR熱海駅前の足湯「家康の湯」 撮影時刻 2006/09/10 08:53:31


  6.リゾート21の旅−美足の湯

伊豆急2100系は「リゾート21」の愛称を持つ特急対応車両で、
実際に特急「踊り子」として使用される車両である。
しかし車両運用によっては普通車としても使用される。
つまり普通運賃のみで特急車両に乗ることもできるのである。
伊豆急普通専用車はJR東日本から導入した113系及び115改造の200系と、
親会社である東急から導入した8000系があるが、
同じ料金なら2100系の方が断然良い。
8000系は海側をボックスシートに改良してあるものの、
2100系から比べると見劣りは否めない。
伊豆急は海岸線を主に走る路線で、
その分塩害による車両へのダメージも大きく、
特に鋼製車両は寿命も短く、今後は200系及び2100系を、
ステンレス車両である8000系への置き換えが進行しつつある。
2100系の前面眺望を楽しめるのもあと僅かであろう。
09:35に熱海を出発し、各駅に停車して伊東まで行く。
ここからは乗務員がJR東日本から伊豆急の職員に代わり、
さらに伊豆急下田まで各駅に停車しながら進んでいく。
最前列の展望席に陣取って前面眺望を楽しみながら、伊豆稲取まで行く。
予定では伊豆熱川で下車することになっていたが、
この前面眺望は少しでも楽しんでいたいと思った。
10:57に伊豆稲取に到着して駅取材する。
伊豆稲取は伊豆バイオパークや稲取温泉の最寄り駅で、
駅前には何故か“金目鯛”の金属製オブジェが設置されていた。
伊豆稲取で取材後に11:12発の「踊り子182号」で伊豆高原へと戻る。
「踊り子182号」にはJR東日本185系が充当されていた。
185系は通勤需要にも応需できる特急車両として、
国鉄時代に183系特急形の後続車両として1981年に登場した。
既に登場から25年が経過し、そのアコモは他の特急車両と比べると見劣りがする。
183系は定期運用から次々と脱却しているが、
185系は相変わらず東海道本線の「踊り子」と、
高崎線系統の「あかぎ」、「水上」、「草津」などに充当されている。
今回はフリーきっぷで乗ったが、
正直云って特急料金を払ってまで乗りたいと思えない車両である。
伊豆高原は伊豆急の車両基地も兼ねる中心的な駅である。
駅舎は「やまもプラザ」という観光施設にもなっている。
駅前には「美足の湯」という足湯があり、早速入ることにした。

 美足の湯

1.源泉名及び採水地/片瀬11号、片瀬20号、片瀬21号、
           奈良本45号、白田11号
           静岡県伊東市八幡野字平松1208−54
2.泉質/ナトリウム−塩化物・硫酸塩温泉
3.泉温/採取地 56.2度
     (調査時の気温 6.0度)
4.温泉の成分(pH 7.8)
   陽イオン
    Na 447.2mg/kg
K 31.0mg/kg
Mg 3.4mg/kg
Ca 99.7mg/kg
Mn 0.2mg/kg
Fe 0.2mg/kg
   陰イオン
F 0.5mg/kg
Cl 574.2mg/kg
Br 0.6mg/kg
I 0.2mg/kg
So4 353.7mg/kg
HCO3 114.3mg/kg
NO3 7.9mg/kg
NO2 0.1mg/kg
   非解離成分
HAsO2 0.3mg/kg
H2SiO3 127.9mg/kg
HBO2 12.1mg/kg
   溶存ガス成分
CO2 10.8mg/kg
   その他微量成分
Al 0.03mg/kg
Zn 0.029mg/kg
OH- 0.011mg/kg
HPO4 0.08mg/kg
NH4 <0.1mg/kg
Fe <0.05mg/kg
Cu <0.01mg/kg
Pb <0.01mg/kg
Cd <0.005mg/kg
T-hg <0.0005mg/kg
T-Cr <0.02mg/kg
   総成分
1.785g/kg

効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、
痔疾、冷え性、慢性皮膚病、病後回復期、疲労回復、健康増進、動脈硬化症だそうである。
足湯を楽しんだあとに再び伊豆高原駅に入場して、
ホームに停車中の車両は側線に留置されている車両を取材する。
車庫には2100系黒船電車塗色の中間車両が留置されていた。
「黒船電車」はキャンペーンで登場した黒く塗られた特別塗色の2100系のことである。
今は既に黒船塗色はないといわれているので、
たぶん廃車のために留置されているのであろう。
やはり2100系の廃車は進んでいるようである。
伊豆高原12:00ちょうどの列車で城ヶ崎海岸へと向かった。

