三連休パス−雪物語



 1.リベンジ

前回の三連休パスを使った0泊3日の旅ではいろいろと収穫があった。
しかしやり残したこともあった。
その一つが秋田駅の撮影である。
秋田に着いた時にはすでに空は暗くなっていて、駅舎の取材は夜間撮影になってしまった。
自分ではきちんと撮影したつもりでいたのだが、
戻って画像を開いてみて、かなりピンボケになっていて、
とてもホームページで発表する画像には使えないことが分かった。
そこで今回、2月の三連休を利用して再び秋田に赴き、秋田駅の再取材をしたい。
そのほか前回の旅行でそれまで乗っていなかった東北新幹線仙台以北と秋田新幹線に乗車したことから、
JR東日本管区の新幹線の乗りつぶしを完了したつもりになっていたが、
よく考えてみたら冬季期間限定路線、越後湯沢−ガーラ湯沢間の乗りつぶしが完了していない。
この冬の時期を逃してはまた乗ることが出来なくなってしまうため、この区間を乗りつぶし、
目出度くJR東日本管区新幹線乗りつぶしを完了したい。
2月9日〜2月11日、この三連休を利用して再び0泊3日の旅に出よう。

2月9日は山形新幹線「つばさ」新庄まで行き、陸羽西線で余目に出て、
羽越本線で坂田まで行き、「いなほ」で秋田に出て、秋田新幹線「こまち」で東京まで帰る。

2月10日は上越新幹線「あさひ」で新潟に行き、ジョイフルトレイン「きらきらうえつ」を楽しみ、
鶴岡から「いなほ」で新潟まで戻り、上越新幹線「あさひ」で越後湯沢、
「たにがわ」でガーラ湯沢まで往復してから東京まで戻る。

2月11日は午前中「ワイドビュー東海」で熱海、伊東線で伊東まで行ってから「踊り子」で東京まで戻る。
午後は新宿まで出て「あずさ」で小淵沢まで往復する。

今回の0泊3日の旅は波乱含みだった。
それはまだ旅立つ前のきっぷ購入の時に始まっていた。
この予定表を持って1月9日、この2月の三連休パスの発売当日、JR津田沼駅のみどりの窓口に行った。
しかしこの予定は半分しか実行されないことになってしまった。

Date: 28 Feb 2002 23:22:53


 2.5万円/5日間

三連休パスは24,000円で3日間、
JR東日本管区の新幹線を含む特急、急行、普通電車の普通席に乗り放題というもの。
しかも指定席を取ることが出来るのである。
本来ならばこの割引切符を使って2泊3日の旅行などに出かけるのだろうが、
目的はあくまでも鉄道写真の撮影であって、宿泊にお金をかけるわけには行かない。
それに3月にはANAの超割をつかって北海道に行き、
ここでJR北海道の特急車両の取材旅行も計画しているため、無駄な出費は許されない。
2月の三連休と3月の土日を使った北海道旅行、合計5日間で予算は50,000円なのである。
北海道旅行では当然宿泊しなければならないから、
その時のホテル代を考慮すると今回は切符代だけで予算は使い切ってしまうことになる。
だからこの三連休パスでは0泊3日の旅、つまり3日間で日帰り旅行を3回するのである。
2月3月の連続旅行で予算は50,000円、そして撮影目標は1,000枚である。
雪のロケ地でこれだけの写真を撮るというのは至難の業かもしれないが、敢えて挑戦する。

Date: 28 Feb 2002 23:23:37


 3.追いかけて・・・雪国!

