2002年僕の夏休み



 1.ぼくのなつやすみ

勤めている会社が9月末で解散し、
同業他社に吸収合併されることになった。
そのため、7月から9月の土日に研修が入るかも知れないので、
旅行などの予定は入れないようにと、
6月のある朝礼で事業本部長が云った。
冗談じゃない!
それじゃ、3ヶ月も鉄道取材に行けないじゃないか!
しかも新会社に移行してからの勤務先も、
それから勤務シフトも全く分からないので、
9月までは10月以降の予定は立てられない。
これじゃ、半年何処にも行くなと云っているのと同じじゃないか。
上司などからいろいろと情報を収集し、
研修はたぶんお盆明けであるという結論に達し、
8月の第一週に旅行の予定を入れてしまうことにした。

7月3日水曜日、
勤務中に浮間舟渡駅のみどりの窓口に行って、
8月3日4日の土日きっぷスペシャルを購入し、
3日分の指定席も取る。
この日のメインは上野から水上まで行くEL&SL奥利根号である。
上野から高崎までは電気機関車で客車牽引し、
高崎から水上まではD51が牽引する。
この指定席が取れるかどうか心配だったので、
発売日の10:00a.m.に間に合うように仕事を調整し、
・・・というか、勝手に浮間舟渡方面の用事をでっち上げて会社を出てきて、
発売時間すぐに指定席を取る。
計画通り行動し、予定通り全ての指定席が取れた。

6:28幕張→総武緩行線→6:40船橋
6:52船橋→あずさ51号→7:13秋葉原
7:19秋葉原→京浜東北線→7:22上野
7:58上野→EL&SL奥利根号→12:01水上
13:33水上→上越線1741M→14:53浦佐
15:24浦佐→Maxあさひ320号→16:04高崎
7:42高崎→新特急水上8号→19:00上野
19:09上野→京浜東北線→19:16東京
19:45東京→しおさい13号→20:17千葉

4日分は翌日になって再び浮間舟渡駅で取る。
日曜日は土日きっぷで行ける最南端・・・というか、
JR東日本管区の最南端、伊東線伊東と、
本来はJR東海管区の飯田線を走る109系を撮りに行く。
午前中は熱海、伊東と、午後からは上諏訪、岡谷と、
海と山の旅を一日に経験する旅になる。

6:00幕張→総武緩行線→6:09千葉
6:25千葉→総武快速線→7:03東京
7:18東京→ワイドビュー東海1号→8:41熱海
9:35熱海→伊東線5636M→9:58伊東
10:55伊東→スーパービュー踊り子2号→12:36東京
12:47東京→中央快速線→3:02新宿
14:00新宿→スーパーあずさ9号→16:06上諏訪
16:26上諏訪→飯田線572M→16:35岡谷
17:13岡谷→スーパーあずさ12号→19:36新宿
19:42新宿→成田エクスプレス45号→20:37千葉

4日も全て予定通りの指定席が取れた。
前日にコンビニでMEN'Sポッキーも購入し、
これで当日決行するだけである。
ぼくのなつやすみは、8月3日早朝から始まった。