2007/05/23 23:21

※写真:伊豆急伊豆高原駅前の足湯「美足の湯」 撮影時刻 2006/09/10 11:41:39


  7.伊豆急駅取材と伊豆下田弁当−ぽっぽの湯

城ヶ崎海岸駅はログハウス風の木造駅で、
その2階はカフェになっている。
駅名は“城ヶ崎海岸”だが、実際に海岸までは徒歩で約30分かかるらしい。
この駅にも「ぽっぽの湯」という足湯があり、駅取材後に入る。

 ぽっぽの湯

1.源泉名及び採水地/白田11号、奈良本、湯ノ沢1号、湯ノ沢3号、
           湯ノ沢4号、高原1号、三ノ原1号、三ノ原2号
           静岡県伊東市富戸字小野間908−37
2.泉質/ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩温泉
3.泉温/採取地 50.4度
     (調査時の気温 20.5度)
4.温泉の成分(pH 8.1)
   陽イオン
    Na 379.0mg/kg
K 24.9mg/kg
Mg 3.0mg/kg
Ca 145.3mg/kg
   陰イオン
F 0.5mg/kg
Cl 520.6mg/kg
Br 1.0mg/kg
NO3 6.0mg/kg
So4 410.7mg/kg
HCO3 108.8mg/kg
HPO4 0.2mg/kg
   非解離成分
H2SiO3 103.7mg/kg
HBO2 14.4mg/kg
HAsO2 0.3mg/kg
   溶存ガス成分
CO2 4.4mg/kg
   その他微量成分
Al 0.03mg/kg
Fe 0.07mg/kg
I 0.08mg/kg
OH 0.021mg/kg
NO2 0.07mg/kg
 総成分
1.723g/kg

効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、
慢性消化器病、痔疾、冷え性、慢性皮膚病、虚弱児童、病後回復期、疲労回復、
健康増進、動脈硬化症だとのこと。
足湯を楽しんだあと、12:21発の電車で伊豆熱川に行く。
伊豆熱川は伊豆急の駅の中でも開けている部類に入る駅で、温泉地としても有名である。
駅前には「熱川湯の華ぱぁ−く」があり、温泉やぐらも建っている。
また駅前には観光地にやたらといる「辰ちゃん漬け」の赤いエプロンをした梅宮辰夫人形もあった。
時間があったので少し歩いてお湯かけ弁財天まで行ってみる。
また駅の裏側には「熱川バナナワニ園」がある。
“熱川”の地名は江戸時代に太田道灌が天城に狩りに来た際、
川から温泉が沸いているのを発見したため、「熱い川」から「熱川」になったそうだ。
熱川で昼食を喰えそうなところが見つからず、13:05上り電車で伊豆北川に行く。
伊豆北川は「ほっかわ」と読み、江戸城築城石の石丁場のあった場所として有名だそうで、
駅前にはそのことが書かれた看板が立てられている。

NHK「小さな旅」の伊豆北川駅へようこそ

 東伊豆町と江戸城の築城石

天下分け目の関ヶ原の合戦で大勝利した徳川家康は、
慶長9年(1604年)江戸城の拡張工事を全国の諸大名に対して天下譜請を布告した。
その中で、築城用の石材を採取運搬すべき命令を西国の外様大名に下し、
石高10万石につき「百人持ち石」(人夫百人で運搬できる石)の大石を1120個あて課した。
このため慶長11年3月には、築城石を求めて伊豆東海岸には多くの大名が渡来してきた。
大川、北川地区の山々には、4百年前の姿そのままの築城石丁場跡が多く残されており、
一歩山に踏み込むと、そこには多くの名もない人夫達が諸藩の命令により
懸命に巨石と取り組んだ姿が思い出される。
また最盛期には、山中から流れる川の水が米の研ぎ汁で白くなったといわれるほど、
多くの人夫が採石に携わっていた。
江戸城修築には慶長11年から30年余りの間続き、
最盛期には「百人持ち石」2個を積んだ石船3000艘が月に2度、
江戸と東海岸との間を往復したと当代記に期されている。

                                      伊豆北川駅長

伊豆北川で駅取材した後に13:17発下り電車で終点の伊豆急下田に行く。
駅取材したあとに売店で「開港弁当」を購入し、特急「踊り子」に乗り込む。
駅弁を喰うためだけに特急に乗ったのだ。
「開港弁当」の包み紙には「伊豆下田弁当」と書かれていて、
更に「嘉永七年ペリー提督が来港し、
安政三年にはハリス総領事が玉泉寺に着任して伊豆下田は日本歴史の舞台になりました。
この時ハリスに仕えた唐人お吉をはじめ若き獅子吉田松陰など
多くの人びとの数知れぬ物語が特有のナマコ壁のひとマスひとマスに塗り込められています。
黒船がもたらした情緒溢れる港町下田の味わいをお楽しみ下さいませ。」と書かれていた。
原材料にはいか、桜海老、金目鯛、えび、さざえ、いわしすり身、さつま揚、大根、わさび茎、
ひじき、米、卵、サラダ油、塩、玉葱、人参、正油などが書かれている。
駅弁を喰い終わったところで特急「踊り子186号」を下車した。
そこは河津だった。