三連休パスの発売日1月9日、
仕事の帰りにJR津田沼駅のみどりの窓口に行って早速三連休パスを購入した。
今はVISAカードが使えるため、事前に銀行でお金をおろして用意しておく必要もない。
便利になったものである。
ところがここで大きなアクシデントがあった。
きっぷは買えるが指定席は空くまでも1ヶ月前からで、
今日1月9日に取れるのは2月9日分だけとのことであった。
10日分は明日、11日分は明後日に来るようにとのこと。
とほほ・・・。
しょうがないので翌日に行って2月10日分の指定席を予約しようとした。
しかし今度は新潟から鶴岡の「きらきらうえつ」の指定席が満席になっていたのである。
これb黷ナも10分もすると大まかの構図での撮影が終わり、
仕方がないので雪の降る中、街へと歩いていく。
商店の大半はシャッターを下ろしている。
駅前も商店街という感じではなく、普通の町並みが続いている。
その中でやっている一件の食堂に入った。
「かなめ食堂 当店は80年の歴史をもっております。42-3068」とメニューに書かれており、
ここでカツ丼700円をオーダーする。
他には客は一人だけだ。
このかなめ食堂も昼食時だというのに殆ど客が入っておらず、
外の様子と同様、冬の寒さが店の中にまで吹き込んでいるようだ。
本当は寒さからラーメンでも頼もうと思って入ったのだが、
隣の客はラーメンを喰っていて、箸で持ち上げると麺が一つの固まりになっていたのを見て、急遽カツ丼に変更した。
しかしこのカツ丼もカツは揚げ過ぎで焦げていて、とても美味いと云えるものではない。
店の歴史と味とは必ずしも正比例しないようである。
頭痛も手伝って、すべて喰うのがやっとだった。
このあと駅の待合室で時間を潰す。
12:47羽越本線のキハ110系で酒田を目指す。
酒田までは16分だった。

※写真:余目の「かなめ食堂」 撮影時刻 2002/02/09 11:40:20

Date: 28 Feb 2002 23:28:50


 6.クロハ481

酒田に着くと雪はいっそう激しさを増していた。
ここで14:38発の「いなほ5号」秋田行きの待ち時間、95分間鉄道写真を撮りまくる。
余目で撮影した“きらきらうえつ”が留置線に停車していて、
それを望遠いっぱいいっぱいで何とか撮る。
その他、キハ47+キハ47+キハ40の新潟方面からの気動車や、
13:56発の「いなほ12号」などを撮影する。
激しい雪とあまりの寒さに、撮影の合間に待合室に飛び込んで暖を取り、
被写体が来たらすぐに出てまた撮影するという過酷な撮影が続いた。
嬉しいことに酒田駅の待合室にはストーブがついていて、それで暖まることが出来た。
14:38、「いなほ5号」秋田行きが到着する。
座席は1号車9番A席で、この車両はクロハ481-1023だった。
つまり先頭車両で運転席が着いているのだが、車両が真ん中で仕切られていて、
前半分がグリーン車、後ろ半分が普通車になっている。
485系では、よくこのクロハ481という車両を接続していることが多い。
秋田までは86分、まだ日のある16:04には秋田に着く。

※写真:酒井駅に入線した特急「いなほ」 撮影時刻 2002/02/09 15:00:07

Date: 28 Feb 2002 23:30:00


 7.急行「よねしろ」

今回の旅の目標の一つに、「リベンジ」というテーマがある。
前回の0泊3日の旅では秋田に着くのが日没になってしまい、駅舎撮影が夜になってしまった。
そのため夜間撮影で良くありがちなフラッシュを使わずに味のある色合いを出そうとして、
ピンボケ写真を撮ってしまった。
そのため今回再び秋田を訪れたのは、ホームページで使えるような真っ当な秋田駅駅舎の写真を撮ること、
それも大きな目的の一つだった。
秋田駅での滞在時間は141分、その間に時間をかけて秋田駅駅舎の取材も出来た。
その他、青森から来た3両編成の485系特急「かもしか」、
男鹿半島へ行く男鹿線のキハ40やキハ48、
大阪から臨時の「団体」寝台特急。
これはEF81電気機関車が24系25型客車を牽いていた。
今回秋田に来た目的は駅舎撮影のほかにもうひとつあった。
それは急行「よねしろ」の撮影である。
JR東日本管区では盛岡−釜石、宮古を結ぶ「陸中」と並んで、唯一の定期運行されている急行で、
しかも「陸中」は新開発のキハ110系が使われているのに対し、
「よねしろ」はまだ旧型のキハ58系が使われている。
18:11発の急行「よねしろ」が到着するのを待って、
ホーム内のkioskでぶっかけうどん430円で暖を取る。
ぶっかけうどんはあげ玉、なると、わかめ、山菜がトッピングの立ち食いうどん。
すっかり辺りも暗くなった頃、急行「よねしろ」用のキハ58系が秋田駅に入線してきた。
雪の降る中、夢中で「よねしろ」用のキハ58を撮り続ける。
今日の最大のテーマでもあった急行「よねしろ」。
その姿を満足がいくまで撮り続けた。