Date: 11 Aug 2002 21:53:50


 2.EL&SL奥利根号EL編

当初の予定では6:28の上り電車で船橋まで出て、
ここで「あずさ51号」に乗る予定だったが、
思ったより早く支度が出来たので、
6:05a.m.に家を出て、
6:17千葉行きで千葉まで行き、
ここで西口取材をして、
千葉から「あずさ51号」に乗る。
しかし指定席は船橋からしか取ってなかったので、自由席に座る。
思ったより混んでいた。
やはり夏休みだからだろうか。
途中で指定席には移らず、そのまま秋葉原まで行く。
京浜東北線で上野まで出て、
少し時間があったので下のホームで特急車両を取材する。
普段は乗車券がないと入場できないが、
「土日きっぷ」があるのでそれを見せて入場する。
フレッシュひたちやスーパーひたちなどを取材し、
EL&SL奥利根号出発の3分前になって、
下のホームに入線していないのがおかしいと気付き、
あわてて上野ホームに行く。
9番線に既に入線している。
牽引の電気機関車を取材する時間もなく、
また朝食の弁当を買う余裕もなく、
あわててEL&SL奥利根号に乗り込む。
指定席は6号車13番A席で、
6両編成なので下りの場合は牽引機関車のすぐ後ろの車両となる。
みんな代わる代わる牽引しているELを見に来ていた。
牽引している車両はEF60で、
この車両を見るのは初めて。
ここまで朝起きてから何も口にしていない。
昨日買っておいたMEN'Sポッキーで何とか飢えを凌ぐ。
折角旅行に来ているのに何でこんな惨めな思いをしなければならないのだ。
EL&SL奥利根号が大宮駅で3分間停車したので、
この隙にNEWDAYSでサンドイッチと生茶のペットボトルを買う。
9:49にはEL&SL奥利根号は高崎に着く。
電気機関車EF60の牽引は高崎線区間まで。
ここで蒸気機関車D51に牽引機関車を付け替える。
さすがに蒸気機関車を都心に乗り入れるわけにはいかないし、
上野駅で煙や蒸気を吹き上げたのでは大顰蹙だ。
そこで高崎線区間は電気機関車に牽引させ、
ここで蒸気機関車に付け替えて上越線に入る。
いよいよここからD51牽引の旅の始まりである。
10:00EL&SL奥利根号は再び走り出した。
煙突から黒煙を吐き、
車体下からは蒸気を吐き出し、
ボォーッという警笛を鳴らして!

※写真:高崎駅で付け替え作業を行う電気機関車 撮影時刻 2002/08/03 09:53:56

Date: 11 Aug 2002 21:56:01


 3.EL&SL奥利根号SL編

牽引してきた電気機関車EF60型19号機と別れを告げ、
蒸気機関車D51型498号機に付け替えたEL&SL奥利根号は、
2時間かけて水上を目指す。
新前橋を出たところで、
マヤ検等に替わって最近デビューした軌道総合試験車、
E491系「East-i-E」と一瞬すれ違う。
これは在来線の交直流電化区間線用の総合軌道検測車で、
今年になって新幹線用のE926系に次いで造られた。
しかし一瞬だったので勿論写真を撮ることはおろか、
きちんと確認することさえ出来なかった。
途中、渋川駅で15分ほど停車する。
この間にみんなは機関車を撮りに集まっているが、
おいらは下車して駅取材する。
上越線のダイヤが少し遅れていて、
新特急リゾート草津の到着を待って約10分遅れて渋川を出発した。
12:01水上に到着する。
ここで牽引してきたD51を切り離す。
客車は機関車を切り離した形でここに留置される。
帰りの出発時にはD51を反対側に接続し、
高崎を目指してた上越線を上っていく。
ここで1時間32分、水上の街を取材する。
水上は観光地として有名な場所ではあるが、
駅近くの「大宮」というホテルは既に閉鎖されていて、廃ホテルになっている。
駅前には何軒かのおみやげ屋や飲食店があるが、
それ程の数はなく、
駅前からバスやタクシーに乗って移動する客が殆どである。
駅前の取材をしてから、
客車を切り離し、整備中のD51を取材する。
D51はここで整備を受けて、
転車台で方向を変え、
水上駅に留置されているEL&SL奥利根号を高崎まで牽引していく。
何人かはこの場所を知っていて、ここで写真を撮っている。
ここで写真を撮っていたため、
昼食を喰っている暇がなくなってしまう。
仕方がないので駅のkioskでおにぎりと生茶を買って、
浦佐へ向かう上越線の中で喰うことにする。
水上から長岡行き下りの上越線が出るのは13:33。
15分前にならないと改札は開かない。
思ったよりも待合室にいる客は多く、
並んでいる列は待合室を出て外まで続いている。
途中待合室にオニヤンマが紛れ込んできた。
体長は20cm近く、みんな一斉に「おお!でけぇ〜!」と叫んでいた。
改札が開く前に、
14系客車「ゆとり」や485系「ニューなのはな」などの
ジョイフルトレインが続いて入線してきた。
その前に勿論新特急「水上」も入線してきたが、
15分前でないと入場できないので、
改札越しにちらっと撮るしかできなかった。
15分前になって改札は開場し、
約15分並んで上越線の115系が入線してきた。
並んだおかげでボックスシートに座ることが出来た。
水上止まり出来た客も後ろに並んでいたため、
席は全て埋まり、立ち客も出たほどだった。