2007/05/29 22:32

※写真:伊豆急城ヶ崎海岸駅の足湯「ぽっぽの湯」 撮影時刻 2006/09/10 12:17:33


  8.特急「スーパービュー踊り子」のアコモデーション−開国の湯

河津で駅取材してから14:56発の下り電車に乗る。
熱海で20分遅れになってから予定とは完全に違った行動になったが、
この5647Mは予定していた列車だった。
ここからは予定通りに行動することにする。
5647Mで蓮台寺に行くのだが、
すれ違いのために稲梓に4分間停まったので、
この僅かな時間を利用して駅取材する。
蓮台寺は駅名表示板に「蓮台寺(西伊豆口)」と書かれている。
わざわざ「西伊豆、松崎・堂ヶ島ゆきバスのりかえ」とまで書いてある。
蓮台寺駅前は稲生沢川がしずかに流れる閑静なところだが、
西伊豆方面のバスターミナルの役目もあるのだ。
このあと15:21の「リゾート踊り子」で伊豆急下田まで行くが、
改札を出る時に全席指定なので本来は指定料金を徴収するのだが、
まあ、知らずに乗ったので今回は良いと云われた。
昼食を買うために一度伊豆急下田には来て駅取材しているが、
ここで再び駅取材する。
伊豆急下田は伊豆急の終点であり、また駅前には寝姿山のロープウェイの乗り場がある。
駅取材後にここにある足湯「開国の湯」に入る。

 開国の湯

1.温泉名、ゆう出地又は採取地/下田市中字大畑ヶ217−7
               混合泉、大沢2号他15源泉
2.泉質/単純温泉(弱アルカリ性・低張性・高温泉)
3.泉温/源泉地又は採取地 55.2度
4.温泉の成分(pH 8.1)
   陽イオン
    Na 138.4mg/kg
K 9.1mg/kg
Mg 0.8mg/kg
Ca 51.1mg/kg
Mn 0.04mg/kg
Fe 0.06mg/kg
   陰イオン
Cl 116.5mg/kg
Br 0.6mg/kg
I 0.2mg/kg
So4 220.0mg/kg
HCO3 53.3mg/kg
   非解離成分
H2SiO3 81.8mg/kg
HBO2 0.8mg/kg
   その他微量成分
Al+++ 0.04mg/kg
Fe+++ 0.05mg/kg
Cu++ 0.02mg/kg
OH- 0.021mg/kg
HASO2 0.013mg/kg
T-P 0.03mg/kg
   総成分
0.677mg/kg

適応症は神経症、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、
慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進などだそうである。
地ビールなどをおみやげとして購入し、
16:00発の「スーパービュー踊り子52号」に乗り込む。
アコモ改後は初めての乗車となる。
「スーパービュー・・・」に充当されているのは1990年に登場した251系で、
ハイデッカーとダブルデッカーの観光特化の車両である。
窓が天井まで続いていて、景色をより堪能できるように工夫されている。
しかし誕生から15年以上経過し、さすがにアコモも見劣りするようになった。
そこで最近ツートンカラーの塗色に変更し、アコモも改良されたのだ。
おかげで快適な旅だが、少し車内を冷やしすぎているようで寒かった。
冷凍庫のマグロになった気分だ。
伊豆急下田で乗車した時はそれほどでもなかったが、途中から混み始めた。
横浜では「はやぶさ/富士」とすれ違った。
品鶴線から山手貨物線に入り、新宿で下車する。
久しぶりに新宿に来たが、中の構造が変わっていた。
新南口と総武線などのホームが直接繋がっていた。
以前は埼京線や中央本線特急用のホームにしか行けなかったのだが・・・。
中央快速線で中野に行き、「ハンバーグハウス」でチーズバーグ\720喰う。
再び中央快速線で新宿まで戻り、20:09新宿発の特急「あずさ32号」で千葉まで行く。
特急「あずさ」は原則的に新宿−松本間を結ぶ中央本線の特急だが、
夜の下りと朝の上りの1本ずつが千葉まで延長運転される。
折角土日きっぷで特急自由席には乗り放題の権利があるので、
それを使って千葉まで行くことにしたのだ。
20:50に千葉に到着し、21:02の中野行きで帰る。

2007/05/29 23:28

※写真:伊豆急・伊豆急下田駅前の足湯「開国の湯」 撮影時刻 2006/09/10 15:31:37




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