※写真:雪の中の急行「よねしろ」 撮影時刻 2002/02/09 18:16:32

Date: 28 Feb 2002 23:31:09


 8.秋田味めぐり弁当

急行「よねしろ」は18:11秋田駅発。
そして秋田新幹線「こまち」の東京行き最終列車は「こまち28号」で秋田駅を18:25に出る。
つまり「よねしろ」を撮影してすぐに新幹線に乗らなければ間に合わない。
「よねしろ」を見送っていては時間が間に合わないと思い、
泣く泣く途中で切り上げて新幹線ホームに向かう。
この秋田駅は青森から「かもしか」できた客の利便性を考えて、
かもしかのホームの反対側が秋田新幹線のホームになっている。
正確に云うと、新幹線用のホームの先っぽの方に、
3両編成の短い特急「かもしか」のホームがついているといった感じだ。
逆に秋田駅から改札を通って「かもしか」に乗る場合
、新幹線ホームには在来線のきっぷでは入場出来ないため、
他のホームに降りて、再び階段を上って乗り換え専用の通路から「かもしか」のホームに降りなければならないという、
ちょっと不便なことにもなっている。
ホームの売店で、前回の時は“あきたこまち弁当”を買ったので、
今回は夕食用に秋田味めぐり弁当1,000円と生茶150円を購入する。
ここまで来て漸く頭痛は完全に消失したが、
大事を取って今回はビールはやめておいた。
秋田新幹線が発車間際になって国鉄色の「いなほ」が入線してきた。
思わず降りて撮影に行っちゃおうかとも思ったが、
それだと帰れなくなっちゃうので泣く泣く諦める。
とほほ・・・。
東京までは247分。
秋田味めぐり弁当を食べ、あとは殆ど寝て帰る。
因みに“秋田味めぐり弁当”の中身は、ご飯、玉子焼き、焼き鮭、鶏照焼、鰺の酢の物、ハタハタ甘露煮、付合せ等である。
22:32、4時間をかけて漸く東京に着く。
7番線に373系が入線したのを見かけて、
ヘッドマークが「ムーンライトながら」になるのを待って撮影などしていたものだから、
東京を出たのが23:02の千葉行き総武線快速だった。
津田沼で各駅に乗り換えて帰る。
家に着いたのは11:56p.m.だった。