※写真:窓越しに見たD51が揚げる黒煙 撮影時刻 2002/08/03 11:36:29


Date: 11 Aug 2002 21:58:04

 4.再会

13:33水上を出た上越線は、1時間20分掛けて浦佐へ向かう。
水上を出るとすぐにトンネルに入り、
湯桧曽、土合という駅はトンネル内駅であり、
湯桧曽から土合まではループ上になっている。
しかしトンネルの中で風景が分かるわけではないので、
期待していたほどのこともなかった。
それに車内も混んでいるのであまり一人ではしゃいでいるわけにも行かない。
旅行をしているというよりも、
寧ろ通勤電車に乗っているという感じだった。
確かに115系は通勤車両としても使われていて、
115系は山岳路線対応だが、
平地路線用の113系はE217系が総武快速線に投入される前は、
良く乗っていた車両なので、
どうしても旅行気分に今ひとつ浸れない。
キオスクで買ったおにぎりを食ったがちっともお腹がいっぱいにならず、
越後湯沢で14分間の停車時間があったので、
ここで駅売店まで走り、雪国弁当\800買って車内で喰う。
越後湯沢を出て約20分、目的地の浦佐に着く。
ここで約30分間、上りの新幹線を待つ間、駅取材する。
駅取材を終えて、待合室で待つ間に自販機でアイス買って喰う。
アイスも中のスイッチを押したのに、
出てきたのはバニラバーだった。
まあ、別にいいけれどね・・・。
15:24Maxあさひ320号で高崎まで行く。
上越新幹線の愛称名は、
今年12月のダイヤ改正から「とき」に変更される。
「あさひ」の愛称名の新幹線に乗るのはこれが最後かも知れない。
16:04高崎に到着し、
在来線や上信電鉄の取材などをしながら、
水上を出たEL&SL奥利根号を待つ。
改札の外に出て駅取材した後、
上伸電鉄の留置線に止めてあったデキなども取材する。
高崎で牽引してきたD51を外し、
電気機関車EF60を付け替えて東京に向かうEL&SL奥利根号の取材する。
17:42の新特急水上8号で上野に戻り、
上野駅でエルムの取材などして東京まで行き、
19:45のしおさい13号で千葉まで行き、
20:23の三鷹行きで帰る。
こうして土日きっぷの旅一日目は終わった。

※写真:高崎駅に停車中のD51型蒸気機関車 撮影時刻 2002/08/03 17:15:42

Date: 11 Aug 2002 21:59:22


 5.海へ−熱海、伊東への旅

土日きっぷの旅二日目は予定通り5:55a.m.に家を出て、
6:00の千葉行きで千葉まで出て、快速で東京へ。
15分の乗り換え時間で東京発静岡行きの東海1号で熱海を目指す。
昨日とは替わって今日は朝から曇っていて、
伊豆半島は少し霧も出てていた。
ホームのあ文字屋ですこやか弁当\800と缶ビール350ml\230買い、
熱海を目指す車中で喰う。
「JR東京総合病院の内分泌内科のドクターと管理栄養士の
ご支援のもと、NREのシェフが贈る一品です。」とある。
第6次改定日本人の栄養所要量(生活活動強度II)より、
一般成人1人1日の栄養所要量に対する比較で、
総エネルギーで2000Kcalに対して446Kcal、
食塩摂取目標量(10g未満)「健康日本21」より
10gに対して2.7gとある。
確かに薄味で体には良さそうだが、
一緒にビールを飲んでたんじゃ何にもならないような気がする(^_^;)
8:41に熱海に着き、ここで伊豆急の車両などを取材し、駅取材する。
予定では9:35の始発普通電車で伊東を目指す予定だったが、
東京から来た9:26の2扉車が座れそうだったのでこれに乗る。
東京駅でも電光掲示板に伊東行き2扉車とあって、
もしかしたら165系列かなと思ったが、185系が入線してきた。
特急「踊り子」にも使用している車両を普通車にも使っているとは・・・。
伊東では1時間の取材時間があったので、
駅前だけではなく砂浜まで行って写真を撮ってくる。
ただし陽が出ていないので、
今ひとつ浜辺の写真としてはも練り上がりにかけるような気がする。
帰りは10:55発のスーパービュー踊り子2号で東京まで戻る。
251系に乗ったのは初めてである。
天井近くまで延びた窓が伊豆半島の海岸沿いの見晴らしを良くしている。
12:36東京駅に滑り込む。
午後の予定は14:00新宿発のスーパーあずさに乗るので、
1時間半近く時間がある。
いったん外に出て、丸の内側の駅舎の取材をする。
東京駅って良く来るのだが、
改めて駅舎の取材をするということはなかなかない。
13:13豊田行きの中央快速線で新宿へ向かう。

※写真:伊東のビーチの様子 撮影時刻 2002/08/04 10:02:38

Date: 11 Aug 2002 22:03:00


 6.山へ−上諏訪、岡谷への旅

中央快速線で新宿駅に着く。
まだ予定していたスーパーあずさ9号は入線していなかった。
ここでは特に取材したい対象もないので、
駅の中をうろうろする。
ジョイフルトレイン「華」や「宴」も見かける。
駅の日食田中屋であずさ弁当\1,000、生ビール500ml\300買い、車内で喰う。
新宿から2時間6分掛けて上諏訪まで向かう。
途中ビールの酔いもあって微かな微睡みに誘われる。
16:06に上諏訪に着く。
午後から上諏訪まで来たのは、
JR東海に所属している119系を撮りに来たのだ。
飯田線は愛知県豊橋市から天竜峡を経由し、
中央東線の岡谷までを繋ぐ路線だが、
編成によっては上諏訪まで乗り入れている。
上諏訪で飯田線の119系に乗り、岡谷まで行く。
その前に駅取材する。
本当は上諏訪駅にある足湯を体験したかったが、
そんな時間は全然なかった。
上諏訪には温泉の足湯があり、
誰でも無料で入ることが出来るのである。
119系で2駅、9分掛けて岡谷まで行く。
ここで帰りのスーパーあずさ12号を待つ間に駅取材する。
岡谷でも取材に時間を取られて慌てて飛び乗り、
2時間23分掛けて新宿まで戻る。
新宿到着は19:36で、19:42の成田エクスプレスで千葉まで行く。
乗り換え時間は6分だが、
実際には電車を降りてから混雑した階段を上り、
となりのホームの成田エクスプレスに乗るのには時間がなかった。
発車のベルが鳴っている成田エクスプレスの最後尾に慌てて飛び乗り、
何とか発車時間に間に合う。
夏休みに入っているせいか、
前回乗ったよりはかなり混んでいた。
東京駅で横浜方面から来た車両と連結作業をする。
途中車窓から雨を見かけたが、
幕張で下車した時には雨は止んでいた。

※写真:上諏訪駅に停車中の119系 撮影時刻 2002/08/04 16:23:52

Date: 11 Aug 2002 22:04:31

 ※「テーマの果実の樹」2002年8月テーマ「夏休み」より改題及び改稿

初出:ASAHIネットの電子フォーラム、serori・network「テーマの果実の樹」





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