※写真:秋田味めぐり弁当 撮影時刻 2002/02/09 18:21:12

Date: 28 Feb 2002 23:32:48


 9.国境の長いトンネルを抜けると・・・

0泊3日の旅、二日目は本来新潟から「きらきらうえつ」に乗る予定だったが、
この指定席券が取れなかったため、急遽予定を変更して午前中は直江津で取材する。
5:40a.m.起床、予定では06:56発の各駅停車で津田沼まで行き、
そこから快速で東京まで行くつもりだったが、
支度が早く出来たので予定より1本前の電車でそのまま秋葉原経由で東京に行くことにする。
秋葉原の駅は昨日程混んでいなかったが、上越新幹線のホームへあがると、そこはスキー客でごったがいしていた。
特に自由席は長蛇の列だった。
ホームの売店で鳥めし780円と缶ビール350ml230円を買って車内で喰う。
昨日は缶ビール500mlで頭痛がしてきたので、今日は昨日の反省から・・・350mlにしました。
07:48発の「あさひ307号」新潟行きで長岡を目指す。
座席は8号車17番C席で、3人掛けの通路側だ。
指定席だが出席はほぼ埋まっていて、デッキにも指定権を持っていない客で溢れていた。
殆どがスキー客だろう。
新幹線は順調に進んでいった。
国境の長いトンネルを抜けると、そこはいきなり雪国になっていた。
トンネルの前は雪の欠片さえなかったのに、トンネルから出ると辺り一面雪が降り積もっていた。
川端康成の小説の一節通りだ。
特に越後湯沢ではすごく積もっていて、線路にスプリンクラーで汲み上げた温泉水を撒いている。
満席だった車内も、越後湯沢で大半の客が降りて、
ここを過ぎると乗車率は1割りくらいになってしまった。
09:26、「あさひ307号」は長岡駅に滑り込む。
新潟までの指定席券を持っていたが、ここで下車して直江津を目指す。

※写真:朝食の「鳥めし」とビール 撮影時刻 2002/02/10 07:56:44

Date: 28 Feb 2002 23:33:55


 10.直江津デイドリーム

長岡駅での取材時間は23分。
ここでリニューアルされた485系「北越」や485系「みのり」等を撮影する。
それから急いで改札を出て駅舎を撮影する。
時間がなく、この時は北口大手口しか取材出来なかった。
東口悠久山方面は帰りに取材することにしよう。
09:47長岡発の特急「みのり2号」で56分、直江津を目指す。
写真を撮っていたら、危うく乗り損なうところだった。
座席は1号車5番A席で、他に客は一人だけだった。
これじゃ近いうちに廃止になってもおかしくない。
同じ区間を走る「北越」に客を取られているのかも知れない。
車中ではムースポッキーを喰いながら、車窓に映る日本海などを楽しむ。
10:45直江津到着、ここでの取材時間は133分、
この間に自分が乗ってきた「みのり」や「はくたか」、「北越」などの特急車両、
北越急行ほくほく線HK100系、
月光型昼夜兼用特急電車を改造して生まれた419系等を撮影する。
直江津は以前土日きっぷの旅で一度取材しているが、今回は時間をかけて丹念に取材する。
改札の外で駅舎を取材していたら、189系の臨時列車が入線しているのが見えた。
はまかいじ用183系と同色のダークグリーンの窓枠ラインの車両だ。
慌てて再入場して撮影する。
ヘッドマークには「信越リレー妙高号」と描かれている臨時列車らしい。
これは全く予定していなかった収穫だった。
待ち時間に自販機で缶コーヒー120円を買って、待合室で寒さを凌ぐ。
駅で売り子のおばさんから弁当を買う。
ホテルセンチュリーイカヤで作っている弁当で、
おばさんが全部の弁当についていろいろと説明してくれた。
その中で「越後の四季」という弁1,050円を買い、自販機で緑茶300ml150円買い、
00:58着の「北越2号」で再び長岡に戻る。
「北越」の方が止まる駅が少ない分、早く着く。
乗車時間は48分で座席は1号車7番A席。行きの「みのり」と違ってかなり混んでいる。
乗車率は8割5分といったところか・・・。
この車両はクロハ481だった。13:46長岡に着く。

※写真:弁当「越後の四季」 撮影時刻 2002/02/10 13:06:44

Date: 28 Feb 2002 23:35:46


 11.燕三条

再び長岡で取材開始。
今回の滞在時間は27分で、その間に非リニューアルタイプの485系「北越」やラッセル車などを撮影し、
行きに撮影出来なかった東口の撮影をする。
滅茶苦茶時間がなく、東口の撮影のあと、走って何とか新幹線ホームまで上がる。
ついでに息まで上がってしまった。
何とか14:13長岡発の「あさひ403号」に間に合う。
200系非リニューアル車だった。
指定席券では新潟まで行くことになっているが、
それだと新潟滞在時間が7分しかなくなり、
とても外に出て駅舎の取材をする時間がない。
そこで今回は燕三条で下車し、ここの駅舎の取材をする。
燕三条はもともと弥彦線という単線の小さな駅だったが、
その弥彦線を跨ぐように新幹線が通ったため、今ではとても立派な駅ビルが建っている。
燕三条の辺りは関越自動車道と並行して走っていて、
関越を新潟に向かって走っているとちょうど新幹線と競争するような感じになる、
とても走っていて気持ちの良いところだ。
しかし新幹線の駅を降りても周りにこれと行った遊び場はないようである。
もともと単線の田舎駅だったところなので、それは仕方がないだろう。
実際、燕三条駅は新幹線に合わせて造られていて、
その片隅におまけのように弥彦線のホームがある。
しかもこの弥彦線は一日15本しか列車がなく、
しかも取材時間とちょうどかち合う14:31の東三条行きは、
「土曜日運転(但し、休日及び8/1〜8/31・12/30〜1/3は運転しません)」とある。
とほほ・・・。
結局弥彦線の取材は出来ず仕舞いだった。
34分かけて燕三条を取材し、14:58燕三条発の「Maxあさひ320号」で越後湯沢を目指す。
2階6号車21番E席だった。

※写真:弥彦線の駅案内板 撮影時刻 2002/02/10 14:37:55

Date: 28 Feb 2002 23:37:44


 12.ガーラ湯沢

燕三条から乗った「Maxあさひ320号」はE1系だった。
38分で越後湯沢に着く。
ここで50分の取材。
越後湯沢も以前土日きっぷの旅出来たことがあるが、改めて駅舎の取材などをする。
JR西日本の旧タイプの485系「はくたか」が入線してきたが、
既にヘッドマークを「回送」にしていたため、良い写真にはならなかった。
このあと「たにがわ447号」でガーラ湯沢へと向かう。
今回の旅で、・・・というより、土日きっぷの旅、三連休パスの旅に於いて、
初めて指定席券を取らずに新幹線に乗るのがこの「たにがわ477号」だ。
越後湯沢からガーラ湯沢までの所要時間は約3分だし、
たとえ滅茶苦茶混んでいてもデッキにいれば何とかなると思っていたのだが、
目論見は逆の意味で大きく外れた。
滅茶苦茶空いていたのである。
飛び乗った自由席には他に客が一人だけ。
殆ど回送車両のようで、駅の電光掲示板にも案内が出ない程だ。
アッと云う間にガーラ湯沢に着く。
ここで降りたのは5人くらいだった。
改札を出ようとしても自動改札はすべて入場専用になっていて、
係りのお姉さんの誘導で「裏が白いきっぷ」を持っている人や、
身体障害者のための改札ゲートから出る。
ガーラ湯沢での滞在時間は32分。
駅舎の裏側を撮影し、ゴンドラの様子なども撮る。
今度は階段を下りて駅舎の表側に出て、
駅舎全景を何とかとらえられるところまで道を降りて撮影する。
乗ってきた「たにがわ447号」は、そのまま東京行きの「たにがわ450号」になる。
200系非リニューアル車だ。
これに乗って東京へ帰る。
座席は8号車1番E席で、ガーラで滑ったスキー客で車内はごったがいしていた。
越後湯沢で更に多くのスキー客が乗り込んできた。
車内アナウンスで指定席、グリーン席とも既にsold outだと聞く。
99分の旅で東京を目指す。

※写真:塗装の剥がれかけたところもあるガーラ湯沢のマーク 撮影時刻 2002/02/10 16:55:17

Date: 28 Feb 2002 23:40:53


 13.初体験

ガーラ湯沢始発の「たにがわ450号」の車中、
車内販売でフレッシュサンド500円とお茶350ml170円買って、摘みながら帰る。
18:40東京に着く。
東京駅地下ホームに移動し、乗り換え時間23分で、「成田エクスプレス43号」に乗り込む。
実は成田エクスプレスに乗るのは今回が初めて。
総武本線経由で東京から成田まで運行されていて、
よく千葉駅などでも見かけるのだが、今まで一度も乗ったことはなかった。
成田空港から飛行機に乗ったことがないので当然かも知れない。
しかし今回は敢えて成田エクスプレスに乗り込み、最初の停車駅である千葉まで行く。
この特急は4人掛けの対座シートになっている。
近年の特急車両では珍しい。
車内の乗車率は3割りくらいだったが、一人で乗った客を一ヶ所に集められたため、
ガラガラの車内で見知らぬ3人が顔を突き合わせる結果になってしまった。
検札に来た車掌の計らいで、別の席に移動する。
車内は車体同様赤と黒を基調にして造られ、網棚も航空機と同様ボックスタイプになっている。
千葉まで27分、7:30p.m.には千葉に着く。
総武線で幕張まで戻る。
スリーエフで明日のためのムースポッキーを買って、家に帰る。

※写真:東京駅に入線する成田エクスプレス 撮影時刻 2002/02/10 19:16:37

Date: 28 Feb 2002 23:41:53


 14.上野に新幹線ホームがある理由

0泊3日の旅、最終日は午前中仙台の新幹線基地「仙台総合運転所」を見学し、
午後から角館へ行く予定である。
06:19の中野行きで津田沼まで出て、06:35の快速で東京へ行く。
総武線快速・横須賀専用の地下ホームから一気に新幹線ホームまで駆け上がり、
ホームの売店で朝食としてかつ弁(とんかつ弁当)650円と缶ビール350ml230円買う。
毎日同じ新幹線のホームで弁当を買っていると、もう買うものがなくなってきてしまう。
07:20発の「Maxやまびこ113号」で仙台を目指す。
東京を出ると大宮、福島しか停まらずに仙台まで行く。
上野に停まらないというのは何とも気持ちのいいものだ。
上野は新幹線が大宮から東京エリアまで乗り入れる時に暫定的に作った駅で、
東海道新幹線との接続が悪く、
東京駅に東北・上越新幹線が接続するようになってからも仕方なく停車している駅である。
東京から山手線、京浜東北線各駅停車でも4駅である。
わざわざ新幹線が止まるような距離ではない。
勿論高崎線や常磐線などの接続では上野の方が便利なのかも知れないが・・・。
福島で接続していた山形新幹線「つはさ」の400系を切り離し、仙台まで向かう。
切り離し風景を撮影しようと思ったが、
慌てていたために露出などの設定をフルオートにせずにそのままシャッターを押してしまい、
ぼやけた写真になってしまった。
09:15、「Maxやまびこ113号」は仙台のホームに滑り込む。
何時もの「萩の月」の看板が新幹線の客を迎え入れる。
乗り換え時間10分で利府行きの東北本線に乗り込む。

※写真:かつ弁とビール 撮影時刻 2002/02/11 07:24:56

Date: 28 Feb 2002 23:44:06


 15.仙台総合運転所の休日

仙台から利府までは701系に乗って約19分。
途中、在来線の車両基地が見え、そして岩切以降では新幹線の車両基地が見える。
利府で降りて駅取材してから仙台総合運転所を目指す。
JR東日本仙台支社のホームページには徒歩20分と書かれていたが、
確かに散歩するにはちょっと息が上がるくらいの距離であった。
途中迷うが、とにかく線路沿いだと思い、線路の方に向かって歩いていったらあった。
受付で名前を書いて早速入場する。
しかし今日は休日で、当然工場の方も休みなので、
展示スペースと外に野ざらしになっている200系旧塗色車とSL3両だけが見学出来るという。
つまり工場の中には入れないのだ。
これでは何のために来たのか分からない。
展示スペースも殆ど人がおらず、休日出勤の職員が寂しげにオレンジカードを売っていた。
展示スペースは殆ど見るものもなく、記念スタンプだけを押して出てくる。
200系非リニューアル車は運転席の中にまで入れたが、
考えてみれば高校時代、バイトで東海道新幹線の運転席に入れて貰ったことがあるので、初めての経験ではない。
システムは多少違うのかも知れないが、
今から考えるとレトロな最新設備が哀愁を感じさせる作りは一緒である。
ここで少し写真を撮って、あとはSL3両を撮影する。
これは新幹線以上に塗装が剥げていて惨めな車両である。
D51 1108号機、C58 365号機、C11 351号機と撮影する。
ここは博物館でないのだから、展示車両のメンテナンスまで行き届かないのかも知れないが、
それにしても車両のメンテナンスのプロが集う総合運転所にしてはあまりにも惨めである。
悲しい気分のままここを後にした。
正味10分であった。

※写真:仙台総合運転所全景 撮影時刻 2002/02/11 10:44:57

Date: 28 Feb 2002 23:45:47


 16.電気機関車の墓場

ここを出てからJRの車両工場を跨ぐように自動車道路が走っているのを目にして、
この陸橋の歩道から撮影しようと思った。
冬とはいえ、かなり汗をかく。
望遠も一眼レフ換算で90mm程度なのでさほどはっきりとは撮れないが、それでもいい写真が撮れた。
そのまま陸橋を反対側まで歩き、利府駅まで歩いて戻る。
結構な距離だった。
途中粉雪が舞っていた。
今日は雪には降られないだろうと思ったが、そうはいかないようだ。
利府駅で下車する時に古い電気機関車がいっぱい止まっていたのを目にして、
帰りにあれを撮影しようと思っていた。
ベンチでちょっとだけ休んで早速入場する。
綺麗に塗色されているのはED78 1号機のみで、後は雨晒しのままである。
後で雑誌「鉄道ファン3月号」を見て知ったのだが、
これはマニアの有志が寄付を募り、手弁当で塗装をやり直したそうである。
やはり交流電気機関車の、しかも1号機とならば本来ならば博物館で保存されるべき車両で、
それをこうして終着駅に留置しておくのは何とも忍びがたいという思いは、鉄道ファンならば当然であろう。
この雑誌によると他の車両はまだ未定だが、
今後とも保存運動は続けていくとのこと。
他にED77 1号機、EF71 1号機、ED75 1号機、ED71 1号機、
ディーゼル機関車DD15 4号機も止まっていた。
さらには朽ち果てて形式称号の表示さえなくなっているものもあった。
まさしく電気機関車の墓場といった感じだ。
長年の功労を称えて廃車になった後もスクラップにせずにここの留置してあるのだろうが、
出来ればもう少しメンテナンスにも気を配ってほしいと思う。
ここの駅を利用する人たちにとっては見慣れた風景になってしまっているのかも知れないが、
長年の功績を知っているものにとってはその老後はあまりにも悲しすぎる仕打ちだ。

※写真:形式基盤表示まで朽ち落ちた電気機関車 撮影時刻 2002/02/11 11:16:06

Date: 28 Feb 2002 23:48:43


 17.緊急仙台取材

本来なら仙台総合運転所で1時間半の見学時間を取っていたが、
結局10分で出てきてしまったので、予定より1本早い11:13の岩切行きに乗り、
岩切で小牛田方面から来た車両に乗り換える。
乗り換えの時に岩切駅の駅舎の撮影をしたのだが、
慌てていて露出がうまくいかずに失敗してしまった。
仙台に戻ったら1時間近く余裕が出来たので、急遽仙台駅の取材をする。
あおば通りと続く中央口、南町通りに続く西口、Laoxとヨドバシカメラが競う東口などを撮影する。
ここで仙台駅の取材を終え、駅の構内でとうほく人情味弁当950円買い、
kioskで缶ビール350ml230円買って新幹線に乗り込む。
12:45仙台発の秋田新幹線「こまち11号」で角館を目指す。
乗車時間は95分、座席は12号車11番A席だった。
角館は今回の旅の最後の取材地である。

※写真:とうほく人情弁当とビール 撮影時刻 2002/02/11 12:52:03

Date: 28 Feb 2002 23:50:23


 18.極寒の角館

12:45に仙台を出た「こまち11号」は、古川を超える頃になって車窓が一変し、辺り一面雪景色になった。
車中で昼食にとうほく人情味弁当を喰い、最終日だと思って調子コイてビールまで飲んでしまう。
車中でポッキー冬の口づけ喰いながら角館を目指す。
盛岡を越える頃には雪も降り出して、豪雪地帯を突き進んでいく感じになった。
14:20角館に着く。
下車して途方に暮れた。
駅前は雪が降り積もり、ロータリーにも雪が積もっていて地面が見えていない。
しかも吹雪いている。
こんな中で写真を撮らなければならないのか・・・。
途方に暮れながらも滞在時間は41分しかないので、カメラを雪から庇いながら撮影を開始する。
ちょっと出るだけで体中に雪が降り積もる。
そんな中で何とか角館駅舎と、接続している秋田内陸縦貫鉄道の駅舎を取材する。
売店でおみやげとして角館麦酒470円と車内で飲むための生茶のペットボトル140円+7買う。
ホームに入場してから内陸線の車両AN-8800系の撮影などする。
帰りの新幹線は15:01角館発の予定だったが、雪の影響で少し遅れているらしい。
雪に強く作られている秋田新幹線が遅れるくらいなのだから相当な雪なのだろう。
211分掛けて東京を目指す。
盛岡、仙台では6分遅れで到着した。
東京では13分の乗り換え時間で「しおさい11号」に乗らなければならない。
13分遅れだと乗り換え時間が7分になってしまう。
それだと地下の総武線快速・横須賀線のホームまで行くのに時間がなくなってしまう。
うっかりすると乗り遅れてしまう。
がんばれ「こまち」!・・・というか、先頭を走っているのは「やまびこ」なのだが・・・。
大宮では2分遅れ、上野では定刻通りに到着した。
良くやった、「こまち」・・・というか、「やまびこ」!
東京にも当然定刻通りに着く。
地下ホームで「さざなみ11号」に乗り千葉まで行く。
クハ183で、デッキから客室に入るドアも手動式という古い車両だった。

※写真:吹雪の角館駅 撮影時刻 2002/02/11 14:51:29

Date: 28 Feb 2002 23:52:07


 19.奇跡〜もうひとつの雪物語のための序章〜

東京駅から乗った「しおさい11号」は15:19に千葉に着く。
座席は1号車5番A席だった。
千葉から各駅停車で幕張まで戻る。
幕張まで戻り、駅の改札口を出るとパラパラと雪が降り始めた。
最初は雨と思っていたが、よく見ると雪だった。
奇跡だった。
天気予報では今日は快晴になっていた筈なのだ。
それなのに雪がふるとは・・・。
千葉で乗り換えた時は雪などは欠片もなかった。
それなのに幕張で降りた時に急に雪が降り始めるとは・・・。
きっと林檎乃麗の雪物語はまだ終わりになっていないということなのだろう。
家に帰って雪の写真を撮ろうと思ったら既にやんでいた。
林檎乃麗の雪物語はまだ終わっていない。
3月にあらたなる旅に出るのだ。

Date: 28 Feb 2002 23:52:44



 ※「テーマの果実の樹」2002年2月テーマ「雪物語」より改題及び改稿

初出:ASAHIネットの電子フォーラム、serori・network「テーマの果実の樹」





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